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細
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ほそ
ふりがな文庫
“
細
(
ほそ
)” の例文
「
遠方
(
えんぽう
)
へ、お
嫁
(
よめ
)
にいってしまわれたのよ。」と、お
母
(
かあ
)
さまも、その
娘
(
むすめ
)
さんのことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
されたように、
目
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
くしていわれました。
青い花の香り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今
(
いま
)
まで
流
(
なが
)
し
元
(
もと
)
で
頻
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いていた
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
が、
絶
(
た
)
えがちに
細
(
ほそ
)
ったのは、
雨戸
(
あまど
)
から
差
(
さ
)
す
陽
(
ひ
)
の
光
(
ひか
)
りに、おのずと
怯
(
おび
)
えてしまったに
相違
(
そうい
)
ない。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これと云う句切りもなく
自然
(
じねん
)
に
細
(
ほそ
)
りて、いつの間にか消えるべき現象には、われもまた
秒
(
びょう
)
を縮め、
分
(
ふん
)
を
割
(
さ
)
いて、心細さの細さが細る。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ト
火入
(
ひい
)
れに
燻
(
く
)
べた、一
把
(
は
)
三
錢
(
せん
)
がお
定
(
さだま
)
りの、あの、
萌黄色
(
もえぎいろ
)
の
蚊遣香
(
かやりかう
)
の
細
(
ほそ
)
い
煙
(
けむり
)
は、
脈々
(
みやく/\
)
として、そして、
空
(
そら
)
行
(
ゆ
)
く
雲
(
くも
)
とは
反對
(
はんたい
)
の
方
(
はう
)
へ
靡
(
なび
)
く。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
只
(
ただ
)
お母様が毎日毎日
他所
(
よそ
)
へ行つて着物の
洗
(
すす
)
ぎ洗濯や針仕事をしていくらかの賃金を貰つて来てやつと
細
(
ほそ
)
い煙を立てゝ
居
(
を
)
りました。
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
最も
細
(
ほそ
)
く作られたるものは其
原料
(
げんれう
)
甚だ
見分
(
みわ
)
け難けれど
稍
(
やや
)
太
(
ふと
)
きもの及び
未成
(
みせい
)
のものを
列
(
つら
)
ね考ふれば、あかがひの
縁
(
へり
)
の
部分
(
ぶぶん
)
なる事を知るを得。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
太
(
ふと
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
には
必
(
かなら
)
ず
一方
(
いつぱう
)
に
節
(
ふし
)
のあるのが
要
(
い
)
ります。それが
出來
(
でき
)
ましたら、
細
(
ほそ
)
い
方
(
はう
)
の
麥藁
(
むぎわら
)
を
太
(
ふと
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
の
裂
(
さ
)
けたところへ
差
(
さ
)
し
込
(
こ
)
むやうになさい。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そういう時期に、私は北海道の一隅で、三年目の学生たちを相手に、
細
(
ほそ
)
々と雪の結晶の写真を撮ろうと努力していたのである。
二つの序文
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
まち
子
(
こ
)
は、いつまでもいつまでも
誰
(
たれ
)
も
何
(
なに
)
も
云
(
い
)
はなかつたら、その
青白
(
あをしろ
)
い
細
(
ほそ
)
い
葉
(
は
)
の
川柳
(
かはやなぎ
)
を
見
(
み
)
つめてゐたかもしれない。この
川柳
(
かはやなぎ
)
も
古郷
(
こきやう
)
に
多
(
おほ
)
い。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
地図を辿って行くに、河は西南独逸の山中から
細
(
ほそ
)
くなって出て来ている。僕は
民顕
(
ミュンヘン
)
に来てから、“die Donau”という書物を買った。
ドナウ源流行
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
或る時尋ねると、
極
(
ごく
)
細
(
ほそ
)
い
真書
(
しんか
)
きで
精々
(
せっせ
)
と写し物をしているので、何を写しているかと訊くと、その頃地学雑誌に連掲中の「鉱物
字彙
(
じい
)
」であった。
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「そうよ、あたしアラビアンナイトで見たわ」
姉
(
あね
)
は
細
(
ほそ
)
い
銀
(
ぎん
)
いろの
指輪
(
ゆびわ
)
をいじりながらおもしろそうにはなししていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そつと
開
(
あ
)
けて
這入
(
はひ
)
つて
見
(
み
)
ると、
自分
(
じぶん
)
の
家
(
うち
)
ながらおつぎはひやりとした。
塒
(
とや
)
の
鷄
(
にはとり
)
は
闇
(
くら
)
い
中
(
なか
)
で
凝然
(
ぢつ
)
として
居
(
ゐ
)
ながらくゝうと
細
(
ほそ
)
い
長
(
なが
)
い
妙
(
めう
)
な
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
か
)
れは
腕
(
うで
)
は
細
(
ほそ
)
かつたが、この
中
(
なか
)
には
南蠻鐵
(
なんばんてつ
)
の
筋金
(
すぢがね
)
が
入
(
はひ
)
つてゐると
思
(
おも
)
ふほどの
自信
(
じしん
)
がある。
其
(
そ
)
の
細
(
ほそ
)
い
手
(
て
)
の
先
(
さ
)
きに
附
(
つ
)
いてゐる
掌
(
てのひら
)
が、ぽん/\と
鳴
(
な
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
『
然
(
さう
)
でせう。』と、
彼
(
かれ
)
は
眼
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
めて
云
(
い
)
ふた。『
貴方
(
あなた
)
だの、
貴方
(
あなた
)
の
補助者
(
ほじよしや
)
のニキタなどのやうな、
然云
(
さうい
)
ふ
人間
(
にんげん
)
には、
未來
(
みらい
)
などは
何
(
なん
)
の
要
(
えう
)
も
無
(
な
)
い
譯
(
わけ
)
です。 ...
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
よしありましても、
直線
(
ちよくせん
)
などを
細
(
ほそ
)
く
切
(
き
)
り
込
(
こ
)
んだもので、
前
(
まへ
)
に
述
(
の
)
べた
土器
(
どき
)
のように、
曲線
(
きよくせん
)
だとか
繩
(
なは
)
だとか
莚
(
むしろ
)
だとかの
形
(
かたち
)
を
押
(
お
)
したものは
見當
(
みあた
)
りません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
細
(
ほそ
)
い
足
(
あし
)
のおかげで
走
(
はし
)
るわ、
走
(
はし
)
るわ、よつぽど
遠
(
とほ
)
くまで
迯
(
に
)
げのびたが、
藪
(
やぶ
)
のかげでその
美
(
うつ
)
くしい
角
(
つの
)
めが
笹
(
さヽ
)
に
引掛
(
ひつか
)
かつてとう/\
猟人
(
かりうど
)
につかまつたとさ。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
ダリヤの園を通ると、二尺あまりの
茶色
(
ちゃいろ
)
の
紐
(
ひも
)
が動いて居る、と見たは蛇だった。
蜥蜴
(
とかげ
)
の様な
細
(
ほそ
)
い頭をあげて、黒い
針
(
はり
)
の様な
舌
(
した
)
をペラ/\さして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
エンヂェル・フィッシュに似た黒い派手な
竪縞
(
たてじま
)
のある魚と、さよりの樣な飴色の
細
(
ほそ
)
い魚とが盛んに泳いでゐるのを見下してゐる中に、眠くなつて來た。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
良
(
りやう
)
さん
今朝
(
けさ
)
の
指輪
(
ゆびわ
)
はめて
下
(
くだ
)
さいましたかと
云
(
い
)
ふ
声
(
こゑ
)
の
細
(
ほそ
)
さよ
答
(
こた
)
へは
胸
(
むね
)
にせまりて
口
(
くち
)
にのぼらず
無言
(
むごん
)
にさし
出
(
だ
)
す
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せてじつとばかり
眺
(
なが
)
めしが。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其晩
(
そのばん
)
は
湿
(
しめ
)
やかな
春雨
(
はるさめ
)
が
降
(
ふ
)
つてゐた。
近所隣
(
きんじよとなり
)
は
闃
(
ひつそ
)
として、
樋
(
ひ
)
を
洩
(
も
)
れる
細
(
ほそ
)
い
雨滴
(
あまだれ
)
の
音
(
おと
)
ばかりがメロヂカルに
聞
(
きこ
)
える。が、
部屋
(
へや
)
には
可恐
(
おそろ
)
しい
影
(
かげ
)
が
潜
(
ひそ
)
んでゐた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
だが、わたしは、そのおりの印象を、ふらんすの貴婦人のように、
細
(
ほそ
)
やかに美しい、
凛
(
りん
)
としているといっている。
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
愛
(
あい
)
ちやんの
驚
(
おどろ
)
きや
如何
(
いか
)
ばかり、
白兎
(
しろうさぎ
)
が、その
細
(
ほそ
)
い
金切聲
(
かなきりごゑ
)
を
張上
(
はりあ
)
げて、『
愛子
(
あいこ
)
!』と
其
(
そ
)
の
名
(
な
)
を
讀
(
よ
)
み
上
(
あ
)
げました
時
(
とき
)
の。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
重
(
かさ
)
ねしも女房お光が
忠實敷
(
まめ/\しく
)
賃裁縫
(
ちんしごと
)
やら
洗濯等
(
せんたくなど
)
なし
細
(
ほそ
)
くも
朝夕
(
あさゆふ
)
の
烟
(
けむり
)
を
立
(
たて
)
啻
(
たゞ
)
夫
(
をつと
)
の病氣
全快
(
ぜんくわい
)
成
(
な
)
さしめ給へと神佛へ
祈念
(
きねん
)
を
掛
(
かけ
)
貧
(
まづ
)
しき中にも
幼少
(
えうせう
)
なる道之助の
養育
(
やういく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
遊人の舟は相
銜
(
ふく
)
みて洞窟より出で、我等は前に
渺茫
(
べうばう
)
たる大海を望み、
後
(
しりへ
)
に
琅玕洞
(
らうかんどう
)
の石門の漸く
細
(
ほそ
)
りゆくを見たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
金太郎が
帽子
(
ぼうし
)
をとつてお
辭儀
(
じぎ
)
をすると、山下先生は
眼
(
め
)
を絲のやうに
細
(
ほそ
)
くして、春
休
(
やす
)
みは何日までか訊ねた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
これ此の通り廿五両をやろうと思っている処、一本よこせと云われちゃア、どうせ
細
(
ほそ
)
った首だから、
素首
(
そっくび
)
が飛んでも一文もやれねえ、それにお前よく聞きねえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
寂
(
さび
)
といひ、
雅
(
が
)
といひ、
幽玄
(
ゆうげん
)
といひ、
細
(
ほそ
)
みといひ、以て美の極となす者、
尽
(
ことごと
)
く消極的ならざるはなし。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その
拐
(
かせ
)
とは
細
(
ほそ
)
き丸竹を三四尺ほどの弓になしてその
弦
(
つる
)
に糸をかけ、
拐
(
かせ
)
ながら
竿
(
さを
)
にかけわたしてさらす也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と、見事な京壁、
稲荷
(
いなり
)
と
聚楽
(
じゅらく
)
をまぜた土が、ジャリッ! と刃をすり、メリメリッと
細
(
ほそ
)
わりの破れる音!
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
およそ我に遇ふ者我を殺さむといひ、雲
遽
(
にはか
)
に裂くれば
音
(
おと
)
細
(
ほそ
)
りてきゆる
雷
(
いかづち
)
のごとく過ぐ 一三三—一三五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
たしか戦争前であったか、寒中二、三人で東上線志木駅下車の柳瀬川へタナゴ釣りに出かけたが、連れの百面相の鶴枝という男が足をすべらして
細
(
ほそ
)
に落ちてしまった。
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
髪の毛は真っ白になり、手足は
痩
(
や
)
せ
細
(
ほそ
)
り、腰は立たず、ひどく年をとって死にかかってるのでした。
魔法探し
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
途中で、放れ馬をひろい、やっと秀次をそれに乗せ、
細
(
ほそ
)
ヶ
根
(
ね
)
という所で、ひと息ついていると、またも、敵の襲撃にあい、さんざんになって、
稲葉
(
いなば
)
方面へ落ちのびた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氏は五十歳を幾つも越えないであらう。肉
附
(
づき
)
の締つた、
細
(
ほそ
)
やかな、背丈の高い体に
瀟洒
(
せうしや
)
とした紺の背広を着て、調子の低い
而
(
さう
)
して
脆相
(
もろさう
)
な程美しい言葉で
愛想
(
あいそ
)
よく語つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
人々
(
ひと/″\
)
も
同意
(
どうい
)
と
見
(
み
)
えて
一時
(
いちじ
)
に
口
(
くち
)
を
閉
(
とぢ
)
たけれど、
其中
(
そのうち
)
の
二三人
(
にさんにん
)
は
別
(
べつ
)
に
此問
(
このとひ
)
に
氣
(
き
)
を
止
(
と
)
めず、ソフアに
身
(
み
)
を
埋
(
うづ
)
めてダラリと
手
(
て
)
を
兩脇
(
りやうわき
)
に
垂
(
た
)
れ、
天井
(
てんじやう
)
を
眺
(
なが
)
めて
眼
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
くして
居
(
ゐ
)
る
者
(
もの
)
もあれば
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
二十
間
(
けん
)
にも
餘
(
あま
)
る
巨大
(
きよだい
)
な
建物
(
たてもの
)
は、
見
(
み
)
るから
毒々
(
どく/\
)
しい
栗色
(
くりいろ
)
のペンキで
塗
(
ぬ
)
られ、
窓
(
まど
)
は岩
疊
(
たたみ
)
な
鐵格子
(
てつがうし
)
、
其
(
それ
)
でも
尚
(
ま
)
だ
氣
(
き
)
が
濟
(
す
)
まぬと
見
(
み
)
えて、
其
(
そ
)
の
内側
(
うちがは
)
には
細
(
ほそ
)
い、
此
(
これ
)
も
鐵製
(
てつせい
)
の
網
(
あみ
)
が
張詰
(
はりつ
)
めてある。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
かく
噴
(
ふ
)
いては
止
(
や
)
み
噴
(
ふ
)
いては
止
(
や
)
みすること
五六回
(
ごろつかい
)
にして
次第
(
しだい
)
に
衰
(
おとろ
)
へ
遂
(
つひ
)
に
止
(
や
)
んでしまつた。
跡
(
あと
)
には
所々
(
ところ/″\
)
に
小
(
ちひ
)
さな
土砂
(
とさ
)
の
圓錐
(
えんすい
)
を
殘
(
のこ
)
し、
裂口
(
さけぐち
)
は
大抵
(
たいてい
)
塞
(
ふさ
)
がつて
唯
(
たゞ
)
細
(
ほそ
)
い
線
(
せん
)
を
殘
(
のこ
)
したのみである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
鼻
(
はな
)
が
低
(
ひく
)
くて
眼
(
め
)
が
細
(
ほそ
)
くて、
何處
(
どこ
)
か
間
(
ま
)
の
拔
(
ぬ
)
けた
感
(
かん
)
じのする
平
(
ひら
)
べつたい
顏
(
かほ
)
——その
顏
(
かほ
)
が
長
(
なが
)
いので「
馬
(
うま
)
さん」と
言
(
い
)
ふ
綽名
(
あだな
)
がついた。が、
中根
(
なかね
)
は
都會生
(
とくわいうま
)
れの
兵士達
(
へいしたち
)
のやうにズルではなかつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
頭部
(
あたま
)
の
方
(
ほう
)
にもモー一
本
(
ぽん
)
見
(
み
)
えますが、それは
通例
(
つうれい
)
前
(
まえ
)
のよりもよほど
細
(
ほそ
)
いようで……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
□夕方西に
紅
(
くれない
)
の
細
(
ほそ
)
き雲
棚引
(
たなび
)
き、
上
(
のぼ
)
るほど、うす紫より終に
淡墨
(
うすずみ
)
に、下に秩父の山黒々とうつくしけれど、そは光あり力あるそれにはあらで、冬の雲は寒く寂しき、
例
(
たと
)
へんに恋にやぶれ
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ささげ
畑
(
ばたけ
)
では、ささげが
繊
(
ほそ
)
い
細
(
ほそ
)
いあるかないかの
銀線
(
ぎんせん
)
の、
否
(
いな
)
、むづかしくいふなら、
永遠
(
えいゑん
)
を
刹那
(
せつな
)
に
生
(
い
)
きてもききたいやうな
音
(
ね
)
のでる
樂器
(
がくき
)
に、その
聲
(
こゑ
)
をあはせて、
頻
(
しきり
)
に
小唄
(
こうた
)
をうたつてゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
やがて彼女は戸口に立った、背の高い、
痩
(
や
)
せ
細
(
ほそ
)
った青年の姿を認めた。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
草假名は心ゆくなり
細
(
ほそ
)
がきの
面相
(
めんさう
)
に書けばなほとおもしろ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
濱島
(
はまじま
)
は
浩然
(
かうぜん
)
大笑
(
たいせう
)
した、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
眼
(
め
)
を
細
(
ほそ
)
うして
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
わが姿、しよんぼりと
細
(
ほそ
)
りやつるる。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
身は
細
(
ほそ
)
けれど胸広きエルフの群は
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
鳩酢草
(
はとかたばみ
)
は
呼吸
(
いき
)
細
(
ほそ
)
う
雫
(
しずく
)
に
湿
(
うる
)
ひ
夏の日
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
月
(
つき
)
細
(
ほそ
)
くかゝれる
時
(
とき
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
は、ほのかに
足
(
あし
)
もとをあたためて、
草
(
くさ
)
のうちには、まだ
生
(
い
)
き
残
(
のこ
)
った
虫
(
むし
)
が、
細
(
ほそ
)
い
声
(
こえ
)
で、しかし、
朗
(
ほが
)
らかに
歌
(
うた
)
をうたっていました。
丘の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
“細”を含む語句
仔細
細君
詳細
繊細
細々
心細
細流
委細
細作
細部
細螺
目細
細語
細工
細面
巨細
細目
細胞
細腰
細竹
...