トップ
>
久
>
ひさ
ふりがな文庫
“
久
(
ひさ
)” の例文
お
竹
(
たけ
)
が、
同情
(
どうじょう
)
をしたように、このアルミニウムの
湯沸
(
ゆわ
)
かしは、
町
(
まち
)
から
買
(
か
)
われて、この
家
(
うち
)
にきてから、すでに
久
(
ひさ
)
しい
間
(
あいだ
)
働
(
はたら
)
いてきました。
人間と湯沸かし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりで、
恁
(
か
)
うして
火
(
ひ
)
を
置
(
お
)
かせたまゝ、
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りの
小間使
(
こまづかひ
)
さへ
遠
(
とほ
)
ざけて、ハタと
扉
(
ひらき
)
を
閉
(
とざ
)
した
音
(
おと
)
が、
谺
(
こだま
)
するまで
響
(
ひゞ
)
いたのであつた。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ピエエル・オオビュルナンは
良
(
やや
)
久
(
ひさ
)
しく物を案じている。もうよほど前からこの男は自己の思索にある節制を加えることを工夫している。
田舎
(新字新仮名)
/
マルセル・プレヴォー
(著)
其辭
(
そのじ
)
を
(七六)
徑省
(
けいせい
)
すれば、
則
(
すなは
)
ち
(七七)
不知
(
ふち
)
として
之
(
これ
)
を
屈
(
くつ
)
し、
(七八)
汎濫博文
(
はんらんはくぶん
)
なれば、
則
(
すなは
)
ち
之
(
これ
)
を
多
(
おほ
)
しとして
(七九)
久
(
ひさ
)
しとす。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
パリス
何
(
いづ
)
れも
名譽
(
めいよ
)
の
家柄
(
いへがら
)
であらせらるゝに、
久
(
ひさ
)
しう
確執
(
なかたがひ
)
をなされたはお
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
儀
(
ぎ
)
でござった。
時
(
とき
)
に、
吾等
(
われら
)
が
申入
(
まうしい
)
れた
事
(
こと
)
の
御返答
(
ごへんたふ
)
は?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
ある時のごとき、彼は「天井の中心飾り」と称する線のこんぐらかりを見事に
描
(
か
)
いてみせた。小さい連中は、感嘆これを
久
(
ひさ
)
しゅうした。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
が一
緒
(
しよ
)
に
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
は
互
(
たがひ
)
に
隔
(
へだ
)
てが
有相
(
ありさう
)
で
居
(
ゐ
)
て、
自分
(
じぶん
)
が
離
(
はな
)
れると
俄
(
にはか
)
に
陸
(
むつ
)
まじ
相
(
さう
)
に
笑語
(
さゝや
)
くものゝ
樣
(
やう
)
に
彼
(
かれ
)
は
久
(
ひさ
)
しい
前
(
まえ
)
から
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夜汽車
(
よぎしや
)
で
新橋
(
しんばし
)
へ
着
(
つ
)
いた
時
(
とき
)
は、
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りに
叔父
(
をぢ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
たが、
夫婦
(
ふうふ
)
とも
灯
(
ひ
)
の
所爲
(
せゐ
)
か
晴
(
は
)
れやかな
色
(
いろ
)
には
宗助
(
そうすけ
)
の
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
みらるゝに
久
(
ひさ
)
しく浪々なし殊に此程は
牢舍
(
らうしや
)
せし事
故
(
ゆゑ
)
甚
(
はなは
)
だ
窶
(
やつ
)
れ居ると雖も自然と
人品
(
じんぴん
)
よく天晴の
武士
(
さぶらひ
)
なりしかば大岡殿
徐
(
しづ
)
かに言葉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
八幡下の田圃を
突切
(
つっき
)
って、雑木林の西側を
這
(
は
)
う
径
(
こみち
)
に入った。立どまって
良
(
やや
)
久
(
ひさ
)
しく耳を
澄
(
す
)
ました。人らしいものゝ
気
(
け
)
もない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りであなたにお目にかゝつてそのお
酌
(
しやく
)
で
頂
(
いたゞ
)
くのはお
祖師様
(
そしさま
)
の
引
(
ひ
)
き
合
(
あは
)
せでございませう、イエたんとは
頂
(
いたゞ
)
きません。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
明治政府
(
めいぢせいふ
)
になツてからも、
久
(
ひさ
)
しくお
役人
(
やくにん
)
の
大頭
(
おほあたま
)
に加へられてゐて、頭は古いが馬鹿でなかツたので、一度は
歐羅巴
(
えうろツぱ
)
駐剳
(
ちうさつ
)
の
公使
(
こうし
)
になツたこともある。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
怖
(
こわ
)
がるこたァねえから、
後
(
あと
)
ずさりをしねえで、
落着
(
おちつ
)
いていてくんねえ。おいらァ
何
(
なに
)
も、
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りに
会
(
あ
)
った
妹
(
いもうと
)
を、
取
(
と
)
って
食
(
く
)
おうたァいやァしねえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そののちに、
琵琶湖
(
びわこ
)
の上で乗り落ちたまま
行方
(
ゆくえ
)
をうしなったクロをさがす
方針
(
ほうしん
)
もかんがえ、また、一
党
(
とう
)
の人々にも、
久
(
ひさ
)
しぶりで
会
(
あ
)
いたいと願った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「皆んな出かけましたよ。留守番は私と釜吉と、下女のお
久
(
ひさ
)
だけで、——その代り三人は家からちょっとも出ません」
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
考
(
かんが
)
えて
見
(
み
)
れば、
私達
(
わたくしたち
)
の
対面
(
たいめん
)
は
随分
(
ずいぶん
)
久
(
ひさ
)
しぶりの
対面
(
たいめん
)
でございました。
現世
(
げんせ
)
で
別
(
わか
)
れた
切
(
き
)
り、かれこれ二百
年
(
ねん
)
近
(
ちか
)
くにもなっているのでございますから……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
こんどの
戦
(
いくさ
)
は
前
(
まえ
)
の
時
(
とき
)
に
劣
(
おと
)
らず
随分
(
ずいぶん
)
苦
(
くる
)
しい
戦争
(
せんそう
)
でしたけれど、三
年
(
ねん
)
めにはすっかり
片付
(
かたづ
)
いてしまって、
義家
(
よしいえ
)
はまた
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りで
都
(
みやこ
)
へ
帰
(
かえ
)
ることになりました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
でお
目
(
め
)
にかゝつて
何
(
なに
)
か
申
(
まをし
)
たい
事
(
こと
)
は
澤山
(
たんと
)
あるやうなれど
口
(
くち
)
へ
出
(
で
)
ませぬは
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
され、では
私
(
わたし
)
は
御別
(
おわか
)
れに
致
(
いた
)
します、
隨分
(
ずいぶん
)
からだを
厭
(
いと
)
ふて
煩
(
わづ
)
らはぬ
樣
(
やう
)
に
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりでかしらは
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
になりました。これはちょうど、
垢
(
あか
)
まみれの
汚
(
きたな
)
い
着物
(
きもの
)
を、きゅうに
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
にきせかえられたように、
奇妙
(
きみょう
)
なぐあいでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
この
古今集
(
こきんしゆう
)
を
見
(
み
)
ると、
不思議
(
ふしぎ
)
なことには、
古今集
(
こきんしゆう
)
の
出來
(
でき
)
た
當時
(
とうじ
)
に
生
(
い
)
きてゐた
人
(
ひと
)
の
歌
(
うた
)
は、たいていよくなくて、
死
(
し
)
んで
久
(
ひさ
)
しくなつて、
名
(
な
)
さへ
傳
(
つた
)
はらない
人
(
ひと
)
の
歌
(
うた
)
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
すると
一日
(
あるひ
)
一人
(
ひとり
)
の
老叟
(
らうそう
)
が
何所
(
どこ
)
からともなく
訪
(
たづ
)
ねて來て
祕藏
(
ひざう
)
の石を見せて
呉
(
く
)
れろといふ、イヤその石は
最早
(
もう
)
他人
(
たにん
)
に
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つて
久
(
ひさ
)
しい以前から無いと
謝絶
(
ことわ
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
京の夕ぐれ、相つれてゆたかに歩くことも夢ではございません。たとえ女房のつとめ忙しくとも宿下りの日の
久
(
ひさ
)
かたのもの語りも、眼に見えるようでございます。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りの
妾
(
せふ
)
が帰郷を
聞
(
きゝ
)
て、親戚ども
打寄
(
うちよ
)
りしが、母上よりは
却
(
かへつ
)
て
妾
(
せふ
)
の顔色の常ならぬに驚きて、
何様
(
なにさま
)
尋常
(
じんじやう
)
にてはあらぬらし、医師を迎へよと口々に
勧
(
すゝ
)
め呉れぬ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
西園寺陶庵侯の雨声会が
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶり
)
に近日開かれるといふ事だ。招かれる文士のなかには例年通り今から、即吟の
下拵
(
したごしら
)
へに
取蒐
(
とりかゝ
)
つてゐる
向
(
むき
)
もあるらしいと聞いてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「もう
餘程
(
よほど
)
久
(
ひさ
)
しい
事
(
こと
)
でございます。あれは
豐干
(
ぶかん
)
さんが
松林
(
まつばやし
)
の
中
(
なか
)
から
拾
(
ひろ
)
つて
歸
(
かへ
)
られた
捨子
(
すてご
)
でございます。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
味鴨
(
あぢ
)
の住む
須佐
(
すさ
)
の入江の
隠
(
こも
)
り
沼
(
ぬ
)
のあな
息衝
(
いきづ
)
かし見ず
久
(
ひさ
)
にして」(巻十四・三五四七)の用例がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
トルストイ、ツルゲネーフ
等
(
とう
)
の
名
(
な
)
は
吾人
(
ごじん
)
久
(
ひさ
)
しく
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
けども、ドストイヱフスキーの
名
(
な
)
と
著書
(
ちよしよ
)
に
至
(
いた
)
りては
吾文界
(
わがぶんかい
)
に
之
(
これ
)
を
紹介
(
せうかい
)
するの
功
(
こう
)
不知庵
(
フチアン
)
に
多
(
おほ
)
しと
言
(
い
)
はざる
可
(
べ
)
からず。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
泣出
(
なきだ
)
しもしまいと
知
(
し
)
つたから、
久
(
ひさ
)
しぶりで、こちらも
人間
(
にんげん
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
き
)
きたくなつて、
口元
(
くちもと
)
の
手
(
て
)
を
離
(
はな
)
してやると、あとを
拭
(
ふ
)
きさうにもしないのだ。
眼
(
め
)
は
他
(
よそ
)
を
見
(
み
)
てゐるやうだ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
列び茶屋の或る家に奉公しているお
久
(
ひさ
)
という女がやはりお里の近所に住んでいるので、毎晩誘いあわせて一緒に帰ることにしていたが、きょうはその女が店を休んだので
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
亞尼
(
アンニー
)
は
鳥渡
(
ちよつと
)
使
(
つか
)
ひに
出
(
で
)
ました
時
(
とき
)
、
波止塲
(
はとば
)
のほとりで
圖
(
はか
)
らずも、
絶
(
たえ
)
て
久
(
ひさ
)
しき
其
(
その
)
子
(
こ
)
に
出會
(
であ
)
つたのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
実際
(
じっさい
)
久
(
ひさ
)
しいあいだの
心労
(
しんろう
)
と
老年
(
ろうねん
)
に、この
最後
(
さいご
)
の
困苦
(
こんく
)
が
加
(
くわ
)
わって、かれはもう自分を
支
(
ささ
)
える力を
失
(
うしな
)
っていた。自分でもどれほどひどくなっているか、かれは知っていたろうか。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
相議するや
久
(
ひさ
)
し、余奮つて曰く、水を
逐
(
お
)
ふて此
嶮所
(
けんしよ
)
を溯る何かあらん、未だ生命を抛つの
危険
(
きけん
)
あるを
見
(
み
)
ずと、
衆
(
しふ
)
敢
(
あへ
)
て余を
賛
(
さん
)
するものなし、余此に於て
巳
(
やむ
)
を得ず
固
(
かた
)
く後説を
執
(
と
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
「ああ、」とお
父
(
とう
)
さんが
言
(
い
)
った。「おれは
嬉
(
うれ
)
しくって、
仕方
(
しかた
)
がない。まるでこう、
日
(
ひ
)
がぱーッと
射
(
さ
)
してでも
居
(
い
)
るような
気持
(
きもち
)
だ。まるで
久
(
ひさ
)
しく
逢
(
あ
)
わない
友達
(
ともだち
)
にでも
逢
(
あ
)
う
前
(
まえ
)
のようだ。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
而
(
さう
)
して
其
(
そ
)
れから
家
(
うち
)
の
暖
(
あたゝか
)
い
閑靜
(
かんせい
)
な
書齋
(
しよさい
)
に
歸
(
かへ
)
つて……
名醫
(
めいゝ
)
に
恃
(
かゝ
)
つて
頭痛
(
づつう
)
の
療治
(
れうぢ
)
でも
爲
(
し
)
て
貰
(
も
)
らつたら、
久
(
ひさ
)
しい
間
(
あひだ
)
私
(
わたくし
)
はもうこの
人間
(
にんげん
)
らしい
生活
(
せいくわつ
)
を
爲
(
し
)
ないが、
其
(
それ
)
にしても
此處
(
こゝ
)
は
實
(
じつ
)
に
不好
(
いや
)
な
所
(
ところ
)
だ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
平家の落武者がこの里に隠れ住む事
歳
(
とし
)
久
(
ひさ
)
しく、全く他郷との
行通
(
こうつう
)
を絶って、桃源武陵の生活をしていたのだけれど、たまたま三面川に
椀
(
わん
)
を流したのから、下流の里人に発見されたという
壁の眼の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりにガンの姿を見たニールスは、うれしくてうれしくてたまりません。ふとむこうを見ますと、草のかげに白いものが見えます。ニールスは
胸
(
むね
)
をおどらせながら、かけよりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
前の日自分が腰掛けた岩としばらく隠れた
大
(
おおき
)
な岩とをやや
久
(
ひさ
)
しく見ていたが、そのあげくに突然と声張り上げて、ちとおかしな調子で、「我は官軍、我が敵は」と
叫
(
さけ
)
び出して山手へと進んだ。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
甚
(
はなは
)
だしいかな、
吾
(
わ
)
が
衰
(
おとろ
)
えたるや。
久
(
ひさ
)
しく
吾
(
わ
)
れ
復
(
ま
)
た
夢
(
ゆめ
)
にだも
周公
(
しゅうこう
)
を
見
(
み
)
ず」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
この憤慨たるや、決して私憤を意味しない。正しく一片の私情をも挟まざる公憤であると、僕は信じ、
且
(
か
)
つ、人、何が故に黙視するかを疑うものに対してのみ発するので、
由
(
よ
)
って来る所
亦
(
また
)
久
(
ひさ
)
し
矣
(
い
)
。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
しかし、この
神武天皇
(
じんむてんのう
)
の
御陵
(
ごりよう
)
は
久
(
ひさ
)
しく
荒
(
あ
)
れはてゝをつて、
實
(
じつ
)
はその
形
(
かたち
)
もよくわかりませんし、
場所
(
ばしよ
)
についてもいろ/\の
説
(
せつ
)
がありますが、とにかくあまり
大
(
おほ
)
きくない
圓
(
まる
)
い
塚
(
つか
)
であつたと
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
お
久
(
ひさ
)
の剣突か涙声か、何れ碌なことには出逢わないのだし……はて?
神棚
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
またさきほどお
話
(
はなし
)
したように、
落
(
お
)
ち
葉
(
ば
)
や、
苔類
(
こけるい
)
が
水
(
みづ
)
を
多
(
おほ
)
く
含
(
ふく
)
み、したがつて、
地中
(
ちちゆう
)
にも
多量
(
たりよう
)
の
水分
(
すいぶん
)
をしみこませますから、たとひ
旱天
(
かんてん
)
が
久
(
ひさ
)
しく
續
(
つゞ
)
いても
森林
(
しんりん
)
はその
保
(
たも
)
つてゐる
水分
(
すいぶん
)
を
徐々
(
じよ/\
)
に
流
(
なが
)
し
出
(
だ
)
し
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
主人答て曰く、團十郎は
新富劇
(
しんとみざ
)
に出場せるが、
該劇
(
かのざ
)
は
近日
(
このごろ
)
炎帝特に威を恣にするを以て、昨日俄に場を閉じ、圓朝は避暑をかねて、目今静岡地方に遊べりと。居士之を聞て憮然たるもの
暫
(
やゝ
)
久
(
ひさ
)
しゅうす。
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
ドイツ兵のいる陸地へ、こっちからいって上陸したということになれば、そのニュースは、ビッグ・ニュースとして全世界を
震駭
(
しんがい
)
し、
奮
(
ふる
)
わざること
久
(
ひさ
)
しきイギリス軍も勇気百倍、
狂喜乱舞
(
きょうきらんぶ
)
いたしますよ
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
長州征伐は幕府
創立
(
そうりつ
)
以来の
大騒動
(
だいそうどう
)
にして、前後数年の
久
(
ひさ
)
しきにわたり
目的
(
もくてき
)
を達するを得ず、徳川三百年の
積威
(
せきい
)
はこれがために
失墜
(
しっつい
)
し、大名中にもこれより
幕命
(
ばくめい
)
を聞かざるものあるに至りし
始末
(
しまつ
)
なれば
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
駕籠
(
かご
)
に
乘
(
の
)
つて
行
(
ゆ
)
かうかと
思
(
おも
)
つたけれど、それも
大層
(
たいそう
)
だし、
長閑
(
のどか
)
な
春日和
(
はるびより
)
を、
麥畑
(
むぎばたけ
)
の
上
(
うへ
)
に
舞
(
ま
)
ふ
雲雀
(
ひばり
)
の
唄
(
うた
)
を
聽
(
き
)
きつゝ、
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りで
旅人
(
たびびと
)
らしい
脚絆
(
きやはん
)
の
足
(
あし
)
を
運
(
はこ
)
ぶのも
面白
(
おもしろ
)
からう、
何
(
な
)
んの六
里
(
り
)
ぐらゐの
田舍路
(
ゐなかみち
)
を
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
肉厚く重き護謨の葉かがやき
久
(
ひさ
)
しおのづからふかき音たてにける
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夕日てる雲見つつあれば海見ざる
久
(
ひさ
)
になりぬと此の
十年
(
ととせ
)
を思ふ
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
「ねえ、
木嶋
(
きイ
)
さん。
遊
(
あそ
)
んでよ。
久
(
ひさ
)
しぶりぢやないの。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りに石油を一升買った。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
“久”の意味
《形容動詞》
(ひさ) 長く時を経るさま。いく久しいさま。
(出典:Wiktionary)
久
常用漢字
小5
部首:⼃
3画
“久”を含む語句
永久
良久
常久
久濶
長久
大久保
久闊
佐久間象山
尾久
承久
久高
久保田万太郎
久住
久吉
徳久利
久米
意久地
久留米絣
久遠
久振
...