“稲葉”の読み方と例文
旧字:稻葉
読み方割合
いなば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは初め商売を始めようと思って土著どちゃくしたのではなく、唯稲葉いなばという家の門の片隅に空地くうちがあったので、そこへ小家こいえを建てて住んだのであった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
見渡すかぎりの稲葉いなばの海に、ところどころ百姓家の藁屋根が浮かんで、黒い低い雲から、さんざと落ちる雨の穂は、うなずくように、いっせいに首をまげています。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
娘おくめの縁談に関する件で、かねて伊那の南殿村、稲葉いなばという家は半蔵が継母おまんの生家さとに当たるところから、おまんの世話で、その方にお粂の縁談がととのい
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)