トップ
>
似
>
に
ふりがな文庫
“
似
(
に
)” の例文
幸
(
さいわ
)
い、
私
(
わたし
)
たちは、みんなよく
顔
(
かお
)
が
人間
(
にんげん
)
に
似
(
に
)
ているばかりでなく、
胴
(
どう
)
から
上
(
うえ
)
は
人間
(
にんげん
)
そのままなのであるから——
魚
(
さかな
)
や
獣物
(
けもの
)
の
世界
(
せかい
)
でさえ
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
上杉
(
うへすぎ
)
の
隣家
(
となり
)
は
何宗
(
なにしう
)
かの
御梵刹
(
おんてら
)
さまにて
寺内
(
じない
)
廣々
(
ひろ/\
)
と
桃
(
もゝ
)
櫻
(
さくら
)
いろ/\
植
(
うゑ
)
わたしたれば、
此方
(
こなた
)
の二
階
(
かい
)
より
見
(
み
)
おろすに
雲
(
くも
)
は
棚曳
(
たなび
)
く
天上界
(
てんじやうかい
)
に
似
(
に
)
て
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ただ何となく、いなかの町はずれの高台の森に
似
(
に
)
ているので、わけもなく引きつけられました。新吉は公園の上へ上って行きました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
神事
(
かみごと
)
はすべて
児戯
(
じぎ
)
に
似
(
に
)
たること多し、しかれども
凡慮
(
ぼんりよ
)
を以て
量識
(
はかりしる
)
べからず。此堂押に
類
(
るゐ
)
せし事他国にもあるべし、
姑
(
しばらく
)
記
(
しる
)
して
類
(
るゐ
)
を
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
しかしそれなら
尚更
(
なおさら
)
私
(
わたくし
)
の
申上
(
もうしあ
)
げる
事
(
こと
)
がよくお
判
(
わか
)
りの
筈
(
はず
)
で、
神社
(
じんじゃ
)
の
装置
(
そうち
)
もラジオとやらの
装置
(
そうち
)
も、
理窟
(
りくつ
)
は
大体
(
だいたい
)
似
(
に
)
たものかも
知
(
し
)
れぬ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
帽子屋
(
ばうしや
)
はこれを
聞
(
き
)
いて
著
(
いちじる
)
しく
其
(
そ
)
の
眼
(
め
)
を
瞪
(
みは
)
りました、が、
云
(
い
)
つたことは、『
何故
(
なぜ
)
嘴太鴉
(
はしぶとがらす
)
が
手習机
(
てならひづくゑ
)
に
似
(
に
)
てるか?』と、
只
(
たゞ
)
これだけでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
煙草盆
(
たばこぼん
)
に
香
(
かう
)
の
薫
(
かをり
)
のみして、
座
(
ざ
)
にいまだ
人影
(
ひとかげ
)
なき
時
(
とき
)
、
瀧君
(
たきくん
)
の
此
(
こ
)
の
光景
(
くわうけい
)
は、
眞田
(
さなだ
)
が
六文錢
(
ろくもんせん
)
の
伏勢
(
ふせぜい
)
の
如
(
ごと
)
く、
諸葛亮
(
しよかつりやう
)
の
八門遁甲
(
はちもんとんかふ
)
の
備
(
そなへ
)
に
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
る。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
二十分かかりません。なるべくせいの
似
(
に
)
たような人と、
二人
(
ふたり
)
で一つずつかついで下さい。そうです、町の裏を通って行くのです。
イーハトーボ農学校の春
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
何
(
なん
)
だよう、
私
(
わたし
)
が
先刻
(
さつき
)
から見てゐると、お
前
(
まへ
)
がこゝを
往
(
い
)
つたり
来
(
き
)
たりしてえるが、
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いて
居
(
ゐ
)
るから
能
(
よ
)
く
似
(
に
)
た人が
有
(
あ
)
ると
思
(
おも
)
つてゐたら
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
容疑
(
ようぎ
)
のもとは、
中内工学士
(
なかうちこうがくし
)
の
場合
(
ばあい
)
と
似
(
に
)
ていて、
金魚屋
(
きんぎょや
)
と
老人
(
ろうじん
)
との
間
(
あいだ
)
に
貸借関係
(
たいしゃくかんけい
)
があり、
裁判沙汰
(
さいばんざた
)
まで
起
(
おこ
)
したという
事実
(
じじつ
)
からである。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
かの
牛
(
うし
)
はびぞんといふ
牛
(
うし
)
で、
今日
(
こんにち
)
の
牛
(
うし
)
とはその
形
(
かたち
)
は
異
(
こと
)
なつてゐますけれども、
鹿
(
しか
)
や
馬
(
うま
)
の
形
(
かたち
)
はなんとよく
似
(
に
)
て
本物
(
ほんもの
)
のようでありませんか。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「でも
宅
(
うち
)
の
事
(
こと
)
を
始終
(
しじゆう
)
淋
(
さむ
)
しい/\と
思
(
おも
)
つてゐらつしやるから、
必竟
(
ひつきやう
)
あんな
事
(
こと
)
を
仰
(
おつ
)
しやるんでせう」と
前
(
まへ
)
と
略
(
ほゞ
)
似
(
に
)
た
樣
(
やう
)
な
問
(
とひ
)
を
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
両者の関係はちょうど夫婦のようなもので、世には、
似
(
に
)
た
者
(
もの
)
夫婦もあれば、いかにしても釣合いの説明できぬような場合も少なくない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
十七の
秋
(
あき
)
に
見
(
み
)
たおつぎの
姿
(
すがた
)
がお
品
(
しな
)
に
能
(
よ
)
くも
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
たことを
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しては、
他人
(
ひと
)
の
噂
(
うはさ
)
も
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
て
時々
(
とき/″\
)
は
逢
(
あ
)
つても
見
(
み
)
たい
心持
(
こゝろもち
)
がした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あたりをさぐって、そとにでれば、夜は四
更
(
こう
)
の
闇
(
やみ
)
ながら、空には、
女菩薩
(
にょぼさつ
)
たちの
御瞳
(
みひとみ
)
にも
似
(
に
)
る、うるわしい春の星が、またたいている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
往還
(
わうくわん
)
よりすこし
引入
(
ひきい
)
りたる
路
(
みち
)
の
奥
(
おく
)
に
似
(
に
)
つかぬ
幟
(
のぼり
)
の
樹
(
た
)
てられたるを何かと問へば、
酉
(
とり
)
の
市
(
まち
)
なりといふ。
行
(
ゆ
)
きて見るに
稲荷
(
いなり
)
の
祠
(
ほこら
)
なり。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
白鳥号に
似
(
に
)
た大きな
遊山船
(
ゆさんぶね
)
が、この道を通ったが、左のほうへ曲がって、セーヌ川をずんずん上って行った、というのであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
今茲に
喋々
(
てふ/\
)
する事殊に
無益
(
むえき
)
の
辯
(
べん
)
に
似
(
に
)
たれど前にも
已
(
すで
)
に
述
(
のべ
)
たるが如く此小西屋の裁判は忠相ぬし
最初
(
さいしよ
)
の
捌
(
さばき
)
にして是より
漸次
(
しだい
)
に其名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
親
(
おや
)
に
似
(
に
)
ない
兒
(
こ
)
だが、
成長
(
せいてう
)
したらアノ
通
(
とほ
)
りの
獰惡振
(
だうあくぶ
)
りを
相續
(
さうぞく
)
するに
違
(
ちが
)
ひない、
環境
(
かんけう
)
の
罪
(
つみ
)
だいつそ
家
(
うち
)
に
飼
(
か
)
つてやらうかと
思
(
おも
)
つて、また
躊躇
(
ちうちよ
)
した。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
頸筋
(
くびすぢ
)
は
豚
(
ぶた
)
に
似
(
に
)
て
聲
(
こゑ
)
までが
其
(
それ
)
らしい
老人
(
らうじん
)
は
辨當
(
べんたう
)
をむしやつき、
少
(
すこ
)
し
上方辯
(
かみがたべん
)
を
混
(
ま
)
ぜた五十
幾歳位
(
いくさいぐらゐ
)
の
老婦人
(
らうふじん
)
はすしを
頬張
(
ほゝば
)
りはじめた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
あれは子ープルスの
家
(
いへ
)
の三
階
(
がい
)
から
見
(
み
)
へるエリノ
島
(
しま
)
にその
儘
(
まんま
)
です
事
(
こと
)
、
此方
(
こなた
)
のは
頭
(
あたま
)
の
禿
(
は
)
げた
老爺
(
おぢい
)
さんが
魚
(
さかな
)
を
釣
(
つ
)
つて
居
(
を
)
る
形
(
かたち
)
によく
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
ますねえ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ガンはもっとじぶんたちガチョウによく
似
(
に
)
ていて、もっと近い
親類
(
しんるい
)
だとばかり思っていたのです。ところが、どうでしょう。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
野猪
(
ゐのしゝ
)
は
形
(
かたち
)
が
豚
(
ぶた
)
に
似
(
に
)
て
全身
(
ぜんしん
)
黒褐色
(
こつかつしよく
)
のあらい
毛
(
け
)
でおほはれてをり、
頸
(
くび
)
が
短
(
みじか
)
いので
駈
(
か
)
けだすと
急
(
きゆう
)
には
方向
(
ほうこう
)
を
變
(
か
)
へられない
動物
(
どうぶつ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
山ノ井君のほうは、顔が丸くなく、上下にのびていて、頭は大きく、あごの先がとがっていて、どこかヘチマに
似
(
に
)
ている。
宇宙の迷子
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
五十万
円
(
ママ
)
を以て三隻の
水雷船
(
すいらいせん
)
を造り、以て敵を
鏖
(
みなごろし
)
にすべしなど真に一
場
(
じょう
)
の
戯言
(
ぎげん
)
に
似
(
に
)
たれども、
何
(
いず
)
れの時代にもかくのごとき
奇談
(
きだん
)
は珍らしからず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
そはエスキモーが斯かる事を爲す時に用ゐる
錘
(
おも
)
りと
好
(
よ
)
く
似
(
に
)
たる石片角片の
遺跡
(
ゐせき
)
より發見さるるに由りて
推考
(
すいかう
)
せらるるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「こいつあ、
人間
(
にんげん
)
のある
者
(
もの
)
によく
似
(
に
)
てけつかる。それも
善
(
い
)
い
事
(
こと
)
ならいいが、ろくでもねえところなんだから、
堪
(
たま
)
らねえ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
市
(
いち
)
といつても、
今
(
いま
)
の
市場
(
いちば
)
ではなく、
商人
(
しようにん
)
の
店
(
みせ
)
を
列
(
つら
)
ねてゐる
町通
(
まちどほ
)
りで、そこには、
今
(
いま
)
の
街路樹
(
がいろじゆ
)
に
似
(
に
)
たものを
植
(
う
)
ゑたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
まだ可なり吹き
降
(
ぶ
)
りの中を、お馨さんによく
似
(
に
)
た十四五、十一二の少女が、片手に足駄を
提
(
さ
)
げ、頭から
肩掛
(
しょうる
)
をかぶり、
跣足
(
はだし
)
で小学校に出かけて行く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と
路
(
みち
)
ばたに
咲
(
さ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
龍膽
(
りんだう
)
の
花
(
はな
)
が
父
(
とう
)
さんに
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けて
呉
(
く
)
れました。
龍膽
(
りんだう
)
は
桔梗
(
ききやう
)
に
似
(
に
)
た
小
(
ちい
)
さな
草花
(
くさばな
)
で、よく
山道
(
やまみち
)
なぞに
咲
(
さ
)
いて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
かけるものです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
また、神さまが、
大海
(
たいかい
)
のまん中へこの日本の島を作りお浮かべになった、そのときのありさまにもよく
似
(
に
)
ている。ほんとは
尊
(
とうと
)
くもめでたいことである。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
本編雪の
外
(
ほか
)
它
(
た
)
の事を
載
(
のせ
)
たるは
雪譜
(
せつふ
)
の名を
空
(
むなし
)
うするに
似
(
に
)
たれども、
姑
(
しばらく
)
記
(
しる
)
して
好事
(
かうず
)
の
話柄
(
わへい
)
に
具
(
ぐ
)
す。
増修
(
そうしう
)
の
説
(
せつ
)
も
亦
(
また
)
然
(
しか
)
り。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
恰
(
あたか
)
も彼七本
槍
(
やり
)
を以て有名なる
賤
(
しづ
)
が
岳
(
たけ
)
山下余吾湖を
見
(
み
)
るに
似
(
に
)
たり、
陶然
(
とうぜん
)
として
身
(
み
)
は故山の
旧盧
(
きうろ
)
にあるが如く、
恍
(
こう
)
として他郷の深山麋熊の林中にあるを
忘
(
わす
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
しかし他面から見ると親に
似
(
に
)
ているとも見える。知らない人が子供を見て、お父さんによく似ていると言う。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
それはこんな
寂
(
さび
)
しい
谷
(
たに
)
あいに
似
(
に
)
もつかない十六七のかわいらしい
少女
(
おとめ
)
が、
谷川
(
たにがわ
)
で
着物
(
きもの
)
を
洗
(
あら
)
っているのでした。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
当代
(
とうだい
)
の
人気役者
(
にんきやくしゃ
)
宗
(
そう
)
十
郎
(
ろう
)
に
似
(
に
)
ていると、
太鼓持
(
たいこもち
)
の
誰
(
だれ
)
かに一
度
(
ど
)
いわれたのが、
無上
(
むじょう
)
に
機嫌
(
きげん
)
をよくしたものか、のほほんと
納
(
おさ
)
まった
色男振
(
いろおとこぶ
)
りは、
見
(
み
)
る
程
(
ほど
)
の
者
(
もの
)
をして
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ベンヺ
其
(
その
)
風
(
かぜ
)
に
似
(
に
)
た
浮
(
うか
)
れ
話
(
ばなし
)
に、
大分
(
だいぶん
)
の
時
(
とき
)
が
潰
(
つぶ
)
れた。ようせぬと、
夜會
(
やくわい
)
が
果
(
は
)
てゝ、
時後
(
ときおく
)
れになってしまはう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
全
(
まつた
)
くわき
眼
(
め
)
も
振
(
ふ
)
らないやうな
蜂
(
はち
)
の
動作
(
どうさ
)
は
變
(
へん
)
に
嚴肅
(
げんしゆく
)
にさへ
見
(
み
)
えた。そして、
瞬
(
またた
)
きもせずに
見詰
(
みつ
)
めてゐる
内
(
うち
)
に、
夫
(
をつと
)
はその一
心
(
しん
)
さに
何
(
なに
)
か
嫉妬
(
しつと
)
に
似
(
に
)
たやうなものを
感
(
かん
)
じた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
明智は、窓際の明るい所へ行って、それを光にかざす様にして、入念に調べていたが、何を気づいたのか、愕然として、日頃の彼に
似
(
に
)
げなき厳粛な表情で呟いた。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あな
醜
(
みにく
)
賢
(
さか
)
しらをすと
酒
(
さけ
)
飲
(
の
)
まぬ人をよく
見
(
み
)
れば
猿
(
さる
)
にかも
似
(
に
)
る(よく見ば猿にかも似む) (同・三四四)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
身扮
(
みなり
)
も平常のまま、金は一文も持っていたはずはなく、その上心掛けのある町人に
似
(
に
)
げなく、
麻裏草履
(
あさうらぞうり
)
を突っかけて、手拭を一本持ったきりで出て行ったのですから
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
維新
(
いしん
)
の頃より今日に至るまで、諸藩の有様は現に
今人
(
こんじん
)
の
目撃
(
もくげき
)
するところにして、これを
記
(
しる
)
すはほとんど
無益
(
むえき
)
なるに
似
(
に
)
たれども、
光陰
(
こういん
)
矢のごとく、今より五十年を過ぎ
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
〔譯〕
匿情
(
とくじやう
)
は
愼密
(
しんみつ
)
に
似
(
に
)
る。
柔媚
(
じうび
)
は
恭順
(
きようじゆん
)
に似る。
剛愎
(
がうふく
)
は
自信
(
じしん
)
に似る。故に君子は
似
(
に
)
て
非
(
ひ
)
なる者を
惡
(
にく
)
む。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
今までのばか騒ぎに
似
(
に
)
ず、すべての顔には今までのばか騒ぎに似ぬまじめさと緊張さとが描かれた。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ほこりで
汚
(
よご
)
れきったトーマスの
服装
(
ふくそう
)
に、金貨の音はどう考えても
似
(
に
)
つかわしくなかったからだ。しかし、その
船員
(
せんいん
)
は、すぐに前とおなじあけっぴろげな
態度
(
たいど
)
になって
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
それが
火口
(
かこう
)
から
盛
(
も
)
り
上
(
あが
)
つて
出
(
で
)
る
形状
(
けいじよう
)
は、
西洋料理
(
せいようりようり
)
に
使
(
つか
)
はれる
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
に
似
(
に
)
てゐるから
菜花状
(
さいかじよう
)
の
雲
(
くも
)
と
呼
(
よ
)
ばれる。これには
鎔岩
(
ようがん
)
の
粉末
(
ふんまつ
)
が
加
(
くは
)
はつてゐるから
多少
(
たしよう
)
暗黒色
(
あんこくしよく
)
に
見
(
み
)
える。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
同じく生徒になることは私を喜ばせ、また私に
似
(
に
)
つかはしいものだつた。私たちの性格はしつくり合つてゐた。お互ひの愛情——最も強い種類の——がその結果だつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
洋々
(
やう/\
)
たるナイル
河
(
かは
)
、
荒漠
(
くわうばく
)
たるサハラの
沙漠
(
さばく
)
、
是等
(
これら
)
は
大
(
おほい
)
に
化物思想
(
ばけものしさう
)
の
發達
(
はつたつ
)
を
促
(
うなが
)
した。
埃及
(
えじぷと
)
の
神樣
(
かみさま
)
には
化物
(
ばけもの
)
が
澤山
(
たくさん
)
ある。
併
(
しか
)
し
之
(
これ
)
が
希臘
(
ぎりしや
)
へ
行
(
い
)
くと
餘程
(
よほど
)
異
(
ことな
)
り、
却
(
かへ
)
つて
日本
(
にほん
)
と
似
(
に
)
て
來
(
く
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
獄中にて西教に
傾
(
かたむ
)
きたりといえば、彼コルシカ人の「ワンデツタ」に
似
(
に
)
たる我邦
復讐
(
ふくしゅう
)
の事、いま
奈何
(
いか
)
におもうらん。されど其母殺したりという人は、
安
(
やす
)
き心もあらぬなるべし。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
これらはその
時
(
とき
)
の
私
(
わたくし
)
の
心
(
こころ
)
もちと、
不思議
(
ふしぎ
)
な
位
(
くらゐ
)
似
(
に
)
つかはしい
景色
(
けしき
)
だつた。
私
(
わたくし
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
うち
)
には
云
(
い
)
ひやうのない
疲勞
(
ひらう
)
と
倦怠
(
けんたい
)
とが、まるで
雪曇
(
ゆきぐも
)
りの
空
(
そら
)
のやうなどんよりした
影
(
かげ
)
を
落
(
おと
)
してゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
似
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“似”を含む語句
似合
似而非
相似
酷似
類似
手真似
似寄
似絵
真似
似非
不似合
物真似
似而非者
似顔
似田貝
似春
樣似
似我蜂
不語似無愁
似而
...