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一日
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いちにち
ふりがな文庫
“
一日
(
いちにち
)” の例文
一日
(
いちにち
)
でも
二日
(
ふつか
)
でも女中の居なくなつて下等な労働をさせられてはならないと思ふ心を離さなかつたからであるなどとも思ふのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
家
(
うち
)
へ帰つて、
一日
(
いちにち
)
部屋に這入つたなり考へ込んでゐた。
嫂
(
あによめ
)
を連れて音楽会へ行く
筈
(
はづ
)
の所を断わつて、大いに
嫂
(
あによめ
)
に気を揉ました位である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
きのう
迄
(
まで
)
の僕とは、ちがうのだ。自信を
以
(
もっ
)
て
邁進
(
まいしん
)
しよう。
一日
(
いちにち
)
の
労苦
(
ろうく
)
は、
一日
(
いちにち
)
にて
足
(
た
)
れり。きょうは、なんだか、そんな気持だ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
餘念
(
よねん
)
もなく
戯
(
たわむ
)
れて
居
(
を
)
るので、
私
(
わたくし
)
は
一人
(
ひとり
)
室内
(
しつない
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
つて、
今朝
(
けさ
)
大佐
(
たいさ
)
から
依頼
(
いらい
)
された、
或
(
ある
)
航海學
(
かうかいがく
)
の
本
(
ほん
)
の
飜譯
(
ほんやく
)
にかゝつて
一日
(
いちにち
)
を
暮
(
くら
)
してしまつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一體
(
いつたい
)
あの
邊
(
へん
)
には、
自動車
(
じどうしや
)
か
何
(
なに
)
かで、
美人
(
びじん
)
が
一日
(
いちにち
)
がけと
云
(
い
)
ふ
遊山宿
(
ゆさんやど
)
、
乃至
(
ないし
)
、
温泉
(
をんせん
)
のやうなものでも
有
(
あ
)
るのか、
何
(
ど
)
うか、
其
(
そ
)
の
後
(
ご
)
まだ
尋
(
たづ
)
ねて
見
(
み
)
ません。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
どんよりと曇りて風なく、雨にもならぬ秋の
一日
(
いちにち
)
、浅草
伝法院
(
でんぽういん
)
の裏手なる
土塀
(
どべい
)
に添える
小路
(
こうじ
)
を通り過ぎんとして
忽
(
たちま
)
ちとある
銘酒屋
(
めいしゅや
)
の小娘に
袂
(
たもと
)
引かれつ。
葡萄棚
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
熟々
(
つら/\
)
考
(
かんが
)
ふるに
天
(
てん
)
に
鳶
(
とんび
)
ありて
油揚
(
あぶらげ
)
をさらひ
地
(
ち
)
に
土鼠
(
もぐらもち
)
ありて
蚯蚓
(
みゝず
)
を
喰
(
くら
)
ふ
目出度
(
めでた
)
き
中
(
なか
)
に
人間
(
にんげん
)
は
一日
(
いちにち
)
あくせくと
働
(
はたら
)
きて
喰
(
く
)
ひかぬるが
今日
(
けふ
)
此頃
(
このごろ
)
の
世智辛
(
せちがら
)
き
生涯
(
しやうがい
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
こゝを
一應
(
いちおう
)
見物
(
けんぶつ
)
するだけでも
一日
(
いちにち
)
を
要
(
よう
)
しますが、
入場
(
にゆうじよう
)
は
無料
(
むりよう
)
であり、
傘
(
かさ
)
や
杖
(
つゑ
)
を
預
(
あづか
)
つてくれても
賃錢
(
ちんせん
)
を
取
(
と
)
りません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
是非
(
ぜひ
)
吾助
(
ごすけ
)
も
拜見
(
はいけん
)
が
仕
(
し
)
たければ、
此頃
(
このごろ
)
に
姉樣
(
ねえさま
)
にお
願
(
ねが
)
ひなされ、お
書
(
か
)
き
捨
(
す
)
てを
頂
(
いたゞ
)
きて
給
(
たま
)
はれ、
必
(
かな
)
らず、
屹度
(
きつと
)
と
返事
(
へんじ
)
の
通路
(
つうろ
)
を
此處
(
こヽ
)
にをしへ、
一日
(
いちにち
)
を
待
(
ま
)
ち
二日
(
ふつか
)
を
待
(
ま
)
ち
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
ど
)
れ
程
(
ほど
)
大
(
おほ
)
きな
身體
(
からだ
)
でも
卯平
(
うへい
)
は八十に
近
(
ちか
)
い
老衰者
(
らうすゐしや
)
である。
一日
(
いちにち
)
の
食料
(
しよくれう
)
がどれ
程
(
ほど
)
要
(
い
)
るかそれは
知
(
し
)
れたものである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
とても
今日
(
こんにち
)
一日
(
いちにち
)
では
行
(
ゆ
)
ききるまい、といふ
氣持
(
きも
)
ちを、
行
(
ゆ
)
き
果
(
は
)
つまじき
野
(
の
)
の
景色
(
けしき
)
かな、とかういつたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
成程
(
なるほど
)
、
一日
(
いちにち
)
の苦
闘
(
とう
)
に
疲
(
つか
)
れて
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
ツて來る、
其處
(
そこ
)
には
笑顏
(
ゑがほ
)
で
迎
(
むか
)
へる
妻子
(
さいし
)
がある、
終日
(
しうじつ
)
の
辛勞
(
しんらう
)
は
一杯
(
いつぱい
)
の
酒
(
さけ
)
の
爲
(
ため
)
に、
陶然
(
たうぜん
)
として
酔
(
え
)
ツて、
全
(
すべ
)
て人生の
痛苦
(
つうく
)
を
忘
(
わす
)
れて了ふ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此莊園でラクダルはゴロリと
轉
(
ころ
)
がつたまゝ
身動
(
みうごき
)
もろくに
爲
(
せ
)
ず、
手足
(
てあし
)
をダラリ
伸
(
のば
)
したまゝ
一言
(
ひとこと
)
も
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
かず、たゞ
茫乎
(
ぼんやり
)
と
日
(
ひ
)
がな
一日
(
いちにち
)
、
年
(
ねん
)
から
年中
(
ねんぢゆう
)
、
時
(
とき
)
を
送
(
おく
)
つて
居
(
ゐ
)
るのである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
誰
(
たれ
)
もよくいふ口ですが気の長い
訳
(
わけ
)
さね
或一人
(
あるひとり
)
が
嘲笑
(
あざわら
)
ひますと
又
(
また
)
、
或一人
(
あるひとり
)
がさうでねえ、あれで
一日
(
いちにち
)
何両
(
なんりやう
)
といふものになる事がある
俺
(
わつち
)
が
家
(
うち
)
の
傍
(
そば
)
の
鰻捺
(
うなぎか
)
ぎは
妾
(
めかけ
)
を置いて
居
(
ゐ
)
ますぜと
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
帰ると
溜息
(
ためいき
)
ついて曰く、全く田舎が
好
(
え
)
えナ、浅草なンか裏が狭くて、
雪隠
(
せっちん
)
に往っても
鼻
(
はな
)
ア
突
(
つっ
)
つく、田舎に
帰
(
けえ
)
ると
爽々
(
せいせい
)
するだ、親類のやつが百姓は
一日
(
いちにち
)
にいくら
儲
(
もう
)
かるってきくから
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
其中
(
そのうち
)
活火山
(
かつかざん
)
はストロムボリ(
高
(
たか
)
さ
九百二十六米
(
くひやくにじゆうろくめーとる
)
)とヴルカーノ(
高
(
たか
)
さ
四百九十九米
(
しひやくくじゆうくめーとる
)
)との
二箇
(
にこ
)
であるが、
前者
(
ぜんしや
)
は
有史以來
(
ゆうしいらい
)
未
(
ま
)
だ
一日
(
いちにち
)
も
活動
(
かつどう
)
を
休止
(
きゆうし
)
したことがないといふので
有名
(
ゆうめい
)
であり
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
オルガンティノは翌日の
夕
(
ゆうべ
)
も、
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の庭を歩いていた。しかし彼の
碧眼
(
へきがん
)
には、どこか嬉しそうな色があった。それは今日
一日
(
いちにち
)
の内に、日本の侍が三四人、
奉教人
(
ほうきょうにん
)
の列にはいったからだった。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
島路を
彼方
(
かれかた
)
へ遣わしては
如何
(
いかゞ
)
との仰せに助七は願うところと
速
(
すみや
)
かに媒酌を設け、龜甲屋方へ婚姻の儀を申入れました処、長二郎も喜んで承知いたしたので、文政五
午年
(
うまどし
)
三月
一日
(
いちにち
)
に婚礼を
執行
(
とりおこな
)
い
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一冊
(
いつさつ
)
の本を三四十人して見るのでは
一人
(
ひとり
)
一日
(
いちにち
)
としても
一月余
(
ひとつきよ
)
かゝるので、これでは
奈何
(
どう
)
もならぬと
云
(
い
)
ふので、
機
(
き
)
も
熟
(
じゆく
)
したのであるから、
印行
(
いんかう
)
して
頒布
(
はんぷ
)
する事に
為
(
し
)
たいと
云
(
い
)
ふ
説
(
せつ
)
が
我々
(
われ/\
)
三名
(
さんめい
)
の
間
(
あひだ
)
に
起
(
おこ
)
つた
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
のらくら のらくらと
一日
(
いちにち
)
なまけてゐるではないか
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
梅雨
(
つゆ
)
の晴れ
間
(
ま
)
の
一日
(
いちにち
)
を、せめて樂しく浮かれよと
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
暮れやすい
一日
(
いちにち
)
に
測量船
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
一日
(
いちにち
)
もの言はず
抒情小曲集:04 抒情小曲集
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
先生
今日
(
けふ
)
は
一日
(
いちにち
)
御勉強ですな。どうです、
些
(
ち
)
と御散歩になりませんか。
今夜
(
こんや
)
は
寅毘沙
(
とらびしや
)
ですぜ。演芸館で
支那人
(
ちやん
)
の留学生が芝居を
演
(
や
)
つてます。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一日
(
いちにち
)
も
此塲
(
このば
)
を
立去
(
たちさ
)
る
事
(
こと
)
叶
(
かな
)
はねば、そこで
私
(
わたくし
)
と、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
と、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
と、
他
(
た
)
に
二名
(
にめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
とが、
鐵車
(
てつしや
)
に
乘組
(
のりく
)
む
事
(
こと
)
になつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一日
(
いちにち
)
われ
芝辺
(
しばへん
)
に所用あつて朝早くより
家
(
いえ
)
を出で帰途築地の
庭後庵
(
ていごあん
)
をおとづれしにいつもながら
四方山
(
よもやま
)
の話にそのまま
夜
(
よ
)
をふかし車を頂戴して帰りけり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
常飛脚
(
じやうひきやく
)
の
夏
(
なつ
)
(
三月
(
さんぐわつ
)
より
九月
(
くぐわつ
)
まで)の
十日
(
とをか
)
——
滿八日
(
まんやうか
)
、
冬
(
ふゆ
)
(
十月
(
じふぐわつ
)
より
二月
(
にぐわつ
)
まで)の
十二日
(
じふににち
)
——
滿十日
(
まんとをか
)
を
別
(
べつ
)
として、
其
(
そ
)
の
早
(
はや
)
の
方
(
はう
)
は
一日
(
いちにち
)
二十五里
(
にじふごり
)
が
家業
(
かげふ
)
だと
言
(
い
)
ふ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おつぎは
今
(
いま
)
が
遊
(
あそ
)
びたい
盛
(
さか
)
りに
這入
(
はひ
)
つたのであるが、
勘次
(
かんじ
)
からは
一日
(
いちにち
)
でも
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
放
(
はな
)
されたことがない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
厭
(
い
)
やと
思
(
おも
)
へば
日
(
ひ
)
がな
一日
(
いちにち
)
ごろ/\として
烟
(
けぶり
)
のやうに
暮
(
くら
)
して
居
(
ゐ
)
まする、
貴孃
(
あなた
)
は
相變
(
あいかは
)
らずの
美
(
うつ
)
くしさ、
奧樣
(
おくさま
)
にお
成
(
な
)
りなされたと
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
から
夫
(
それ
)
でも一
度
(
ど
)
は
拜
(
おが
)
む
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るか
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一日
(
いちにち
)
も
早
(
はや
)
くかういふふうな
民俗博物館
(
みんぞくはくぶつかん
)
が
設
(
まう
)
けられることを
希望
(
きぼう
)
するものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
そのはると、はりの
木
(
き
)
のはりとをひっかけて
歌
(
うた
)
つたもの——はりの
木原
(
きはら
)
にめちゃくちゃに
入
(
い
)
りこんで、この
春
(
はる
)
の
日
(
ひ
)
を
一日
(
いちにち
)
遊
(
あそ
)
んでゐるのは、あの
萬葉集
(
まんにようしゆう
)
に
出
(
で
)
て
來
(
き
)
てゐる
人
(
ひと
)
たちなのか
知
(
し
)
らん
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
消息こそせね、夫婦は一日も粕谷の
一日
(
いちにち
)
一夜
(
いちや
)
を忘れなかった、と書いてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
一日
(
いちにち
)
又
(
また
)
一日
(
いちにち
)
と
働
(
はた
)
らいて
老
(
おい
)
の
至
(
いた
)
るのを
少
(
すこ
)
しも
感
(
かん
)
じない
樣子
(
やうす
)
です。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ほんに
一日
(
いちにち
)
齷齪
(
あくせく
)
と
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一日
(
いちにち
)
も
速
(
すみや
)
かに
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
りたいのは
山々
(
やま/\
)
だが、
前後
(
ぜんご
)
の
事情
(
じじやう
)
を
察
(
さつ
)
すると、
今
(
いま
)
此人
(
このひと
)
に
向
(
むか
)
つて、
其樣
(
そん
)
な
我儘
(
わがまゝ
)
は
言
(
い
)
はれぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
もう
一日
(
いちにち
)
二日
(
ふつか
)
しか余つてゐない。間違つたら下宿の勘定を
延
(
の
)
ばして置かう抔といふ考はまだ三四郎の
頭
(
あたま
)
に
上
(
のぼ
)
らない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
園丁これをオガタマの木と呼べどもわれ
未
(
いまだ
)
オガタマなるものを知らねば、
一日
(
いちにち
)
座右
(
ざう
)
にありし
萩
(
はぎ
)
の
家
(
や
)
先生が辞典を見しに古今集
三木
(
さんぼく
)
の一古語にして実物不詳とあり。
来青花
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いたのは
黄昏
(
たそがれ
)
の
頃
(
ころ
)
、
之
(
これ
)
を
逢魔
(
あふま
)
が
時
(
とき
)
、
雀色時
(
すゞめいろどき
)
などといふ
一日
(
いちにち
)
の
内
(
うち
)
人間
(
にんげん
)
の
影法師
(
かげぼふし
)
が
一番
(
いちばん
)
ぼんやりとする
時
(
とき
)
で、
五時
(
ごじ
)
から
六時
(
ろくじ
)
の
間
(
あひだ
)
に
起
(
おこ
)
つたこと、
私
(
わたし
)
が十七の
秋
(
あき
)
のはじめ。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一日
(
いちにち
)
床
(
とこ
)
を
敷
(
し
)
いて
臥
(
ふせ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
事
(
こと
)
も
一度
(
いちど
)
や
二度
(
にど
)
では
御座
(
ござ
)
りませぬ、
私
(
わたし
)
は
泣虫
(
なきむし
)
で
御座
(
ござ
)
いますから、その
強情
(
がうじやう
)
の
割合
(
わりあひ
)
に
腑甲斐
(
ふがひ
)
ないほど
掻卷
(
かいまき
)
の
襟
(
えり
)
に
喰
(
くひ
)
ついて
泣
(
な
)
きました、
唯々
(
たゞ/\
)
口惜
(
くや
)
し
涙
(
なみだ
)
なので
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
日曜日
(
にちようび
)
には
教會
(
きようかい
)
から
博物館
(
はくぶつかん
)
へ
來
(
き
)
て
一日
(
いちにち
)
を
愉快
(
ゆかい
)
に
暮
(
くら
)
すのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
三日
(
みつか
)
も
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
ないと、
町幅
(
まちはゞ
)
が
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
取
(
と
)
り
廣
(
ひろ
)
げられてゐたり、
一日
(
いちにち
)
新聞
(
しんぶん
)
を
讀
(
よ
)
まないと、
電車
(
でんしや
)
の
開通
(
かいつう
)
を
知
(
し
)
らずに
過
(
すご
)
したりする
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
に、
年
(
ねん
)
に
二度
(
にど
)
も
東京
(
とうきやう
)
へ
出
(
で
)
ながら
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
翌年
(
あくるとし
)
(明治四十二年)の春もなほ寒かりし頃かと覚えたりわれは既に国に帰りて父の
家
(
いえ
)
にありき。上田先生
一日
(
いちにち
)
鉄無地羽二重
(
てつむじはぶたえ
)
の
羽織
(
はおり
)
博多
(
はかた
)
の帯
着流
(
きなが
)
しにて突然
音
(
おと
)
づれ
来給
(
きたま
)
へり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
いや
何
(
ど
)
うも
團子
(
だんご
)
を
喰
(
た
)
べさせる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ぬとて
一日
(
いちにち
)
大立腹
(
おほりつぷく
)
であつた、
大分
(
だいぶ
)
熱心
(
ねつしん
)
で
調製
(
こしらへ
)
たものと
見
(
み
)
えるから十
分
(
ぶん
)
に
喰
(
た
)
べて
安心
(
あんしん
)
させて
遣
(
や
)
つて
呉
(
く
)
れ、
餘程
(
よほど
)
甘
(
うま
)
からうぞと
父親
(
てゝおや
)
の
滑稽
(
おどけ
)
を
入
(
い
)
れるに
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
かさねてと思う、日をかさねて
一月
(
ひとつき
)
にたらず、九月
一日
(
いちにち
)
のあの大地震であった。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
旅行を始めてから
一日
(
いちにち
)
二日
(
ふつか
)
は、この三つの事情のすべてかあるいは幾分かが常に働くので、これではせっかくの約束も
反古
(
ほご
)
にしなければならないという気が強く
募
(
つの
)
りました。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一日
(
いちにち
)
おのれも菓子折に
生田葵山
(
いくたきざん
)
君の紹介状を添へ
井上唖々
(
いのうえああ
)
子と打連れ立ちて行きぬ。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
翌日
(
あくるひ
)
は
一日
(
いちにち
)
寝てござった。
午
(
ひる
)
すぎに女中が二人ついて、この
御堂
(
みどう
)
へ参詣なさった
御新姐
(
ごしんぞ
)
の姿を見て、私は
慌
(
あわ
)
てて、客人に知らさぬよう、暑いのに、
貴下
(
あなた
)
、この障子を
閉切
(
しめき
)
ったでございますよ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ましてや
夜
(
よる
)
でも
夜中
(
よなか
)
でも
傘屋
(
かさや
)
の
吉
(
きち
)
が
來
(
き
)
たとさへ
言
(
い
)
へば
寢間着
(
ねまき
)
のまゝで
格子戸
(
かうしと
)
を
明
(
あ
)
けて、
今日
(
けふ
)
は
一日
(
いちにち
)
遊
(
あそ
)
びに
來
(
こ
)
なかつたね、
何
(
ど
)
うかお
爲
(
し
)
か、
案
(
あん
)
じて
居
(
ゐ
)
たにと
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
引入
(
ひきい
)
れられる
者
(
もの
)
が
他
(
ほか
)
にあらうか
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「だつて、
御母
(
おつか
)
さんや
兄
(
にい
)
さんから云つたら、
一日
(
いちにち
)
も早く君に独立して
貰
(
もら
)
ひたいでせうがね」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
秋暑
(
しゅうしょ
)
の
一日
(
いちにち
)
物かくことも苦しければ身のまはりの手箱
用箪笥
(
ようだんす
)
の
抽斗
(
ひきだし
)
なんど取片付るに、ふと上田先生が書簡四、五通をさぐり得たり。先生
逝
(
ゆ
)
きて既に三年今年の
忌日
(
きじつ
)
もまた過ぎたり。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“一日”の意味
《名詞・形容動詞》
(いちにち)午前0時から午後12時までの24時間。
(いちにち)24時間に相当する時間の長(なが)さ。
(いちにち、いちじつ、ひとひ(古語))ある日。
(いちにち)終日。
(いちにち、いちじつ)わずかな期間。
(いちにち、ついたち、いっぴ)月の第1日目。朔。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“一日”で始まる語句
一日々々
一日一夜
一日中
一日目
一日市
一日毎
一日路
一日一日
一日一晩
一日半前