まゐ)” の例文
旧字:
誠に有難ありがたい事で、わたくしもホツといきいて、それから二の一ばん汽車きしや京都きやうと御随行ごずゐかうをいたして木屋町きやちやう吉富楼よしとみろうといふうちまゐりました
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
小生、今朝こんてうふと応接室へまゐり候所、この影のうすき少女、とうのテエブルの上へのしかかり、熱心に「けふの自習課題」を読み居り候。
伊東から (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
若し、マヰリクラクモと訓むとすると、「ふる雪を腰になづみてまゐり来ししるしもあるか年のはじめに」(巻十九・四二三〇)が参考となる歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
初卯はつう母様おつかさん腰元こしもとを二人れて、まち卯辰うたつはう天神様てんじんさまへおまゐンなすつて、晩方ばんがたかへつてらつしやつた、ちやうど川向かはむかふの、いまさるところ
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『お前なぞは男だから、成長おほきくなつたら、いくらでもお墓まゐりが出来るけれど、わたしなどは女だから、ねえおつかさん。……でも、一生に一度はおまゐりしたい!』
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
元久二年七月廿八日みちより和哥所わかどころまゐる、家隆朝臣かりうあそん唐櫃二合からひつふたつ取寄とりよせらる、○破子わりごうり土器かはらけ酒等さけとうあり
此に於て竹葉上に点々てん/\したたれる所のつゐめ、以て漸くかつす、吉田署長病再発さいはつあゆむにへず、つゐに他の三名と共に帰途きとかる、行者まゐり三人も亦こころさびしくやなりけん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
いづれの家でも、梟の限りは、十三日にはならの木の葉をまゐて、爾迦夷上人さまにさしあげるといふことをやるぢゃ、これは爾迦夷さまが楢の木にお棲ひなされたからぢゃ。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
あやまつた/\いまのはみんなうそうして中村なかむら令嬢れいぢやう千代子君ちよこくんともいはれるひとがそんな御注文ちうもんをなさらうはずがない良之助りやうのすけたしかにうけたまはつてまゐつたものは。ようございますなにりません。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けふ此頃このごろとりまちまゐりて、エンギを申候まうじそろものにこの意義いぎありや、この愛敬あいきやうありや。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
馬酔木あしび咲く春日の宮のまゐ蝙蝠傘かうもり催合もやひ子ら日暮なり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
昨日さくじつは見舞がてらに本宅の御母様おんははさままゐられ候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まゐまかンづる顔のみぞ変れる
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あゝ好し、きさいまゐる。
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
上野うへの戦争後せんそうご徳川様とくがはさま瓦解ぐわかい相成あひなりましたので、士族しぞくさんがたみな夫々それ/″\御商売ごしやうばいをお始めなすつたが、おれなさらぬからうまくはまゐりませぬ。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
たゞかたちばかり、何時いつ何処いづくでも、貴方あなたおもとき其処そこる、ねんずるときぐにへます、おあそばせばまゐられます。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
元久二年七月廿八日みちより和哥所わかどころまゐる、家隆朝臣かりうあそん唐櫃二合からひつふたつ取寄とりよせらる、○破子わりごうり土器かはらけ酒等さけとうあり
こんな天気のいゝ時だとおもおこそろは、小生せうせいのいさゝかたぬことあれば、いつも綾瀬あやせ土手どてまゐりて、ける草の上にはて寝転ねころびながら、青きは動かず白きはとゞまらぬ雲をながめて
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
病漸次にきたり以後つね強健けうけんなりき、人夫等皆之をとし恐喜ところを知らざるが如し、昨朝帰途きときし三人の行者まゐりをしてらしめば、其よろこび果して如何いかなりしか、おもへばいたりなり
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
とほる広き芝生のまゐは玉敷きならし目もすまの照り
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もこがすなる勿体もつたいなけれど何事なにごとまれお腹立はらだちて足踏あしぶみふつになさらずはれもらにまゐるまじねがふもつらけれど火水ひみづほどなかわろくならばなか/\に心安こゝろやすかるべしよし今日けふよりはおにもかゝらじものもいはじおさはらばそれが本望ほんまうぞとてひざにつきつめし曲尺ものさしゆるめるとともとなりこゑ
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これからたくかへつて支度したくをしてうち長家ながやの者も追々おひ/\くやみにる、差配人さはいにん葬式さうしき施主せしゆ出来できたのでおほきに喜び提灯ちやうちんけてやつてまゐ
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
鉄砲疵てツぱうきづのございますさるだの、貴僧あなたあしつた五位鷺ごゐさぎ種々いろ/\ものゆあみにまゐりますから足痕あしあとがけみち出来できますくらゐきツそれいたのでございませう。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
電話機械でんわきかいといふものが始めてまゐつた時に、たがひかけやうを知らぬから、両方で話をしようと思つても、うしてもわからなかつたといふ。
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
(いえ、おうかゞまをしますまでもございませんが、みち矢張やツぱりこれを素直まツすぐまゐるのでございませうな。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まゐりましたところ堺町さかひちやうでうきたまちといふ、大層たいそうづかしい町名ちやうめいでございまして、里見さとみちうらうといふ此頃このごろ新築しんちくをした立派りつぱうち
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
こんな辺鄙へんぴ温泉をんせんまゐつたのも、じつわすれられない可懐なつかしいたゝめです。何処どこらんが、木像もくざうは、ちゝ土地とちからつてかへつたとふぢやありませんか。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先日せんじつ歳暮せいぼまゐつたらまつうめ地紋ぢもんのある蘆屋あしやかま竹自在たけじざいつて、交趾かうちかめ香合かうがふ仁清にんせい宝尽たからづくしの水指みづさしといふので一ぷく頂戴ちやうだいしました。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしは、山越やまごえ信州しんしうまゐりますものですが旅籠はたごのございますところまではくらゐございませう。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところ或時あるときの事でシヽリーのうちで、だいばん学者がくしやといふ、シロクシナスといふお精霊様しやうりやうさま茄子なすのやうな人がまゐりまして、わうにお目通めどほりを願ひますると
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
『へい、いゝえ山深やまふかまゐつたのが、近廻ちかまはりへ引上ひきあげてたでござります。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふので、レツシング先生或時あるとき、机の上へ金銀かねをバラ/″\散らかしたまゝ、スーツと友達のうちへやつてまゐり、レ
……義兄にいさんがおこゝろづくしの丸薬おくすりですわね。……わたし最初さいしよ見舞みまひつたとき、ことづかつてまゐりました……あのくすりを、お婿むこさんのから、葡萄酒ぶだうしゆちひさな硝子盃コツプあがるんだつて、——えゝ、先刻さつき……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
するとつゞいてお姫様ひめさま玄関げんくわんまで追掛おつかけまゐられて、円朝わたくし喚留よびとめたがうもりゝ々しくツて、なんとなく身体からだちゞあがり、わたくししばられでもするかと思ひました。姫
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それからわたし、あの、梅林ばいりんのあるところまゐりました。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みな其処そこに寄り集まつておとほりの時刻じこくつてりますので、うちもくずしが出たり種々しゆ/″\御馳走ごちそうますうちにチヨン/\と拍子木ひやうしぎを打つてまゐりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
つてまゐりますよ。」
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へえゝ綺麗きれいなもんですなア、私共わたしども家内かないは、時々とき/″\わたし貴方あなたところへお療治れうぢまゐつてるとむかひにた事もありますが、わたし女房にようばうは今のやうなをんなですか。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まゐるぞ。」
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにね新入しんまい乞食こじきまゐりまして、ソノ負傷けがをしたからお煙草たばこ粉末こないたゞきたいつて……。主「うか、乞食こじきか……ちな/\、いま乃公おれが見てるから……。 ...
フヽヽ桟留縞さんとめじま布子ぬのこに、それでい、はかま白桟しろざん御本手縞ごほんてじまか、へんな姿だ、ハヽヽ、のう足袋たびだけ新しいのを持たしてやれ。弥「ぢやアつてまゐります。 ...
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
当人たうにんまゐる気になりましたが、横浜よこはままゐるには手曳てひきがないからと自分の弟の松之助まつのすけといふ者をれまして横浜よこはまへまゐりまして、野毛のげうち厄介やつかいになつて
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
エヽ唯今たゞいま町人ちやうにんまゐりまして、塩餡しほあんれへとまうしますが如何いかゞつかまつりませう。殿「れろといふならやるがい。 ...
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それゆゑだれかれききまゐなかに、可楽からくふ者があつて、これ櫛職人くししよくにんでござりましたが、いたつ口軽くちがる面白おもしろい人ゆゑ、わたくしも一つ飛入とびいり落語はなしをして見たいと申込まうしこんだ。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
と死んでプウと息の止まつた時に此心このこゝろ何処どこくかとふ……何処どこまゐりませう、これ皆様方みなさまがたうかがつたら何処どこおつしやるかりませんが、円朝ゑんてうにはわかりません。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
中々なか/\うまいね……エーわたくし書林ほんやから使つかひまゐりましたが、先生にこれは誠に少々せう/\でございますが差上さしあげてれろと、主人に斯様かうまうされまして、使つかひまかでました。
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
小僧こぞうや。小「へえ。旦「おとなりいつてノ蚊帳かや釣手つりてを打つんだから鉄槌かなづちして下さいとつてりてい。小「へえ……いつまゐりました。旦「してれたか。 ...
吝嗇家 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつまゐりました。主「おほきに御苦労ごくらうだつた、早く牡丹餅ぼたもちを食べな。小「へえ、有難ありがたぞんじます、アヽ此所こゝならだれも知りやアしないをけふたをしてあるからかない。 ...
日本の小僧 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
はいわたくしうからまゐつてります、おやまア、岩田屋いはたや旦那だんなだよ、貴方あなた腎虚じんきよなんでせう。男「馬鹿ばかをいへ、さうしておめえだれだツけ。女「柳橋やなぎばしのおぢうでございますよ。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくし毎度まいどまゐりますがうも遠いのに恐入おそれいりましたよ、へい御内室ごしんぞさん此間こなひだは誠に有難ありがたぞんじます、エヘヽヽわたくしはねうもソノおさかな結構けつこうなのに御酒ごしゆいのとてえませう
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)