案内あんない)” の例文
とにかくみんなは山男をすぐ食堂しょくどう案内あんないしました。そして一緒いっしょにこしかけました。山男がこしかけた時椅子いすはがりがりっと鳴りました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのつぎの日、大きな牡羊おひつじは、ニールスをせなかにのせて、島を案内あんないしてまわりました。この島は一つの大きな岩でできていました。
王子は、サンドリヨンを、そのなかでいちばん名誉めいよ上席じょうせき案内あんないして、それからまた、つれ出して、いっしょにダンスをはじめました。
まあ、そのご馳走ちそうるだけでもたのしみになります。明日あす晩方ばんがたくらくならないうちに、わたしが、いいところへご案内あんないしますよ。
からすとうさぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめはこういって、ヨハネスの手をとり、おしろのなかへ案内あんないしていきました。このむすめは、王女のおつきの侍女じじょだったのです。
昨日きのふ碓氷うすひ汽車きしやりて、たうげ權現樣ごんげんさままうでたとき、さしかゝりでくるまりて、あとを案内あんないつた車夫しやふに、さびしい上坂のぼりざかかれたづねた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つき家主廣次郎同道どうだうにて我が家にこそはかへりけれさてそれより原田は虎松に向ひ其方明日杉戸へ案内あんないを致せよつて今日は家主いへぬし巳之助其方そのはうへ虎松を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それほどおこまりのものならば、ひとつ、わたくしがこのとりでのいただきへでられる道を、案内あんないしてあげようではございませんか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きゃくをへやに案内あんないすると、暖炉だんろに火をもやしてたきぎをくべ、台所だいどころでお手伝いにてつだわせて、おかみさんはせっせと食事しょくじのしたくをした。
不好いやところへいや/\ながらかけてくのかとあやしまるゝばかり不承無承ふしようぶしようにプラツトホームをて、紅帽あかばう案内あんないされてかく茶屋ちやゝはひつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ニヤリとわらったまつろうが、障子しょうじすみへ、まるくなったときだった。藤吉とうきち案内あんないされたおこのの姿すがたが、影絵かげえのように縁先えんさきあらわれた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
親方は案内あんないを知っているらしくせまい通りにこみ合う往来おうらいの人のれを分けて進んだ。わたしはそのそばにりそって歩いた。
この小鳥ことりむれには、かならず一づゝ先達せんだつとりがあります。そのとりそら案内者あんないしやです。澤山たくさんいてとりむれ案内あんないするとりはうきます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さても、わたくし櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ武村兵曹たけむらへいそう案内あんないしたがつて、海底戰鬪艇かいていせんとうてい縱覽じゆうらんをはつてのちふたゝ艇外ていぐわいでたのは、かれこれ二時間にじかんほどあとであつた。
たれおも怪我人けがにんはこばれたのだと勘次かんじぐにさとつてさうしてなんだか悚然ぞつとした。かれ業々げふ/\しい自分じぶん扮裝いでたちぢて躊躇ちうちよしつゝ案内あんないうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まもなく法師ほうしは、また女の手に案内あんないされ、大げんかんへ来ました。そこには前の武士ぶしが待っていて、法師をあみだてらまでおくって来てくれました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
これからはよくそのことわきまえて、あの竜神様りゅうじんさまのおみやへおまいりせねばならぬ。また機会おり竜宮界りゅうぐうかいへも案内あんないし、乙姫様おとひめさまにお目通めどおりをさしてもあげる。
それが學年がくねんはじまりだつたので、京都きやうとのまだあさ宗助そうすけには大分だいぶん便宜べんぎであつた。かれ安井やすゐ案内あんないあたらしい土地とち印象いんしやうさけごとんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
例の歓迎会かんげいかい案内あんないである。ミサ子やマスノの名もいてあったが、早苗の字なのは、はじめからわかっていた。読みおわった先生は、勝子にむかって
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
乳母 チッバルトどのゝ死骸なきがら取着とりついておきゃってでござります。彼方あちかしゃるなら案内あんないをしませう。
妹子いもこがこうこういうものだといって案内あんないをたのみますと、小坊主こぼうずはもうまえからっているといったように
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
るのならぼくつてもの雜木山ざふきやまい。案内あんないするから來給きたまへ』と文海子ぶんかいしきにつた。
それでわたしは、これからみなさんに考古博物館こうこはくぶつかん書物しよもつうへでつくり、そこへ案内あんないして説明せつめいしてかうとおもふのでありますが、たゞいまべた順序じゆんじよすゝんでくことにいたします。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
大きなぼだいじゅのあるターコール僧正そうじょうの家から、一ばかりはなれた町のはずれに、きたない宿屋やどやがありました。見すぼらしい年とった男は、そこへ僧正そうじょう案内あんないしてきました。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
早速さつそくくすり調合てうがふし、土地とち醫者いしや方劑はうざいさづけたが、玄竹げんちくは、塔頭たつちううめばうといふのへ案内あんないされて、精進料理しやうじんれうり饗應きやうおうけ、下男げだんとともに一ぱくして、翌朝よくてうかへることになつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
……これから案内あんないしたがつて十二でふばかり書院しよゐんらしいところとほる、次は八でふのやうで正面しやうめんとこには探幽たんにゆう横物よこものかゝり、古銅こどう花瓶くわびんに花がしてあり、煎茶せんちや器械きかいから、莨盆たばこぼんから火鉢ひばちまで
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
のぱつちりしたうつくしい一おんなわたし食卓しよくたく向側むこうかわへ「どうぞ」とつて案内あんないしてくれたが、たれもまだはいつてこないので躊躇ちうちよしてゐるうちに、此方側こつちかわ左手ひだりて椅子いすることになつて
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
れぬをんなこゑきつけ、またもやまどからくびしてると、日本髪にほんがみ日本服にほんふくおくさまらしいわかをんなと、その母親はゝおやかともおもはれる老婆らうば二人ふたりが、手桶てをけをさげた寺男てらをとこ案内あんないされて
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「ただ今うらなって見ましたところ、吉凶なかばすとございます。凶と出たらまたその時、何んとか思案するとして、ともあれ館に案内あんないを乞い、一夜の宿りを頼む方がよろしいと思います」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
至極しごくそゝくさとおちつききが差配さはいのもとにきたりて此家このいへたしといふ、案内あんないして其處此處そここゝ戸棚とだなかずなどをせてあるくに、其等それらのことは片耳かたみゝにもれで、たゞ四邊あたりしづかとさはやかなるをよろこ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
てらでも主簿しゆぼ御參詣ごさんけいだとふので、おろそかにはしない。道翹だうげうそう出迎でむかへて、りよ客間きやくま案内あんないした。さて茶菓ちやくわ饗應きやうおうむと、りようた。「當寺たうじ豐干ぶかんそうがをられましたか。」
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
それで、出る時、私に道案内あんないをしてくれたようなものでした。
さあ ぼくたちがあなたたち安全あんぜんな所へ案内あんないしませう
「あなたが、きっとりにおいでなさるとおもって、大事だいじそだてておきました。」と、そのいえひとはいって、裏庭うらにわ案内あんないしました。
ある男と無花果 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかめテも左樣の毒藥にて候かと恐れし色をぞしめしたり折節をりふししたより午飯の案内あんないに半兵衞はしばし頼みまする緩々ゆる/\見物せられよと寶澤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さて、いよいよ、あなたさまのおうけつぎになった財産ざいさんをごらんになるときがまいりました。お父上ちちうえさまのおしろをご案内あんないいたしましょう。」
とすると、先祖せんぞへはともかく、友達ともだちかほにかゝはる……とたん廊下らうかつてくと、女中ぢよちう案内あんないされたのは、これまた心易こゝろやすい。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
案内あんないの先生はいやな顔をしてそこらを見回して、それからその「ジン酒の宮殿きゅうでん」の回転ドアを開けて中へはいった。わたしたちはあとにつづいた。
わたくしおもってそう案内あんないいました。すると、としころ十五くらいえる、一人ひとり可愛かわいらしい小娘こむすめがそこへあらわれました。
「へえ、なに、わしが一攫ひとつかいてたの打棄うつちやつたんでがした」勘次かんじういつてあをつた。巡査じゆんささら被害者ひがいしや勘次かんじはたけ案内あんないさせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
案内あんない猪飼八兵衛いがいはちべえはかけもどって、おくりこまれた徳川家とくがわけ家臣かしん三名、やりぶすまの間をとおってひかえじょに待たされた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
食事がすむと、時をうつさず、大僧正だいそうじょうは、ふたりをお城の礼拝堂れいはいどう案内あんないして、ご婚礼こんれいをすませました。女官がしらは、ふたりのためにとばりをひきました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
それから、牝羊めひつじは、水のいっぱいたまっている、くぼんだところへ案内あんないしていきました。そのそばには、モミガラやキリワラが、高くつまれています。
かどT. Hamashimaはまじまたけぶみ, としるしてあるのは此處こゝ案内あんないふと、見晴みはらしのよい一室ひとまとうされて
「はい。ここからは私どもの歌ったりんだりできるところになっているのでございます。ご案内あんないいたしましょう」
その召使いの女のひとりが、法師の手をやわらかにとると、こちらへと、大げんかんのうちへ案内あんないしました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
蓮池れんち手前てまへからよこれる裏路うらみちもあるが、このはう凸凹とつあふおほくて、れない宗助そうすけにはちかくても不便ふべんだらうとふので、宜道ぎだうはわざ/\ひろはう案内あんないしたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なにもこうありゃァしねえ。つべこべと、余計よけいなことをいってねえで、はやくおせんちゃんを、おく案内あんないしてやらねえか。師匠ししょうがもう、ちゃを三ばいえてちかねだぜ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
もしかして案内あんないするとり方角はうがく間違まちがへて、鳥屋とやあみにでもかゝらうものなら、いてとりなんありましてもみなおなじやうにそのあみくび突込つゝこんでしまひます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
老叟らうそうわらつて客間きやくまにちやんとえてあるではないかといふので、それでは客間きやくま御覽ごらんなさいけつして有りはしないからと案内あんないして内にはひつて見ると、こは如何いか
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)