トップ
>
何物
>
なにもの
ふりがな文庫
“
何物
(
なにもの
)” の例文
日本
(
にほん
)
は
今
(
いま
)
藝術上
(
げいじゆつじやう
)
の
革命期
(
かくめいき
)
に
際
(
さい
)
して、
思想界
(
しさうかい
)
が
非常
(
ひぜう
)
に
興奮
(
こうふん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
古今東西
(
ここんとうざい
)
の
思想
(
しさう
)
を
綜合
(
そうがふ
)
して
何物
(
なにもの
)
か
新
(
あたら
)
しい
物
(
もの
)
を
作
(
つく
)
らうとして
居
(
ゐ
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
傾
(
かたむ
)
けて
見返
(
みかへ
)
るともなく
見返
(
みかへ
)
る
途端
(
とたん
)
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
るは
何物
(
なにもの
)
蓬頭亂面
(
ほうとうらんめん
)
の
青年
(
せいねん
)
車夫
(
しやふ
)
なりお
高
(
たか
)
夜風
(
よかぜ
)
の
身
(
み
)
にしみてかぶる/\と
震
(
ふる
)
へて
立止
(
たちどま
)
りつゝ
此雪
(
このゆき
)
にては
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
痩
(
やせ
)
た
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼
(
め
)
が
再
(
ふたた
)
び
春重
(
はるしげ
)
の
顔
(
かお
)
に
戻
(
もど
)
った
時
(
とき
)
、
春重
(
はるしげ
)
はおもむろに、ふところから
何物
(
なにもの
)
かを
取出
(
とりだ
)
して
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
にひけらかした。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼
(
かれ
)
には
庭
(
には
)
の
節制
(
だらし
)
のない
騷
(
さわ
)
ぎの
聲
(
こゑ
)
が
其
(
そ
)
の
耳
(
みゝ
)
を
支配
(
しはい
)
するよりも
遠
(
とほ
)
く
且
(
かつ
)
遙
(
はるか
)
な
闇
(
やみ
)
に
何物
(
なにもの
)
をか
搜
(
さが
)
さうとしつゝあるやうに
只
(
たゞ
)
惘然
(
ばうぜん
)
として
居
(
ゐ
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
いつまでも仲よくお遊びよと
云
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れた事がある———自分の苦痛の
何物
(
なにもの
)
たるかを
能
(
よ
)
く
察
(
さつ
)
して同情して
呉
(
く
)
れるであらう。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
そして二人は
暗默
(
あんもく
)
の内にもお
互
(
たがひ
)
が
何物
(
なにもの
)
かの中にぴつたりとけあつてゐるやうな、その日
頃
(
ごろ
)
にない甘い、しみじみした幸
福
(
ふく
)
感
(
かん
)
をそれぞれに
感
(
かん
)
じてゐた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
着流
(
きなが
)
しの
儘
(
まゝ
)
麥藁帽
(
むぎわらばう
)
を
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つた
友達
(
ともだち
)
の
姿
(
すがた
)
を
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
に
眺
(
なが
)
めた
時
(
とき
)
、
夏休
(
なつやす
)
み
前
(
まへ
)
の
彼
(
かれ
)
の
顏
(
かほ
)
の
上
(
うへ
)
に、
新
(
あた
)
らしい
何物
(
なにもの
)
かゞ
更
(
さら
)
に
付
(
つ
)
け
加
(
くは
)
へられた
樣
(
やう
)
な
氣
(
き
)
がした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
で、こちらの
世界
(
せかい
)
で、
何
(
なに
)
よりも
大切
(
たいせつ
)
な
修行
(
しゅぎょう
)
というのは
精神
(
せいしん
)
の
統一
(
とういつ
)
で、
精神統一
(
せいしんとういつ
)
以外
(
いがい
)
には
殆
(
ほと
)
んど
何物
(
なにもの
)
もないといえる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
植物性食物採集の爲には
諸種
(
しよしゆ
)
の石器及び入れ物を要せしなるべけれど、
何物
(
なにもの
)
の如何なる部分が
食料
(
しよくれう
)
に撰まれしや詳ならざるを以て、
精細
(
せいさい
)
には記し難し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
寢息
(
ねいき
)
もやがて
夜着
(
よぎ
)
の
襟
(
えり
)
に
白
(
しろ
)
く
花咲
(
はなさ
)
くであらう、これが
草津
(
くさつ
)
の
常
(
つね
)
の
夜
(
よる
)
なのである。けれども
馴
(
な
)
れては
何物
(
なにもの
)
も
懷
(
なつか
)
しい、
吹雪
(
ふゞき
)
よ、
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
私
(
わたし
)
の
顏
(
かほ
)
を
撫
(
な
)
でゝゆけ!
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
從ツて
慘忍
(
ざんにん
)
を極め辛辣を極めて、殆んど
何物
(
なにもの
)
も
眼
(
がん
)
中に置かず、
眞箇
(
まツたく
)
シヤイロツク的人物となツて了ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
全體
(
ぜんたい
)
旅
(
たび
)
をしながら
何物
(
なにもの
)
をも
見
(
み
)
ず、
見
(
み
)
ても
何等
(
なんら
)
の
感興
(
かんきよう
)
も
起
(
おこ
)
さず、
起
(
おこ
)
しても
其
(
それ
)
を
折角
(
せつかく
)
の
同伴者
(
つれ
)
と
語
(
かた
)
り
合
(
あつ
)
て
更
(
さら
)
に
興
(
きよう
)
を
増
(
ま
)
すこともしないなら、
初
(
はじ
)
めから
其人
(
そのひと
)
は
旅
(
たび
)
の
面白
(
おもしろ
)
みを
知
(
し
)
らないのだ
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
かくして
最初
(
さいしよ
)
の
一分間
(
いつぷんかん
)
を
凌
(
しの
)
ぎ
得
(
え
)
たならば、
最早
(
もはや
)
不安
(
ふあん
)
に
思
(
おも
)
ふべき
何物
(
なにもの
)
も
殘
(
のこ
)
さないはずであるが、
唯
(
たゞ
)
これに
今一
(
いまひと
)
つ
解説
(
かいせつ
)
して
置
(
お
)
く
必要
(
ひつよう
)
のあるものは、
地割
(
ぢわ
)
れに
對
(
たい
)
して
誤
(
あやま
)
れる
恐怖心
(
きようふしん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
心
(
しん
)
のある
部分
(
ぶゞん
)
を
触
(
さは
)
つて
見
(
み
)
ると、
心
(
しん
)
は
堅
(
かた
)
く、
何物
(
なにもの
)
も
入
(
はい
)
つてゐさうにも
思
(
おも
)
へぬ。が、
捻
(
ひね
)
つてみると、カサヽヽと
音
(
おと
)
がして、
何
(
なに
)
やら
西洋紙
(
せいやうし
)
のやうな
感
(
かん
)
じもする。
私
(
わたし
)
は
急
(
いそ
)
いで、
端
(
はじ
)
から
振
(
ふ
)
つて
見
(
み
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
艇
(
てい
)
の
上部艇首
(
じやうぶていしゆ
)
の
方
(
かた
)
に
位
(
くらゐ
)
して、
一個
(
いつこ
)
の
橢圓形
(
だゑんけい
)
の
觀外塔
(
くわんぐわいたふ
)
が
設
(
もう
)
けられて、
塔上
(
たふじやう
)
には、
一本
(
いつぽん
)
の
信號檣
(
しんがうマスト
)
の
他
(
ほか
)
には
何物
(
なにもの
)
も
無
(
な
)
く、
其
(
その
)
一端
(
いつたん
)
には
自動開閉
(
じどうかいへい
)
の
鐵扉
(
てつぴ
)
が
設
(
もう
)
けられて、
艇
(
てい
)
の
將
(
まさ
)
に
海底
(
かいてい
)
に
沈
(
しづ
)
まんとするや
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此
(
こ
)
の
書物
(
しよもつ
)
と、
青
(
あを
)
い
傘
(
かさ
)
を
掛
(
か
)
けたランプとの
外
(
ほか
)
には、
世
(
よ
)
に
又
(
また
)
何物
(
なにもの
)
も
有
(
あ
)
らぬかと
思
(
おも
)
はるる
靜
(
しづ
)
けさ。
院長
(
ゐんちやう
)
の
可畏
(
むくつけ
)
き、
無人相
(
ぶにんさう
)
の
顏
(
かほ
)
は、
人智
(
じんち
)
の
開發
(
かいはつ
)
に
感
(
かん
)
ずるに
從
(
したが
)
つて、
段々
(
だん/\
)
と
和
(
やはら
)
ぎ、
微笑
(
びせう
)
をさへ
浮
(
うか
)
べて
來
(
き
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しかし、私はたゞ
何
(
なに
)
も
知
(
し
)
らずに
煙草
(
たばこ
)
を吹かせてぼんやりとしてゐただけである。このぼんやりとしたゆるんだ
心理
(
しんり
)
の
続
(
つゞ
)
いてゐる
空虚
(
くうきよ
)
な
時間
(
じかん
)
に、
黙
(
もく
)
々として
私達
(
わたしたち
)
の
運命
(
うんめい
)
を
動
(
うご
)
かせてゐた
何物
(
なにもの
)
かがあつた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
その青くして
何物
(
なにもの
)
にも吸ひ取らるるがごとき
瞳
(
ひとみ
)
は
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
立派な精神的な
何物
(
なにもの
)
かを
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
羽
(
はね
)
は
何物
(
なにもの
)
直
(
すぐ
)
にして
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
狐疑
(
こぎ
)
して
居
(
ゐ
)
るやうな
其
(
その
)
容貌
(
ようばう
)
とは
其處
(
そこ
)
に
敢
(
あへ
)
て
憎惡
(
ぞうを
)
すべき
何物
(
なにもの
)
も
存在
(
そんざい
)
して
居
(
ゐ
)
ないにしても
到底
(
たうてい
)
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
の
凡
(
すべ
)
てと
融和
(
ゆうわ
)
さるべき
所以
(
ゆゑん
)
のものではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
心
(
こゝろ
)
ざすは
何物
(
なにもの
)
ぞ
葛籠
(
つゞら
)
の
底
(
そこ
)
に
藏
(
をさ
)
めたりける
一二枚
(
いちにまい
)
の
衣
(
きぬ
)
を
打返
(
うちかへ
)
して
淺黄縮緬
(
あさぎちりめん
)
の
帶揚
(
おびあげ
)
のうちより、
五通
(
ごつう
)
六通
(
ろくつう
)
、
數
(
かぞ
)
ふれば
十二通
(
じふにつう
)
の
文
(
ふみ
)
を
出
(
いだ
)
して
元
(
もと
)
の
座
(
ざ
)
へ
戻
(
もど
)
れば
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は大いに疲労して、
白昼
(
はくちう
)
の凡てに、
惰気
(
だき
)
を催うすにも拘はらず、知られざる
何物
(
なにもの
)
かの興奮の
為
(
ため
)
に、静かな
夜
(
よ
)
を
恣
(
ほしいまゝ
)
にする事が出来ない事がよくあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それがなつかしい
母
(
はは
)
の
形見
(
かたみ
)
であることが、
他
(
ほか
)
の
何物
(
なにもの
)
にもかえられぬほど
大切
(
たいせつ
)
なのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この
寂寞
(
せきばく
)
この
悲哀
(
ひあい
)
を
慰
(
なぐさ
)
める
為
(
た
)
めに、
長吉
(
ちやうきち
)
は定め
難
(
がた
)
い
何物
(
なにもの
)
かを
一刻
(
いつこく
)
/\に激しく要求して
止
(
や
)
まない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此者の用も未た詳ならされと、
前項
(
ぜんこう
)
に記したる
糸掛
(
いとか
)
け石に於けるよりは更に
太
(
ふと
)
き
紐
(
ひも
)
を以て
括
(
くく
)
りし者たる事殆と
疑
(
うたが
)
ひ無く、從つて
何物
(
なにもの
)
かの
錘
(
おも
)
りに用ゐられしならんと考へらるるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
は
今
(
いま
)
頑固
(
かたくな
)
な
朝
(
あさ
)
の
心
(
こゝろ
)
を
解
(
と
)
いて、その
晴
(
はれ
)
やかな
笑顏
(
ゑがほ
)
のうちに
何物
(
なにもの
)
をも
引
(
ひ
)
きずり
込
(
こ
)
まないでは
置
(
お
)
かないやうに、こゝを
開
(
あ
)
けよとばかり
閉
(
と
)
ぢられた
障子
(
しやうじ
)
の
外
(
そと
)
を
輝
(
かゞや
)
きをもつて
打
(
う
)
つてゐる。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
半分
(
はんぶん
)
見
(
み
)
える
土間
(
どま
)
では二十四五の
女
(
をんな
)
が
手拭
(
てぬぐひ
)
を
姉樣
(
ねえさま
)
かぶりにして
上
(
あが
)
りがまちに
大盥
(
おほだらひ
)
程
(
ほど
)
の
桶
(
をけ
)
を
控
(
ひか
)
へ
何物
(
なにもの
)
かを
篩
(
ふるひ
)
にかけて
專念
(
せんねん
)
一
意
(
い
)
の
體
(
てい
)
、
其桶
(
そのをけ
)
を
前
(
まへ
)
に七ツ八ツの
小女
(
こむすめ
)
が
坐
(
すわ
)
りこんで
見物
(
けんぶつ
)
して
居
(
ゐ
)
るが
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
たゞわれ/\
日本人
(
につぽんじん
)
としてはかような
天災
(
てんさい
)
に
屈
(
くつ
)
することなく、
寧
(
むし
)
ろ
人力
(
じんりよく
)
を
以
(
もつ
)
てその
災禍
(
さいか
)
をないようにしたいものである。かくするには
地震
(
ぢしん
)
や
火山
(
かざん
)
の
何物
(
なにもの
)
であるかを
究
(
きは
)
めることが
第一
(
だいゝち
)
である。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
この
書物
(
しょもつ
)
と、
青
(
あお
)
い
傘
(
かさ
)
を
掛
(
か
)
けたランプとの
外
(
ほか
)
には、
世
(
よ
)
にまた
何物
(
なにもの
)
もあらぬかと
思
(
おも
)
わるる
静
(
しず
)
けさ。
院長
(
いんちょう
)
の
可畏
(
むくつけ
)
き、
無人相
(
ぶにんそう
)
の
顔
(
かお
)
は、
人智
(
じんち
)
の
開発
(
かいはつ
)
に
感
(
かん
)
ずるに
従
(
したが
)
って、
段々
(
だんだん
)
と
和
(
やわら
)
ぎ、
微笑
(
びしょう
)
をさえ
浮
(
うか
)
べて
来
(
き
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其
(
その
)
翌日
(
よくじつ
)
は、
漂流
(
へうりう
)
以來
(
いらい
)
はじめて
少
(
すこ
)
し
心
(
こゝろ
)
が
落付
(
おちつ
)
いて、
例
(
れい
)
の
雨水
(
あめみづ
)
を
飮
(
の
)
み、
沙魚
(
ふか
)
の
肉
(
にく
)
に
舌皷
(
したつゞみ
)
打
(
う
)
ちつゝ、
島影
(
しまかげ
)
は
無
(
な
)
きか、
滊船
(
きせん
)
の
煙
(
けむり
)
は
見
(
み
)
へぬかと
始終
(
しじう
)
氣
(
き
)
を
配
(
くば
)
る、けれど
此
(
この
)
日
(
ひ
)
は
何物
(
なにもの
)
も
眼
(
まなこ
)
を
遮
(
さへぎ
)
るものとてはなく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それは一
体
(
たい
)
何物
(
なにもの
)
であつたのか。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
何物
(
なにもの
)
をか
恐
(
おそ
)
れてゐる。——
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何處
(
どこ
)
か
人懷
(
ひとなつ
)
こい
處
(
ところ
)
があつて
只管
(
ひたすら
)
に
他人
(
たにん
)
の
同情
(
どうじやう
)
に
渇
(
かつ
)
して
居
(
ゐ
)
たお
品
(
しな
)
の
母
(
はゝ
)
の
何物
(
なにもの
)
をか
求
(
もと
)
めるやうな
態度
(
たいど
)
が
漸
(
やうや
)
く
二人
(
ふたり
)
を
近
(
ちか
)
づけた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
かう
云
(
い
)
ふ
方面
(
はうめん
)
に
趣味
(
しゆみ
)
のない
宗助
(
そうすけ
)
は、
固
(
もと
)
より
菜根譚
(
さいこんたん
)
の
何物
(
なにもの
)
なるかを
知
(
し
)
らなかつた。ある
日
(
ひ
)
一
(
ひと
)
つ
車
(
くるま
)
の
腰掛
(
こしかけ
)
に
膝
(
ひざ
)
を
並
(
なら
)
べて
乘
(
の
)
つた
時
(
とき
)
、それは
何
(
なん
)
だと
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの
愛
(
あい
)
らしき
眼
(
め
)
に
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
何
(
なん
)
と
見
(
み
)
てか、
人
(
ひと
)
じらしの
振舞
(
ふるま
)
ひ
理由
(
わけ
)
は
有
(
あ
)
るべし、
我
(
わ
)
れ
夢
(
ゆめ
)
さら
戀
(
こひ
)
なども
厭
(
い
)
やらしき
心
(
こヽろ
)
みぢんも
無
(
な
)
けれど、
此理由
(
このわけ
)
こそ
知
(
し
)
りたけれ、
若
(
わか
)
き
女
(
をんな
)
の
定
(
さだ
)
まらぬ
心
(
こヽろ
)
に
何物
(
なにもの
)
か
觸
(
ふ
)
るヽ
事
(
こと
)
ありて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何物
(
なにもの
)
か、光りとろけて
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
宗助
(
そうすけ
)
には
父母
(
ふぼ
)
未生
(
みしやう
)
以前
(
いぜん
)
といふ
意味
(
いみ
)
がよく
分
(
わか
)
らなかつたが、
何
(
なに
)
しろ
自分
(
じぶん
)
と
云
(
い
)
ふものは
必竟
(
ひつきやう
)
何物
(
なにもの
)
だか、
其
(
その
)
本體
(
ほんたい
)
を
捕
(
つら
)
まへて
見
(
み
)
ろと
云
(
い
)
ふ
意味
(
いみ
)
だらうと
判斷
(
はんだん
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
オヽおもしろし
覺悟
(
かくご
)
とは
何
(
なん
)
の
覺悟
(
かくご
)
許嫁
(
いひなづけ
)
の
約束
(
やくそく
)
解
(
と
)
いて
欲
(
ほ
)
しゝとのお
望
(
のぞ
)
みかそれは
此方
(
このはう
)
よりも
願
(
ねが
)
ふ
事
(
こと
)
なり
何
(
なん
)
の
迂
(
まは
)
りくどい
申上
(
まをしあ
)
ぐることの
候
(
さふらふ
)
の
一通
(
ひととほ
)
りも
二通
(
ふたとほ
)
りも
入
(
い
)
ることならず
後
(
のち
)
とはいはず
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
にて
切
(
き
)
れて
遣
(
や
)
るべし
切
(
き
)
れて
遣
(
や
)
らん
他人
(
たにん
)
になるは
造作
(
ぞうさ
)
もなしと
嘲笑
(
あざわら
)
ふ
胸
(
むね
)
の
内
(
うち
)
に
沸
(
わ
)
くは
何物
(
なにもの
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「実に失敬な奴ですね。全体
何物
(
なにもの
)
でしょう」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“何物”で始まる語句
何物か