元氣げんき)” の例文
新字:元気
「うむ、なあにれもそれから去年きよねんあき火箸ひばしばしてやつたな」卯平うへいういつてかれにしてはいちじるしく元氣げんき恢復くわいふくしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勿論もちろんいま境涯きやうがいとてけつして平和へいわ境涯きやうがいではないが、すでにはら充分じゆうぶんちからがあるので、すぐよりは餘程よほど元氣げんきもよく、赫々かく/\たる熱光ねつくわうした
これを二碗にわんかたむけた鄰家りんか辻井つじゐさんはむか顱卷はちまき膚脱はだぬぎの元氣げんきつて、「さあ、こい、もう一度いちどゆすつてろ。」とむねたゝいた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
新聞しんぶん今朝けさまへつくしてしまつたし、ほん元氣げんきもなし、ねむくもなし、喋舌しやべ對手あひてもなし、あくびもないし、さてうなると空々然くう/\ぜん
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わたくし外套ぐわいたうのポケットへぢつと兩手りやうてをつつこんだまま、そこにはひつてゐる夕刊ゆふかんしてようと元氣げんきさへおこらなかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
舊藩きうはん因縁いんねん執着しふちやくする元氣げんき豪傑連がうけつれんや、ちひさな愛國者達あいこくしやたちが、墮落だらくしたコスモポリタンを批難ひなんするのであつた。
けれどかへるが、「子守歌こもりうたらないでどうしてあかばうそだてられませう。」といひますので、また元氣げんきして、「げつ げつ げつ」とならふのでした。
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
いはなややまめは𧮾谷けいこくながれる激流げきりゆうなかで、はつらつとおよいでをり、二三尺にさんじやくそらあがるほどの元氣げんきものです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
わびるやうになぐさめられて、それでもと椀白わんぱくへず、しくしくきに平常つね元氣げんきなくなりて、悄然しよんぼりとせし姿すがた可憐いぢらし。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きにそれはぼツちやんにつたので、自分じぶんはれたのではないとつて、元氣げんきづきまたしました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それつゞいては小體こがらな、元氣げんきな、※鬚あごひげとがつた、かみくろいネグルじんのやうにちゞれた、すこしも落着おちつかぬ老人らうじん
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そのれいになく元氣げんきよく格子かうしけて、すぐといきほひよく今日けふうだいと御米およねいた。御米およね何時いつものとほふく靴足袋くつたび一纏ひとまとめにして、六でふ這入はいあとからいて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おぢさんはきみたちのおとうさんやおかあさんとおなじやうに貧乏びんぼふだ。そしてきみたちのやうな元氣げんき可愛かあい子供こどもつてゐる。去年きよねんは六つになるスミレといふをんな一人ひとりくした。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
とはいへ、一しゃう航路ふなぢをばひとへにかみまかした此身このみ!……(一同に對ひ)さ、さ、元氣げんき人達ひとたち
身體からだよはめだから營養えいやうをよくすること、あし膝關節しつくわんせついたかつたら罨法あんはふをするといふことであつた。彼女かれべつ身體からだ元氣げんきはかはらなかつたので、學校がくかうかよつてかへつてると一人ひとり罨法あんはふをした。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
雄鷄おんどりはまだわかくて元氣げんきがありましたから、こんな立派りつぱはねがあるなら一つこれでんでたいとおもふやうにりました。そこではやしはう出掛でかけてきまして、ほかとりおなじやうにばうとしました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
武村兵曹たけむらへいそう相變あひかはらず淡白たんぱくで、慓輕へうきんで、其他そのほか三十有餘名いうよめい水兵等すいへいら一同いちどう元氣げんきよく、だいなる希望きぼう待望まちのぞみつゝ、勤勉きんべんはたらいてる。
まへさんはさかんところて、元氣げんきよくはたらいたのはよろしい、これからは、其美そのうつくしいところて、うつくしいはたらきをもるがからう。うつくしいことを。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ところに、みぎ盲人めくら、カツ/\とつゑらして、刎上はねあがつて、んでまゐり、これは無體むたいことをなされる。……きつ元氣げんきぢや。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さういふわけでなつには木々きゞは、るからに元氣げんき青々あを/\したいろをして、はちきれるような生活せいかつをします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
いたつて元氣げんきな、壯健さうけんな、立派りつぱしろ頬鬚ほゝひげの、快活くわいくわつ大聲おほごゑの、しかい、感情かんじやうふか人間にんげんである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そしてみんななかよく、元氣げんきに、大勢たいぜいうたふことだ。——これを是非ぜひ約束やくそくしてもらひたい。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
はやくお這入はいりといふに太吉たきちさきてゝ源七げんしち元氣げんきなくぬつとあがる、おやおまへさんおかへりか、今日けふんなにあつかつたでせう、さだめてかへりがはやからうとおもうて行水ぎやうずゐかしておきました
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼等かれら雨戸あまど隙間すきまから夜明よあけしろひかりおどろいて蒲團ふとんつてそとると、今更いまさらのやうにみゝせまかへるこゑ覺醒かくせいうながされて、井戸端ゐどばたつめたいみづまつたあさ元氣げんきかへすのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これではまつた證人しようにん元氣げんきづかうはづがありませんでした、ぱりぶる/\ふるへながら、氣遣きづかはしげに女王樣ぢよわうさまはうましたが、やがて無我夢中むがむちゆうで、つて茶腕ちやわん牛酪麭麺バターぱん間違まちがへて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
御出おいでです。うも相變あひかはらずさむいぢやありませんか」とつねとほ元氣げんき主人しゆじんると、子供こども大勢おほぜい自分じぶんまへならべて、其中そのうち一人ひとり掛聲かけごゑをかけながら、じやんけんつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
トロリとした鶴見つるみ神奈川かながはぎて平沼ひらぬまめた。わづかの假寢うたゝねではあるが、それでも氣分きぶんがサツパリして多少いくら元氣げんきいたのでこりずまに義母おつかさん
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
岩石がんせきつるぎのやうに削立つゝたつて荒磯あらいそへんだのを、兵曹へいそう元氣げんきまかせて引廻ひきまはされたので、ひどつかれてしまつた。
無理むりこらへてうしろを振返ふりかへつてようといふ元氣げんきもないが、むず/\するのでかんがへるやうに、小首こくびをふつて、うながところあるごとく、はれぼつたいで、巡査じゆんさ見上みあげた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もしこの二人ふたりんでしまつても、おぢさんはまだ/\おとしはしまい。それは元氣げんききみたちが大勢たいぜいゐてくれるからだ。それほどおぢさんはきみたちを、自分じぶんのやうにおもつてゐる。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
ると、宛然まるで空々そら/″\しい無理むり元氣げんきして、ひて高笑たかわらひをしてたり、今日けふ非常ひじやう顏色かほいろいとか、なんとか、ワルシヤワの借金しやくきんはらはぬので、内心ないしんくるしくるのと、はづかしくところから
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
はじめのうち心後きおくれしてだまつてますと、二ひき動物どうぶつがそのそば近寄ちかよつてました、みぎひだりに一ぴきづゝくちとを開けるだけおほきくいて、でも、あいちやんは元氣げんきしてはなつゞけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
れも蒲團ふとんかぶつて半日はんにちればけろ/\とするやまひだから子細しさいはなしさと元氣げんきよく呵々から/\わらふに、亥之ゐのさんがえませぬが今晩こんばん何處どちらへかまゐりましたか、かわらず勉強べんきよう御座ござんすかとへば
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぢいさんは只管ひたすら卯平うへい元氣げんき引立ひきたてようとした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大島仁藏翁おほしまじんざうをう死後しご權藏ごんざう一時いちじ守本尊まもりほんぞんうしなつたていで、すこぶ鬱々ふさいましたが、それも少時しばしで、たちまもと元氣げんき恢復くわいふくし、のみならず、以前いぜんましはたらしました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
……覺束おぼつかながると、つかひに女中ぢよちう元氣げんきかほして、花屋はなやになければむか土手どてつて、ばかりでもつぺしよつてませうよ、といつた。いふことが、天變てんぺんによつてきたへられて徹底てつていしてゐる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今日けふわすれないでなさい如何どうじや大變たいへんかほいろわるいやうじやがそんな元氣げんきのない顏色かほいろをしててはなかわたれるものではない、一同いつしよをがんだも目出度めでたえんじや
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
これにゆめめたやうになつて、すこ元氣げんきがつく。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
觀世捩くわんぜよりひしやげたていに、元氣げんきなくはなしもどる……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
對手あひてたちま元氣げんきづいたこゑして
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)