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方々
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かた/″\
ふりがな文庫
“
方々
(
かた/″\
)” の例文
今宵
(
こよひ
)
、
家例
(
かれい
)
に
因
(
よ
)
り、
宴會
(
えんくわい
)
を
催
(
もよふ
)
しまして、
日頃
(
ひごろ
)
別懇
(
べっこん
)
の
方々
(
かた/″\
)
を
多勢
(
おほぜい
)
客人
(
まろうど
)
に
招
(
まね
)
きましたが、
貴下
(
こなた
)
が
其
(
その
)
組
(
くみ
)
に
加
(
くは
)
はらせらるゝは一
段
(
だん
)
と
吾家
(
わがや
)
の
面目
(
めんもく
)
にござる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
エヘヽヽ
表
(
おもて
)
を
通
(
とほ
)
る
女子達
(
をなごたち
)
は
皆
(
みな
)
立留
(
たちどま
)
る
位
(
くらゐ
)
のもんで、
斯
(
か
)
ういふ
珠揃
(
たまぞろひ
)
のお
方々
(
かた/″\
)
が
居
(
ゐ
)
て
世辞
(
せじ
)
を
商
(
あきな
)
ひして
居
(
ゐ
)
らつしやる
処
(
ところ
)
へ
買
(
かひ
)
に
来
(
き
)
ましたのは
手前共
(
てまいども
)
の
仕合
(
しあはせ
)
で
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いかに
方々
(
かた/″\
)
、
御前
(
ごぜん
)
へ
申
(
まを
)
し、
何某殿
(
なにがしどの
)
の
御内室
(
ごないしつ
)
をも
一所
(
いつしよ
)
に
此中
(
このなか
)
へ
入
(
い
)
れ
申
(
まを
)
さむか、
雌雄
(
つがひ
)
ならでは
風情
(
ふぜい
)
なく
候
(
さふらふ
)
」などと
散々
(
さん/″\
)
。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
五人
(
ごにん
)
の
方々
(
かた/″\
)
に
私
(
わたし
)
の
欲
(
ほ
)
しいと
思
(
おも
)
ふ
物
(
もの
)
を
註文
(
ちゆうもん
)
して、それを
間違
(
まちが
)
ひなく
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さる
方
(
かた
)
にお
仕
(
つか
)
へすることに
致
(
いた
)
しませう
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
こんな
勝
(
すぐ
)
れた
歌
(
うた
)
が、しかも
非常
(
ひじよう
)
に
貴
(
たふと
)
い
方々
(
かた/″\
)
のお
作
(
さく
)
に
出
(
で
)
て
來
(
き
)
てゐるに
拘
(
かゝは
)
らず、
世間
(
せけん
)
の
流行
(
りゆうこう
)
は、
爲方
(
しかた
)
のないもので、だん/\、
惡
(
わる
)
い
方
(
ほう
)
へ/\と
傾
(
かたむ
)
きました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
我は側なる
卓
(
つくゑ
)
を指ざして、
報
(
むくい
)
せんと思ふ
方々
(
かた/″\
)
は、金錢にもせよ珠玉首飾の類にもせよ、此上に出し給へと云ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「はあ、成る程、………それでも時々訪問者はございましょうな、学生だとか、又は友人の
方々
(
かた/″\
)
であるとか。」
蘿洞先生
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたしは
今
(
いま
)
、
此
(
こ
)
の
本
(
ほん
)
を、
小
(
ちひ
)
さい
兄弟姉妹
(
けうだいしまい
)
達
(
たち
)
である
日本
(
にほん
)
の
子
(
こ
)
ども
達
(
たち
)
に
贈
(
おく
)
ります。また。その
子
(
こ
)
ども
達
(
たち
)
の
親
(
おや
)
であり、
先生
(
せんせい
)
である
方々
(
かた/″\
)
にも
是非
(
ぜひ
)
、
讀
(
よ
)
んで
戴
(
いたゞ
)
きたいのです。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
干飯
(
ほしいひ
)
一
斗
(
と
)
、
古酒
(
こしゆ
)
一筒
(
ひとづつ
)
、ちまき、あうざし(
青麩
(
あをふ
)
)、たかんな(筍)
方々
(
かた/″\
)
の物送り
給
(
たま
)
ふて候。草にさける花、木の
皮
(
かは
)
を
香
(
かう
)
として
佛
(
ほとけ
)
に奉る人、
靈鷲山
(
れいしうざん
)
へ參らざるはなし。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お
位
(
くらゐ
)
の
宜
(
い
)
い
方々
(
かた/″\
)
や
御
(
ご
)
身分
(
みぶん
)
のある
奧樣
(
おくさま
)
がたとの
御交際
(
おつきあひ
)
もして、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
原田
(
はらだ
)
の
妻
(
つま
)
と
名告
(
なのつ
)
て
通
(
とほ
)
るには
氣骨
(
きぼね
)
の
折
(
を
)
れる
事
(
こと
)
もあらう、
女子
(
をんな
)
どもの
使
(
つか
)
ひやう
出入
(
でい
)
りの
者
(
もの
)
の
行渡
(
ゆきわた
)
り
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今や御一門の
方々
(
かた/″\
)
屋島の浦に在りて、生死を一にし、存亡を共にして、囘復の事叶はぬまでも、押寄する源氏に最後の一矢を酬いんと日夜肝膽を碎かるゝ事申すも中々の事に候へ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「これは趣向だ。
方々
(
かた/″\
)
、今日は主人秘蔵の恵慶が拝見出来ようかも知れませぬぞ。」
茶話:10 昭和三(一九二八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『さうなつたら
私
(
わたし
)
は
何
(
ど
)
うすれば
可
(
い
)
いかしら?
彼
(
あ
)
の
方々
(
かた/″\
)
は
怖
(
おそ
)
ろしくも、
此處
(
こゝ
)
に
居
(
ゐ
)
る
人々
(
ひと/″\
)
の
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ねたがつて
居
(
を
)
られるが、それにしては
甚
(
はなは
)
だ
不思議
(
ふしぎ
)
な
事
(
こと
)
にも、
生
(
い
)
き
殘
(
のこ
)
つてる
者
(
もの
)
のあることだわ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
他人の事と思はれず、
我身
(
わがみ
)
の
誉
(
ほまれ
)
と
打忘
(
うちわす
)
れられて
嬉
(
うれ
)
しく
独
(
ひとり
)
笑
(
ゑみ
)
する心の
中
(
うち
)
には、
此群集
(
このぐんしふ
)
の人々にイヤ御苦労さま
抔
(
など
)
と
一々
(
いち/\
)
挨拶
(
あいさつ
)
もしたかりし、これによりて
推想
(
おしおも
)
ふも
大尉
(
たいゐ
)
が
一族
(
いちぞく
)
近親
(
きんしん
)
の
方々
(
かた/″\
)
はいかに
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
もっともこの
形
(
かたち
)
の
古墳
(
こふん
)
は、
昔
(
むかし
)
でも
偉
(
えら
)
い
人
(
ひと
)
を
葬
(
はうむ
)
るために
造
(
つく
)
つたものでありまして、
天皇樣
(
てんのうさま
)
だとか、
皇族
(
こうぞく
)
の
方々
(
かた/″\
)
の
御墓
(
おはか
)
に
多
(
おほ
)
く
用
(
もち
)
ひたのでありまして、
下々
(
しも/″\
)
のものはやはり、
圓
(
まる
)
い
塚
(
つか
)
を
用
(
もち
)
ひたのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
よ
方々
(
かた/″\
)
と、
側
(
そば
)
なる
鐵
(
てつ
)
の
圓柱
(
まるばしら
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
カピ長 (ロミオの一群に)ようこそ、
方々
(
かた/″\
)
!
肉刺
(
まめ
)
で
患
(
なや
)
んで
居
(
を
)
らん
婦人
(
ふじん
)
は、
何
(
いづ
)
れも
喜
(
よろこ
)
んで
舞踏敵手
(
おあひて
)
になりませうわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
惡
(
わる
)
いことは
申
(
まを
)
さぬ。これに
御同感
(
ごどうかん
)
の
方々
(
かた/″\
)
は、
三味線
(
さみせん
)
でお
聞
(
き
)
きになるより、
字
(
じ
)
でお
讀
(
よ
)
みになる
方
(
はう
)
が
無事
(
ぶじ
)
である。——
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
余
(
あま
)
り
美味
(
おい
)
しくはございませんが、
東京見物
(
とうきやうけんぶつ
)
に
来
(
く
)
る
他県
(
たけん
)
の
方々
(
かた/″\
)
が、
故郷
(
くに
)
へ
土産
(
みやげ
)
に
持
(
も
)
つて
往
(
い
)
つたものと見えまする。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
翁
(
おきな
)
はりきみました。
姫
(
ひめ
)
も、
年寄
(
としよ
)
つた
方々
(
かた/″\
)
の
老先
(
おいさき
)
も
見屆
(
みとゞ
)
けずに
別
(
わか
)
れるのかと
思
(
おも
)
へば、
老
(
おい
)
とか
悲
(
かな
)
しみとかのないあの
國
(
くに
)
へ
歸
(
かへ
)
るのも、
一向
(
いつこう
)
に
嬉
(
うれ
)
しくないといつてまた
歎
(
なげ
)
きます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
まろも
先達
(
せんだち
)
の
方々
(
かた/″\
)
から、そなたはまるで
女子
(
おなご
)
のようだと、たび/\からかわれた覚えがある。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
十一
月
(
ぐわつ
)
の二十八
日
(
にち
)
は
旦那
(
だんな
)
さまお
誕生日
(
たんぜうび
)
なりければ、
年毎
(
としごと
)
お
友達
(
ともだち
)
の
方々
(
かた/″\
)
招
(
まね
)
き
參
(
まい
)
らせて、
坐
(
ざ
)
の
周旋
(
しうせん
)
はそんじよ
夫
(
そ
)
れ
者
(
しや
)
の
美
(
うつ
)
くしきを
撰
(
ゑ
)
りぬき、
珍味
(
ちんみ
)
佳肴
(
かこう
)
に
打
(
うち
)
とけの
大愉快
(
おほゆくわい
)
を
盡
(
つく
)
させ
給
(
たま
)
へば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此等
(
これら
)
の
後
(
あと
)
から
皇子
(
わうじ
)
が
見
(
み
)
えました、
丁度
(
ちやうど
)
十
人
(
にん
)
在
(
ゐ
)
らせられて、
小
(
ちひ
)
さな
可愛
(
かあい
)
い
方々
(
かた/″\
)
が
最
(
いと
)
も
樂
(
たの
)
しげに、
手
(
て
)
に
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つてお
二人
(
ふたかた
)
づゝ
跳
(
と
)
んでお
出
(
い
)
でになりました、
何
(
いづ
)
れも
皆
(
みん
)
な
心臟
(
ハート
)
で
飾
(
かざ
)
りたてられてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
……
方々
(
かた/″\
)
、ようこそ
來
(
わ
)
せられた……(樂人を顧みて)さゝ、
樂人共
(
がくじんども
)
、はじめい。……(一同に對ひ)
開
(
ひら
)
いた/\! つゝと
開
(
ひら
)
いて、さゝ、
舞踏
(
をど
)
ったり、
娘達
(
むすめたち
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
本來
(
ほんらい
)
なら
其
(
そ
)
の
席
(
せき
)
で、
工學士
(
こうがくし
)
が
話
(
はな
)
した
或種
(
あるしゆ
)
の
講述
(
かうじゆつ
)
を、こゝに
筆記
(
ひつき
)
でもした
方
(
はう
)
が、
讀
(
よ
)
まるゝ
方々
(
かた/″\
)
の
利益
(
りえき
)
なのであらうけれども、それは
殊更
(
ことさら
)
に
御海容
(
ごかいよう
)
を
願
(
ねが
)
ふとして
置
(
お
)
く。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
是
(
これ
)
は
此
(
こ
)
の時のお
掛
(
かゝ
)
りの
方々
(
かた/″\
)
のお
詰所
(
つめしよ
)
と見えまして、
此所
(
こゝ
)
で
御拝
(
ぎよはい
)
があるといふことを
承
(
うけた
)
まはりました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
都のことは定めし
方々
(
かた/″\
)
も御存知でしょうが、わたしはもと、尊氏将軍のおん時に、糟屋の四郎左衛門と申して近侍に召し使われていまして、十三の年から御所へ参り、
礼佛礼社
(
らいぶつらいしゃ
)
三人法師
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夫
(
そ
)
れでも
私
(
わたし
)
は
其
(
その
)
やうな
悋氣沙汰
(
りんきさた
)
で
申
(
まうす
)
のでは
御座
(
ござ
)
りませぬ、
今日
(
けふ
)
の
會席
(
くわいせき
)
の
賑
(
にぎや
)
かに、
種々
(
いろ/\
)
の
方々
(
かた/″\
)
御出
(
おいで
)
の
中
(
なか
)
に
誰
(
た
)
れとて
世間
(
せけん
)
に
名
(
な
)
の
聞
(
きこ
)
えぬも
無
(
な
)
く、
此
(
この
)
やうのお
人達
(
ひとたち
)
みな
貴郎
(
あなた
)
さまの
御友達
(
おともだち
)
かと
思
(
おも
)
ひますれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
やあ、
方々
(
かた/″\
)
、
吾
(
わ
)
が
頭
(
かうべ
)
あると
頭
(
かうべ
)
なきと
何
(
いづ
)
れが
佳
(
よ
)
きや。
時
(
とき
)
に
賈雍
(
かよう
)
が
從卒
(
じうそつ
)
、おい/\と
泣
(
な
)
いて
告
(
まを
)
して
曰
(
いは
)
く、
頭
(
かしら
)
あるこそ
佳
(
よ
)
く
候
(
さふら
)
へ。
言
(
い
)
ふに
從
(
したが
)
うて、
將軍
(
しやうぐん
)
の
屍
(
しかばね
)
血
(
ち
)
を
噴
(
ふ
)
いて
馬
(
うま
)
より
墜
(
お
)
つ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あれに見えるあの松の下にお埋め申してあるのですが、おさない
方々
(
かた/″\
)
は毎日お二人して泣く/\
荼毘所
(
だびしょ
)
へお参りになります、きょうもお供をいたしましょうと申しましたら、いや
三人法師
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さも
無
(
な
)
ければ
那樣
(
そんな
)
ことを
恐
(
こは
)
がると
云
(
い
)
ふ
理窟
(
りくつ
)
がないて。
一體
(
いつたい
)
お
前
(
まへ
)
さんに
限
(
かぎ
)
らず、
乘合
(
のりあひ
)
の
方々
(
かた/″\
)
も
又
(
また
)
然
(
さ
)
うぢや、
初手
(
しよて
)
から
然
(
さ
)
ほど
生命
(
いのち
)
が
危險
(
けんのん
)
だと
思
(
おも
)
ツたら、
船
(
ふね
)
なんぞに
乘
(
の
)
らぬが
可
(
い
)
いて。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
嵐気
(
らんき
)
漓
(
したゝ
)
る、といふ
癖
(
くせ
)
に、
何
(
なに
)
が
心細
(
こゝろぼそ
)
い、と
都会
(
とくわい
)
の
極暑
(
ごくしよ
)
に
悩
(
なや
)
むだ
方々
(
かた/″\
)
からは、その
不足
(
ふそく
)
らしいのをおしかりになるであらうが、
行向
(
ゆきむか
)
ふ、
正面
(
しやうめん
)
に
次第
(
しだい
)
に
立累
(
たちかさな
)
る
山
(
やま
)
の
色
(
いろ
)
が
真暗
(
まつくら
)
なのである。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
方々
(
かた/″\
)
の
様子
(
やうす
)
は
皆
(
みな
)
略
(
ほゞ
)
分
(
わか
)
つた、いづれも、それ/″\お
役者
(
やくしや
)
である。が、
白足袋
(
しろたび
)
だつたり、
浴衣
(
ゆたか
)
でしよたれたり、
貝
(
かひ
)
の
口
(
くち
)
が
横
(
よこ
)
つちよだつたり、
口上
(
こうじやう
)
を
述損
(
のべそこな
)
つたり……一
体
(
たい
)
それは
何
(
なに
)
ものだい。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
多日
(
たじつ
)
病
(
やまひ
)
と
稱
(
しよう
)
して
引籠
(
ひきこも
)
り、
人知
(
ひとし
)
れず
諸家
(
しよか
)
に
立入
(
たちい
)
り、
内端
(
うちわ
)
の
樣子
(
やうす
)
を
伺
(
うかゞ
)
ひ
見
(
み
)
るに、
御勝手
(
ごかつて
)
空
(
むな
)
しく
御手許
(
おてもと
)
不如意
(
ふによい
)
なるにもかゝはらず、
御家中
(
ごかちう
)
の
面々
(
めん/\
)
、
分
(
わ
)
けて
老職
(
らうしよく
)
の
方々
(
かた/″\
)
はいづれも
存外
(
ぞんぐわい
)
有福
(
いうふく
)
にて
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つてお
請申
(
うけまを
)
せば、
列座
(
れつざ
)
の
方々
(
かた/″\
)
滿足々々
(
まんぞく/\
)
とのたまふ
聲
(
こゑ
)
ずらりと
行渡
(
ゆきわた
)
る。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二百十日
(
にひやくとをか
)
もおなじこと、
日記
(
につき
)
を
誌
(
しる
)
す
方々
(
かた/″\
)
は、
一寸
(
ちよつと
)
日
(
ひ
)
づけを
御覽
(
ごらん
)
を
願
(
ねが
)
ふ、
雨
(
あめ
)
も
晴
(
はれ
)
も、
毎年
(
まいねん
)
そんなに
日
(
ひ
)
をかへないであらうと
思
(
おも
)
ふ。
現
(
げん
)
に
今年
(
ことし
)
、この
四月
(
しぐわつ
)
は、
九日
(
こゝぬか
)
、
十日
(
とをか
)
、
二日
(
ふつか
)
續
(
つゞ
)
けて
大風
(
おほかぜ
)
であつた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
次手
(
ついで
)
に、
御挨拶
(
ごあいさつ
)
を
申
(
まを
)
したい。
此
(
こ
)
の三
本木
(
ぼんぎ
)
の
有志
(
いうし
)
の
方々
(
かた/″\
)
から、こゝで一
泊
(
ぱく
)
して
晩餐
(
ばん
)
と一
所
(
しよ
)
に、一
席
(
せき
)
の
講話
(
かうわ
)
を、とあつたのを、
平
(
ひら
)
におわびをしたのは、……かるがゆゑに
袴
(
はかま
)
がなかつた
為
(
ため
)
ではない。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
就
(
つい
)
ては、
某
(
それ
)
の
日
(
ひ
)
、
恰
(
あだか
)
も
黄道吉辰
(
くわうだうきつしん
)
なれば、
揃
(
そろ
)
つて
方々
(
かた/″\
)
を
婿君
(
むこぎみ
)
にお
迎
(
むか
)
へ
申
(
まを
)
すと
云
(
い
)
ふ。
汗
(
あせ
)
冷
(
つめ
)
たくして
独
(
ひと
)
りづゝ
夢
(
ゆめ
)
さむ。
明
(
あ
)
くるを
待
(
ま
)
ちて、
相見
(
あひみ
)
て
口
(
くち
)
を
合
(
あ
)
はするに、
三人
(
さんにん
)
符
(
ふ
)
を
同
(
おな
)
じうして
聊
(
いさゝか
)
も
異
(
こと
)
なる
事
(
こと
)
なし。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
察
(
さつ
)
しあれ、
知己
(
ちき
)
の
方々
(
かた/″\
)
。——
私
(
わたし
)
は
下駄
(
げた
)
を
引
(
ひき
)
ずつて
横飛
(
よこと
)
びに
逃出
(
にげだ
)
した。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
々
3画
“方々”で始まる語句
方々様