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工合
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ぐあひ
ふりがな文庫
“
工合
(
ぐあひ
)” の例文
「ははあ、そいつはどうもとんだご災難でございました。しかしいかゞでございませう。こんども多分はそんな
工合
(
ぐあひ
)
に参りませうか。」
楢ノ木大学士の野宿
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と
頂戴
(
ちやうだい
)
してしまつた。何しろ仙桂和尚の春風のやうな、のんびりした人柄が、良寛さんの心も、さいうふ
工合
(
ぐあひ
)
にしてしまふのであつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
が、
客
(
きやく
)
が
待
(
ま
)
たうが
待
(
ま
)
つまいが、
一向
(
いつかう
)
に
頓着
(
とんぢやく
)
なく、
此方
(
こつち
)
は
此方
(
こつち
)
、と
澄
(
すま
)
した
工合
(
ぐあひ
)
が、
徳川家時代
(
とくがはけじだい
)
から
味
(
あぢ
)
の
變
(
かは
)
らぬ
頼
(
たの
)
もしさであらう。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ウフヽヽ、アハヽヽ
梅喜
(
ばいき
)
さん
腹
(
はら
)
ア
立
(
た
)
つちやアいけないよ、お
前
(
まへ
)
ん
処
(
とこ
)
のお
内儀
(
かみ
)
さんは
失敬
(
しつけい
)
だが
余
(
あま
)
り
器量
(
きりやう
)
が
好
(
よ
)
くないよ。梅「へえゝ
何
(
ど
)
んな
工合
(
ぐあひ
)
ですな。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたくし
)
は
何氣
(
なにげ
)
なく
衣袋
(
ポツケツト
)
を
探
(
さぐ
)
つて、
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
を
取出
(
とりいだ
)
し、
度
(
ど
)
を
合
(
あは
)
せて
猶
(
な
)
ほよく
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
の
工合
(
ぐあひ
)
を
見
(
み
)
やうとする、
丁度
(
ちやうど
)
此時
(
このとき
)
先方
(
むかふ
)
の
船
(
ふね
)
でも、
一個
(
ひとり
)
の
船員
(
せんゐん
)
らしい
男
(
をとこ
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
胴の締り
工合
(
ぐあひ
)
といひ、ふつくりとした肉つきといひ、
平素
(
ふだん
)
あまりこんなものを見馴れない喜平の素人眼にも、何だか
謂
(
い
)
はくがありさうに見えました。
小壺狩
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その時居合せた男が見ると、その怪物と組み合つた人間は、怪物の体に隠れた所だけ、全然形が消えたやうに見えた、——と云つたやうな
工合
(
ぐあひ
)
です。
近頃の幽霊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
工合
(
ぐあひ
)
えゝつちこともねえが、
此
(
こ
)
んでも
命懸
(
いのちが
)
けで
働
(
はたれ
)
えてんだから、
他人
(
ひと
)
のがにや
大
(
え
)
けえ
錢
(
ぜね
)
になるやうにも
見
(
め
)
えべが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
たゞこの
博物館
(
はくぶつかん
)
は
昔
(
むかし
)
の
建
(
た
)
て
物
(
もの
)
をそのまゝ
使
(
つか
)
つてゐるので、
光線
(
こうせん
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が
少
(
すこ
)
しく
惡
(
わる
)
いのが
缺點
(
けつてん
)
ともいへるでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
少
(
すこ
)
し
身體
(
からだ
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が
惡
(
わる
)
いから、
今日丈
(
けふだ
)
け
宿
(
やど
)
に
殘
(
のこ
)
つてゐると、
遂
(
つひ
)
に
思切
(
おもひき
)
つて
友
(
とも
)
に
云
(
い
)
ふたので
有
(
あ
)
つた、
然
(
しか
)
るにミハイル、アウエリヤヌヰチは、
其
(
そ
)
れぢや
自分
(
じぶん
)
も
家
(
いへ
)
にゐる
事
(
こと
)
に
爲
(
し
)
やう
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
例
(
たと
)
へば六
臂
(
ぴ
)
の
觀音
(
くわんのん
)
は
元々
(
もと/\
)
大化物
(
おほばけもの
)
である、
併
(
しか
)
し
其
(
その
)
澤山
(
たくさん
)
の
手
(
て
)
の
出
(
だ
)
し
方
(
かた
)
の
工夫
(
くふう
)
によつて、
其
(
その
)
手
(
て
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が
可笑
(
おか
)
しくなく、
却
(
かへ
)
つて
尊
(
たうと
)
く
見
(
み
)
える。
決
(
けつ
)
して
滑稽
(
こつけい
)
に
見
(
み
)
えるやうな
下手
(
へた
)
なことはしない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
好
(
い
)
い
工合
(
ぐあひ
)
にそれを
抱
(
だ
)
く
方法
(
はうはふ
)
を
考
(
かんが
)
へつくや
否
(
いな
)
や、(それを
瘤
(
こぶ
)
のやうに
丸
(
まる
)
めて
了
(
しま
)
つて、それから
其
(
そ
)
れが
解
(
と
)
けないやうに、
其
(
その
)
右
(
みぎ
)
の
耳
(
みゝ
)
と
左足
(
ひだりあし
)
とを
緊乎
(
しツかり
)
と
持
(
も
)
つて)
愛
(
あい
)
ちやんはそれを
廣場
(
ひろば
)
へ
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そら、いゝ
工合
(
ぐあひ
)
だらう。僕がこいつをはいてすっすっと歩いたらまるで芝居のやうだらう。まるでカーイのやうだらう、イーのやうだらう。
蛙のゴム靴
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そしてミツちやんが、わあんと泣き出しても、みむきもせず、弓の
工合
(
ぐあひ
)
が悪くなりはしなかつたかどうか、
仔細
(
しさい
)
に調べた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
と
密
(
そつ
)
と
揺
(
ゆす
)
ぶる、
手
(
て
)
に
従
(
したが
)
つて
揺
(
ゆす
)
ぶれるのが、
死
(
し
)
んだ
魚
(
うを
)
の
鰭
(
ひれ
)
を
摘
(
つま
)
んで、
水
(
みづ
)
を
動
(
うご
)
かすと
同
(
おな
)
じ
工合
(
ぐあひ
)
で、
此方
(
こちら
)
が
留
(
や
)
めれば
静
(
じつ
)
と
成
(
な
)
つて、
浮
(
う
)
きも
沈
(
しづ
)
みもしない
風
(
ふう
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
フヽヽ
何
(
ど
)
んな
工合
(
ぐあひ
)
だツて……あ
彼処
(
あそこ
)
へ
味噌漉
(
みそこし
)
を
提
(
さ
)
げて
往
(
い
)
く
何処
(
どこ
)
かの
雇
(
やと
)
ひ
女
(
をんな
)
が
有
(
あ
)
るね、
彼
(
あれ
)
よりは
最
(
も
)
う少し色が
黒
(
くろ
)
くツて、ずんぐりしてえて
好
(
よ
)
くないよ。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だが油絵の依頼は、
懐
(
ふところ
)
加減に少し
工合
(
ぐあひ
)
が
善
(
よ
)
くないので、大抵の依頼者はその儘引き下つて
行
(
ゆ
)
くが、帰りがけには屹度門札を
引
(
ひ
)
つ
剥
(
ぺが
)
して
往
(
ゆ
)
くのを忘れない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そしてそれらの
金屬
(
きんぞく
)
をもつて
造
(
つく
)
つた
器物
(
きぶつ
)
の
方
(
ほう
)
が、
石
(
いし
)
で
造
(
つく
)
つたものよりは
工合
(
ぐあひ
)
のよいことを
知
(
し
)
つてからは、だん/\
石
(
いし
)
の
代
(
かは
)
りに
金屬
(
きんぞく
)
で
造
(
つく
)
るようになりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その色々の声が、大津絵を
補綴
(
ほてつ
)
して行く
工合
(
ぐあひ
)
は、
丁度
(
ちやうど
)
張
(
は
)
り
交
(
ま
)
ぜの
屏風
(
びやうぶ
)
でも見る時と、同じやうな心もちだつた。自分は
可笑
(
をか
)
しくなつたから、途中であははと笑ひ出した。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
不幸
(
ふこう
)
にして
私
(
わたくし
)
の
想像
(
さうざう
)
が
誤
(
あやま
)
らなければ
夫
(
それ
)
こそ
大變
(
たいへん
)
、
今
(
いま
)
本船
(
ほんせん
)
とかの
奇怪
(
きくわい
)
なる
船
(
ふね
)
との
間
(
あひだ
)
は
未
(
ま
)
だ一
海里
(
かいり
)
以上
(
いじやう
)
は
確
(
たしか
)
に
距
(
へだゝ
)
つて
居
(
を
)
るが、あの
燈光
(
ともしび
)
のだん/\と
明亮
(
あかる
)
くなる
工合
(
ぐあひ
)
で
見
(
み
)
ても
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
勘次
(
かんじ
)
さん
近頃
(
ちかごろ
)
工合
(
ぐあひ
)
がえゝといふ
噺
(
はなし
)
だが」
親方
(
おやかた
)
も
義理
(
ぎり
)
一
遍
(
ぺん
)
のやうにいふと
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それでも
愛
(
あい
)
ちやんは
粗暴
(
そばう
)
な
振舞
(
ふるまひ
)
を
好
(
この
)
みませんでしたから、
出來
(
でき
)
るだけそれを
耐
(
た
)
へ
忍
(
しの
)
んで
居
(
ゐ
)
ました。『
競技
(
ゲーム
)
は
今
(
いま
)
、
些
(
や
)
や
好
(
い
)
い
工合
(
ぐあひ
)
に
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
る』
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは
少
(
すこ
)
しく
談話
(
はなし
)
を
機
(
はず
)
ませやうとしました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
お前たちは医者ならそんなこと位知ってさうなもんだといふやうな
工合
(
ぐあひ
)
に
却
(
かへ
)
って逆にお医者さんをいぢめたりするのでした。
よく利く薬とえらい薬
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
面啖
(
めんくら
)
つて、へどもどしながら、そんな
中
(
なか
)
でも
其
(
それ
)
でも、
何
(
なん
)
の
拍子
(
ひやうし
)
だか、
髮
(
かみ
)
の
長
(
なが
)
い
工合
(
ぐあひ
)
と
云
(
い
)
ひ、
股
(
また
)
の
締
(
しま
)
らないだらけた
風
(
ふう
)
が、
朝鮮
(
てうせん
)
か
支那
(
しな
)
の
留學生
(
りうがくせい
)
か
知
(
し
)
ら。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一畝
(
ひとうね
)
麦を刈つてしまふと、ちやうど腰が痛くなるので、その時百姓達は腰をのばす。そのついでに小手をかざして、村の方を見張るのだから、大層
工合
(
ぐあひ
)
はいい。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
これは
薄
(
すすき
)
の葉の垂れた
工合
(
ぐあひ
)
が、殊に出来が面白い。小林君は専門家だけに、それを
床柱
(
とこばしら
)
にぶら下げて貰つて、「よろしいな。銀もよう焼けてゐる」とか
何
(
なん
)
とか云つてゐる。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ハイ/\
是
(
これ
)
が
猪口
(
ちよく
)
かい、
大分
(
だいぶ
)
大きな物だね、アヽ
宜
(
い
)
い
工合
(
ぐあひ
)
についたね。グーツと一
口
(
くち
)
飲
(
の
)
むか
飲
(
の
)
まん
内
(
うち
)
に
旅僧
(
たびそう
)
が
渋
(
しぶ
)
い顔して、僧「アツ……
御亭主
(
ごていしゆ
)
、
序
(
ついで
)
に
愚僧
(
ぐそう
)
も
縛
(
しば
)
つてお
呉
(
く
)
れ。 ...
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さうでないとわれ/\は
博物館
(
はくぶつかん
)
で
知識
(
ちしき
)
を
廣
(
ひろ
)
め
勉強
(
べんきよう
)
することが
工合
(
ぐあひ
)
よくまゐりません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
氣※
(
きかう
)
の
工合
(
ぐあひ
)
や、
草木
(
さうもく
)
の
種類
(
しゆるい
)
などで
觀
(
み
)
ると、
亞弗利加
(
アフリカ
)
の
沿岸
(
えんがん
)
にも
近
(
ちか
)
い
樣
(
やう
)
な
氣持
(
きもち
)
もする。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
話は少し古いが、ある雑誌社の社員が、
長田
(
ながた
)
幹彦氏のところへ原稿を取りに往つた事があつた。長田氏がまだ今日のやうに名を成さない頃で、従つて氏の
懐中
(
ふところ
)
工合
(
ぐあひ
)
も近頃のやうに暖くはなかつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼
(
かれ
)
は
次第
(
しだい
)
に
懷
(
ふところ
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が
善
(
よ
)
く
成
(
な
)
り
掛
(
か
)
けたので、
今
(
いま
)
では
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほ
)
ひづいた
唐鍬
(
たうぐは
)
の一
打
(
うち
)
は一
打
(
うち
)
と
自分
(
じぶん
)
の
蓄
(
たくは
)
へを
積
(
つ
)
んで
行
(
ゆ
)
く
理由
(
わけ
)
なので、
彼
(
かれ
)
は
餘念
(
よねん
)
もなく
極
(
きは
)
めて
愉快
(
ゆくわい
)
に
仕事
(
しごと
)
に
從
(
したが
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうに
成
(
な
)
つたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その代り
乱杭
(
らんぐひ
)
を二三十本打ちこみましたがね、昼になってその崩れた
工合
(
ぐあひ
)
を見ましたらまるでまん中から裂けたやうなあんばいだったのです。
化物丁場
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
黒
(
くろ
)
く
凄
(
すご
)
い
中
(
なか
)
に、
紫色
(
むらさきいろ
)
が
見
(
み
)
えましやう。
高山
(
かうざん
)
は
何処
(
どこ
)
もこの
景色
(
けしき
)
です。
光線
(
くわうせん
)
の
工合
(
ぐあひ
)
です。
夕立雲
(
ゆふだちぐも
)
ではありません。」
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
下札
(
さげふだ
)
は
今
(
いま
)
誂
(
あつらへ
)
にやつてある、まだ
出来
(
でき
)
て
来
(
こ
)
んが
蝋色
(
ろいろ
)
にして
金蒔絵
(
きんまきゑ
)
で
文字
(
もじ
)
を
現
(
あらは
)
し、
裏表
(
うらおもて
)
とも
懸
(
か
)
けられるやうな
工合
(
ぐあひ
)
に、少し
気取
(
きどつ
)
て注文をしたもんぢやから、
手間
(
てま
)
が取れてまだ
出来
(
でき
)
ぬが
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「どこの
工合
(
ぐあひ
)
だつしやろ、ねつから工夫が附きまへんよつて。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ところが狸は次の日からどうもからだの
工合
(
ぐあひ
)
がわるくなった。どういふわけか非常に腹が痛くて、のどのところへちくちく刺さるものがある。
洞熊学校を卒業した三人
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其
(
その
)
身体
(
からだ
)
の
色
(
いろ
)
ばかりが
其
(
それ
)
である、
小鳥
(
ことり
)
ではない、ほん
とう
(
ママ
)
の
可愛
(
かあい
)
らしい、うつくしいのがちやうどこんな
工合
(
ぐあひ
)
に
朱塗
(
しゆぬり
)
の
欄干
(
らんかん
)
のついた
二階
(
にかい
)
の
窓
(
まど
)
から
見
(
み
)
えたさうで。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
同じ事でも
妙
(
めう
)
なもので、
料理茶屋
(
れうりぢやや
)
から
大酔
(
たいすゐ
)
致
(
いた
)
し
咬楊子
(
くはへやうじ
)
か
何
(
なに
)
かでヒヨロ/\
出
(
で
)
て
直
(
すぐ
)
に
腕車
(
くるま
)
に乗る
抔
(
など
)
は誠に
工合
(
ぐあひ
)
が
宜
(
よろ
)
しいが、
汁粉屋
(
しるこや
)
の
店
(
みせ
)
からは
何
(
なん
)
となく出にくいもの、
汁粉屋
(
しるこや
)
では
酔
(
よ
)
ふ
気遣
(
きづかひ
)
はない
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あんまり
工合
(
ぐあひ
)
がよすぎるよ。息がつゞかないでやめたもんなら、片っ方は眼のまはり、あとはひたひの上とかいふ工合に行きさうなもんだねえ。
林の底
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
で、
庭
(
には
)
が
尖
(
とが
)
つて、あとが
座敷
(
ざしき
)
つゞきに、むかうへすつと
擴
(
ひろ
)
がつた
工合
(
ぐあひ
)
が、
友禪切
(
いうぜんぎれ
)
の
衽前
(
おくみさき
)
と
言
(
い
)
ふ
體
(
てい
)
がある。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
断
(
ことわ
)
りのみにて
今日
(
けふ
)
も
御入来
(
おいで
)
は
有
(
あ
)
るまいと
存
(
ぞん
)
じましたが、
図
(
はか
)
らざる
所
(
ところ
)
の
御尊来
(
ごそんらい
)
、
朋友
(
ほういう
)
の
者
(
もの
)
に
外聞
(
ぐわいぶん
)
旁
(
かた/″\
)
誠に
有難
(
ありがた
)
い事で
恐入
(
おそれい
)
ります……
何
(
ど
)
うもお
身装
(
みなり
)
の
工合
(
ぐあひ
)
、お
袴
(
はかま
)
の
穿
(
はき
)
やうから
更
(
さら
)
にお
飾
(
かざ
)
りなさらん所と
云
(
い
)
ひ
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おかみさんは
赤漆塗
(
あかうるしぬ
)
りの
鉢
(
はち
)
の上に
笊
(
ざる
)
を置いて、
桶
(
をけ
)
の中から半分
潰
(
つぶ
)
れた
葡萄
(
ぶだう
)
の粒を、両手に
掬
(
すく
)
って、お握りを作るやうな
工合
(
ぐあひ
)
にしぼりはじめました。
葡萄水
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
蒋生
(
しやうせい
)
ニタリとなり、つかず
離
(
はな
)
れず
尾之
(
これをびす
)
、とある
工合
(
ぐあひ
)
が、
彼
(
か
)
の
地
(
ち
)
の
事
(
こと
)
で、
婦
(
たぼ
)
の
乘
(
の
)
つたは
牛車
(
うしぐるま
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない。
何
(
ど
)
うして
蜻蛉
(
とんぼ
)
に
釣
(
つ
)
られるやうでも、
馬車
(
ばしや
)
だと
然
(
さ
)
うは
呼吸
(
いき
)
が
續
(
つゞ
)
かぬ。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と返事したものですからさすがの大王も、すこし
工合
(
ぐあひ
)
が悪さうに横を向き、柏の木もみな興をさまし、月のあかりもなんだか白つぽくなりました。
かしはばやしの夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
暑
(
あつ
)
い
時分
(
じぶん
)
ぢやが、
理屈
(
りくつ
)
をいふと
恁
(
か
)
うではあるまい、
私
(
わし
)
の
血
(
ち
)
が
湧
(
わ
)
いたせいか、
婦人
(
をんな
)
の
温気
(
ぬくみ
)
か、
手
(
て
)
で
洗
(
あら
)
つてくれる
水
(
みづ
)
が
可
(
いゝ
)
工合
(
ぐあひ
)
に
身
(
み
)
に
染
(
し
)
みる、
尤
(
もツと
)
も
質
(
たち
)
の
佳
(
い
)
い
水
(
みづ
)
は
柔
(
やはらか
)
ぢやさうな。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
たしかに茶いろのポケットの沢山ついた上着を着て
長靴
(
ながぐつ
)
をはいてゐる。そこで私は又私の役目を思ひ出した。そして又横目でそっと作物の発育の
工合
(
ぐあひ
)
を
眺
(
なが
)
めた。
花椰菜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
で、
立騰
(
たちのぼ
)
り、
煽
(
あふ
)
り
亂
(
みだ
)
れる
蚊遣
(
かやり
)
の
勢
(
いきほひ
)
を、ものの
數
(
かず
)
ともしない
工合
(
ぐあひ
)
は、
自若
(
じじやく
)
として
火山
(
くわざん
)
の
燒石
(
やけいし
)
を
獨
(
ひと
)
り
歩行
(
ある
)
く、
脚
(
あし
)
の
赤
(
あか
)
い
蟻
(
あり
)
のやう、と
譬喩
(
たとへ
)
を
思
(
おも
)
ふも、あゝ、
蒸熱
(
むしあつ
)
くて
夜
(
よ
)
が
寢
(
ね
)
られぬ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな
工合
(
ぐあひ
)
で、猫にはまあ便利なものでした。ところが今のおはなしからちやうど半年ばかりたつたとき、たうとうこの第六事務所が廃止になつてしまひました。
猫の事務所:……ある小さな官衙に関する幻想……
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
几帳
(
きちやう
)
とも、
垂幕
(
さげまく
)
とも
言
(
い
)
ひたいのに、
然
(
さ
)
うではない、
萌黄
(
もえぎ
)
と
青
(
あを
)
と
段染
(
だんだら
)
に
成
(
な
)
つた
綸子
(
りんず
)
か
何
(
なん
)
ぞ、
唐繪
(
からゑ
)
の
浮模樣
(
うきもやう
)
を
織込
(
おりこ
)
んだのが
窓帷
(
カアテン
)
と
云
(
い
)
つた
工合
(
ぐあひ
)
に、
格天井
(
がうてんじやう
)
から
床
(
ゆか
)
へ
引
(
ひ
)
いて
蔽
(
おほ
)
うてある。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
歩哨はスナイドル式の銃剣を、向ふの胸に斜めにつきつけたまま、その眼の光りやうや
顎
(
あご
)
のかたち、それから上着の
袖
(
そで
)
の模様や靴の
工合
(
ぐあひ
)
、いちいち詳しく調べます。
朝に就ての童話的構図
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
工
常用漢字
小2
部首:⼯
3画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“工”で始まる語句
工夫
工場
工面
工
工風
工匠
工事
工廠
工人
工作