熱心ねつしん)” の例文
日本につぽんにもよしちひさくとも、こゝかしこに考古學こうこがく博物館はくぶつかんてられてあつたら、このドイツの少年しようねんのように熱心ねつしん子供こども出來でき
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
翌朝よくてうセルゲイ、セルゲヰチはこゝて、熱心ねつしんに十字架じかむかつて祈祷きたうさゝげ、自分等じぶんらさき院長ゐんちやうたりしひとはしたのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ばうなはが七せんまうで一そく草鞋わらぢが一せんりんといふ相場さうばだからどつちにしても一にち熱心ねつしんうごかせばかれは六七せんまうけるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
多分たぶん廣告くわうこくに、修養しうやうのためにむべきしよだとふやうなこといてあつたので、子供こども熱心ねつしん内容ないようりたくおもつたのであらう。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そんなことを、あまり熱心ねつしんに、そして感傷的かんしやうてきはなつたのちは、二人ふたりとも過去くわこやまかはにそのこゝろいとられたやうに、ぽかんとしてゐた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
かれ熱心ねつしんいてくさうへこしからうへて、そのてたひざ畫板ぐわばん寄掛よりかけてある、そして川柳かはやぎかげうしろからかれ全身ぜんしんおほ
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ながらくひでりつゞいたので、ぬまみづれさうになつてきました。雜魚ざこどもは心配しんぱいしてやま神樣かみさまに、あめのふるまでの斷食だんじきをちかつて、熱心ねつしんいのりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
斯學しがく熱心ねつしんなるこうは、焚火たきびにもあたられず、たゞちに車夫しやふ指揮さしづして、あな上部じやうぶはう發掘はつくつはしめられた。
あへて一行をわづらはすことなけん、つつしんで随行の許可きよかを得んことをふと、衆其熱心ねつしんかんよろこんで之をゆるす、内二人は上牧村の者にして他一人は藤原村字くぼの者とす
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
『それをきつけとけ』と王樣わうさま陪審官ばいしんくわんまをされました、陪審官ばいしんくわん熱心ねつしんにその石盤せきばんに三つのきつけました、それからなんでもかまはずこたへを列記れつきしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
しかしかういふこゝろになるまでには、わたしをしへるために毎日まいにち毎晩まいばんものくものについて、母様おつかさんがどんなに苦労くらうをなすつて、丁寧ていねい親切しんせつかないで、熱心ねつしん
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
子供こども兩足りようあしとらへてさかさにつるし、かほそとけて、ひざもてせなかくとふのですさうすれば、かつての實驗じつけんよつるから、これツてれと熱心ねつしんすゝめました
かれはらなかかんがへながら、宜道ぎだう面前めんぜんで、それだけことちからがなかつた。かれこゝろからこのわか禪僧ぜんそう勇氣ゆうき熱心ねつしん眞面目まじめ親切しんせつとに敬意けいいへうしてゐたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
松島大佐まつしまたいさにぎれる軍刀ぐんたうつかくだくるをもおぼえぬまで、滿足まんぞく熱心ねつしんとのいろをもつて、きつおもて
また作者さくしやが愛を熱心ねつしん宣傳せんでんして居るやうな場合ばあひにでも、寧ろその理智りちを以てことさらにそれを力説りきせつしようとする爲めに、どうかするとその愛は、作者さくしやの心からにじみ出たものではなくて
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いやうも團子だんごべさせること出來できぬとて一日いちにち大立腹おほりつぷくであつた、大分だいぶ熱心ねつしん調製こしらへたものとえるから十ぶんべて安心あんしんさせてつてれ、餘程よほどうまからうぞと父親てゝおや滑稽おどけれるに
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さて其頃そのころ三人さんにん有様ありさま如何いかにとふに、山田やまだ勉強家べんきやうかであつたが、学科がくくわはうはお役目やくめつてて、雑書ざつしよのみを見てた、石橋いしばし躰育たいいく熱心ねつしんの遊ぶはうで、競争きやうそうる、器械躰操きかいたいさう
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
きみたちは、もつと火星くわせい研究けんきう熱心ねつしんにならなければいけないよ
しかもクリスチヤンの彼女かれをつとが、まち日曜にちえふごとにかよつてゐた札幌さつぽろのおなじある教會けうくわいに、熱心ねつしんかよつてたことなどがわかると、彼女かれはなんだか
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
ですから私共わたしども石器時代せつきじだい遺蹟いせきつても、土器どき熱心ねつしん採集さいしゆうし、ちひさい破片はへんでも見遁みのがさぬように注意ちゆういしてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
んねえか、あんだから」與吉よきちまたぼんやりとしか熱心ねつしん要求えうきうする。その態度たいど卯平うへいたゞこゝろよくおもふのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
熱心ねつしんなる公爵こうしやくは、車夫しやふ活動くわつどう手鈍てぬるしとして、みづか採集器具さいしふきぐにせられたが、たちまち一せい
うね、うたはういわ、萬望どうぞ海龜うみがめの』とあいちやんが熱心ねつしんこたへました、グリフォンはすこぶ不滿ふまんさうに、『フム!面白おもしろくでもない!「海龜うみがめ肉汁スープ」なんぞ、なん老耄奴おいぼれめが?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
本當ほんたうやつなれば、今度こんどぼくくつしたをみてたまはるときれにもなにこしらへてたまはれ、よろしきか姉樣ねえさま屹度きつとぞかし姉樣ねえさま、と熱心ねつしんにたのみて、覺束おぼつかなき承諾しようだくことば其通そのとほさとしつたふれば
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたくし幾度いくたびくちひらきかけたが、此時このとき大佐たいさ顏色がんしよくは、わたくし突然にはか此事このことねたほど海圖かいづむかつて熱心ねつしんに、やが櫻木大佐さくらぎたいさと、その海底戰鬪艇かいていせんとうていのにあひふべきはづの、橄欖島かんらんたう附近ふきん地勢ちせい
まち人々ひと/″\ことかれいつ輕蔑けいべつして、無教育むけういく禽獸的生活きんじうてきせいくわつのゝしつて、テノルの高聲たかごゑ燥立いらだつてゐる。かれものふのは憤懣ふんまんいろもつてせざれば、欣喜きんきいろもつて、何事なにごと熱心ねつしんふのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これよりさき雪枝ゆきえ城趾しろあと濠端ほりばたで、老爺ぢいならんで、ほとん小学生せうがくせい態度たいどもつて、熱心ねつしんうをかたちきざみながら、同時どうじ製作せいさくしはじめた老爺ぢい手振てぶりるべく……そつ傍見わきみして、フトらしたとき
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれ高座かうざはう正視せいしして、熱心ねつしん淨瑠璃じやうるりかうとつとめた。けれどもいくらつとめても面白おもしろくならなかつた。時々とき/″\らして、御米およねかほぬすた。るたびに御米およね視線しせんたゞしいところいてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれにはかおもしたやうに一にち熱心ねつしん仕事しごと屈託くつたくしてたり、また勘次かんじたいする自棄やけからさけんでたりした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かうした石斧せきふなどをさがすのには、はたけころがつてゐるいし片端かたはしから調しらべてるとか、はたけそば小溝こみぞなか石塊いしころとか、あぜまれたいしなか熱心ねつしんさがすにかぎります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
モスクワ見物けんぶつだいちやくに、ミハイル、アウエリヤヌヰチは其友そのともづイウエルスカヤ小聖堂せうせいだうき、其處そこかれ熱心ねつしん伏拜ふくはいしてなみだながして祈祷きたうする、さうして立上たちあがり、ふか溜息ためいきしてふには。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あんじにくれてはずにあか夜半よはもあり、嫁入時よめいりどきむすめもちし母親はゝおやこゝろなんのものかは、きずあらせじとの心配しんぱい大方おほかたにはあらざりけり、雪三せつざうかくまで熱心ねつしん聟撰むこゑらみも、糸子いとこまへすぐるくもともおもはず
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なに艦長かんちやうめいかんとて、姿勢しせいたゞしててる三四めい水兵すいへいは、先刻せんこくより熱心ねつしん武村兵曹たけむらへいそうかほ見詰みつめてつたが、そのうち一名いちめい一歩いつぽすゝでゝ、うや/\しく虎髯大尉こぜんたいゐ艦長かんちやうとにむかひ、意味いみあり
『では十二日目にちめにはうしたの?』とあいちやんが熱心ねつしんつゞけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
けつして失望しつばうなさること御座ございません。たゞ熱心ねつしん大切たいせつです。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)