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こゝ
ふりがな文庫
“
此處
(
こゝ
)” の例文
新字:
此処
塾
(
じゆく
)
は
家族的
(
かぞくてき
)
の
組織
(
そしき
)
であるから
各人
(
かくじん
)
共同
(
きようどう
)
の
物
(
もの
)
である、
塾生
(
じゆくせい
)
は
此處
(
こゝ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
家
(
いへ
)
と
心得
(
こゝろえ
)
て
何事
(
なにごと
)
も
自分
(
じぶん
)
に
責任
(
せきにん
)
を
持
(
も
)
つて
遣
(
や
)
らねばなりません。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
『さうだ、神樣に頼みたいことがあつたら、前から拜むより、
後
(
うしろ
)
からさう言つた方がよく聞えるぜ、お
賽錢
(
さいせん
)
も
此處
(
こゝ
)
からの方が
利
(
き
)
くよ。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「それは
俺
(
わし
)
の
方
(
ほう
)
からいふ
言葉
(
ことば
)
でさあ。こうして
此處
(
こゝ
)
で
生
(
うま
)
れて
此處
(
こゝ
)
でまた
死
(
し
)
ぬ
俺等
(
わしら
)
です。一つ
旅
(
たび
)
の
土産
(
みやげ
)
はなしでもきかせてくれませんか」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
『まァ、
大層
(
たいそう
)
悦
(
よろこ
)
んでること』
愛
(
あい
)
ちやんは
然
(
さ
)
う
思
(
おも
)
つて
猶
(
な
)
ほも
言
(
い
)
ひ
續
(
つゞ
)
けました。『
教
(
をし
)
へて
頂戴
(
てうだい
)
な、ね、
私
(
わたし
)
は
此處
(
こゝ
)
から
何方
(
どつち
)
へ
行
(
い
)
けば
可
(
い
)
いの?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此處
(
こゝ
)
ぞ御恩の報じ處、
情
(
なさけ
)
を殺し心を鬼にして、
情
(
つれ
)
なき諫言を進むるも、御身の爲め御家の爲め、さては過ぎ去り給ひし父君の御爲ぞや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
『ぢや、エウゲニイ、フエオドロヰチでも
此處
(
こゝ
)
へ
呼
(
よ
)
んで
來
(
こ
)
い、
些
(
ちよつ
)
と
俺
(
おれ
)
が
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れツて
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
へ……
些
(
ちよつ
)
とで
可
(
い
)
いからツて!』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
此處
(
こゝ
)
へ
筒袖
(
つゝそで
)
の
片手
(
かたて
)
ゆつたりと
懷
(
ふところ
)
に、
左手
(
ゆんで
)
に
山牛蒡
(
やまごばう
)
を
提
(
ひつさ
)
げて、
頬被
(
ほゝかぶり
)
したる六十ばかりの
親仁
(
おやぢ
)
、ぶらりと
來懸
(
きかゝ
)
るに
路
(
みち
)
を
問
(
と
)
ふことよろしくあり。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこで、
外國人
(
ぐわいこくじん
)
が
吾等
(
われら
)
の
立去
(
たちさ
)
つた
後
(
あと
)
で、
此
(
この
)
島
(
しま
)
へ
上陸
(
じやうりく
)
して、
此處
(
こゝ
)
は
自分
(
じぶん
)
が、
第一
(
だいいち
)
に
發見
(
はつけん
)
した
島
(
しま
)
だなんかと、
管
(
くだ
)
を
卷
(
ま
)
ひたつて
無益
(
だめ
)
と
申
(
もう
)
すのだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
序
(
ついで
)
だと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
て
來
(
き
)
たが、
此處
(
こゝ
)
からぢやあつちの
方
(
はう
)
のそれ
知
(
し
)
つてべえ
仕切
(
しき
)
つて
貸
(
か
)
すつちんだから、
俺
(
お
)
ら
其處
(
そこ
)
さ
入
(
え
)
れてえと
思
(
おも
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
恩
(
おん
)
ある
人
(
ひと
)
は
二年目
(
にねんめ
)
に
亡
(
う
)
せて
今
(
いま
)
の
主
(
あるじ
)
も
内儀樣
(
かみさま
)
も
息子
(
むすこ
)
の
半次
(
はんじ
)
も
氣
(
き
)
に
喰
(
く
)
はぬ
者
(
もの
)
のみなれど、
此處
(
こゝ
)
を
死場
(
しにば
)
と
定
(
さだ
)
めたるなれば
厭
(
いや
)
とて
更
(
さら
)
に
何方
(
いづかた
)
に
行
(
ゆ
)
くべき
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此處
(
こゝ
)
から
逐
(
お
)
はるゝは
世界
(
せかい
)
から
逐
(
お
)
はるゝも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
、
世界
(
せかい
)
から
逐
(
お
)
はるゝは
殺
(
ころ
)
さるゝも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
、すれば
追放
(
つゐはう
)
とは
死罪
(
しざい
)
の
隱
(
かく
)
し
名
(
な
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
此
(
この
)
温泉
(
をんせん
)
が
果
(
はた
)
して
物質的
(
ぶつしつてき
)
に
僕
(
ぼく
)
の
健康
(
けんかう
)
に
效能
(
かうのう
)
があるか
無
(
な
)
いか、そんな
事
(
こと
)
は
解
(
わか
)
らないが
何
(
なに
)
しろ
温泉
(
をんせん
)
は
惡
(
わる
)
くない。
少
(
すくな
)
くとも
此處
(
こゝ
)
の、
此家
(
このや
)
の
温泉
(
をんせん
)
は
惡
(
わる
)
くない。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
見らるゝ樣にて何となく
居惡
(
ゐにく
)
く成たり
最早
(
もはや
)
江戸の
勝手
(
かつて
)
も
分
(
わか
)
りたれば
此處
(
こゝ
)
に居ず共又外に
宜處
(
よきところ
)
は
幾許
(
いくら
)
も有るべしと或時主人久藏に
對
(
むか
)
ひ我等
豫々
(
かね/″\
)
日光
(
につくわう
)
の御宮を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幾らお前さん
等
(
たち
)
が騷いだツてな、今日は先生がお出なさらねえうちは、何うしたツて
此處
(
こゝ
)
を通す事ツちやねえ。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
宗助
(
そうすけ
)
の
此處
(
こゝ
)
を
訪問
(
はうもん
)
したのは、十
月
(
ぐわつ
)
に
少
(
すこ
)
し
間
(
ま
)
のある
學期
(
がくき
)
の
始
(
はじ
)
めであつた。
殘暑
(
ざんしよ
)
がまだ
強
(
つよ
)
いので
宗助
(
そうすけ
)
は
學校
(
がくかう
)
の
徃復
(
わうふく
)
に、
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を
用
(
もち
)
ひてゐた
事
(
こと
)
を
今
(
いま
)
に
記憶
(
きおく
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
裏庭の方の障子は
微白
(
ほのじろ
)
い。いつの間にか仲働が
此處
(
こゝ
)
の雨戸丈は
開
(
あ
)
けたのである。主人は
側
(
そば
)
に、夜着の襟に半分程、赤く圓くふとつた顏を埋めて寢てゐる娘を見て、
微笑
(
ほゝゑ
)
んだ。
半日
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其眺矚
(
そのてうしよく
)
や甚だ
廣濶
(
くわうくわつ
)
なるにあらず、否、
此處
(
こゝ
)
よりはその半腹を登り行く
白衣
(
はくい
)
の行者さへ見ゆと言ふなる御嶽の姿も、
今日
(
けふ
)
は麓の深谷より
簇々
(
むら/\
)
と渦上する白雲の爲めに蔽はれて
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
可
(
か
)
なり濶い面積の平野に躑躅や山菖蒲が咲いてゐて高原氣分を漂はせてゐる荒寞の景が人を襲ふが、
此處
(
こゝ
)
は雪がまだ山々にむら
消
(
ぎえ
)
むら殘りの頃か、さなくば秋の夕べの物淋しい頃が
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
既
(
も
)
う
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
だといふ
所
(
ところ
)
で、
望生
(
ぼうせい
)
に一
體
(
たい
)
如何
(
どう
)
したのかと
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
ると、
草刈
(
くさかり
)
の
中
(
なが
)
に、
子供
(
こども
)
が
居
(
ゐ
)
て、
去年
(
きよねん
)
の
暮
(
くれ
)
、
此處
(
こゝ
)
へ
大穴
(
おほあな
)
を
開
(
あ
)
けたのは、
此人達
(
このひとたち
)
だと
告
(
つ
)
げた
爲
(
ため
)
に、いくらお
前達
(
まへたち
)
が
猫
(
ねこ
)
を
冠
(
かぶ
)
つても
駄目
(
だめ
)
だと
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
古綿
(
ふるわた
)
のごとく
此處
(
こゝ
)
も
寸斷
(
ちぎ
)
れ
彼所
(
かしこ
)
も
寸斷
(
ちぎ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此處
(
こゝ
)
に
藝術
(
げいじゆつ
)
の
偉大
(
ゐだい
)
な
力
(
ちから
)
がある。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
此處
(
こゝ
)
も
駿河
(
するが
)
とよばしめよ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
つけて向ふの村へ
何處
(
どこ
)
でも行きます廣さは十三里と云ますが
左樣
(
さう
)
はございません狐が渡るといふのも昔の話でハイ鯉や
鮒
(
ふな
)
鰻は大層捕れますダガ十月から彼岸時分まで氷で漁は出來ませんナニサ兎は少し取れますが
獸
(
けだもの
)
は
何處
(
どこ
)
も
此處
(
こゝ
)
も開けたので一疋も居なくなりましたハイ遊廓なんテ見られたもんでは
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
墓原
(
はかはら
)
へ
出
(
で
)
たのは十二
時過
(
じすぎ
)
、それから、あゝして、あゝして、と
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
た
間
(
あひだ
)
のことを
心
(
こゝろ
)
に
繰返
(
くりかへ
)
して、
大分
(
だいぶん
)
の
時間
(
じかん
)
が
經
(
た
)
つたから。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『そんな
事
(
こと
)
は
止
(
や
)
め!』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
叫
(
さけ
)
んで、『
眩暈
(
めまひ
)
がする』それから
薔薇
(
ばら
)
の
木
(
き
)
に
振向
(
ふりむ
)
いて、『
何
(
なに
)
をお
前方
(
まへがた
)
は
此處
(
こゝ
)
でして
居
(
ゐ
)
たのか?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
に
私
(
わたし
)
だの、そら
此處
(
こゝ
)
にゐる
此
(
こ
)
の
不幸
(
ふかう
)
な
人達計
(
ひとたちばか
)
りが
恰
(
あだか
)
も
獻祭
(
けんさい
)
の
山羊
(
やぎ
)
の
如
(
ごと
)
くに、
衆
(
しゆう
)
の
爲
(
ため
)
に
此
(
こゝ
)
に
入
(
い
)
れられてゐねばならんのか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
只
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
定
(
さだ
)
めて
淋
(
さび
)
しく、
待兼
(
まちかね
)
て
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
だらうと、
思
(
おも
)
つたので、
私
(
わたくし
)
は
大佐
(
たいさ
)
に
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げて、
此處
(
こゝ
)
を
立去
(
たちさ
)
る
事
(
こと
)
に
决
(
けつ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
腹
(
はら
)
減
(
へ
)
つたら
此處
(
こゝ
)
にあんぞ」といつてばたりと
飯臺
(
はんだい
)
の
蓋
(
ふた
)
をした。
後
(
あと
)
で
勘次
(
かんじ
)
は
蒲團
(
ふとん
)
からずり
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
たら、
麥
(
むぎ
)
ばかりのぽろ/\した
飯
(
めし
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ロミオ
心臟
(
しんざう
)
が
此處
(
こゝ
)
に
殘
(
のこ
)
ってゐるのに、
何
(
なん
)
で
歸
(
かへ
)
ることが
出來
(
でき
)
ようぞい?
鈍
(
どん
)
な
土塊
(
つちくれ
)
め、
引返
(
ひッかへ
)
して、おのが
中心
(
たましひ
)
を
搜
(
さが
)
しをれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いまぢあ、すこし
慣
(
な
)
れやしたがね、
此處
(
こゝ
)
へはじめて
南洋
(
なんやう
)
から
來
(
き
)
たときあ、まだ
殘暑
(
ざんしよ
)
の
頃
(
ころ
)
だつたがそれでも、
毎日々々
(
まいにち/\/\
)
、ぶるぶる
震
(
ふる
)
えてゐましただよ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
老叟
(
らうそう
)
は
靜
(
しづ
)
かに石を
撫
(
な
)
でゝ、『
我家
(
うち
)
の石が
久
(
ひさし
)
く
行方
(
ゆきがた
)
知
(
しれ
)
ずに居たが先づ/\
此處
(
こゝ
)
にあつたので
安堵
(
あんど
)
しました、それでは
戴
(
いたゞ
)
いて
歸
(
かへ
)
ることに
致
(
いた
)
しましよう。』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
此年
(
このとし
)
三の
酉
(
とり
)
まで
有
(
あ
)
りて
中
(
なか
)
一
日
(
にち
)
はつぶれしかど
前後
(
ぜんご
)
の
上天氣
(
じやうてんき
)
に
大鳥神社
(
おほとりじんじや
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひすさまじく、
此處
(
こゝ
)
かこつけに
檢査塲
(
けんさば
)
の
門
(
もん
)
より
亂
(
みだ
)
れ
入
(
い
)
る
若人達
(
わかうどたち
)
の
勢
(
いきほ
)
ひとては
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誰れ見ねども膝も
崩
(
くづ
)
さず、時々鬢のほつれに
小波
(
さゞなみ
)
を打たせて、吐く息の深げなるに、哀れは
此處
(
こゝ
)
にも漏れずと見ゆ。主は
誰
(
た
)
ぞ、是れぞ
中宮
(
ちゆうぐう
)
が曹司横笛なる。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
かこち
昨夜
(
ゆうべ
)
も
四日市
(
よつかいち
)
邊
(
へん
)
なる三人の若い者
此處
(
こゝ
)
の
妓樓
(
あそびや
)
某
(
それ
)
に
遊興
(
あがり
)
て夜を
深
(
ふか
)
し
宿
(
いね
)
るに間もなく夜は
白
(
しら
)
みたりと若い者に起され
今朝
(
けさ
)
しもぶつ/\と
呟
(
つぶや
)
きながら
妓樓
(
あそびや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『さうだ。
此處
(
こゝ
)
で下りるんだよ。……けども來る時に
此處
(
こゝ
)
で停つたかね。』と、小池は考へ込む
風
(
ふう
)
をした。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
此處
(
こゝ
)
はわが姉の
嫁
(
とつ
)
げる家にて、さらに心置くべきもの一人もあらねば、長くとゞまりて、
御嶽
(
おんたけ
)
にも登り給へ、
王瀧
(
わうたき
)
にも遊び給へ、殊に、
橋戸
(
はしど
)
村は木曾山中屈指の勝と稱せらるゝところなれば
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼處
(
かしこ
)
に
此處
(
こゝ
)
に
戲
(
たはぶ
)
るゝ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
「あの、
後程
(
のちほど
)
、
内證
(
ないしよう
)
で
御新姐
(
ごしんぞ
)
さんが。
屹
(
きつ
)
と
御待
(
おま
)
ち
遊
(
あそ
)
ばせよ。
此處
(
こゝ
)
に。
可
(
よ
)
ござんすか。」と
囁
(
さゝや
)
いて、すぐに、ちよろりと
消
(
き
)
える。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
夫人
(
ふじん
)
は
牢屋
(
らうや
)
に
居
(
ゐ
)
る』と
云
(
い
)
つて
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
に、『
此處
(
こゝ
)
へ
伴
(
つ
)
れて
參
(
まゐ
)
れ』
乃
(
そこ
)
で
其
(
そ
)
の
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
が
箭
(
や
)
の
如
(
ごと
)
く
走
(
はし
)
り
去
(
さ
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
だが、あんまり
威張
(
ゐば
)
れないて、
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
を
製造
(
こしらへ
)
ては
如何
(
どう
)
でせうと、
此處
(
こゝ
)
まで
工夫
(
くふう
)
したのは
此
(
この
)
私
(
わたくし
)
だが、
肝心
(
かんじん
)
の
機械
(
きかい
)
の
發明
(
はつめい
)
は
悉皆
(
みんな
)
大佐閣下
(
たいさかつか
)
だよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ロレ ならば、
此處
(
こゝ
)
にござれ。
予
(
わし
)
が
獨
(
ひとり
)
で
往
(
ゆ
)
かう。はて、
氣懸
(
きがゝり
)
になって
來
(
き
)
たわ。おゝ、こりゃ
何
(
なに
)
か
不祥
(
ふしゃう
)
な
事
(
こと
)
が
出來
(
しゅつらい
)
したのでは
無
(
な
)
いか
知
(
し
)
らぬまでい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
此處
(
こゝ
)
に
居
(
ゐ
)
たよ、そんなに
喚
(
よ
)
ばらなくつたつてえゝから、
何
(
なん
)
だかおとつゝあは」おつぎの
勘次
(
かんじ
)
を
叱
(
しか
)
る
聲
(
こゑ
)
は
軟
(
やはら
)
かでさうして
明瞭
(
めいれう
)
に
勘次
(
かんじ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひび
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
お
暇
(
いとま
)
ともならば
彌々
(
いよ/\
)
病人
(
びやうにん
)
の
伯父
(
おぢ
)
に
心配
(
しんぱい
)
をかけ、
痩世帶
(
やせせたい
)
に一日の
厄介
(
やくかい
)
も
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なり、
其内
(
そのうち
)
にはと
手紙
(
てがみ
)
ばかりを
遣
(
や
)
りて、
身
(
み
)
は
此處
(
こゝ
)
に
心
(
こゝろ
)
ならずも
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
りける。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
外
(
そと
)
にでても、
此處
(
こゝ
)
で一つの
莢
(
さや
)
の
中
(
なか
)
で、かうしてお
互
(
たが
)
ひに
大
(
おほ
)
きくなつたことをわすれないで、
仲善
(
なかよ
)
くしませうね」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
『
此處
(
こゝ
)
は
可
(
か
)
なり
釣
(
つ
)
れます。』と
老爺
(
ぢいさん
)
は
僕
(
ぼく
)
の
直
(
す
)
ぐ
傍
(
そば
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
して
煙草
(
たばこ
)
を
喫
(
す
)
ひだした。けれど
一人
(
ひとり
)
が
竿
(
さを
)
を
出
(
だ
)
し
得
(
う
)
る
丈
(
だけ
)
の
場處
(
ばしよ
)
だからボズさんは
唯
(
たゞ
)
見物
(
けんぶつ
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
肺
(
はい
)
の
方
(
はう
)
から
來
(
き
)
た
病人
(
びやうにん
)
なのですがな。』とハヾトフは
小聲
(
こごゑ
)
で
云
(
い
)
ふた。『や、
私
(
わたし
)
は
聽診器
(
ちやうしんき
)
を
忘
(
わす
)
れて
來
(
き
)
た、
直
(
す
)
ぐ
取
(
と
)
つて
來
(
き
)
ますから、
些
(
ちよつ
)
と
貴方
(
あなた
)
は
此處
(
こゝ
)
でお
待
(
ま
)
ち
下
(
くだ
)
さい。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
背負
(
せおひ
)
て立出是も西の方へ行しが
頓
(
やが
)
て伊勢屋の
家内
(
かない
)
騷
(
さわ
)
ぎ立し
故
(
ゆゑ
)
私し
此處
(
こゝ
)
に
居
(
を
)
らば盜賊の
連累
(
まきぞへ
)
に成んと是を
怕
(
おそ
)
れて迯出せし
機
(
をり
)
斯
(
かく
)
は
捕
(
とら
)
はれて候なりと申せしかば大岡殿是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『して其人は
何處
(
いづこ
)
にお
在
(
は
)
する』。『そは
此處
(
こゝ
)
より程
遠
(
とほ
)
からぬ
往生院
(
わうじやうゐん
)
と
名
(
なづ
)
くる古き僧庵に』。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
『不信心な人。……
此處
(
こゝ
)
まで來て拜みやはりやへんね。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
さるほどに、
山
(
やま
)
又
(
また
)
山
(
やま
)
、
上
(
のぼ
)
れば
峰
(
みね
)
は
益
(
ます/\
)
累
(
かさな
)
り、
頂
(
いたゞき
)
は
愈々
(
いよ/\
)
聳
(
そび
)
えて、
見渡
(
みわた
)
せば、
見渡
(
みわた
)
せば、
此處
(
こゝ
)
ばかり
日
(
ひ
)
の
本
(
もと
)
を、
雪
(
ゆき
)
が
封
(
ふう
)
ずる
光景
(
ありさま
)
かな。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
處
部首:⾌
11画
“此處”で始まる語句
此處彼處
此處等
此處邊