トップ
>
飛出
>
とびだ
ふりがな文庫
“
飛出
(
とびだ
)” の例文
その鞭にあきたらずして塾の外に
飛出
(
とびだ
)
した者はその行動の自由であることを喜ぶであろうが、その喜びは
暫
(
しばら
)
くのことであろうと思う。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
拂曉
(
ふつげう
)
に
目醒
(
めさ
)
めて、
海岸
(
かいがん
)
へ
飛出
(
とびだ
)
して
見
(
み
)
ると、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
武村兵曹等
(
たけむらへいそうら
)
は
既
(
すで
)
に
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を
逍遙
(
せうえふ
)
しながら、いづれも
喜色滿面
(
きしよくまんめん
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
訴えて聴かれなかったので、腹を据え兼ねて万田九郎兵衛を斬って捨て、江戸に
飛出
(
とびだ
)
して、心細い浪人生活を続けているのでした。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
斯
(
こ
)
う/\
云
(
い
)
う次第で僕は長崎に
居
(
お
)
られぬ、余り
癪
(
しゃく
)
に
障
(
さわ
)
るからこのまゝ江戸に
飛出
(
とびだ
)
す
積
(
つも
)
りだが、実は江戸に知る人はなし、方角が分らぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
尚
(
な
)
おその上、四国遍路に出る、その一人が
円髷
(
まるまげ
)
で、一人が
銀杏返
(
いちょうがえし
)
だったのでありますと、私は
立処
(
たちどころ
)
に
杓
(
しゃく
)
を振って
飛出
(
とびだ
)
したかも知れません。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
われ/\は
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
には
然
(
し
)
か
教
(
をし
)
へられた。
最初
(
さいしよ
)
の
地震
(
ぢしん
)
を
感
(
かん
)
じたなら、
搖
(
ゆ
)
り
戻
(
もど
)
しの
來
(
こ
)
ない
中
(
うち
)
に
戸外
(
こがい
)
へ
飛出
(
とびだ
)
せなどと
戒
(
いまし
)
められたものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
無論
(
むろん
)
蓋
(
ふた
)
はして
有
(
あ
)
るが
往來
(
わうらい
)
へ
飛出
(
とびだ
)
されても
難儀
(
なんぎ
)
至極
(
しごく
)
なり、
夫等
(
それら
)
を
思
(
おも
)
ふと
入院
(
にふゐん
)
させやうとも
思
(
おも
)
ふが
何
(
なに
)
かふびんらしくて
心
(
こゝろ
)
一
(
ひと
)
つには
定
(
さだ
)
めかねるて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
時
(
とき
)
、
降
(
お
)
りて
來
(
き
)
た
小鳥
(
ことり
)
をびつくりさせるものは、
急
(
きふ
)
に
横合
(
よこあひ
)
から
飛出
(
とびだ
)
す
薄黒
(
うすぐろ
)
いものと、
鷹
(
たか
)
の
羽音
(
はおと
)
でもあるやうなプウ/\
唸
(
うな
)
つて
來
(
く
)
る
音
(
おと
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
心
(
こゝろ
)
は
不覺
(
そゞろ
)
、
氣
(
き
)
は
動顛
(
どうてん
)
して、
匇卒
(
いきなり
)
、
室
(
へや
)
を
飛出
(
とびだ
)
したが、
帽
(
ばう
)
も
被
(
かぶ
)
らず、フロツクコートも
着
(
き
)
ずに、
恐怖
(
おそれ
)
に
驅
(
か
)
られたまゝ、
大通
(
おほどほり
)
を
眞
(
ま
)
一
文字
(
もんじ
)
に
走
(
はし
)
るのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
兎も角も眼の悪い重二郎のお
母
(
ふくろ
)
に
怪我
(
けが
)
があってはならんと、明店を
飛出
(
とびだ
)
す、是から
大騒動
(
おおそうどう
)
のお話に相成ります。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やはり吒祇尼法であったろうことは
思遣
(
おもいや
)
られるが、他の者に祈られて狐が二匹室町御所から
飛出
(
とびだ
)
したなどというところを見ると、将軍長病で治らなかった余りに
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
都会にあこがれて、両親の言うことをきかず、東京市内の
知人
(
しりびと
)
をたよって家を
飛出
(
とびだ
)
し、
高輪
(
たかなわ
)
の
或
(
ある
)
屋敷へ女中奉公に
住込
(
すみこ
)
んだ。それは年号の変る年の春
頃
(
ごろ
)
であった。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
其時
(
そのとき
)
、
余
(
よ
)
は、
俵形
(
たはらがた
)
の
土器
(
どき
)
を
兩手
(
りやうて
)
に
持
(
も
)
つて、
眞先
(
まつさ
)
きに
穴
(
あな
)
から
飛出
(
とびだ
)
すと、
高等野次馬
(
かうとうやじうま
)
は
聲
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へて。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
同じ屋敷
内
(
うち
)
に住む本家の家族は大概もう移転したあとで、あたりはひっそりしていた。わたしが部屋の外側まで来た時、母は迎えに出て来た。八歳になる甥の
宏兒
(
こうじ
)
も
飛出
(
とびだ
)
して来た。
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
あの
人
(
ひと
)
が
一
(
ひ
)
と
足先
(
あしさ
)
きへお
風呂
(
ふろ
)
に
行
(
い
)
つた
隙
(
すき
)
を
見
(
み
)
て、
足袋跣足
(
たびはだし
)
で
飛出
(
とびだ
)
したんださうでございますの。それで
駈出
(
かけだ
)
して、
車
(
くるま
)
でステーションまで
来
(
き
)
て、
私
(
わたくし
)
のところへ
逃
(
に
)
げこんでまゐりました。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
あの蟹口運転手のメチャメチャになった妖怪じみた死骸を見た瞬間に……壊れた額から
飛出
(
とびだ
)
した二つの
眼球
(
めだま
)
が私を
白眼
(
にら
)
んでいるのに気付いた時に私はモウ一度気が遠くなりかけました。
衝突心理
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
叫喚
(
あっ
)
と云って
慄
(
ふる
)
え出し、
飲
(
のん
)
だ酒も一時に
醒
(
さめ
)
て、
最
(
も
)
う
最
(
も
)
うこんな
家
(
うち
)
には片時も居られないと、
襖
(
ふすま
)
を
蹴
(
け
)
ひらき
倉皇
(
そうこう
)
表へ
飛出
(
とびだ
)
してしまい
芸妓
(
げいぎ
)
も客の
叫喚
(
さけび
)
に驚いて目を
覚
(
さま
)
し、幽霊と
聞
(
きい
)
たので青くなり
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
そこで猿は花火というものが、どんなに大きな音をして
飛出
(
とびだ
)
すか、そしてどんなに美しく空にひろがるか、みんなに話して聞かせました。そんなに美しいものなら見たいものだとみんなは思いました。
赤い蝋燭
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
迎
(
むかへ
)
申しても
祝盃
(
さかづき
)
さへも致さぬうち
後家
(
ごけ
)
と
爲
(
なす
)
のが
最惜
(
いとほし
)
ければ此度の縁はなきものと思し
絶念下
(
あきらめくだ
)
さるやと申して參れと長左衞門が
吩咐
(
いひつけ
)
に依て
態々
(
わざ/\
)
參りましたるが
實
(
まこと
)
にお氣の毒の次第にてと
言
(
いひ
)
たる
儘
(
まゝ
)
に
戸外
(
おもて
)
へ
飛出
(
とびだ
)
し
跡
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ワナワナと顫え乍ら、ともすれば寿美子を払い退けて、部屋の外へ
飛出
(
とびだ
)
しそうにするのですが、
其処
(
そこ
)
にはもう肝腎の鍵が無かったのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:03 鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
並
(
なら
)
んだ
膳
(
ぜん
)
は、
土地
(
とち
)
の
由緒
(
ゆゐしよ
)
と、
奧行
(
おくゆき
)
をもの
語
(
がた
)
る。
手
(
て
)
を
突張
(
つツぱ
)
ると
外
(
はづ
)
れさうな
棚
(
たな
)
から
飛出
(
とびだ
)
した
道具
(
だうぐ
)
でない。
藏
(
くら
)
から
顯
(
あら
)
はれた
器
(
うつは
)
らしい。
御馳走
(
ごちそう
)
は——
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何分
(
なにぶん
)
此頃
(
このごろ
)
飛出
(
とびだ
)
しが
始
(
はじ
)
まつて
私
(
わし
)
などは
勿論
(
もちろん
)
太吉
(
たきち
)
と
倉
(
くら
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらゐの
力
(
ちから
)
では
到底
(
たうてい
)
引
(
ひき
)
とめられぬ
働
(
はたら
)
きをやるからの、
萬一
(
まんいち
)
井戸
(
ゐど
)
へでも
懸
(
かゝ
)
られてはと
思
(
おも
)
つて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
心
(
こころ
)
は
不覚
(
そぞろ
)
、
気
(
き
)
は
動顛
(
どうてん
)
して、いきなり、
室
(
へや
)
を
飛出
(
とびだ
)
したが、
帽
(
ぼう
)
も
被
(
かぶ
)
らず、フロックコートも
着
(
き
)
ずに、
恐怖
(
おそれ
)
に
駆
(
か
)
られたまま、
大通
(
おおどおり
)
を
真
(
ま
)
一
文字
(
もんじ
)
に
走
(
はし
)
るのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
弦月丸
(
げんげつまる
)
は
萬山
(
ばんざん
)
の
崩
(
くづ
)
るゝが
如
(
ごと
)
き
響
(
ひゞき
)
と
共
(
とも
)
に
左舷
(
さげん
)
に
傾斜
(
かたむ
)
いた。
途端
(
とたん
)
に
起
(
おこ
)
る
大叫喚
(
だいけうくわん
)
。
二百
(
にひやく
)
の
船員
(
せんゐん
)
が
狂
(
くる
)
へる
甲板
(
かんぱん
)
へ、
數百
(
すうひやく
)
の
乘客
(
じやうきやく
)
が
一時
(
いちじ
)
に
黒雲
(
くろくも
)
の
如
(
ごと
)
く
飛出
(
とびだ
)
したのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
なんかと
突倒
(
つきたふ
)
して、
縄
(
なは
)
から外へ
飛出
(
とびだ
)
し
巡査
(
じゆんさ
)
に
摘
(
つま
)
み
込
(
こ
)
まれる
位
(
くらゐ
)
の事がございますが、
西京
(
さいきやう
)
は誠に
優
(
やさ
)
しい
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
横合
(
よこあひ
)
から
飛出
(
とびだ
)
した
薄黒
(
うすくろ
)
いものは、
鳥屋
(
とや
)
で
人
(
ひと
)
の
振
(
ふ
)
る
竹竿
(
たけざを
)
の
先
(
さき
)
についた
古
(
ふる
)
い
手拭
(
てぬぐひ
)
か
何
(
なに
)
かの
布
(
きれ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
もし
偶然
(
ぐうぜん
)
かような
位置
(
いち
)
に
居合
(
ゐあは
)
せたならば、
機敏
(
きびん
)
に
飛出
(
とびだ
)
すが
最上策
(
さいじようさく
)
であること
勿論
(
もちろん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
僕、ハッと思った拍子に夢中で外へ
飛出
(
とびだ
)
したんですけど四十か五十ぐらい出していたもんですから飛び降りるなりタタキ付けられちゃったんです。相手の車ですか……
見
(
め
)
えるものですか。
衝突心理
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
怪飛
(
けしと
)
んだようになって、
蹌踉
(
よろ
)
けて
土砂降
(
どしゃぶり
)
の中を
飛出
(
とびだ
)
すと、くるりと
合羽
(
かっぱ
)
に包まれて、見えるは脚ばかりじゃありませんか。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
飴の中から
飛出
(
とびだ
)
したような愉快な江戸っ子で、大柄の縞の背広は着ておりますが、その上から
白木綿
(
しろもめん
)
の三尺を締めて、背広に
弥蔵
(
やぞう
)
でもこさえたい人柄です。
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
周章狼狽
(
あわてふためき
)
戸外
(
こぐわい
)
に
飛出
(
とびだ
)
して
見
(
み
)
ると、
今迄
(
いまゝで
)
は
北斗七星
(
ほくとしちせい
)
の
爛々
(
らん/\
)
と
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
を
)
つた
空
(
そら
)
は、
一面
(
いちめん
)
に
墨
(
すみ
)
を
流
(
なが
)
せる
如
(
ごと
)
く、
限
(
かぎ
)
りなき
海洋
(
かいやう
)
の
表面
(
ひやうめん
)
は
怒濤
(
どたう
)
澎湃
(
ぼうはい
)
、
水煙
(
すいえん
)
天
(
てん
)
に
漲
(
みなぎ
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夫
(
そ
)
れといふと
奴
(
やつ
)
の
中間
(
なかま
)
がばらばらと
飛出
(
とびだ
)
しやあがつて、どうだらう
小
(
ちい
)
さな
者
(
もの
)
の
萬燈
(
まんどう
)
を
打
(
うち
)
こわしちまつて、
胴揚
(
どうあげ
)
にしやがつて、
見
(
み
)
やがれ
横町
(
よこてう
)
のざまをと一
人
(
にん
)
がいふと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
へい、
芝居茶屋
(
しばゐぢやや
)
の若い
衆
(
しゆ
)
さんのお
世辞
(
せじ
)
だよ、うむ、
其方
(
そのはう
)
が
宜
(
よ
)
からう、エヽ
此手
(
このて
)
では
如何
(
いかゞ
)
でございます。と
機械
(
きかい
)
へ手を
掛
(
かけ
)
てギイツと
巻
(
ま
)
くと
中
(
なか
)
から
世辞
(
せじ
)
が
飛出
(
とびだ
)
しました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
の
所謂
(
いはゆる
)
搖
(
ゆ
)
り
戻
(
もど
)
しは、われ/\が
今日
(
こんにち
)
唱
(
とな
)
へてゐる
地震動
(
ぢしんどう
)
の
主要部
(
しゆようぶ
)
である。
藤田東湖先生
(
ふぢたとうこせんせい
)
の
最後
(
さいご
)
を
記
(
しる
)
すならば、
彼
(
かれ
)
は
最初
(
さいしよ
)
の
地震
(
ぢしん
)
によつて
屋外
(
おくがい
)
へ
飛出
(
とびだ
)
し、
搖
(
ゆ
)
り
戻
(
もど
)
しのために
壓死
(
あつし
)
したのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
唯
(
ト
)
見
(
み
)
ると、
親父
(
ちやん
)
は
湯玉
(
ゆだま
)
を
拂
(
はら
)
つて、
朱塗
(
しゆぬり
)
に
成
(
な
)
つて
飛出
(
とびだ
)
した、が
握太
(
にぎりぶと
)
な
蒼筋
(
あをすぢ
)
を
出
(
だ
)
して、
脛
(
すね
)
を
突張
(
つツぱ
)
つて、
髯旦
(
ひげだん
)
の
傍
(
かたへ
)
に
突立
(
つツた
)
つた。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
友吉は必死に止めましたが、それを振り切った綾麿は、羊羹色の借着の紋付を着たまま、憑かれたもののように、もう暗くなった往来へ
飛出
(
とびだ
)
してしまったのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
隣りの
明店
(
あきだな
)
に隠れて居りました江戸屋の清次は驚きましたが、
通常
(
あたりまえ
)
の者ならば
仰天
(
ぎょうてん
)
して逃げ
途
(
ど
)
を失いますが、そこが
家根屋
(
やねや
)
で火事には慣れて居りますから
飛出
(
とびだ
)
しまして
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小
(
ちひ
)
さき
紙
(
かみ
)
に
川村太吉
(
かはむらたきち
)
と
書
(
かい
)
て
貼
(
は
)
りたるを
讀
(
よみ
)
みて
此處
(
こゝ
)
だ/\と
車
(
くるま
)
より
下
(
お
)
りける、
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
つけて、おゝ
番町
(
ばんちやう
)
の
旦那樣
(
だんなさま
)
とお
三
(
さん
)
どんが
眞先
(
まつさき
)
に
襷
(
たすき
)
をはづせば、そゝくさは
飛出
(
とびだ
)
していやお
早
(
はや
)
いお
出
(
いで
)
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『きやつ、』と
言
(
い
)
つて、
私
(
わたくし
)
は
鉄砲玉
(
てつぱうだま
)
のやうに
飛出
(
とびだ
)
したが、
廊下
(
らうか
)
の
壁
(
かべ
)
に
額
(
ひたひ
)
を
打
(
ぶ
)
つて、ばつたり
倒
(
たふ
)
れた。……
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
母
(
はゝ
)
もひきつけて
了
(
しま
)
つたさうです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その夜の話し手
遠藤盛近
(
えんどうもりちか
)
は、
山羊髥
(
やぎひげ
)
の
萎
(
しな
)
びた中老人で、
羊羹
(
ようかん
)
色になった背広の、カフスから
飛出
(
とびだ
)
すシャツを気にし
乍
(
なが
)
ら、老眼鏡の玉を五分間に一度位ずつの割りで拭き拭き
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なん
)
だらうと思つて
直
(
すぐ
)
に
飛出
(
とびだ
)
して
格子
(
かうし
)
を明けて見ますると、
両側
(
りやうがは
)
共
(
とも
)
に
黒木綿
(
くろもめん
)
の
金巾
(
かなきん
)
の
二巾位
(
ふたはゞぐらゐ
)
もありませうか
幕張
(
まくは
)
りがいたしてございまして、
真黒
(
まつくろ
)
で
丸
(
まる
)
で
芝居
(
しばゐ
)
の
怪談
(
くわいだん
)
のやうでございます。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
處
(
ところ
)
が
中山
(
ちうざん
)
の
大人物
(
だいじんぶつ
)
は、
天井
(
てんじやう
)
がガタリと
言
(
い
)
つても、わツと
飛出
(
とびだ
)
すやうな、やにツこいのとは、
口惜
(
くや
)
しいが
鍛錬
(
きたへ
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少くも本人だけは
許婚
(
いいなずけ
)
位の心持でいたのでしょうが、鈴子夫人が女子大を卒業して、女流詩人として名を成し始めた頃、不意に横合から
飛出
(
とびだ
)
した国府老人が、金にモノをいわせて
奇談クラブ〔戦後版〕:08 音盤の詭計
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
へい/\
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞう
)
じます、
何卒
(
どうぞ
)
頂戴致
(
ちやうだいいた
)
したいもので。姫「
少々
(
せう/\
)
控
(
ひか
)
へて
居
(
ゐ
)
や。「へい。
慌
(
あは
)
てゝ一
杯
(
ぱい
)
掻込
(
かつこ
)
み、
何分
(
なにぶん
)
窮屈
(
きうくつ
)
で
堪
(
たま
)
らぬから
泡
(
あは
)
を
食
(
く
)
つて
飛出
(
とびだ
)
したが、
余
(
あま
)
り
取急
(
とりいそ
)
いだので
莨入
(
たばこいれ
)
を
置忘
(
おきわす
)
れました。 ...
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
猪
(
しゝ
)
が
飛出
(
とびだ
)
したやうに
又
(
また
)
驚
(
おどろ
)
いて、
彼
(
かれ
)
は
廣
(
ひろ
)
い
辻
(
つじ
)
に
一人
(
ひとり
)
立
(
た
)
つて、
店々
(
みせ/\
)
の
電燈
(
でんとう
)
の
數
(
かず
)
より
多
(
おほ
)
い、
大屋根
(
おほやね
)
の
石
(
いし
)
の
蒼白
(
あをじろ
)
い
數
(
かず
)
を
見
(
み
)
た。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と田舎の人は正直で親切でございますから、本当に死ぬ了簡と見えて、
藻刈鎌
(
もがりがま
)
を
担
(
かつ
)
いで出掛けまする。文吉も
小長
(
こなが
)
いのを一本差しまして、さっさと跡から
飛出
(
とびだ
)
して余程急ぎましたが、間に合いません。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
井上半十郎正景
(
いのうえはんじゅうろうまさかげ
)
は、
押
(
お
)
っ
取
(
とり
)
刀で
飛出
(
とびだ
)
しました。
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
で、
又
(
また
)
飛出
(
とびだ
)
す、
崖
(
がけ
)
も
谷
(
たに
)
もほつゝき
歩行
(
ある
)
く、——と
雲
(
くも
)
が
白
(
しろ
)
く、
山
(
やま
)
が
青
(
あを
)
い。……
外
(
ほか
)
に
見
(
み
)
えるものは
何
(
なん
)
にもない。
目
(
め
)
が
青
(
あを
)
く
脳
(
なう
)
が
青
(
あを
)
く
成
(
な
)
つて
了
(
しま
)
つたかと
思
(
おも
)
ふばかり。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
アツ。と
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
けたまゝ
水屋
(
みづや
)
の
方
(
はう
)
へ
飛出
(
とびだ
)
しました。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
出
(
だ
)
さうとした
信玄袋
(
しんげんぶくろ
)
は、
顧
(
かへり
)
みるに
餘
(
あま
)
りに
輕
(
かる
)
い。
函
(
はこ
)
に
載
(
の
)
せると、ポンと
飛出
(
とびだ
)
しさうであるから
遠慮
(
ゑんりよ
)
した。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“飛”で始まる語句
飛
飛沫
飛騨
飛鳥
飛白
飛込
飛退
飛翔
飛行
飛脚