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茂
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しげ
ふりがな文庫
“
茂
(
しげ
)” の例文
檜木
(
ひのき
)
、
椹
(
さはら
)
、
明檜
(
あすひ
)
、
槇
(
まき
)
、
𣜌
(
ねず
)
——それを
木曾
(
きそ
)
の
方
(
はう
)
では
五木
(
ごぼく
)
といひまして、さういふ
木
(
き
)
の
生
(
は
)
えた
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
があの
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「もとの主人、菱屋の娘のお
茂
(
しげ
)
が、母親に死に別れて、草加からそっと江戸へ帰っているのを、ときどき訪ねている様子ですが——」
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
右
(
みぎ
)
も
左
(
ひだり
)
も
削
(
けず
)
ったような
高
(
たか
)
い
崖
(
がけ
)
、そこら
中
(
じゅう
)
には
見上
(
みあ
)
げるような
常盤木
(
ときわぎ
)
が
茂
(
しげ
)
って
居
(
お
)
り、いかにもしっとりと
気分
(
きぶん
)
の
落
(
お
)
ちついた
場所
(
ばしょ
)
でした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
わたしの光は、古いプラタナスの葉が、ちょうどカメの
甲
(
こう
)
のように
盛
(
も
)
りあがって、
茂
(
しげ
)
っている
生垣
(
いけがき
)
の中に、さしこもうとしていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
茂
(
しげ
)
った
木立
(
こだち
)
のあいだを、あっちにぶっつかり、こっちにぶっつかりしながら、そのガンは、やっとのことで
湖
(
みずうみ
)
まで帰ってきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
月は出でしかど、
三四
茂
(
しげ
)
きが
林
(
もと
)
は影をもらさねば、
三五
あやなき
闇
(
やみ
)
にうらぶれて、
眠
(
ねぶ
)
るともなきに、まさしく
三六
円位
(
ゑんゐ
)
々々とよぶ声す。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
スポーンと
紅葉
(
こうよう
)
の
茂
(
しげ
)
りへおちた
梅雪
(
ばいせつ
)
のからだは、
毱
(
まり
)
のごとくころがりだして、土とともに、ゴロゴロと
熊笹
(
くまざさ
)
の
崖
(
がけ
)
をころがってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
側
(
そば
)
には
長大
(
ちやうだい
)
な
向日葵
(
ひまわり
)
が
寧
(
むし
)
ろ
毒々
(
どく/\
)
しい
程
(
ほど
)
一
杯
(
ぱい
)
に
開
(
ひら
)
いて
周圍
(
しうゐ
)
に
誇
(
ほこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
草夾竹桃
(
くさけふちくたう
)
の
花
(
はな
)
がもさ/\と
茂
(
しげ
)
つた
儘
(
まま
)
向日葵
(
ひまわり
)
の
側
(
そば
)
に
列
(
れつ
)
をなして
居
(
ゐ
)
る
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
いま
窓
(
まど
)
の右手にえぞ
富士
(
ふじ
)
が見える。火山だ。頭が
平
(
ひら
)
たい。
焼
(
や
)
いた
枕木
(
まくらぎ
)
でこさえた小さな家がある。
熊笹
(
くまざさ
)
が
茂
(
しげ
)
っている。
植民地
(
しょくみんち
)
だ。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それが
年月
(
としつき
)
を
經
(
へ
)
るに
從
(
したが
)
つて
石
(
いし
)
が
崩
(
くづ
)
れたり、その
中
(
なか
)
に
木
(
き
)
の
種
(
たね
)
が
落
(
お
)
ちて
芽
(
め
)
を
出
(
だ
)
したりして、
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
に
樹木
(
じゆもく
)
が
茂
(
しげ
)
つて
來
(
き
)
たのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
言
(
い
)
へば
言
(
い
)
ふほど
枝葉
(
えだは
)
が
茂
(
しげ
)
つて、
路
(
みち
)
が
岐
(
わか
)
れて
谷
(
たに
)
が
深
(
ふか
)
く、
野
(
の
)
が
広
(
ひろ
)
く、
山
(
やま
)
が
高
(
たか
)
く
成
(
な
)
つて、
雲
(
くも
)
が
湧
(
わ
)
き
出
(
だ
)
す、
霞
(
かすみ
)
がかゝる、
果
(
はて
)
は
焦込
(
じれこ
)
んで、
空
(
くう
)
を
打
(
う
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
は、
昼過
(
ひるす
)
ぎになると、
急
(
きゅう
)
に
光
(
ひかり
)
がうすくなるのでした。
枯
(
か
)
れ
残
(
のこ
)
ったすすきの
葉
(
は
)
が
黄色
(
きいろ
)
くなって、こんもりと
田
(
た
)
の
中
(
なか
)
に
一所
(
ひとところ
)
茂
(
しげ
)
っていました。
すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
海岸
(
かいがん
)
に
近
(
ちか
)
き
山
(
やま
)
、
山
(
やま
)
には
松柏
(
しようはく
)
茂
(
しげ
)
り、
其頂
(
そのいたゞき
)
には
古城
(
こじやう
)
の
石垣
(
いしがき
)
を
殘
(
のこ
)
したる、
其麓
(
そのふもと
)
の
小高
(
こだか
)
き
處
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
るのが
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
であります。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(イ)
洪水
(
こうずい
)
の
豫防
(
よぼう
)
。
森林
(
しんりん
)
とは
山
(
やま
)
や
丘
(
をか
)
の
一面
(
いちめん
)
に、こんもり
木
(
き
)
が
生
(
は
)
え
茂
(
しげ
)
つて、
大
(
おほ
)
きな
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
となつてゐる
状態
(
じようたい
)
をいふのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「是は
何
(
なん
)
でせう」と云つて、
仰向
(
あほむ
)
いた。
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
には大きな
椎
(
しい
)
の木が、日の
目
(
め
)
の
洩
(
も
)
らない程
厚
(
あつ
)
い葉を
茂
(
しげ
)
らして、丸い
形
(
かたち
)
に、
水際
(
みづぎは
)
迄張り出してゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ゲリジムの山頂には古き建物の跡多く、エバルの山には一面に
覇王樹
(
しやぼてん
)
茂
(
しげ
)
れり。覇王樹は土地の人新芽を
皮剥
(
む
)
きて咀嚼す。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
と
言
(
い
)
いました。すると
柿
(
かき
)
の
芽
(
め
)
はずんずんのびて、大きな木になって、
枝
(
えだ
)
が出て、
葉
(
は
)
が
茂
(
しげ
)
って、やがて
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
きました。
猿かに合戦
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
案内は白衣に
幣
(
へい
)
を
捧
(
さゝ
)
げて先にすゝむ。
清津
(
きよつ
)
川を
渉
(
わた
)
りやがて
麓
(
ふもと
)
にいたれり。
巉道
(
さんだう
)
を
踏
(
ふみ
)
嶮路
(
けんろ
)
に登るに、
掬樹
(
ぶなのき
)
森列
(
しんれつ
)
して日を
遮
(
さへぎ
)
り、
山篠
(
やまさゝ
)
生
(
お
)
ひ
茂
(
しげ
)
りて
径
(
みち
)
を
塞
(
ふさ
)
ぐ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そのつぎには
古樫
(
ふるがし
)
の
岡
(
おか
)
という岡の上に
茂
(
しげ
)
っている、葉の大きなかしの木も、
曙立王
(
けたつのみこ
)
の祈りによって、同じように
枯
(
か
)
れたりまた生きかえったりしました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
その低く
茂
(
しげ
)
った枝の下に立っていれば、夜の
闇
(
やみ
)
がゆるす限りは、あたりで起ることの
一切
(
いっさい
)
が、よく見えるのだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
那方
(
あなた
)
に此方なる
賤機山
(
しづはたやま
)
を心指て行手は名に負駿河の府中
午刻
(
まひる
)
も過て
巴河
(
ともえがは
)
音
(
おと
)
にぞ知るゝ
濱續
(
はまつゞ
)
き清水
久能
(
くのう
)
は右の方は左にとりて富士見山
茂
(
しげ
)
る夏野の
草薙
(
くさなぎ
)
の宮を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
兎に角此気まぐれな小川でも、これあるが為に少しは田も出来る。
堤
(
つつみ
)
の
萱
(
かや
)
や
葭
(
よし
)
は青々と
茂
(
しげ
)
って、
殊更
(
ことさら
)
丈
(
たけ
)
も高い。これあるが為に、夏は
螢
(
ほたる
)
の
根拠地
(
こんきょち
)
ともなる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
家
(
いへ
)
の
間數
(
まかず
)
は
三疊敷
(
さんでふじき
)
の
玄關
(
げんくわん
)
までを
入
(
い
)
れて
五間
(
いつま
)
、
手狹
(
てぜま
)
なれども
北南
(
きたみなみ
)
吹
(
ふき
)
とほしの
風入
(
かぜい
)
りよく、
庭
(
には
)
は
廣々
(
ひろ/″\
)
として
植込
(
うゑこみ
)
の
木立
(
こだち
)
も
茂
(
しげ
)
ければ、
夏
(
なつ
)
の
住居
(
すまゐ
)
にうつてつけと
見
(
み
)
えて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しばらくすると、ごーと山
鳴
(
な
)
りがしてきまして、
向
(
むこ
)
うの
茂
(
しげ
)
みの
間
(
あいだ
)
から、
樽
(
たる
)
のように大きな
大蛇
(
おろち
)
が、
真赤
(
まっか
)
な
舌
(
した
)
をぺろりぺろりだしながら、ぬっと
現
(
あら
)
われでました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そんなにかやがないならば、
向
(
むか
)
うに
見
(
み
)
える、あの
小松
(
こまつ
)
の
茂
(
しげ
)
つてゐる、その
下
(
した
)
のかやをば、お
刈
(
か
)
りなさいな。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
その寺は庭が広く、背後に老杉の
茂
(
しげ
)
った林があったので、彼の
瞑想的
(
めいそうてき
)
な散歩に最も好ましい所であった。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
私は最初のいくつかの野薔薇の
茂
(
しげ
)
みを一種の
困惑
(
こんわく
)
の中にうっかりと見過してしまったことに気がついた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
犯人は木の
茂
(
しげ
)
みにかくれていて、この道具で花をもぎとったり、宙に浮かしたりしたのです。そのときも、この道具は章太郎君が見ている窓と直角になっていました。
おれは二十面相だ
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
横笛
四邊
(
あたり
)
を打ち見やれば、
八重葎
(
やへむぐら
)
茂
(
しげ
)
りて門を閉ぢ、拂はぬ庭に落葉
積
(
つも
)
りて、秋風吹きし跡もなし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
次に天のカグ山の
茂
(
しげ
)
つた
賢木
(
さかき
)
を
根掘
(
ねこ
)
ぎにこいで、
上
(
うえ
)
の枝に大きな
勾玉
(
まがたま
)
の澤山の玉の緒を懸け、中の枝には大きな鏡を懸け、下の枝には麻だの
楮
(
こうぞ
)
の皮の
晒
(
さら
)
したのなどをさげて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
稀に残る家は門前草深くして庭上露
茂
(
しげ
)
し、
蓬
(
よもぎ
)
が
杣
(
そま
)
、
浅茅
(
あさぢ
)
が
原
(
はら
)
、鳥のふしどと荒れはてて、虫の声々うらみつつ、黄菊紫蘭の野辺とぞなりにける、いま、故郷の名残りとては
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
庭
(
には
)
に
古池
(
ふるいけ
)
が
在
(
あ
)
つて、
其
(
その
)
畔
(
ほとり
)
に
大
(
おほ
)
きな
秋田蕗
(
あきたふき
)
が
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
たので、
皆
(
みな
)
が
無理
(
むり
)
に
蕗
(
ふき
)
の
本宗匠
(
もとそうせう
)
にして
了
(
しま
)
つたのです、
前名
(
ぜんめう
)
は
柳園
(
りうゑん
)
と
云
(
い
)
つて、
中央新聞
(
ちうわうしんぶん
)
が
創立
(
そうりつ
)
の
頃
(
ころ
)
に
処女作
(
しよぢよさく
)
を出した事が有る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其他は凡て淡緑色の山毛欅樹繁茂す、山奥の
深
(
ふか
)
き
所
(
ところ
)
に
至
(
いた
)
れば黒緑色の白檜山半以上に
茂
(
しげ
)
り、其以下は猶山毛欅樹多し、故に山々常に
劃然
(
くわくぜん
)
として二分せられ、上は深緑、下は淡緑
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
『
島
(
しま
)
がツ。』と
私
(
わたくし
)
も
蹴鞠
(
けまり
)
のやうに
跳起
(
はねお
)
きて
見
(
み
)
ると、
此時
(
このとき
)
天
(
てん
)
全
(
まつた
)
く
明
(
あ
)
けて、
朝霧
(
あさぎり
)
霽
(
は
)
れたる
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
、
吾
(
わ
)
が
端艇
(
たんてい
)
を
去
(
さ
)
る
事
(
こと
)
三海里
(
さんかいり
)
ばかりの、
南方
(
なんぽう
)
に
當
(
あた
)
つて、
椰子
(
やし
)
、
橄欖
(
かんらん
)
の
葉
(
は
)
は
青〻
(
あほ/\
)
と
茂
(
しげ
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
又
(
また
)
あの
藪
(
やぶ
)
の
茂
(
しげ
)
つてゐるのを
見
(
み
)
ては、さう
云
(
い
)
ふのも
無理
(
むり
)
はありますまい。わたしはこれも
實
(
じつ
)
を
云
(
い
)
へば、
思
(
おも
)
ふ
壺
(
つぼ
)
にはまつたのですから、
女
(
をんな
)
一人
(
ひとり
)
を
殘
(
のこ
)
した
儘
(
まま
)
、
男
(
をとこ
)
と
藪
(
やぶ
)
の
中
(
なか
)
へはひりました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すごいといおうか、なんといおうか、いってもいっても、
両
(
りょう
)
がわには人間の
背
(
せ
)
よりも高いあしやかやがびっしりと
生
(
は
)
え
茂
(
しげ
)
っているばかりで、人間くさいものなんか一つもありはしない。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
秋山
(
あきやま
)
の
黄葉
(
もみぢ
)
を
茂
(
しげ
)
み
迷
(
まど
)
はせる
妹
(
いも
)
を
求
(
もと
)
めむ
山道
(
やまぢ
)
知らずも 〔巻二・二〇八〕 柿本人麿
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
お城をとりまわしている
園
(
その
)
の中に、たくさんの高い木やひくい木が、もっさりと
茂
(
しげ
)
りだして、そのあいだには、いばらや草やぶが、びっしり
鉄条網
(
てつじょうもう
)
のようにからみついてしまいましたから
眠る森のお姫さま
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
もう四人は
草原
(
くさはら
)
の中へはいっています。しばらくすると、草が
深
(
ふか
)
く
茂
(
しげ
)
っている
柔
(
やわら
)
かい
地面
(
じめん
)
に、足がめり
込
(
こ
)
んでいくのがわかります。もう少し行くと、
膝
(
ひざ
)
のところまで
泥
(
どろ
)
の中にはまり
込
(
こ
)
みます。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
ボオトの場景が
最後
(
ラスト
)
を
飾
(
かざ
)
り、
観
(
み
)
ていれば、
撮影
(
さつえい
)
された覚えもある
荒川
(
あらかわ
)
放水路、
蘆
(
あし
)
の
茂
(
しげ
)
みも、
川面
(
かわも
)
の
漣
(
さざなみ
)
も、すべて
強烈
(
きょうれつ
)
な
斜陽
(
しゃよう
)
の逆光線に、
輝
(
かがや
)
いているなかを、エイト・オアス・シェルの
影画
(
シルエット
)
が
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ついにその鉄棒を
石切場
(
いしきりば
)
といらくさの
茂
(
しげ
)
みのあいだに追いつめたのである。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
屋背は深き
谿
(
たに
)
に臨めり。竹樹
茂
(
しげ
)
りて水見えねど、急湍の
響
(
ひびき
)
は絶えず耳に入る。
水桶
(
みずおけ
)
にひしゃく添えて、
縁側
(
えんがわ
)
に置きたるも興あり。室の中央に
炉
(
ろ
)
あり、火をおこして
煮焚
(
にたき
)
す。されど熱しとも覚えず。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これが きつと 火星の運河のある所に
茂
(
しげ
)
つてゐる
植物
(
しよくぶつ
)
に水を
送
(
おく
)
る管だ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
町立病院
(
ちやうりつびやうゐん
)
の
庭
(
には
)
の
内
(
うち
)
、
牛蒡
(
ごばう
)
、
蕁草
(
いらぐさ
)
、
野麻
(
のあさ
)
などの
簇
(
むらが
)
り
茂
(
しげ
)
つてる
邊
(
あたり
)
に、
小
(
さゝ
)
やかなる
別室
(
べつしつ
)
の一
棟
(
むね
)
がある。
屋根
(
やね
)
のブリキ
板
(
いた
)
は
錆
(
さ
)
びて、
烟突
(
えんとつ
)
は
半
(
なかば
)
破
(
こは
)
れ、
玄關
(
げんくわん
)
の
階段
(
かいだん
)
は
紛堊
(
しつくひ
)
が
剥
(
は
)
がれて、
朽
(
く
)
ちて、
雜草
(
ざつさう
)
さへのび/\と。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その場所はここから一里ぐらい行ったところで、田のところどころに
掘切
(
ほっきり
)
がある。そこには
葦荻
(
ろてき
)
が人をかくすぐらいに深く
生
(
お
)
い
茂
(
しげ
)
っている。
鮒
(
ふな
)
や
鯉
(
こい
)
やたなごなどのたくさんいるのといないのとがある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
白樺
(
しらかば
)
と
赤楊
(
はんのき
)
の
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
ふ
森
(
もり
)
の
茂
(
しげ
)
みに
銃架
(
じうか
)
の
影
(
かげ
)
はけふも
続
(
つゞ
)
いて
行
(
ゆ
)
く
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
彼女はちょっと窓から、母屋の縁外の木の
茂
(
しげ
)
みを覗って
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
人氣
(
ひとげ
)
もないそのあたりの
葦
(
あし
)
の
茂
(
しげ
)
みは
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
三 木曽の谷には
真木
(
まき
)
茂
(
しげ
)
り
県歌 信濃の国
(新字新仮名)
/
浅井洌
(著)
早くも、高いとんがり
帽子
(
ぼうし
)
をかぶった小さい小人の
妖魔
(
ようま
)
が
茂
(
しげ
)
みの中からのぞいているのが、はっきり見えるような気がするのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
茂
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“茂”を含む語句
繁茂
生茂
逆茂木
賀茂
家茂
加茂川
賀茂真淵
茂木
茂吉
下加茂
茂兵衛
茂山
鬱茂
茂徳
茂野
樹下茂国
茂次
茂世
茂生
大茂
...