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不平
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ふへい
ふりがな文庫
“
不平
(
ふへい
)” の例文
すずめは、
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に、こんな
不平
(
ふへい
)
がありましたけれど、しばらく
黙
(
だま
)
って、こまどりの
熱心
(
ねっしん
)
に
歌
(
うた
)
っているのに
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
聞
(
き
)
いていました。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ただうろついている。源四郎はもとより
悪気
(
わるぎ
)
のある男ではない。祖母の
態度
(
たいど
)
に
不平
(
ふへい
)
があるでもなく、お政の
心中
(
しんちゅう
)
を思いやる働きもない。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
もう
暫
(
しばら
)
く
炬燵
(
こたつ
)
にあたつてゐたいと思ふのを、
無暗
(
むやみ
)
と時計ばかり気にする母にせきたてられて
不平
(
ふへい
)
だら/\、
河風
(
かはかぜ
)
の寒い
往来
(
わうらい
)
へ出るのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お
品
(
しな
)
の
病氣
(
びやうき
)
を
案
(
あん
)
ずる
外
(
ほか
)
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
には
何
(
なに
)
もなかつた。
其
(
その
)
當時
(
たうじ
)
には
卯平
(
うへい
)
に
不平
(
ふへい
)
をいはれやうといふやうな
懸念
(
けねん
)
は
寸毫
(
すこし
)
も
頭
(
あたま
)
に
起
(
おこ
)
らなかつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
コウノトリはくちばしを
開
(
あ
)
ければ、たいてい
不平
(
ふへい
)
をこぼす、とよく言われていますね。たしかに、これはほんとうのことです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
だんだんひどくなって、
横
(
よこ
)
から
吹
(
ふ
)
きつけてくる風を、マサちゃんは
不平
(
ふへい
)
そうにながめて、それから決心して、目かくしをして歩きだしました。
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
『さうか、だけど
屹度
(
きつと
)
、
屑
(
くづ
)
が
同
(
おな
)
じ
位
(
ぐらゐ
)
入
(
はい
)
つて
居
(
ゐ
)
たに
違
(
ちが
)
ひない』
帽子屋
(
ばうしや
)
は
不平
(
ふへい
)
たら/″\で、『
麺麭
(
パン
)
庖丁
(
ナイフ
)
で
其中
(
そのなか
)
へ
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
んだナ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
自分ながら自分の藝術の
貧
(
まづ
)
しいのが他になる、
憐
(
あわれ
)
に
對
(
たい
)
してまた自分に對して
妄
(
なやみ
)
と
不平
(
ふへい
)
が起る。氣が
惓
(
う
)
ンずる、
悶々
(
もだ/\
)
する、何を聞いても見ても
味氣
(
あじき
)
ない。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
発病以来苦痛も中々あったであろうが、一言も
不平
(
ふへい
)
憂悶
(
ゆうもん
)
の語なく、何をしてもらっても「
有難
(
ありがと
)
う/\」と心から感謝し、信仰と感謝を以て此世を去った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
一語
(
いちご
)
の
中
(
なか
)
に、あらゆる
自暴
(
じばう
)
と
自棄
(
じき
)
と、
不平
(
ふへい
)
と
憎惡
(
ぞうを
)
と、
亂倫
(
らんりん
)
と
悖徳
(
はいとく
)
と、
盲斷
(
まうだん
)
と
決行
(
けつかう
)
とを
想像
(
さうざう
)
して、
是等
(
これら
)
の
一角
(
いつかく
)
に
觸
(
ふ
)
れなければならない
程
(
ほど
)
の
坂井
(
さかゐ
)
の
弟
(
おとうと
)
と
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
といふ母や
祖
(
そ
)
父母の
聲
(
こゑ
)
、
不平
(
ふへい
)
はモデルにした妹
達
(
たち
)
や女中までから來た。
私
(
わたし
)
はすつかり、しよげた。
資
(
し
)
金ねだりにも、
祖
(
そ
)
母は、さう/\いゝ
顏
(
かほ
)
は見せなくなつた。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
それから三千
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
の
往古
(
わうこ
)
を
考
(
かんが
)
へながら、
寐
(
しん
)
に
就
(
つ
)
くと、
不平
(
ふへい
)
、
煩悶
(
はんもん
)
、
何等
(
なんら
)
の
小感情
(
せうかんじやう
)
は
浮
(
うか
)
ぶなく、
我
(
われ
)
も
太古
(
たいこ
)
の
民
(
たみ
)
なるなからんやと
疑
(
うたが
)
はれる
程
(
ほど
)
に、
安
(
やす
)
らけき
夢
(
ゆめ
)
に
入
(
い
)
るのである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
それだから
追分
(
おひわけ
)
が
何時
(
いつ
)
でもあはれに
感
(
かん
)
じらるゝ。つまる
處
(
ところ
)
、
卑怯
(
ひけふ
)
な、
臆病
(
おくびやう
)
な
老人
(
らうじん
)
が
念佛
(
ねんぶつ
)
を
唱
(
とな
)
へるのと
大差
(
たいさ
)
はないので、
語
(
ご
)
を
換
(
か
)
へて
言
(
い
)
へば、
不殘
(
のこらず
)
、
節
(
ふし
)
をつけた
不平
(
ふへい
)
の
獨言
(
つぶやき
)
である。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
取せ急がし立れば幼稚の
習
(
なら
)
ひ
錢
(
ぜに
)
を貰ひし
嬉
(
うれ
)
しさに初の
不平
(
ふへい
)
も
何處
(
どこ
)
へやら
後
(
あと
)
に
引添
(
ひきそひ
)
出行きつ音羽の村へ
差掛
(
さしかゝ
)
り七丁目まで來りければ
確
(
たしか
)
に
茲等
(
こゝら
)
と忠兵衞が
歩行
(
あるき
)
ながら
四邊
(
あたり
)
を見たりぬ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いくらひどく使っても出て行く心配もなければ、
不平
(
ふへい
)
を言う気づかいもない
重宝
(
ちょうほう
)
な女中であった。かの女が外へ出ることはめったになかったし、けっしておこったこともなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
耳をすましてみますと、それはアリの王さまがぶつぶつ
不平
(
ふへい
)
をいっているのでした。
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
船
(
ふな
)
のりが
疑
(
うた
)
ぐりぶかい
調子
(
ちょうし
)
でいうと、わかいなかまは、
不平
(
ふへい
)
そうにほおをふくらし
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
新任
(
しんにん
)
の
奉行
(
ぶぎやう
)
の
眼
(
め
)
が
光
(
ひか
)
るので、
膝元
(
ひざもと
)
では
綿服
(
めんぷく
)
しか
着
(
き
)
られない
不平
(
ふへい
)
を
紛
(
まぎ
)
らしに、こんなところへ、
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
に
茶宇
(
ちやう
)
の
袴
(
はかま
)
といふりゆうとした
姿
(
すがた
)
で
在所
(
ざいしよ
)
のものを
威
(
おど
)
かしに
來
(
き
)
たのだと
思
(
おも
)
はれたが
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ところが、シューラは
決
(
けっ
)
して
悪戯
(
いたずら
)
っ子ではなかったので、
不平
(
ふへい
)
そうにいった。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
くれ/″\もゝう、
境遇
(
きやうぐう
)
に
向
(
むか
)
つて
不平
(
ふへい
)
の
呟
(
つぶや
)
きを
洩
(
も
)
らす時は過ぎ
去
(
さ
)
りました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
そして
心中
(
しんちゆう
)
ひそかに
不平
(
ふへい
)
でならぬのは
志村
(
しむら
)
の
畫
(
ゑ
)
必
(
かなら
)
ずしも
能
(
よ
)
く
出來
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
ない
時
(
とき
)
でも
校長
(
かうちやう
)
をはじめ
衆人
(
みんな
)
がこれを
激賞
(
げきしやう
)
し、
自分
(
じぶん
)
の
畫
(
ゑ
)
は
確
(
たし
)
かに
上出來
(
じやうでき
)
であつても、さまで
賞
(
ほ
)
めて
呉
(
く
)
れ
手
(
て
)
のないことである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
無茶苦茶
(
むちやくちや
)
にいぢめ
立
(
たて
)
る
譯
(
わけ
)
ではあるまいが、
得
(
え
)
て
世間
(
せけん
)
に
褒
(
ほ
)
め
物
(
もの
)
の
敏腕家
(
はたらきて
)
などゝ
言
(
い
)
はれるは
極
(
きわ
)
めて
恐
(
おそ
)
ろしい
我
(
わが
)
まゝ
物
(
もの
)
、
外
(
そと
)
では
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
に
切
(
き
)
つて
廻
(
まわ
)
せど
勤
(
つと
)
め
向
(
む
)
きの
不平
(
ふへい
)
などまで
家内
(
うち
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
當
(
あた
)
りちらされる
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よくも
格別
(
かくべつ
)
の
不平
(
ふへい
)
も
言
(
い
)
わずに
暮
(
く
)
らせたものである……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
明らかに
不平
(
ふへい
)
が、かれの
顔色
(
かおいろ
)
にうごいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みなが
不平
(
ふへい
)
をぶちまけ
合
(
あ
)
ふ
寝台
(
しんだい
)
の
上
(
うえ
)
で
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
すずめは、
考
(
かんが
)
えてみると
不平
(
ふへい
)
でたまりませんでした。なぜ、
自分
(
じぶん
)
たちにも
産
(
う
)
まれてから、こんないい
鳴
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
が
出
(
だ
)
せないのだろう。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ブツブツ
不平
(
ふへい
)
ばかりこぼしていましたが、だんだんなれるにつれて、みんなといっしょに元気よく飛んでいきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
貧乏
(
びんばふ
)
な
所帶
(
しよたい
)
であれば
彼等
(
かれら
)
は
幾
(
いく
)
ら
少量
(
せうりやう
)
でも
不足
(
ふそく
)
をいはぬ。
然
(
しか
)
し
多少
(
たせう
)
の
財産
(
ざいさん
)
を
有
(
いう
)
して
居
(
ゐ
)
ると
彼等
(
かれら
)
が
認
(
みと
)
めて
居
(
ゐ
)
る
家
(
うち
)
でそれを
惜
(
をし
)
めば
彼等
(
かれら
)
は
不平
(
ふへい
)
を
訴
(
うつた
)
へて
止
(
や
)
まぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
愛想
(
あいそ
)
よくいつもにこにこして、
葉巻
(
はま
)
きのたばこを横にくわえ、ざる
碁
(
ご
)
をうって
不平
(
ふへい
)
もぐちもなかった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
其
(
その
)
位
(
くらゐ
)
な
事
(
こと
)
で
夫程
(
それほど
)
不平
(
ふへい
)
が
並
(
なら
)
べられゝば、
何處
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つたつて
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だ。
學校
(
がくかう
)
を
已
(
や
)
めたつて、
一向
(
いつかう
)
差支
(
さしつかへ
)
ない。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
こ
)
の
按摩
(
あんま
)
どのは、
團栗
(
どんぐり
)
の
如
(
ごと
)
く
尖
(
とが
)
つた
頭
(
あたま
)
で、
黒目金
(
くろめがね
)
を
掛
(
か
)
けて、
白
(
しろ
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
の
上被
(
うはつぱり
)
で、
革鞄
(
かはかばん
)
を
提
(
さ
)
げて、そくに
立
(
た
)
つて、「お
療治
(
れうぢ
)
。」と
顯
(
あら
)
はれた。——
勝手
(
かつて
)
が
違
(
ちが
)
つて、
私
(
わたし
)
は
一寸
(
ちよつと
)
不平
(
ふへい
)
だつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其秋白の
主人
(
あるじ
)
は、死んだ黒のかわりに
彼
(
かの
)
牝犬の子の一疋をもらって来て
矢張
(
やはり
)
其
(
そ
)
れを黒と名づけた。白は
甚
(
はなはだ
)
不平
(
ふへい
)
であった。黒を向うに置いて、走りかゝって
撞
(
どう
)
と
体当
(
たいあた
)
りをくれて
衝倒
(
つきたお
)
したりした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
黄金作
(
こがねづく
)
りの
大小
(
だいせう
)
を
門前
(
もんぜん
)
の
茶店
(
ちやみせ
)
で
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げられて、
丸腰
(
まるごし
)
になつたのを
不平
(
ふへい
)
に
思
(
おも
)
ふ
風
(
ふう
)
で、
人
(
ひと
)
を
突
(
つ
)
き
退
(
の
)
けながらやつて
來
(
き
)
た
其
(
そ
)
の
天滿與力
(
てんまよりき
)
は、
玄竹
(
げんちく
)
が
脇差
(
わきざ
)
しを
帶
(
さ
)
してゐるのを
見
(
み
)
て、
怪
(
け
)
しからんといふ
風
(
ふう
)
で
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
『あれでは
皆
(
みん
)
なが
全
(
まつた
)
く
都合
(
つがふ
)
よく
遊
(
あそ
)
べる
筈
(
はづ
)
がないわ』と
愛
(
あい
)
ちやんは
些
(
や
)
や
不平
(
ふへい
)
がましく、『
自分
(
じぶん
)
の
云
(
い
)
ふことさへ
自分
(
じぶん
)
に
聞
(
きこ
)
えない
程
(
ほど
)
、
恐
(
おそ
)
ろしく
爭
(
あらそ
)
つてるんですもの——
特
(
とく
)
にこれと
云
(
い
)
ふ
規則
(
きそく
)
もないらしいのね、 ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「なんで、おまえさんは、そんなものにひっかかったのだ?」と、
風船球
(
ふうせんだま
)
は、
糸
(
いと
)
に
向
(
む
)
かって
不平
(
ふへい
)
をいいました。すると
糸
(
いと
)
は
風船球の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
老公
(
らうこう
)
重
(
かさ
)
ねて、「これより
後
(
のち
)
は
汝等
(
なんぢら
)
一同
(
いちどう
)
杢
(
もく
)
に
從
(
したが
)
ひ
渠
(
かれ
)
が
言
(
げん
)
に
背
(
そむ
)
くこと
勿
(
なか
)
れ、
此儀
(
このぎ
)
しかと
心得
(
こゝろえ
)
よ」と
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬ
命
(
めい
)
なれば、いづれも
心中
(
しんちう
)
には
不平
(
ふへい
)
ながら、
異議
(
いぎ
)
を
稱
(
とな
)
ふる
次第
(
しだい
)
にあらねば
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
相互
(
さうご
)
に
其
(
そ
)
の
權能
(
けんのう
)
を
越
(
こ
)
えて
他
(
た
)
の
領域
(
りやうゐき
)
を
冒
(
をか
)
す
時
(
とき
)
其處
(
そこ
)
には
必
(
かなら
)
ず
葛藤
(
かつとう
)
が
伴
(
ともな
)
はれる
筈
(
はず
)
でなければ
成
(
な
)
らぬ。
若者
(
わかもの
)
は
相
(
あひ
)
聚
(
あつ
)
まれば
皆
(
みな
)
不平
(
ふへい
)
の
情
(
じやう
)
を
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
うて、
勝手
(
かつて
)
に
勘次
(
かんじ
)
を
邪魔
(
じやま
)
なこそつぱい
者
(
もの
)
にして
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ヒンネリュードの
牧師館
(
ぼくしかん
)
にいた大きな黒ネコを、おぼえていなさるかね? あのやろうは、子をうむと、いつも人間がとって、川んなかにほうりこんじまうもんだから、
不平
(
ふへい
)
たらたらだったんでさ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「
兄
(
にい
)
さん
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
になれたら
好
(
い
)
いだらうな。
不平
(
ふへい
)
も
何
(
なに
)
もなくつて」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
不平
(
ふへい
)
に
思
(
おも
)
ふ
顏色
(
かほいろ
)
は、
舟
(
ふね
)
いつぱいに
溢
(
あふ
)
れてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
鳥
(
とり
)
の
中
(
なか
)
の
王
(
おう
)
さまになったといってありがたがった。それを、おまえさんは、かえって、
不平
(
ふへい
)
に
思
(
おも
)
うとは、どういうことだ。
すみれとうぐいすの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
モひとつ
不平
(
ふへい
)
なのはお
天気
(
てんき
)
の
悪
(
わる
)
いことで、
戸外
(
おもて
)
にはなか/\
雨
(
あめ
)
がやみさうにもない。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
美
(
うつく
)
しいものは、ちがったものだ。」と、ほかの
古道具
(
ふるどうぐ
)
たちは、
自分
(
じぶん
)
らが、そのようにかわいがられないので、
不平
(
ふへい
)
をもらしたものもあります。
三つのお人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、
各々
(
おの/\
)
その
懷中
(
くわいちう
)
に
對
(
たい
)
して、
憤懣
(
ふんまん
)
不平
(
ふへい
)
勃々
(
ぼつ/\
)
たるものがある。
從
(
したが
)
つて
氣焔
(
きえん
)
が
夥
(
おびたゞ
)
しい。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
子供
(
こども
)
たちの
不平
(
ふへい
)
が
耳
(
みみ
)
に
入
(
はい
)
ると、
親
(
おや
)
たちも、いつかきることに、はんたいしました。それで
村
(
むら
)
の
人々
(
ひとびと
)
が
桜
(
さくら
)
の
木
(
き
)
を
道
(
みち
)
のそばへうつすことになったのです。
青葉の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
老職
(
らうしよく
)
の
輩
(
やから
)
は
謂
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
なり、
諸役人等
(
しよやくにんら
)
も、
愈
(
いよ/\
)
出
(
い
)
でて、
愈
(
いよ/\
)
不平
(
ふへい
)
なれども、
聰明
(
そうめい
)
なる
幼君
(
えうくん
)
をはじめ、
御一門
(
ごいちもん
)
の
歴々方
(
れき/\がた
)
、
殘
(
のこ
)
らず
御同意
(
ごどうい
)
と
謂
(
い
)
ひ、
殊
(
こと
)
に
此席
(
このせき
)
に
於
(
おい
)
て
何
(
なに
)
といふべき
言
(
ことば
)
も
出
(
い
)
でず、
私
(
わたくし
)
ども
儀
(
ぎ
)
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
健
(
けん
)
ちゃんも、
徳
(
とく
)
ちゃんも、みんな
見
(
み
)
たから……。」と、
政
(
まさ
)
ちゃんは、
疑
(
うたが
)
われるのが、
不平
(
ふへい
)
でたまらなかったのです。
ペスをさがしに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……
對手
(
あひて
)
が
百日紅
(
さるすべり
)
だと
燒討
(
やきうち
)
にも
及
(
およ
)
ぶ
處
(
ところ
)
、
柳
(
やなぎ
)
だけに
不平
(
ふへい
)
も
言
(
い
)
へぬが、
口惜
(
くちをし
)
くない
事
(
こと
)
はなかつた——
其
(
それ
)
さへ、
何
(
なん
)
となく
床
(
ゆか
)
しいのに、
此
(
こ
)
の
邊
(
あたり
)
にしては
可
(
か
)
なり
廣
(
ひろ
)
い、
其
(
そ
)
の
庭
(
には
)
に
石燈籠
(
いしどうろう
)
が
据
(
すわ
)
つたあたりへ
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのとき、いままで、
毎日
(
まいにち
)
、まずいものを
食
(
た
)
べているのを
不平
(
ふへい
)
に
思
(
おも
)
ったことが、まちがっていたのを
気
(
き
)
づきました。
おかしいまちがい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
我慢
(
がまん
)
をしろ、
我慢
(
がまん
)
をしろ、
俺
(
おれ
)
などは
去年
(
きょねん
)
の
秋
(
あき
)
から、
日
(
ひ
)
に
当
(
あ
)
たらずにいるのだ。それでも
黙
(
だま
)
って
不平
(
ふへい
)
をいわないじゃないか、
我慢
(
がまん
)
をしろ、
我慢
(
がまん
)
をしろ。」
小さな草と太陽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“不平”の意味
《名詞》
不 平(ふへい; 形容動詞: --ナリ)
不満。満足できないで心が平らでない様。
不満を感じていることを表明すること。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
“不平”で始まる語句
不平顏
不平均
不平家
不平等
不平臥
不平面
不平士族