益々ます/\)” の例文
まなこはなたず睥睨へいげいしてる、猛狒ゴリラ益々ます/\たけ此方こなたうかゞつてる、この九死一生きうしいつしやうわか不意ふいに、じつ不意ふいに、何處どこともなく一發いつぱつ銃聲じうせい
言はれて内室ないしつはひつて見ると成程なるほど石は何時いつにか紫檀したんだいかへつて居たので益々ます/\畏敬ゐけいねんたかめ、うや/\しく老叟をあふぎ見ると、老叟
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
などゝいふから、益々ます/\国王こくわう得意とくいになられまして、天下てんかひろしといへども、乃公おれほどの名人めいじんはあるまい、と思つておいでになりました。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
満島は松浦川の口に構へられたる一小寰区せうくわんくなれども商業活溌なり、唐津の旧城下とあひむかへて、共に益々ます/\発達の勢を示せり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ふ、宗桂そうけいのあしらひより、番太郎ばんたらう桂馬けいまはうが、えらさうにえるならはしで、おくみ感心かんしんしたらしかつた。もさうずと千助せんすけ益々ます/\附入つけいる。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なん審問しんもん?』あいちやんはあへぎ/\けました、グリフォンはたゞ『それッ!』とさけんだのみで、益々ます/\はやはしりました、かぜうたふし、——
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いつか、日本倶楽部で、初めて閣下の崇高なお姿に接して以来、益々ます/\閣下に対する私の敬慕の念が高くなつたのです。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
坪井博士つぼゐはかせ八木氏等やぎしとう著書ちよしよ東京人類學會雜誌とうきやうじんるゐがくくわいざつしおよ考古界等かうこかいとうみ、また水谷みづたにたに栗島くりしま諸氏しよし各所かくしよ遺跡ゐせき發掘はつくつするにいたつて、益々ます/\趣味しゆみかんじてた。
面白おもしろげなる顔色がんしよく千番せんばんに一番さがすにも兼合かねあひもうすやらの始末しまつなりしにそろ度々たび/″\実験じつけんなれば理窟りくつまうさず、今もしかなるべくと存候ぞんじそろ愈々いよ/\益々ます/\しかなるべくと存候ぞんじそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
奪取うばひとられ彌々難澁なんじふせまり又々大坂へ立越たちこえしが左右とかく困窮こんきうに困窮をかさね終に通仙は病死し跡には母と娘のみ益々ます/\貧窮ひんきうに迫りしが當頃そのころ鯛屋大和たひややまと云者いふもの狂歌きやうかに名高く俳名はいみやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分の子達は何れも人並すぐれて立派な出世を遂げ、幸福な内に益々ます/\その進むべき道に発展してゐる。可愛い孫の数も十位を以て数へなければならない程にえた。
(新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
ひとつは二人とも躰にわるやまいツてゐるからでもあらうが、一つはまた面白おもしろくない家内かない事情じゞやう益々ます/\おもひ助長ぢよてうせしむるやうになツてゐるので、自然しぜん陰欝ゐんうつな、晴々はれ/″\しない
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
年々ねん/\輸入超過ゆにふてうくわつゞこと昨年さくねん上半期かみはんきにはなり巨額きよがく輸入超過ゆにふてうくわがあり在外正貨ざいぐわいせいくわ益々ます/\必要ひつえうなのにそれが段々だん/\減少げんせうするからそれで爲替相場かはせさうば低下ていかするのであるから在外正貨ざいぐわいせいくわ充實じうじつ
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
それから十二時打つてしばらくつてから裏口の戸が静かに開いた。それが客と彼女だつた。二人は二階へ上つて行つた。益々ます/\何もかもが丸田の最初の邪想に当てはまつてしまふやうな気がした。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
彼等かれらいたゞいて裝飾さうしよくそのひかりれゝばことごとるやうにはつきりとしろした。ほとんど疲勞ひらうといふことをかんじないであらうかとあやしまれる彼等かれら益々ます/\きようじようじてすこ亂雜らんざつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
都会は繁華となるに従つて益々ます/\自然の地勢から生ずる風景の美を大切に保護せねばならぬ。都会に於ける自然の風景は其の都市に対して金力を以てつくる事の出来ぬ威厳と品格とをおびさせるものである。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それで父親は益々ます/\しゃくに触ったと見えて
恭三の父 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
午後ごゝんだがれさうにもせずくもふようにしてぶ、せまたに益々ます/\せまくなつて、ぼく牢獄らうごくにでもすわつて
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其の頃はまだマッチは田舎では用いません、火口箱ほくちばこを探しに参りますると、雨は益々ます/\烈しくドッ/\と吹降ふきぶりに降出して来る。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すなすべりのたにじつたにばるゝごとく、吾等われら最早もはや一寸いつすんうごことあたはず、くわふるに、猛獸まうじう襲撃しふげき益々ます/\はなはだしく、この鐵檻車てつおりのくるまをもあやうくせんとす。
ふ。宗桂そうけいのあしらひより、番太郎ばんたらう桂馬けいまはうが、えらさうにえるならひであるから、おきみ感心かんしんしたらしかつた。もさうず、と元二げんじ益々ます/\附入つけいる。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あいちやんは益々ます/\なんことだかわけわからなくなりましたが、はと言葉ことばをはるまでなんにもふまいとひかへてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
おくり居たり然るに嘉川主税之助かがはちからのすけは惣右衞門に永の暇を遣してより今は意見いけんする者なく益々ます/\惡事あくじ増長ぞうちやうなし藤五郎を彌々いよ/\干殺ほしころさんときびしく食止しよくどめをし其上弟藤三郎當年わづか五歳に成を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
風も雨も、海岸の此一角に、その全力を蒐めたかのやうに、益々ます/\吹き荒び降り増つた。が瑠璃子は人と人との必死の戦ひのために、さうした暴風雨の音をも、聞き流すことが出来た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
發掘はつくつはじめ(其他そのた方面はうめんおい角力すまふつた)てからは、身體しんたい健康けんかう非常ひじやう良好りやうかうで、普通ふつう土方どかたとしても一にんまへ業務げふむれるやうつてると、益々ます/\おほおほきく遺跡ゐせきやうになり
借入金かりいれきん依然いぜんとして益々ます/\える一ぱうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
たゞおい益々ます/\其教育事業そのけういくじげふたのしみ、その單純たんじゆん質素しつそ生活せいくわつたのしんでらるゝのをてはぼく今更いまさら崇高すうかうねんうたれたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
と丹誠をこらして造りあげた書棚をさい槌でばら/\に打毀うちこわしました様子ゆえ、助七は驚きましたが、益々ます/\並の職人でないと感服をいたし、やがて表の障子を明けまして
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あいちやんは、こんなおそろしいことをしてもきてられるものだらうかと、すこしく自分じぶんについて想像さうざうめぐらしましたが、益々ます/\わけわからなくなるばかりでした、ところで
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
と、益々ます/\こんがらかつて、自分じぶんにもわからなくる。先方さきのきよとつくだけ此方こつち苛立いらだつ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大約おほよそみち四五里しごりすゝんだとおもところからやま益々ます/\ふかくなり、みちはだん/\と險阻けんそになつたが、元氣げんきなる武村兵曹たけむらへいそうは、んでも日沒ひぐれまでには二十以上いじやうすゝまねばならぬといさつ。
以てつかひける故に一同こぞつて出精しゆつせいなし益々ます/\伊勢屋の暖簾のれんとみさかえければ其久八が赤心せきしんかんじて養父五兵衞もうまかはりし如く慈善じぜんの心をおこし昔しの行ひをはぢ己れは隱居して久八に家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この拍子べうしそろつたるは、益々ます/\斯學しがくため努力どりよくして、たれでもらなければならぬことの、たれでもくわしくれずにる一だい問題もんだいを、たれにでもれるやうになるために、研究けんきうすゝめてかねばならぬ。
雨を交へてからは、有力な味方でもが加はつたやうに、益々ます/\暴威を加へてゐた。風と雨と波とが、三方から人間の作つた自然の邪魔物を打ち砕かうとでもするやうに力をあはせて、此建物を強襲した。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
わたくしはこのごろになつて益々ます/\かんずることは、ひと如何どん場合ばあひてもつねたのしいこゝろもつ其仕事そのしごとをすることが出來できれば、すなは其人そのひとまこと幸福かうふくひとといひることだ。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
狂人の扱いにしようと思召したのを、長二はかえって怒り、事実を明白に申立てたので、折角の心尽しも無駄になりましたが、その気性の潔白なるに益々ます/\感服致されましたから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あのあたりへ、夕暮ゆふぐれかねひゞいたら、姿すがたちかもどるのだらう、——とふともなく自分じぶん安心あんしんして、益々ます/\以前もとかんがへふけつてると、ほだくか、すみくか、谷間たにまに、彼方此方かなたこなた、ひら/\
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へば蒼白あをじろくなる顔は益々ます/\蒼白あをじろひいでたまゆを寄せて口を一文字に結んだのを見るとふさ可恐こはいと思つた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
縁續えんつゞきのものだけに、益々ます/\つてぢられてはむづかしい。……なにしろ此處こゝとほしてはらぬで。わし下室したつてつてよう。が、つむじまがりぢや、つてあがつてぬともかぎらぬ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
拝啓はいけい益々ます/\御壮健ごさうけん奉慶賀候けいがたてまつりさふらふしたがつて貴君きくん御来京ごらいきやうおもむき御座候得共ござさふらえどもじつ御存ごぞんじのとほ御大喪ごたいさうにて、当地たうちは普通のいへにても参列者さんれつしやのためにふさがり、弊屋へいをく宿所しゆくしよてられ、ことよるのものとうれなく
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
貴君あなた隨分ずゐぶんくちわるいね』とかなんとか義母おつかさんつてれると、益々ます/\惡口雜言あくこうざふごん眞價しんか發揮はつきするのだけれども、自分じぶんのは合憎あいにうまことをトン/\拍子びやうしふやうな對手あひてでないから
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
お年二十二の時に悪者わるもの斬殺きりころしてちっとも動ぜぬ剛気の胆力たんりょくでございましたれば、お年を取るにしたがい、益々ます/\智慧ちえが進みましたが、そののち御親父ごしんぷ様には亡くなられ、平太郎様には御家督ごかとくを御相続あそばし
益々ます/\あせつて
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さうでした、權藏ごんざうのことをふのはわすれてました、益々ます/\達者たつしやくらしてます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)