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元來
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ぐわんらい
姓は
元來身分の
分類で、
例へば
臣、
連、
宿禰、
朝臣などの
類であり、
氏は
家系の
分類で、
例へば
藤原、
源、
平、
菅原、
紀などの
類である。
元來閭は
科擧に
應ずるために、
經書を
讀んで、五
言の
詩を
作ることを
習つたばかりで、
佛典を
讀んだこともなく、
老子を
研究したこともない。
鹹水貝塚は
元來海邊に在るべきものなれど年月の
經つに從ひ
土地隆起の爲、海水退きて其位置
比較的内地に移る事有り。
元來自分は
大の
無性者にて
思ひ
立た
旅行もなか/\
實行しないのが
今度といふ
今度は
友人や
家族の
切なる
勸告でヤツと
出掛けることになつたのである。
元來咽喉を
害してゐた
私は、
手巾を
顏に
當てる
暇さへなく、この
煙を
滿面に
浴びせられたおかげで、
殆、
息もつけない
程咳きこまなければならなかつた。
しやれ某し是より直樣油屋へ
踏込で久兵衞とか云ふ奴を
引捕へて
聞糺し
呉んと
帶〆直して立上りたり後藤は
元來仁心深く
正直正路の人なれば斯の如き事を
南無三寶、
魔が
魅した。ぶく/\のし/\と
海坊主。が——あゝ、
之を
元來懸念した。
道其の
衝にあたつたり。
元來今度の
事も
元を
糺せば
兄が
責任者であるのに、あの
通り
一向平氣なもので、
他が
何を
云つても
取り
合つて
呉れない。だから、たゞ
頼りにするのは
君丈だ。
信如元來かゝる
事を
人の
上に
聞くも
嫌ひにて、
苦き
顏をして
横を
向く
質なれば、
我が
事として
我慢のなるべきや、
夫れよりは
美登利といふ
名を
聞くごとに
恐ろしく
元來麻雀とは
雀の
義で、
牌のかち
合ふ
音が
竹籔に
啼き
囀る
雀の
聲に
似てゐるから
來たといふ
語源を
信じるとすれば、やつぱり
紫檀の
卓子でぢかに
遊ぶといふのが
本格的で
何故ッて、
斯うです、お
孃さん、これは
元來赤い
薔薇の
木であつたんですが
私どもが
過つて
白いのを一つ
雜ぜたのです、それで、
若し
其れが
女王樣のお
目にとまらうものなら
先づばけものとはどういふものであるかといふに、
元來宗教的信念又は
迷信から
作り
出されたものであつて、
理想的又は
空想的に
或る
形象を
假想し
其處で
學校を
建る
決心が
彼の
心に
湧たのです、
諸君は
彼の
決心の
餘り
露骨で、
單純なことを
笑はれるかも
知れませんが、しかし
元來教育のない
一個の
百姓です
いや、
聞くよりは
見るが
疾い。さあ、
生命を
取られて
遣らう、と
元來、あたまから
眞とは
思ひませぬなり。
も
取其上彦兵衞より
請取し金もあれば不自由なく
消光に
付本夫の
開運をぞ祈りける偖彦兵衞は江戸の
知己を
便りて橋本町一丁目の
裏店を
借元來覺えたる小間物を
アイヌの
所謂コロボックルはエスキモ其他の北地
現住民に縁故近き者にして、
元來は日本諸地方に廣がり居りしが、
後にはアイヌ或は日本人の爲に北海道の地に追ひ込まれ
宗助は
又自分の
未だ
曾て
耳にした
事のない
話丈に、
一々少なからぬ
興味を
有つてそれを
聞いて
行つた。
其うちに、
元來此弟は
蒙古で
何をしてゐるのだらうといふ
好奇心が
出た。
長吉は
我が
門前に
産聲を
揚げしものと
大和尚夫婦が
贔屓もあり、
同じ
學校へかよへば
私立私立とけなされるも
心わるきに、
元來愛敬のなき
長吉なれば
心から
味方につく
者もなき
憐れさ
元來——
歸途に
此の
線をたよつて
東海道へ
大𢌞りをしようとしたのは、……
實は
途中で
決心が
出來たら、
武生へ
降りて
許されない
事ながら、そこから
虎杖の
里に
抑々本郷二丁目なる
桝屋久藏と言る者は
元備前岡山在の百姓の子にして吾助とは
元來懇意成しが此久藏十八九歳の
頃豐前國小倉なる
織殿へ奉公に行段々
精勤して金を
と
夫人とも/″\
切に
勸めるので、
元來無遠慮勝の
私は、
然らば
御意の
儘にと、
旅亭の
手荷物は
當家の
馬丁を
取りに
使はし、
此處から
三人打揃つて
出發する
事になつた。
一
見自分は
先づ
荒膽を
拔かれてしまつた。
志村の
畫題はコロンブスの
肖像ならんとは!
而もチヨークで
書いてある。
元來學校では
鉛筆畫ばかりで、チヨーク
畫は
教へない。
尤も「チヌノウミ」は
元來和泉の
南部のチヌといふ
所の
沖を
稱したのではあるが‥‥。
石器時代土偶中には
其面貌實に奇異なるものあり。
元來是等土偶は
身体全部悉皆比例正しく
出來居るものには
非ざれど數個の土偶に於ては兩眼に當る
部分殊に
不恰好に大きく作られたり。
名案はないかな——こゝへ、
下町の
姉さんで、つい
此間まで、
震災のために
逃げて
居た……
元來、
靜岡には
親戚があつて、
地の
理に
明かな、
粹な
軍師が
顯はれた。
半時間以上待たねば
人車が
出ないと
聞いて
茶屋へ
上り
今度は
大ぴらで一
本命じて
空腹へ
刺身を
少ばかり
入れて
見たが、
惡酒なるが
故のみならず
元來八
度以上の
熱ある
病人、
甘味からう
筈がない。
行李は、
元來の
底なしで、
今のどたばたの
音に
紛れて、
見事、
天井を
切つて、
人參を
拔いたもの。
自分は
先づ
押ずしなるものを一つ
摘んで
見たが
酢が
利き
過ぎてとても
喰へぬのでお
止めにして
更に
辨當の一
隅に
箸を
着けて
見たがポロ/\
飯で
病人に
大毒と
悟り、これも
御免を
被り、
元來小食の
自分
一體、
此の
若旦那は、
邸の
河下三里ばかりの
處に、
流に
臨んだ
別業があるのを、
元來色好める
男子、
婦人の
張氏美而妬なりと
云ふので、
浮氣をする
隱場處にして、
其の
別業へ
それから
二人は
連立つて
學校へ
行つた。
此以後自分と
志村は
全く
仲が
善くなり、
自分は
心から
志村の
天才に
服し、
志村もまた
元來が
温順しい
少年であるから、
自分を
又無き
朋友として
親しんで
呉れた。
元來岸の
柳の
根は、
家々の
根太よりも
高いのであるから、
破風の
上で、
切々に、
蛙が
鳴くのも、
欄干の
壞れた、
板のはなれ/″\な、
杭の
拔けた
三角形の
橋の
上に
蘆が
茂つて、
蟲がすだくのも
元來志村は
自分よりか
歳も
兄、
級も一
年上であつたが