問題もんだい)” の例文
「おちついて、しっかりおやり。」とか、「よく問題もんだいて、あわててはいけません。」とか、いうこえが、そこここできかれました。
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やぶれたるせん棋士きしけう中やはたして如何に? どんな勝負せうふ事もはい後に生くわつ問題もんだいうら附けるとなれば一そう尖鋭化せんえいくわしてくる事は明かだが
「なあに、できないことがあるものか。なみの力でできるのに、人間にんげんにできないってことがあるものか。ようするに、時間じかん問題もんだいさ。」
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
小鳥ことりつたこともないという、ごうつくばりの因業いんごうおやじが、なぜ金魚きんぎょになつたか、そのてんにも問題もんだいがないことはない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
それからいよ/\問題もんだいおほきくひろがつて、大學人類學教室だいがくじんるゐがくけうしつで『彌生式研究會やよひしきけんきうくわい』がひらかれ、其結果そのけつくわとして、加瀬探檢かせたんけん遠足會えんそくくわいもよほされた。
つきかはつてからさむさが大分だいぶゆるんだ。官吏くわんり増俸ぞうほう問題もんだいにつれて必然ひつぜんおこるべく、多數たすううはさのぼつた局員きよくゐん課員くわゐん淘汰たうたも、月末げつまつまでほゞ片付かたづいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これと同時どうじにその論議ろんぎ具體化ぐたいくわした建築物けんちくぶつ實現じつげんさらのぞましいことである。假令たとひその成績せいせき多少たせう缺點けつてんみとめられてもそれ問題もんだいでない。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
しかそのもつとおそれをいだくべき金錢きんせん問題もんだいそのこゝろ抑制よくせいするには勘次かんじあまりにあわてゝかつおどろいてた。醫者いしや鬼怒川きぬがはえてひがしる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
答『竜神りゅうじんにとりて、一緒いっしょむ、まぬは問題もんだいでない。竜神りゅうじん生活せいかつ自由自在じゆうじざい人間にんげんのようにすこしも場所ばしょなどにはしばられない。』
しかし、わたしが手にいれて、このふくろのなかにもって歩いているたからものにくらべれば、そんなものは問題もんだいにもならないな。
しなに女連をんなれんのこれが問題もんだいになつた。ガラスをとほして、ふすまが松葉越まつばごしにそとからえよう。友禪いうぜんいたとりのやうだ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これ以上、われ等はこの問題もんだいにかかり合っているべき勇気をたない。われ等の使命は、地上の人間の憐憫あわれみを乞うべく、あまりにも重大である。
何故なぜかならば爲替かはせ見通みとほしのごときことは、多數たすう商人しやうにん多數たすう經濟界けいざいかいひとには理解りかい仕惡しにく問題もんだいであり内國市場ないこくしぢやう状況じやうきやうばかりでこれ判斷はんだん出來できぬ。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
これは、なおさら要吉ひとりきりでは解決かいけつできない問題もんだいでした。要吉は、女中の平気へいきな顔を思いだすと、ただなんとなく、腹がたってたまりませんでした。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
地震ぢしん豫知問題よちもんだいかり都合つごうよく解決かいけつされたとしても、震災防止しんさいぼうしについてはなほ重大じゆうだい問題もんだい多分たぶんのこるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
そこでキッコはその鉛筆を出して先生の黒板こくばんに書いた問題もんだいをごそごその藁紙わらがみ運算帳うんざんちょうに書きりました。
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それもかんがへてをりますけれど、あんなかたですから、問題もんだいにするには、表沙汰おもてざたにするよりほかございません。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
いまいましいじゃないか。そこで問題もんだいはこれから先どうするかってことだ。どうせ、やつらはおれを追いまわすにきまってるだろうし……なにかいい考えはないか
なにべてきてたの?』とつね飮食いんしよく問題もんだい多大たゞい興味きようみつてところあいちやんがたづねました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しかもこれはをんなはうから種々しゆ/″\問題もんだい持出もちだしてるやうだそして多少いくらうるさいといふ氣味きみをとこはそれに説明せつめいあたへてたが隨分ずゐぶん丁寧ていねいものけつして『ハア』『そう』のではない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それでは日本につぽんにおいて石器せつき使つかつてゐた人間にんげんは、われ/\の祖先そせんであるか、またはべつ人種じんしゆであるかといふことになりますと、これはなか/\むつかしい問題もんだいでありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
二人ふたりちうごと驅付かけつけて、ふたはぬは無益むえきやがはら充分じゆうぶんになると、つぎおこつて問題もんだいは、一躰いつたいこのしま如何いかなるしまだらう、見渡みわたところ隨分ずいぶん巨大きよだいしまやうだが
されば此度このたび一條いちでう日本國中につぽんこくちう知者ちしや馬鹿者ばかものとを區別くべつする吟味ぎんみ問題もんだいといふもなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
すで萬人向ばんにんむきの書物しよもつがないとすれば、問題もんだいは、讀者自身どくしやじしん工夫くふううつらなければならぬ。ぼくは、如何いかなるほんむかといふことよりも、むし大事だいじなのは、如何いかほんむかといふことではいかとおもふ。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
このばあい、貸借かしかりなんて問題もんだいのありようはずがないさ。ほかのにんげんどうよう、きみは自由だよ。きみの幸運こううんにたいして、わたしはひじょうに、よろこんでいる。きゅうゆう、まあ、かけたまえ。
うむ、それぢや それが月博士はかせとの問題もんだいたねだつたのだ
「いや、そうでない。みんながおれつよいものだとしんじているので、こんなことは問題もんだいとしないのだろう。」とおもわれたこともありました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
ついぞ學資がくし問題もんだいあたまおもうかべたことがなかつたため、叔母をば宣告せんこくけたときは、茫然ぼんやりして兎角とかく挨拶あいさつさへ出來できなかつたのだとふ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかもジリリと心にかぶさつてくる生くわつ問題もんだいの重あつを一方にになひながら、むしろより悲壯ひそうたゝかひをたゝかつてゐると見られぬ事はない。
わがはいはこれについて一げんべんじてきたい。年紀ねんき時間じかんはか基準きじゆん問題もんだいである。これは國號こくがう姓名せいめいなどの固有名こゆうめい問題もんだいとは全然ぜん/″\意味いみちがふ。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
神社じんじゃまつられたからともうして、矢鱈やたら六ヶむずかしい問題もんだいなどをわたくしのところにお持込もちこみになられることはかた御辞退ごじたいいたします。
ひめさまがおむこさまをさがしていらっしゃる。だが、お姫さまに結婚けっこんをもうしこもうと思うものは、むずかしい問題もんだい
彼等かれら勞働らうどうから空腹くうふく意識いしきするとき一寸いつすんうごくことの出來できないほどにはか疲勞ひらうかんずることさへある。什麽どんな麁末そまつものでも彼等かれらくちには問題もんだいではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかしながら、もしそこに火災かさいおこおそれがあり、また實際じつさい小火ぼやおこしてゐたならば、問題もんだい全然ぜんぜん別物べつものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ほかに、三にん容疑者ようぎしゃがあることはあつたが、むろんこうなれば、問題もんだいとするところはなにもない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
保安上ほあんじやう容易よういならぬ問題もんだいであるといふので(それにみだりに神社呼じんじやよばはりをこと法律はふりつゆるさぬところでもあるので)奉納ほうのう旗幟はたのぼり繪馬等ゑまとうてつせしめ、いはやから流出りうしゆつする汚水をすい酌取くみとるをきん
故郷こきやう風景ふうけいもととほりである、しか自分じぶん最早もはや以前いぜん少年せうねんではない、自分じぶんはたゞ幾歳いくつかのとししたばかりでなく、かう不幸ふかうか、人生じんせい問題もんだいになやまされ、生死せいし問題もんだい深入ふかいりし
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
最初さいしよ問題もんだいは、ふまでもなくうしてふたゝびそれを乾燥かはかさうかとふことで、そのみンなで相談會さうだんくわいひらきました、しばらくしてあいちやんは、まるまへからみんなをつてでもたやうに
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
日本にほんつては大正たいしやうねん以來いらい問題もんだいまたこれ世界せかいからると、世界せかいいづれのくにいへど金解禁きんかいきんすで決行けつかうされてつてたゞ日本にほんだけが取殘とりのこされてるからして、何時いつ日本にほんきん解禁かいきんをするか
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
わたくしにも説明せつめいのしやうがないんです。くところでは、宿やどでも問題もんだいになつてゐるらしいんです。このころそとれば、きつとれてあるいてゐますが、宿やどでもすこしもはなさないやうです。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
しか此樣こんこと如何いかかんがへたとてわかはづのものでない、それよりはこのしま元來ぐわんらい無人島むじんとうか、いなかゞ一大いちだい問題もんだいだ、無人島むじんとうならばそれ/\べつ覺悟かくごするところもあるし、よしひと住居すまひしてしまにしても
キッコは9の字などはどうも少しなまずのひげのようになってうまくないと思いながらおりて来たときようやく慶助が立って行きましたけれども問題もんだいを書いただけであとはもうもじもじしていました。
みじかい木ぺん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
火星の運河うんが問題もんだいですかな
一人ひとりや、二人ふたりは、まれに、をとめてることはあっても、問題もんだいにしなければ、永久えいきゅうに、それだけでわすれられてしまうのです。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そのつもりくないぢやないか」と答辯たふべんするやうなものゝ、この問題もんだい其都度そのつど次第々々しだい/\背景はいけいおくとほざかつてくのであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それはおそらくたゝかふ者の誇と名にかけて、または男の地にかけてであつたらう。が、現在げんざいでは對局たいきよくの陰に實際的じつさいてきな生くわつ問題もんだいまでふくまれて來たらしい。
問題もんだい各自かくじその懷抱くわいほうするところ遠慮えんりよなく披瀝ひれきしたところのものが、所謂いはゆる建築けんちく根本義こんぽんぎ解決かいけつたいして如何いかなる暗示あんじあたへるか、如何いかなる貢献こうけんいたすかである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
しながそれほど苦勞くらうした米穀べいこく問題もんだい死後しご四五年間ねんかん惨憺さんたんたる境遇きやうぐうからやうや解決かいけつげられようとしたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もしそこに火災かさいおこおそれが絶對ぜつたいになかつたならば、この問題もんだい解決かいけつ一點いつてん疑問ぎもんおこらないであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「それから、おまえの三つの問題もんだいにたいして、鬼がなんていったか、よくきいていたろうね。」