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苦心
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くしん
ふりがな文庫
“
苦心
(
くしん
)” の例文
そうだ、これを
弟
(
おとうと
)
に
見
(
み
)
せてやろう。そして、りこうなはちが、どうして
巣
(
す
)
を
造
(
つく
)
り、また
子供
(
こども
)
を
育
(
そだ
)
てるのに
苦心
(
くしん
)
するかを
教
(
おし
)
えてやろう。
ある夏の日のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
五番
(
ごばん
)
めの
石上
(
いそのかみ
)
の
中納言
(
ちゆうなごん
)
は
燕
(
つばめ
)
の
子安貝
(
こやすがひ
)
を
獲
(
と
)
るのに
苦心
(
くしん
)
して、いろ/\と
人
(
ひと
)
に
相談
(
そうだん
)
して
見
(
み
)
た
後
(
のち
)
、ある
下役
(
したやく
)
の
男
(
をとこ
)
の
勸
(
すゝ
)
めにつくことにしました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
ところが
仲々
(
なかなか
)
、お
役人方
(
やくにんがた
)
の
苦心
(
くしん
)
は、新聞に出ているくらいのものではありませんでした。その
研究中
(
けんきゅうちゅう
)
の一つのはなしです。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
然
(
しか
)
るに
私
(
わたくし
)
の
苦心
(
くしん
)
は
全
(
まつた
)
く
無益
(
むえき
)
であつた。
第一端艇
(
だいいちたんてい
)
の
波上
(
はじやう
)
に
浮
(
うか
)
ぶや
否
(
い
)
なや、
忽
(
たちま
)
ち
數百
(
すうひやく
)
の
人
(
ひと
)
は、
雪崩
(
なだれ
)
の
如
(
ごと
)
く
其處
(
そこ
)
へ
崩
(
くづ
)
れかゝつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おかあさんを見ろ、きさまのことを心配してあのとおりやせてるわ。もうそのくらいの年になったらば、
両親
(
りょうしん
)
の
苦心
(
くしん
)
もすこしはわかりそうなものだ
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
「もちろんだよ。あとでやつは、さんざん
苦心
(
くしん
)
して
自由
(
じゆう
)
の
体
(
からだ
)
になっただろう。そうとうきつくしばってやったからな」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
彼
(
かれ
)
は、まだ
羞恥
(
はぢ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とが
全身
(
ぜんしん
)
を
支配
(
しはい
)
して
居
(
ゐ
)
るおつぎを
捕
(
とら
)
へて
只
(
たゞ
)
凝然
(
ぢつ
)
と
動
(
うご
)
かさないまでには
幾度
(
いくたび
)
か
手
(
て
)
を
換
(
かへ
)
て
苦心
(
くしん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何しろ
腕
(
うで
)
一
杯
(
ぱい
)
のところを見せて、
少
(
すくな
)
くとも日本の
洋畫界
(
やうぐわかい
)
に一
生面
(
せいめん
)
を
開
(
ひら
)
かうといふ
野心
(
やしん
)
であツたから、其の用意、其の
苦心
(
くしん
)
、實に
慘
(
さん
)
憺たるものであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
且
(
かつ
)
性來
(
せいらい
)
記憶力
(
きおくりよく
)
に
乏
(
とぼ
)
しき
余
(
よ
)
は、
此等
(
これら
)
の
病症
(
びやうしやう
)
の
爲
(
ため
)
に
益
(
ます/\
)
其
(
その
)
※退
(
げんたい
)
するを
感
(
かん
)
じ、
治療法
(
ちれうはふ
)
に
苦心
(
くしん
)
せる
時
(
とき
)
、
偶
(
たま/\
)
冷水浴
(
れいすゐよく
)
を
爲
(
な
)
して
神
(
かみ
)
に
祷願
(
たうぐわん
)
せば
必
(
かなら
)
ず
功驗
(
こうけん
)
ある
可
(
べ
)
しと
告
(
つ
)
ぐる
人
(
ひと
)
あり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
それでも
時々
(
とき/″\
)
は、
先方
(
さき
)
の
樣子
(
やうす
)
を、
小六
(
ころく
)
と
兄
(
あに
)
の
對話
(
たいわ
)
から
聞
(
き
)
き
込
(
こ
)
む
事
(
こと
)
もあつた。一
週間
(
しうかん
)
程
(
ほど
)
前
(
まへ
)
に、
小六
(
ころく
)
は
兄
(
あに
)
に、
安之助
(
やすのすけ
)
がまた
新發明
(
しんはつめい
)
の
應用
(
おうよう
)
に
苦心
(
くしん
)
してゐる
話
(
はなし
)
をした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
後
(
あと
)
で
聞
(
き
)
くと、
弴
(
とん
)
さんの
苦心
(
くしん
)
は、
大根
(
だいこん
)
おろし。まだ
御馳走
(
ごちそう
)
もない
前
(
まへ
)
に、
敢
(
あへ
)
て
胃
(
ゐ
)
の
消化
(
せうくわ
)
を
助
(
たす
)
けるためではない。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雪ふかき所は雪中には山に入りて
樵
(
きこり
)
する事あたはざるゆゑの
所為
(
しわざ
)
にて、我国雪の
為
(
ため
)
に
苦心
(
くしん
)
するの一ツ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ボートは
善
(
よ
)
く
漕
(
こ
)
ぐ、
水練
(
すゐれん
)
は
遣
(
や
)
る、自転車で
乗廻
(
のりまは
)
す、
馬
(
うま
)
も
遣
(
や
)
る、学科には
平生
(
へいぜい
)
苦心
(
くしん
)
せんのであつたが、
善
(
よ
)
く出来ました、
試験
(
しけん
)
の
成績
(
せいせき
)
も
相応
(
さうおう
)
に
宜
(
よろ
)
しかつた、
私
(
わたし
)
と来ると
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その
點
(
てん
)
でとりわけ
物事
(
ものごと
)
に
縁起
(
えんぎ
)
を
擔
(
かつ
)
ぐ
支那人
(
しなじん
)
が
如何
(
いか
)
に
苦心
(
くしん
)
焦慮
(
せうりよ
)
するかはいろいろ
語
(
かた
)
られてゐることだが、
全
(
まつた
)
く
外
(
ほか
)
のことでは
如何
(
いか
)
なる
擔
(
かつ
)
ぎ
屋
(
や
)
でもない
僕
(
ぼく
)
が
麻雀
(
マージヤン
)
の
日
(
ひ
)
となると
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
湯屋
(
ゆや
)
で
拾
(
ひろ
)
い
集
(
あつ
)
めた
爪
(
つめ
)
じゃァねえよ。
蚤
(
のみ
)
や
蚊
(
か
)
なんざもとよりのこと、
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
まで
凍
(
こお
)
るような
雪
(
ゆき
)
の
晩
(
ばん
)
だって、おいらァじっと
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
へもぐり
込
(
こ
)
んだまま
辛抱
(
しんぼう
)
して
来
(
き
)
た
苦心
(
くしん
)
の
宝
(
たから
)
だ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
學校
(
がくかう
)
の
唱歌
(
しようか
)
にもぎつちよんちよんと
拍子
(
ひやうし
)
を
取
(
と
)
りて、
運動會
(
うんどうくわい
)
に
木
(
き
)
やり
音頭
(
おんど
)
もなしかねまじき
風情
(
ふぜい
)
、さらでも
教育
(
きやういく
)
はむづかしきに
教師
(
きやうし
)
の
苦心
(
くしん
)
さこそと
思
(
おも
)
はるゝ
入谷
(
いりや
)
ぢかくに
育英舍
(
いくえいしや
)
とて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これも
小栗上野介
(
おぐりこうずけのすけ
)
等の
尽力
(
じんりょく
)
に出でたるものにて、例の
財政
(
ざいせい
)
困難
(
こんなん
)
の場合とて費用の
支出
(
ししゅつ
)
については当局者の
苦心
(
くしん
)
尋常
(
じんじょう
)
ならざりしにもかかわらず、陸軍の
隊長
(
たいちょう
)
等は仏国教師の言を
聞
(
き
)
き
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
「そうだ! その砦へ
抜
(
ぬ
)
けるために、じつは非常に
苦心
(
くしん
)
しているところじゃ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或年の
春
(
はる
)
、
僕
(
ぼく
)
は原稿の出来ぬことに
少
(
すくな
)
からず
屈託
(
くったく
)
していた。滝田
君
(
くん
)
はその時
僕
(
ぼく
)
のために谷崎潤一郎
君
(
くん
)
の原稿を
示
(
しめ
)
し、(それは
実際
(
じっさい
)
苦心
(
くしん
)
の痕の
歴々
(
れきれき
)
と見える原稿だった。)大いに
僕
(
ぼく
)
を
激励
(
げきれい
)
した。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
イヤ
一人
(
ひとり
)
の
小供
(
こども
)
を
満足
(
まんぞく
)
に
仕上
(
しあ
)
げるにはなかなか
並大抵
(
なみたいてい
)
の
苦心
(
くしん
)
ではござらぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
先生が生きて復讐する事が出来ないで、死んで
仇
(
あだ
)
をとろうとあれだけの
苦心
(
くしん
)
をなすったのに、こうむざむざと見つけられるとは。あの業突張りに何故もっと大きな天罰が与えられないのでしょう。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
摩
(
さす
)
りながら其
志
(
こゝろ
)
ざしは
嬉
(
うれ
)
しけれど
如何
(
いか
)
に年貢の金に
差閊
(
さしつか
)
へたりとて
其方達
(
そのはうたち
)
を
浮川竹
(
うきかはたけ
)
に
沈
(
しづ
)
めんとは思ひも
寄
(
よら
)
ずと十兵衞は妻お安の
泣居
(
なきゐ
)
るを
勵
(
はげ
)
まし餘り
苦心
(
くしん
)
をすると
能
(
よき
)
工夫
(
くふう
)
の付ぬ物なりと
自在鍵
(
じざいかぎ
)
より
鑵子
(
やくわん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
みろ、これが
苦心
(
くしん
)
の
末
(
すえ
)
、おれが翻訳した文章なのだ
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
子供
(
こども
)
たちは、かってな
理屈
(
りくつ
)
をつけて、さおにさおを
継
(
つ
)
ぎ
足
(
た
)
して、どうかして
高
(
たか
)
い
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
までとどくようにしたいと
苦心
(
くしん
)
していました。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「やっぱりがまんしてつづけよう。ここで
投
(
な
)
げだしては、いままでの
苦心
(
くしん
)
も水の
泡
(
あわ
)
だ。それにしても、こんど、あいつに会ったら、ただではすまさんぞ」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
さて
紫紺染
(
しこんぞめ
)
が東京
大博覧会
(
だいはくらんかい
)
で
二等賞
(
にとうしょう
)
をとるまでにはこんな
苦心
(
くしん
)
もあったというだけのおはなしであります。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其後
(
そのご
)
幾年月
(
いくねんげつ
)
の
間
(
あひだ
)
、
苦心
(
くしん
)
に
苦心
(
くしん
)
を
重
(
かさ
)
ねた
結果
(
けつくわ
)
、
一昨年
(
いつさくねん
)
の十一
月
(
ぐわつ
)
三十
日
(
にち
)
、
私
(
わたくし
)
が
一艘
(
いつそう
)
の
大帆走船
(
だいほまへせん
)
に、
夥
(
おびたゞ
)
しき
材料
(
ざいれう
)
と、卅七
名
(
めい
)
の
腹心
(
ふくしん
)
の
部下
(
ぶか
)
とを
搭載
(
のせ
)
て、はる/″\
日本
(
につぽん
)
を
去
(
さ
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
未明
(
みめい
)
に
復
(
また
)
土藏
(
どざう
)
へ
隱
(
かく
)
れた。
内儀
(
かみ
)
さんは
傭人
(
やとひにん
)
の
口
(
くち
)
を
堅
(
かた
)
く
警
(
いまし
)
めて
外
(
そと
)
へ
洩
(
も
)
れないやうと
苦心
(
くしん
)
をした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
是非共二三十羽の孔雀を捕獲致さざる
可
(
べか
)
らずと
存候
(
ぞんじそろ
)
。然る所孔雀は動物園、浅草花屋敷等には、ちらほら見受け候えども、普通の鳥屋
抔
(
など
)
には
一向
(
いっこう
)
見当り
不申
(
もうさず
)
、
苦心
(
くしん
)
此事
(
このこと
)
に御座
候
(
そろ
)
。……
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
で其の
準備
(
じゆんび
)
からして
頗
(
すこぶ
)
る
大仰
(
おほげう
)
で、モデルの
詮索
(
せんさく
)
にも何の
位
(
くらい
)
苦心
(
くしん
)
したか知れぬ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
時勢
(
じせい
)
の
然
(
しか
)
らしむるところとは申しながら、そもそも勝氏が一身を以て東西の間に
奔走
(
ほんそう
)
周旋
(
しゅうせん
)
し、内外の
困難
(
こんなん
)
に
当
(
あた
)
り
円滑
(
えんかつ
)
に事を
纒
(
まと
)
めたるがためにして、その
苦心
(
くしん
)
の
尋常
(
じんじょう
)
ならざると、その
功徳
(
こうとく
)
の
大
(
だい
)
なるとは
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
一同
(
いちどう
)
幹事
(
かんじ
)
の
苦心
(
くしん
)
を
察
(
さつ
)
して、
其
(
そ
)
の
一錢
(
いつせん
)
を
頂
(
いたゞ
)
いた。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
良
(
りょう
)
一は、
机
(
つくえ
)
のそばにあった、
手製
(
てせい
)
のモーターを
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げて
見
(
み
)
せました。
電池
(
でんち
)
を
通
(
とお
)
せばまわるまでに、なかなかの
苦心
(
くしん
)
がいったのです。
僕が大きくなるまで
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
巡査
(
じゅんさ
)
は、
苦心
(
くしん
)
のすえに相手の
首
(
くび
)
をしめあげた。もちろん、見えない首をしめあげるのだから、ずいぶんおかしなものだったが、巡査は一生けんめいだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
勘次
(
かんじ
)
には
卯平
(
うへい
)
は
畏
(
おそ
)
ろしいよりも
其
(
その
)
時
(
とき
)
では
寧
(
むし
)
ろ
厭
(
いや
)
な
老爺
(
おやぢ
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
二人
(
ふたり
)
は
滅多
(
めつた
)
に
口
(
くち
)
も
利
(
き
)
かぬ。それを
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
なければ
成
(
な
)
らぬお
品
(
しな
)
の
苦心
(
くしん
)
は
容易
(
ようい
)
なものではなかつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
が
幾年月
(
いくねんげつ
)
の
間
(
あひだ
)
苦心
(
くしん
)
に
苦心
(
くしん
)
を
重
(
かさ
)
ねたる
結果
(
けつくわ
)
、
或
(
ある
)
秘密
(
ひみつ
)
なる十二
種
(
しゆ
)
の
化學藥液
(
くわがくやくえき
)
の
機密
(
きみつ
)
なる
分量
(
ぶんりよう
)
の
化合
(
くわごう
)
は、
普通
(
ふつう
)
の
電氣力
(
でんきりよく
)
に
比
(
ひ
)
して、
殆
(
ほと
)
んど三十
倍
(
ばい
)
以上
(
いじやう
)
の
猛烈
(
まうれつ
)
なる
作用
(
さよう
)
を
起
(
おこ
)
す
事
(
こと
)
を
發見
(
はつけん
)
し
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
妹
(
いもうと
)
は、
家
(
うち
)
を
出
(
で
)
てから、その
男
(
おとこ
)
の
人
(
ひと
)
に
連
(
つ
)
れられて、
知
(
し
)
らぬ
他国
(
たこく
)
を
旅
(
たび
)
して
歩
(
ある
)
きました。その
間
(
あいだ
)
に、
男
(
おとこ
)
はまた
苦心
(
くしん
)
して、
目
(
め
)
の
良薬
(
りょうやく
)
を
探
(
さが
)
しました。
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見物人
(
けんぶつにん
)
から、なんとののしられても、さも
聞
(
きこ
)
こえぬようなふうをして、すすきの
中
(
なか
)
に
隠
(
かく
)
れて、おとりのすずめを
鳴
(
な
)
かすのに、
苦心
(
くしん
)
していました。
すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
甲
(
こう
)
は、どうかして、その
水
(
みず
)
を
飲
(
の
)
めなくしてしまうように
苦心
(
くしん
)
したのであります。けれど、いい
考
(
かんが
)
えが
浮
(
う
)
かびませんでした。そのうち、一つの
考
(
かんが
)
えが
浮
(
う
)
かびました。
神は弱いものを助けた
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
村
(
むら
)
の
子供
(
こども
)
たちも、
大人
(
おとな
)
も、
人
(
ひと
)
のいい
弥吉
(
やきち
)
じいさんが、
魚
(
さかな
)
をとる
苦心
(
くしん
)
を
知
(
し
)
らないものはありませんでした。
都会はぜいたくだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は、そう
思
(
おも
)
うと、
憤然
(
ふんぜん
)
として、すきを
見
(
み
)
て、このサーカス
団
(
だん
)
から
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
そうと
苦心
(
くしん
)
したのであります。
サーカスの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
妹
(
いもうと
)
はしかたなく、
苦心
(
くしん
)
をして、そのおばあさんをおぶって、ようよう
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
ることができました。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おじいさんは、
葉
(
は
)
についた
虫
(
むし
)
を
取
(
と
)
ってやったり、また、ちょうが
飛
(
と
)
んできて
止
(
と
)
まろうとするのを
追
(
お
)
ったりして、それは、
人
(
ひと
)
の
知
(
し
)
らぬ
苦心
(
くしん
)
をして、
花
(
はな
)
をいたわってやったのであります。
花と人間の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
人
(
ひと
)
は、どうしたら、
愉快
(
ゆかい
)
な
音
(
ね
)
が
出
(
で
)
るかと、いろいろに
苦心
(
くしん
)
をこらしたのです。
楽器の生命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あんまり、
強情
(
ごうじょう
)
を
張
(
は
)
るものでない。あんないいお
家
(
うち
)
を、お
暇
(
ひま
)
なんか
取
(
と
)
らなくてもよかったのだ。」と、
植木屋
(
うえきや
)
のおじいさんが、いったときに、
彼女
(
かのじょ
)
は、お
母
(
かあ
)
さんが、あれほど、
苦心
(
くしん
)
して
おさくの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、よく
働
(
はたら
)
く
孫
(
まご
)
の、この
願
(
ねが
)
いは
空
(
むな
)
しくなかった。ついに、その
木琴
(
もっきん
)
が、
秀吉
(
ひできち
)
の
手
(
て
)
に
入
(
はい
)
ったとき、どんなにうれしかったでしょう。
彼
(
かれ
)
は、
苦心
(
くしん
)
して、
細
(
ほそ
)
い
針金
(
はりがね
)
で、
糸
(
いと
)
の
切
(
き
)
れたのをつなぎました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
、
姉
(
あね
)
は、だれにも
知
(
し
)
れないように、
苦心
(
くしん
)
をして
城
(
しろ
)
からのがれ
出
(
で
)
ました。そして、
町
(
まち
)
の
人々
(
ひとびと
)
に
女皇
(
じょおう
)
の
姫
(
ひめ
)
であるということを
気
(
き
)
づかれないようにして、
塔
(
とう
)
の
立
(
た
)
っているところまでやってきました。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
石
(
いし
)
も、
鉄
(
てつ
)
も、
熔
(
と
)
かしてしまうために
強
(
つよ
)
い
火
(
ひ
)
がたかれました。
鐘
(
かね
)
を
鋳
(
い
)
るものは、
王
(
おう
)
さまの
命令
(
めいれい
)
に
従
(
したが
)
って、
仕事
(
しごと
)
に
苦心
(
くしん
)
をしました。そして、
大
(
おお
)
きな、
重
(
おも
)
い、
青
(
あお
)
みを
含
(
ふく
)
んだ
鐘
(
かね
)
ができあがったのでありました。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
子供
(
こども
)
の
気
(
き
)
をまぎらせようと
苦心
(
くしん
)
しました。
泣きんぼうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“苦心”の意味
《名詞》
物事を成し遂げるのにあれこれ考えたり迷ったりして苦労すること。
(出典:Wiktionary)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“苦心”で始まる語句
苦心惨憺
苦心労繁
苦心慘憺