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眞赤
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まつか
ふりがな文庫
“
眞赤
(
まつか
)” の例文
新字:
真赤
鯛
(
たひ
)
の
子
(
こ
)
はくやしくつて
火
(
ひ
)
のやうに
眞赤
(
まつか
)
になりました。けれどまた
怖
(
こわ
)
くつて、
氷
(
こほり
)
のやうに
硬
(
こは
)
ばつてぶるぶる、ふるえてをりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
やあ
汚
(
きたね
)
え
溝
(
どぶ
)
だ。
恐
(
おそろ
)
しい
石灰
(
いしばひ
)
だ。
酷
(
ひど
)
い
道
(
みち
)
だ。
三階
(
さんがい
)
があるぜ、
浴衣
(
ゆかた
)
ばかしの
土用干
(
どようぼし
)
か、
夜具
(
やぐ
)
の
裏
(
うら
)
が
眞赤
(
まつか
)
な、
何
(
なん
)
だ
棧橋
(
さんばし
)
が
突立
(
つツた
)
つてら。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
山内は顏を
眞赤
(
まつか
)
にして會釋して、
不即不離
(
つかずはなれず
)
の間隔をとつて、いかにも窮屈らしい足取で、十間許り前方をチョコ/\と歩いた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
嘘やないちうたら、まア聽けよ。……そいから、俺アまアあの時、何んであんなことする元氣が出たか、かんてきの火の
眞赤
(
まつか
)
にいこつたやつを
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と、
急
(
きふ
)
に
來
(
き
)
た
人
(
ひと
)
の
院長
(
ゐんちやう
)
だと
解
(
わか
)
つたので、
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
を
怒
(
いかり
)
に
顫
(
ふる
)
はして、
寐床
(
ねどこ
)
から
飛上
(
とびあが
)
り、
眞赤
(
まつか
)
になつて、
激怒
(
げきど
)
して、
病室
(
びやうしつ
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
突立
(
つゝた
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
御歸
(
おかへ
)
し下さる樣偏へに御願ひ申ますと
眞面目
(
まじめ
)
で云ふゆゑ
居並
(
ゐなら
)
びし役人共一同笑ひに
耐兼
(
たへかね
)
眞赤
(
まつか
)
に成て居るにぞ越前守殿も
笑
(
わら
)
はれながら
好々
(
よし/\
)
御威光
(
ごゐくわう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
本當に一つも蚤にくはれなかつた子供の美しい肌が、
幾許
(
いくら
)
とも知らないぶつ/\の爲めに
眞赤
(
まつか
)
になつてゐるのであつた。
珠
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
かの
鵞鳥
(
がてう
)
の
聲
(
こゑ
)
の
婦人
(
ふじん
)
は
口
(
くち
)
あんぐり、
眞赤
(
まつか
)
になつて
眼
(
め
)
を
白黒
(
しろくろ
)
にして
居
(
を
)
る、
定
(
さだ
)
めて
先刻
(
せんこく
)
の
失言
(
しつげん
)
をば
後悔
(
こうくわい
)
して
居
(
を
)
るのであらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何處
(
どこ
)
の
姉樣
(
あねさま
)
からお
手紙
(
てがみ
)
が
來
(
こ
)
やうぞ、
眞赤
(
まつか
)
な
嘘
(
うそ
)
をと
我家
(
わがや
)
の
見返
(
みかへ
)
られて、
何事
(
なにごと
)
も
御存
(
ごぞん
)
じなしによいお
顏
(
かほ
)
をして
暇
(
ひま
)
を
下
(
くだ
)
さる
勿躰
(
もつたい
)
なさ、あのやうな
毒
(
どく
)
の
無
(
な
)
い
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
晩餐の爲めに
點
(
とも
)
された
切子
(
きりこ
)
硝子で飾つた燈の光がにぎやかに部屋にひろがり滿ちてゐた。大きく燃える火は、すつかり
眞赤
(
まつか
)
になつてゐて、明るかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
さうして、
斯
(
か
)
く
透明
(
とうめい
)
な
聲
(
こゑ
)
が、
二人
(
ふたり
)
の
未來
(
みらい
)
を、
何
(
ど
)
うしてあゝ
眞赤
(
まつか
)
に、
塗
(
ぬ
)
り
付
(
つ
)
けたかを
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
つた。
今
(
いま
)
では
赤
(
あか
)
い
色
(
いろ
)
が
日
(
ひ
)
を
經
(
へ
)
て
昔
(
むかし
)
の
鮮
(
あざや
)
かさを
失
(
うしな
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
薄あかりのなかに
凝視
(
みつ
)
むる小さな銀側時計の怪しい數字に
苦蓬
(
にがよもぎ
)
の
香
(
にほひ
)
沁みわたり、右に持つた
薄手
(
うすで
)
の和蘭皿にはまだ
眞赤
(
まつか
)
な幼兒の生膽がヒクヒクと息をつく。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「その八俣の大蛇というのはどういう形をしているのですか」とお尋ねになつたところ、「その
目
(
め
)
は
丹波酸漿
(
たんばほおずき
)
のように
眞赤
(
まつか
)
で、身體一つに頭が八つ、尾が八つあります。 ...
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
こゝは
湯気
(
ゆげ
)
が一ぱい
籠
(
こ
)
もつてゐて、
遽
(
にはか
)
に
這入
(
はひ
)
つて
見
(
み
)
ると、しかと
物
(
もの
)
を
見定
(
みさだ
)
めることも
出來
(
でき
)
ぬ
位
(
くらゐ
)
である。その
灰色
(
はひいろ
)
の
中
(
なか
)
に
大
(
おほ
)
きい
竈
(
かまど
)
が三つあつて、どれにも
殘
(
のこ
)
つた
薪
(
まき
)
が
眞赤
(
まつか
)
に
燃
(
も
)
えてゐる。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
滿面
(
まんめん
)
朱
(
しゆ
)
をそゝいだやうに
眞赤
(
まつか
)
になつてお
怒
(
いか
)
りになりました、
暫時
(
しばし
)
の
間
(
あひだ
)
野獸
(
やじう
)
の
如
(
ごと
)
く
愛
(
あい
)
ちやんを
凝視
(
みつめ
)
てお
在
(
ゐ
)
でになりましたが、
軈
(
やが
)
て、『
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ね
飛
(
と
)
ばすぞ!
刎
(
は
)
ね——』と
叫
(
さけ
)
ばれました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
四五日
(
しごにち
)
も
經
(
た
)
つと
此事
(
このこと
)
が
忽
(
たちま
)
ち
親父
(
おやぢ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
入
(
はひ
)
つた。
親父
(
おやぢ
)
は
眞赤
(
まつか
)
になつて
怒
(
おこ
)
つた、店にあるだけの
櫻
(
さくら
)
の木の皮を
剥
(
むか
)
せ(な脱カ)ければ
承知
(
しようち
)
しないと
力味
(
りきん
)
で
見
(
み
)
たが、さて
一向
(
いつかう
)
に
效果
(
きゝめ
)
がない。
少年
(
こども
)
は平氣で
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そいつは
眞赤
(
まつか
)
の
殺人者
(
ひとごろし
)
だ。
三人目の患者
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
眞赤
(
まつか
)
なダリヤ
小さな鶯
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
黒雲
(
くろくも
)
を
捲
(
ま
)
いて、
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
き、
電
(
いなづま
)
のやうに、
鐵
(
てつ
)
の
門
(
もん
)
、
石
(
いし
)
の
唐戸
(
からと
)
にも、
遮
(
さへぎ
)
らせず、
眞赤
(
まつか
)
な
胸
(
むね
)
の
炎
(
ほのほ
)
で
包
(
つゝ
)
んで、
弱
(
よわ
)
い
婦
(
をんな
)
に
逢
(
あ
)
ひました。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
或朝
(
あるあさ
)
早
(
はや
)
く
非常
(
ひじやう
)
に
興奮
(
こうふん
)
した
樣子
(
やうす
)
で、
眞赤
(
まつか
)
な
顏
(
かほ
)
をし、
髮
(
かみ
)
も
茫々
(
ばう/\
)
として
宿
(
やど
)
に
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
而
(
さう
)
して
何
(
なに
)
か
獨語
(
ひとりごと
)
しながら、
室内
(
しつない
)
を
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
へと
急
(
いそ
)
いで
歩
(
ある
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
無法
(
むはふ
)
に
水夫等
(
すゐふら
)
を
叱付
(
しかりつ
)
けて
居
(
を
)
つた
人相
(
にんさう
)
の
惡
(
わる
)
い
船長
(
せんちやう
)
の
帽子
(
ぼうし
)
を、
其
(
その
)
鳶糸
(
たこいと
)
で
跳飛
(
はねと
)
ばしたので、
船長
(
せんちやう
)
は
元來
(
ぐわんらい
)
非常
(
ひじやう
)
に
小八釜
(
こやかま
)
しい
男
(
をとこ
)
、
眞赤
(
まつか
)
になつて
此方
(
こなた
)
に
向直
(
むきなほ
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
殺さば殺せ覺悟なりと己れが
舊惡
(
きうあく
)
の
顯
(
あら
)
はれ口を
横道
(
よこみち
)
へ
引摺込
(
ひきずりこん
)
で
防
(
ふせ
)
がんと猶も
奸智
(
かんち
)
を
運
(
めぐ
)
らしけるに忠兵衞の妻お富は長庵が
云
(
いふ
)
事を
始終
(
しじう
)
默
(
もく
)
して聞居たりしが
眞赤
(
まつか
)
に成たる顏を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私は顏が
眞赤
(
まつか
)
に
火照
(
ほて
)
つて來るのを覺えた。痛ましい、心を掻き
擾
(
みだ
)
す追憶の數々が結婚の言葉に誘はれて呼び醒まされたからである。彼等は皆私のかうした當惑と感動を見てしまつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
眞赤
(
まつか
)
に光つて暮れる TONKA JOHN の十三歳。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
莫迦
(
ばか
)
に
眞赤
(
まつか
)
に
燒
(
や
)
けすぎた、
頭
(
あたま
)
に
砂糖
(
さたう
)
をかけてくれ」
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
私は顏を
眞赤
(
まつか
)
にして矢庭に駈出して了つた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「うむ、」と
云
(
い
)
ふ。
中
(
なか
)
から
縁
(
ふち
)
へしがみついた、
面
(
つら
)
を
眞赤
(
まつか
)
に、
小鼻
(
こばな
)
をしかめて、
目
(
め
)
を
白
(
しろ
)
く
天井
(
てんじやう
)
を
睨
(
にら
)
むのを、
熟
(
じつ
)
と
視
(
なが
)
めて
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『そら
來
(
こ
)
い!。』とばかり、ヒタと
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
の
所謂
(
いはゆる
)
出刄庖丁
(
でばほうちやう
)
の
入
(
はい
)
つて
居
(
を
)
る
脛
(
すね
)
に
己
(
おの
)
が
鐵
(
てつ
)
の
脛
(
すね
)
を
合
(
あは
)
せて、
双方
(
さうほう
)
眞赤
(
まつか
)
になつてエンヤ/\と
押合
(
おしあ
)
つたが
勝負
(
しようぶ
)
が
付
(
つ
)
かない
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
アンドレイ、エヒミチは
錢
(
ぜに
)
を
勘定
(
かんぢやう
)
して、五百
圓
(
ゑん
)
を
無言
(
むごん
)
で
友
(
とも
)
に
渡
(
わた
)
したのである。ミハイル、アウエリヤヌヰチは
未
(
ま
)
だ
眞赤
(
まつか
)
になつて、
面目無
(
めんぼくな
)
いやうな、
怒
(
おこ
)
つたやうな
風
(
ふう
)
で。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
背
(
そむ
)
ける故傳吉は
最早
(
もはや
)
耐難
(
こらへがた
)
く之れにある昌次郎殿に相違なし
慥
(
たし
)
かなる
證據
(
しようこ
)
もある上は
爭
(
あらそ
)
はず金子を返し候へ萬一爭ひ給はゞ
公邊
(
おかみ
)
へ訴へ
黒白
(
くろしろ
)
を分ねば相成ずと言ければ忽ち昌次郎は
眞赤
(
まつか
)
に成て座を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
默
(
だま
)
れ!』と
眞赤
(
まつか
)
になつて
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
眞赤
(
まつか
)
な眞赤な
朱
(
しゆ
)
のやうな
*
MEN が
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夜
(
よ
)
ふけて、ひとり
澄
(
す
)
む
月
(
つき
)
も、
忽
(
たちま
)
ち
暗
(
くら
)
くなりはしないだらうか、
眞赤
(
まつか
)
になりはしないかと、おなじ
不安
(
ふあん
)
に
夜
(
よ
)
を
過
(
す
)
ごした。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「まあ……
堪
(
たま
)
らない。
貴方
(
あなた
)
、
此方
(
こちら
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ます……お
日樣
(
ひさま
)
に
向
(
む
)
いた
所爲
(
せゐ
)
か、
爛
(
たゞ
)
れて
剥
(
む
)
けたやうに
眞赤
(
まつか
)
に
成
(
な
)
つて……」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
(
て
)
屆
(
とゞ
)
く
其
(
そ
)
の
山懷
(
やまふところ
)
に、
蔽
(
おほ
)
ひかさなる
錦葉
(
もみぢ
)
の
蔭
(
かげ
)
に、
葉
(
は
)
の
眞赤
(
まつか
)
な
龍膽
(
りんだう
)
が、ふさ/\と二三
輪
(
りん
)
、
霜
(
しも
)
に
紫
(
むらさき
)
を
凝
(
こら
)
して
咲
(
さ
)
く。……
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
瓦
(
かはら
)
を
粉
(
こ
)
にしたやうな
眞赤
(
まつか
)
な
砂煙
(
すなけむり
)
に、
咽喉
(
のど
)
を
詰
(
つま
)
らせて
歸
(
かへ
)
りがけ、
見付
(
みつけ
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
櫓
(
やぐら
)
の
頂邊
(
てつぺん
)
で、かう、
薄赤
(
うすあか
)
い、おぼろ
月夜
(
づきよ
)
のうちに、
人影
(
ひとかげ
)
の
入亂
(
いりみだ
)
れるやうな
光景
(
くわうけい
)
を
見
(
み
)
たが。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
障子
(
しやうじ
)
を
透
(
す
)
かして、
疊
(
たゝみ
)
凡
(
およ
)
そ
半疊
(
はんでふ
)
ばかりの
細長
(
ほそなが
)
い
七輪
(
しちりん
)
に、
五
(
いつ
)
つづゝ
刺
(
さ
)
した
眞白
(
まつしろ
)
な
串團子
(
くしだんご
)
を、
大福帳
(
だいふくちやう
)
が
權化
(
ごんげ
)
した
算盤
(
そろばん
)
の
如
(
ごと
)
くずらりと
並
(
なら
)
べて、
眞赤
(
まつか
)
な
火
(
ひ
)
を、
四角
(
しかく
)
な
團扇
(
うちは
)
で、ばた/\ばた
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
絲
(
いと
)
を
亂
(
みだ
)
して、
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
が
眞赤
(
まつか
)
に
散
(
ち
)
る、と
其
(
そ
)
の
淡紅
(
うすべに
)
の
波
(
なみ
)
の
中
(
なか
)
へ、
白
(
しろ
)
く
眞倒
(
まつさかさま
)
に
成
(
な
)
つて
沼
(
ぬま
)
に
沈
(
しづ
)
んだ。
汀
(
みぎは
)
を
廣
(
ひろ
)
くするらしい
寂
(
しづ
)
かな
水
(
みづ
)
の
輪
(
わ
)
が
浮
(
う
)
いて、
血汐
(
ちしほ
)
の
綿
(
わた
)
がすら/\と
碧
(
みどり
)
を
曳
(
ひ
)
いて
漾
(
たゞよ
)
ひ
流
(
なが
)
れる……
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
半町
(
はんちやう
)
ばかり
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
を、
火
(
ひ
)
の
燃通
(
もえとほ
)
る
状
(
さま
)
は、
眞赤
(
まつか
)
な
大川
(
おほかは
)
の
流
(
なが
)
るゝやうで、
然
(
しか
)
も
凪
(
な
)
ぎた
風
(
かぜ
)
が
北
(
きた
)
に
變
(
かは
)
つて、
一旦
(
いつたん
)
九段上
(
くだんうへ
)
へ
燒
(
や
)
け
拔
(
ぬ
)
けたのが、
燃返
(
もえかへ
)
つて、
然
(
しか
)
も
低地
(
ていち
)
から、
高臺
(
たかだい
)
へ、
家々
(
いへ/\
)
の
大巖
(
おほいは
)
に
激
(
げき
)
して
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宛如
(
さながら
)
、
秋
(
あき
)
の
掛稻
(
かけいね
)
に、
干菜
(
ほしな
)
、
大根
(
だいこん
)
を
掛
(
か
)
けつらね、
眞赤
(
まつか
)
な
蕃椒
(
たうがらし
)
の
束
(
たば
)
を
交
(
まじ
)
へた、
飄逸
(
へういつ
)
にして
錆
(
さび
)
のある
友禪
(
いうぜん
)
を
一面
(
いちめん
)
ずらりと
張立
(
はりた
)
てたやうでもあるし、しきりに
一小間々々
(
ひとこま/\
)
に、
徳利
(
とくり
)
にお
猪口
(
ちよく
)
、お
魚
(
さかな
)
に
扇
(
あふぎ
)
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其方
(
そちら
)
の……
貴女
(
あなた
)
のお
庭
(
には
)
に、ちよろ/\
流
(
なが
)
れます
遣水
(
やりみづ
)
のふちが、
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
は
大分
(
だいぶ
)
茂
(
しげ
)
りました、
露草
(
つゆくさ
)
の
青
(
あを
)
いんだの、
蓼
(
たで
)
の
花
(
はな
)
の
眞赤
(
まつか
)
なんだの、
美
(
うつく
)
しくよく
咲
(
さ
)
きます……
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
で
鳴
(
な
)
いて
居
(
ゐ
)
るらしいんですがね。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
煙
(
けむり
)
の
波
(
なみ
)
だ。
荒磯
(
あらいそ
)
の
巖
(
いは
)
の
炬燵
(
こたつ
)
が
眞赤
(
まつか
)
だ。が
此時
(
このとき
)
燃拔
(
もえぬ
)
けては
居
(
ゐ
)
なかつた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
眞赤
(
まつか
)
な
鰭
(
ひれ
)
へ。
凄
(
すご
)
い
月
(
つき
)
で、
紫色
(
むらさきいろ
)
に
透通
(
すきとほ
)
らうね。」
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
堪
(
こら
)
へ
兼
(
か
)
ねて、
奴
(
やつこ
)
が
眞赤
(
まつか
)
に
跳
(
は
)
ねて
出
(
で
)
る。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
眞赤
(
まつか
)
な
嘴口
(
くち/″\
)
を
明
(
あ
)
けた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眞
部首:⽬
10画
赤
常用漢字
小1
部首:⾚
7画
“眞”で始まる語句
眞
眞實
眞中
眞面目
眞白
眞直
眞黒
眞似
眞個
眞物