學問がくもん)” の例文
新字:学問
學校がくかう中途ちゆうとめたなり、ほんほとんどまないのだから、學問がくもん人並ひとなみ出來できないが、役所やくしよでやる仕事しごと差支さしつかへるほど頭腦づなうではなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところが江戸時代えどじだいになると、徳川氏とくがはし政治せいじ方針ほうしんがさうであり、またなかをさまつてたゝめか、學問がくもんさかんになつてました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
化物學ばけものがくといふ學問がくもんがありとすれば、いままでべたことは、その序論じよろんるべきものであつて、こゝにはたゞ序論じよろんだけをべたことになるのである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ゆゑ日本國中につぽんこくちう人民じんみん此改暦このかいれきあやしひとかなら無學文盲むがくもんまう馬鹿者ばかものなり。これをあやしまざるものかなら平生へいぜい學問がくもん心掛こゝろがけある知者ちしやなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
學問がくもんなく分別ふんべつなきものすらくわだつることを躊躇ためろふべきほどの惡事あくじをたくらましめたるかをあらはすはけだしこのしよ主眼しゆがんなり。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
とうさんは九つのとしまで、祖父おぢいさんや祖母おばあさんの膝下ひざもとましたがそのとしあき祖父おぢいさんのいゝつけで、東京とうきやう學問がくもん修業しうげふることにりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その學生がくせいころから、閣下かくか學問がくもんはら出來できて、わたしのやうに卑怯ひけふでないから、およぎにたつしてはないけれども、北海ほくかい荒浪あらなみ百噸ひやくとん以下いかおそれない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その品物しなものには一々いち/\わかるような説明せつめいをつけて、それをまはるうちに自然しぜん學問がくもん出來できるようにしてあるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
年齡ねんれいも十六七以上いじやう、一とほ學問がくもんをして學問がくもん家政かせいなり、なになり日常にちじやう處世しよせいうへ應用おうようがしてけるはづでありますが、實際じつさいつきますると種々しゆ/″\遺憾ゐかんてんがあるやうです。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
また此等これら學問がくもんちからによつて、わが地球ちきゆう鋼鐵こうてつよりもおほきな剛性ごうせいゆうしてゐることもわかつてた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
統計年度とうけいねんどおいて、一萬二千にん患者くわんじやけたとすれば、すなはち一萬二千にんあざむかれたのである。おも患者くわんじや病院びやうゐん入院にふゐんさせて、れを學問がくもん規則きそくしたがつて治療ちれうすること出來できぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
乳母 はれま、結構けっこうなお教訓けうくんぢゃ、すがら此處こゝ居殘ゐのこっても、聽聞ちゃうもんがしたいわいの。てもま、學問がくもんきついものぢゃな! 殿とのさん、貴方こなたさしますことをひいさまにまうしましょ。
いゑ生㧞はへぬきの實子じつしにてもあらば、かゝるむかへのよしや十たび十五たびたらんとも、おもひちての修業しゆぎやうなれば一トかど學問がくもんみがかぬほどは不孝ふこうつみゆるしたまへとでもいひやりて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
少し聞ても聞取り學問がくもんとやら外の御たくちがうて此方樣の事成れば一口聞ても多きに稽古けいこに成りますと言ふゆゑ扨々さて/\不便ふびんの事なり然程に執心しふしんらば私が教へてやりませう貴樣の事だから金はけつして取らぬが其替そのかはりに稽古代けいこだいと思うて按摩あんま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「もつと、ぎろりとしたところつてなければ駄目だめだ」とたちまはれた。「そのくらゐことすこ學問がくもんをしたものならだれでもへる」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
祖母おばあさんは隣村となりむら妻籠つまかごといふところから、とうさんのおうちへおよめひとで、曾祖母ひいおばあさんほどの學問がくもんいとひましたが、でもみんなにかれました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのほかなんでも理科りか學問がくもん應用おうようした爲事しごとかんする品物しなものを、それ/″\その發達はつたつ順序じゆんじよおうじてならべてあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
きみ學問がくもんみち寢食しんしよくわすたまふは、至極しごく結構けつこうにて、とやかく申上まをしあげむことばもなくさふらへども御心遣おんこゝろやりすべさふらはでは、あまりに御氣おきつまりて千金せんきん御身おんみにさはりとも相成あひならむ。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして支那しな學問がくもんからさらすゝんで、日本につぽん學問がくもん日本につぽん文學ぶんがく研究けんきゆうおこなはれしてました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
最暗黒さいあんこく社會しやくわいにいかにおそろしき魔力の潛むありて學問がくもんはあり分別ふんべつある腦膸のうずいなか
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
勿論もちろんこの學問がくもん研究けんきゆう容易ようい進歩しんぽしないのも震災國しんさいこくたるの一因いちいんには相違そういないが、しかしながら地震ぢしんたいして必要ひつよう初歩しよほ知識ちしきがわが國民こくみんけてゐることが、震災しんさい擴大かくだい最大原因さいだいげんいんであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
まづ學問がくもんといふたところおんな大底たいていあんなもの、理化學政法りくわがくせいはうなどヽびられては、およめさまのくちにいよ/\とほざかるべし、だい皮相ひさう學問がくもん枯木かれきつくばなしたもおなじにて眞心まことひとよろこはぬもの
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貴方あなたは一生涯しやうがいだれにも苛責かしやくされたことく、健康けんかうなることうしごとく、嚴父げんぷ保護ほごもと生長せいちやうし、れで學問がくもんさせられ、それからしてわりやく取付とりつき、二十年以上ねんいじやうあひだも、暖爐だんろいてあり
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
この機會きくわいさいして化物ばけもの研究けんきうおこし、化物學ばけものがくといふ一くわ學問がくもんつくしたならば、さだめし面白おもしろからうとおもふのである。むかし傳説でんせつ樣式やうしきはなれた新化物しんばけもの研究けんきうこゝろみる餘地よち屹度きつとあるに相違さうゐない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
りもなほさず學問がくもん實際じつさいようてるの凖備じゆんびであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
東京とうきやうをさして學問がくもんかうといふころ友伯父ともをぢさんも、とうさんも、まだ二人ふたりとも馬籠風まごめふうかみながくしてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わたしなども中學生ちゆうがくせい時分じぶんから、坪井先生つぼゐせんせいをしへをけ、それからいつそうこの學問がくもんきになつたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
學問がくもん社會しやくわいるための方便はうべん心得こゝろえてゐたから、社會しやくわいを一退しりぞかなくつてはたつすること出來できない、學者がくしやといふ地位ちゐには、あまおほくの興味きようみつてゐなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なば美男びなんともふべきにや、鼻筋はなすぢとほりもとにぶからず、豐頬しもぶくれ柔和顏にうわがほなるさとし流石さすが學問がくもんのつけたる品位ひんゐは、庭男にはをとこりてもはなれず、吾助吾助ごすけ/\勝手元かつてもとかしましき評判ひやうばん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヒポコンデリアれいかなるやまいぞ。虚弱きよじやくなるひとのみこれむべきか、健全けんぜんなるひとこれあたはざるか、無學むがくこれまずかへつて學問がくもんこれ引由いんゆうし、無知むちこれまず、知識ちしきあるものこれことおほし。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
じつにこの地震計ぢしんけい發明はつめいは、それまできはめて幼稚ようちであつた地震學ぢしんがく本當ほんとう學問がくもん進歩しんぽしたもとゐであるので、たんこの一點いつてんからみても、地震學ぢしんがく日本につぽんおいひらけたといつても差支さしつかへないくらゐである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
如何いかなれば規則きそくはあつても、こゝ學問がくもんいのである。哲學てつがくすてしまつて、醫師等いしやらのやうに規則きそくしたがつてらうとするのには、だい一に清潔法せいけつはふと、空氣くうき流通法りうつうはふとがくべからざるものである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ふだん亭主ていしゆ彌次喜多やじきたあつかをんなに、學問がくもんのあるところせてやらう。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
植村うゑむらさまもいおかたであつたものをとおくらへば、なにがあのいろくろ無骨ぶこつらしきおかた學問がくもんはえらからうともうで此方うちのおぢやうさまがつゐにはならぬ、つからわたしめませぬとおさんりきめば
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
火山かざんかんする迷信めいしんがこのように國民こくみん腦裡のうり支配しはいしてゐるあひだ學問がくもんまつた進歩しんぽしなかつたのは當然とうぜんである。むかし雷公らいこう今日こんにち我々われ/\忠實ちゆうじつ使役しえきをなすのに、火山かざんかみのみ頑固がんこにおはすべきはずがない。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
たび劍術けんじゆつ出來できなくても、學問がくもんがあればうはおどろくまい。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
樂隱居らくいんきよなされたきおのぞみのよし、これしかるべきこと御親類ごしんるいどう御决義ごけつぎわたくし初手しよてから貴君樣あなたさま東京とうけうへおし申すははぬほどにて、申しては失禮しつれいなれどいさゝかの學問がくもんなどうでもこと
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
田中屋たなかや柔和おとなしぶりにごまかされて、一つは學問がくもん出來できおるをおそれ、横町組よこてうくみ太郎吉たらうきち、三五らうなど、内々ない/\彼方あちらがたになりたるも口惜くちをし、まつりは明後日あさつて、いよ/\かたいろえたらば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ちしもの此文このふみにはなん文言もんごんどういふふうきてるにや表書おもてがきの常盤木ときわぎのきみまゐるとは無情つれなきひとへといふこと岩間いはま清水しみづ心細こゝろぼそげにはたまへどさても/\御手おてのうるはしさお姿すがたは申すもさらなり御心おこゝろだてとひお學問がくもんどころなき御方おかたさまにおもはれてやとはよもやおほせられまじ深山育みやまそだちのとしてくらものになるこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)