原因げんいん)” の例文
のちにわかつたが、原因げんいん青酸加里せいさんかりによる毒殺どくさつだつた。死体したい両手りょうてがつきのばされて、はちのふちにつかみかかろうという恰好かっこうをしている。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
あるひ飮食店いんしよくてんける揚物あげものあぶらあるひはせるろいど工場こうじようなど、文化ぶんかすゝむにしたがひ、化學藥品かがくやくひんにして發火はつか原因げんいんとなるものが、ます/\えてる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
自己じこ現在げんざいつて經濟界けいざいかいつと變化へんくわしてるにかゝはらずれにたいして充分じうぶん理解りかいのないのがむしろより重大ぢうだいなる原因げんいんである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
「おまえは、鈍吉どんきちだ。」と、いったのが原因げんいんとなって、生徒せいとたちは、かれのことをどんちゃんとあだするようになりました。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
(こゝで、私とつまとがおなじやうにつかれたといふことが、私達わたしたちの間に、大きな悲劇ひげきをもたらした原因げんいんであつた。)——
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
おつぎはまたおさへた卯平うへい頭部とうぶうたがひのそゝいで、二にんかなしむべき記念かたみにおもひいたつた。おつぎは原因げんいん追求つゐきうしてかうとはしなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それともまったくほかの原因げんいんによるのでしょうか、とにかく日によって水がしおのように退きするときがあるのです。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そしてそれが原因げんいん洞穴ほらあな研究けんきゆうをして、これを學界がつかい發表はつぴようしましたが、當時とうじたれしんずるものがなく、サウツオラは失望しつぼう落膽らくたんし、殘念ざんねんおもひながらんだのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
その所爲せゐ經過けいくわ至極しごく順當じゆんたうつたが、どうしたわけか、これといふ原因げんいんもないのに、月足つきたらずでうまれて仕舞しまつた。産婆さんばくびかたむけて、一醫者いしやせるやうすゝめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だから苦痛くつう輕蔑けいべつしたり、何事なにごとにもおどろかんなどとつてゐられる。れははなは單純たんじゆん原因げんいんるのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
日本にほん建築けんちく古來こらい木造もくざうもつて一くわんして原因げんいんは、だい一に、わがくに木材もくざい豊富ほうふであつたからである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
それがだい自營獨立じえいどくりつねん薄弱はくじやくにするの原因げんいんで、したがつて日本婦人にほんふじんおほひなる弱點じやくてんであらうとおもひます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
そして、ふしぎな火のはぜる音に、その原因げんいんをうたぐって、けあがるのを待っているのだろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それで到頭たう/\落城らくじやうしてしまつたのです、滅亡めつばういては三つの原因げんいんが有るので、(一)は印刷費いんさつひ負債ふさい、(二)は編輯へんしうと会計との事務じむ煩雑はんざつつて来て、修学しうがく片手業かたてまあまるのと
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
但馬守たじまのかみ玄竹げんちくあいしたのは、玄竹げんちく岡部美濃守をかべみののかみ頓死とんし披露ひろうするにもつと必要ひつえう診斷書しんだんしよを、なんもとむるところもなく、淡白たんぱくあたへたといふこゝろ潔白けつぱくつたのがだい一の原因げんいんである。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
しかしてかくごとく偶然の機會よりして偶然の殺戮を見得るが故に、一けんして淺薄せんはくにして原因げんいんもなきものゝたねなる、このしよ眞價しんかじつみぎべたる魔力まりよく所業しよげふ妙寫みようしやしたるにおいて存するのみ。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
どうしても仲間なかまについて行けません。おくれてしまいます。これはわかりきったことです。哲学者てつがくしゃといわれる人たちは、同じ原因げんいんがあればいつでもおな結果けっかになるということを知っています。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
さうして、それが偶然ぐうぜんわたし先生せんせいでもあり、またあなたがたのこの文庫ぶんこにおけるおなじみでもある、柳田國男先生やなぎだくにをせんせいがおきのことわざちとも、原因げんいん竝行へいかうしてゐるのは、不思議ふしぎ御縁ごえんだとおもひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
この倉庫さうこにはぜんまうした、海底戰鬪艇かいていせんとうてい動力どうりよく原因げんいんとなるべき重要ぢうえう化學藥液くわがくやくえきが、十二のたる滿みたされてをさめられてあるのです。じつこの藥液やくえきたるこそ、海底戰鬪艇かいていせんとうてい生命せいめいともいふべきものです。』とこたへた。
それで、みんなは、汽車きしゃ転覆てんぷく原因げんいんが、ひとをひきころそうとしたため、いそいで汽車きしゃめたのにあったことをりました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たとへば鐵砲てつぽう彈丸たま遠方えんぽうばす原因げんいん火藥かやく爆發力ばくはつりよくであるが、これを實現じつげんせしめる副原因ふくげんいん引金ひきがねはづ作用さようである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
これは勿論もちろん大正たいしやうねんぐわつ十二にち以來いらい實行じつかうせられたるきん輸出禁止ゆしゆつきんし解除かいぢよせられずしたがつ通貨つうくわ適當てきたうなる調節てうせつ物價調節ぶつかてうせつおこなはれざるに原因げんいんするわけではあるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
だから苦痛くつう軽蔑けいべつしたり、何事なにごとにもおどろかんなどとっていられる。それははなは単純たんじゅん原因げんいんるのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ところがそれが偶然ぐうぜん御米およねのためにめう行爲かうゐ動機どうき構成かたちづく原因げんいんとなつた。過去くわこ週間しうかんをつと自分じぶんあひだおこつた會話くわいわに、不圖ふとこの知識ちしきむすけてかんが彼女かのぢよ一寸ちよつと微笑ほゝゑんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
作者さくしやなんゆえにラスコーリニコフが氣鬱病きうつびやうかゝりたるやをかたらず開卷かいかん第一にその下宿住居げしゆくじゆうきよ點出てんしつせり、これらをも原因げんいんある病氣びやうきいひしりぞけたらんには、このしよ妙所みやうしよついにいづれにかそんせんや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
この海嘯つなみのちわかつたが、印度洋インドやうちうマルダイヷたう附近ふきん海底かいてい地滑ちすべりに原因げんいんして、亞弗利加アフリカ沿岸えんがんから、亞剌比亞アラビヤ地方ちほうへかけて、非常ひじやう損害そんがいあたへたさうだが、その餘波よはこの孤島はなれじままで押寄おしよせてたのである。
勘次かんじもおつぎもたゞあわてた。勘次かんじ原因げんいんつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
高原こうげんまれたはなは、このまちなかにきてからからだがたいそうよわりました。朝晩あさばんややかなつゆわないだけでも、元気げんきをなくした原因げんいんだったのでした。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
此急激このきゆうげき移動いどう、これがすなは大地震だいぢしん原因げんいんである。もしかような大移動だいいどう海底かいていおこれば津浪つなみおこすことにもなる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
二人ふたりあたまなかかへつたすごあわやうなものがやうやしづまつたとき二人ふたり安井やすゐまた半途はんと學校がくかう退しりぞいたといふ消息せうそくみゝにした。彼等かれらもとより安井やすゐ前途ぜんときずつけた原因げんいんをなしたにちがひなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その惡事あくじたとへば殺人罪さつじんざいごと惡事あくじ意味いみもなく、原因げんいんきものとふをべきや、これ心理的しんりてき解剖かいぼうして仔細しさいその罪惡ざいあく成立なりたちいたるまでの道程みちのりゑがきたる一書いつしよ淺薄せんはくなりとしてしりぞくることべきや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
ひと思想しそうも、なにかに原因げんいんするものか、以来いらいわたしは、地上ちじょうはなよりは、大空おおぞらをいくくもあいするようになりました。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この崩壞ほうかい結果けつか有明灣ありあけわん大津浪おほつなみおこし、沿岸地方えんがんちほうおい合計ごうけい一萬五千人いちまんごせんにんほどの死者ししやしようじた大事件だんじけんもあつたので、原因げんいん輕々かる/″\しく斷定だんていすることはつゝしまねばならぬ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
としちゃんは、あちらへいってしまいました。そしてまた、かんがえていたのです。それには原因げんいんがあったのです。
もののいえないもの (新字新仮名) / 小川未明(著)
かくしてとき火山かざん火熱かねつ原因げんいんあるひ言葉ことばへていへば、火山かざんから流出りゆうしゆつする鎔岩ようがん前身ぜんしんたる岩漿がんしよう地下ちか貯藏ちよぞうせられてゐる場所ばしよは、けつしてふかいものではなく
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それどころか、中国ちゅうごく国内こくない生産せいさん復興ふっこうしないから、ともぐいするようになる。よわいものからまいってしまう。ちかごろ、ひとがめっきりふえたのもこんな原因げんいんがある。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ポムペイのほろびた原因げんいん降灰こうはひにあることは、空中くうちゆうから寫眞しやしんでもわかるとほり、各家屋かくかおく屋根やね全部ぜんぶけてゐて、四壁しへき完備かんびしてゐることによつてもわかるが、西暦せいれき千九百六年せんくひやくろくねん大噴火だいふんかのとき
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「なるほど、これで原因げんいんがわかった。自分じぶんは、こんなやっかいなものをひきずっているのだ。こいつをどこへかとしてしまう工夫くふうをしなければならぬ。」と、ひとりごとをいいました。
風船球の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あめも相当そうとうれて宿賃やどちんにもこまらずにすみましたが、都会とかいは、田舎いなかとちがって空気くうきのよくないことや、のんきにらされないので、いろいろそんなことが原因げんいんとなって、おじいさんは
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
垣根かきねのゆるむ原因げんいんはわかったが、孝二こうじは、おじいさんに、だまっていました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自転車屋じてんしゃやあと乾物屋かんぶつやができてから、二かげつばかりたつと、ゆうちゃんの叔父おじさんは、不思議ふしぎ病気びょうきにかかりました。それは、ふいに原因げんいんのわからぬねつて、手足てあしがしびれてきかなくなるのでした。
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうして仕損しそんじたかという原因げんいんについてはりませんでした。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)