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有
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あ
ふりがな文庫
“
有
(
あ
)” の例文
が、
道行
(
みちゆき
)
にしろ、
喧嘩
(
けんくわ
)
にしろ、
其
(
そ
)
の
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
処
(
ところ
)
が、
遁
(
に
)
げるにも
忍
(
しの
)
んで
出
(
で
)
るにも、
背後
(
うしろ
)
に、
村
(
むら
)
、
里
(
さと
)
、
松並木
(
まつなみき
)
、
畷
(
なはて
)
も
家
(
いへ
)
も
有
(
あ
)
るのではない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
しか
)
し
是
(
これ
)
は
活
(
い
)
きた
話
(
はなし
)
とか、
交際
(
かうさい
)
とかと
云
(
い
)
ふものとは
又
(
また
)
別
(
べつ
)
で、
餘
(
あま
)
り
適切
(
てきせつ
)
な
例
(
れい
)
では
有
(
あ
)
りませんが、
例
(
たと
)
へば
書物
(
しよもつ
)
はノタで、
談話
(
だんわ
)
は
唱歌
(
しやうか
)
でせう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「そんぢや、わし
蜀黍
(
もろこし
)
隱
(
かく
)
して
置
(
お
)
く
處
(
とこ
)
見出
(
めつけ
)
あんすから、
屹度
(
きつと
)
有
(
あ
)
んに
極
(
きま
)
つてんだから」といふ
聲
(
こゑ
)
を
後
(
あと
)
にして
畑
(
はたけ
)
の
小徑
(
こみち
)
をうねりつゝ
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
誰
(
たれ
)
も爲る
者
(
もの
)
有
(
あ
)
るまじと思ひ
頻
(
しきり
)
に
悲
(
かな
)
しく心は後へ
引
(
ひか
)
れながら既に
奉行所
(
ぶぎやうしよ
)
へ來り
白洲
(
しらす
)
へ
引居
(
ひきすゑ
)
られたり此日伊勢屋三郎兵衞方にては彼旅僧を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
私
(
わたくし
)
の
樣
(
やう
)
なものには
到底
(
たうてい
)
悟
(
さとり
)
は
開
(
ひら
)
かれさうに
有
(
あ
)
りません」と
思
(
おも
)
ひ
詰
(
つ
)
めた
樣
(
やう
)
に
宜道
(
ぎだう
)
を
捕
(
つら
)
まへて
云
(
い
)
つた。それは
歸
(
かへ
)
る
二三日
(
にさんち
)
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
有
(
あ
)
りますとも、
第
(
だい
)
一、
品川
(
しながは
)
の
近
(
ちか
)
くでは
有名
(
ゆうめい
)
な
權現臺
(
ごんげんだい
)
といふ
處
(
ところ
)
が
有
(
あ
)
ります。
其所
(
そこ
)
なんぞは
大變
(
たいへん
)
です、
這
(
こ
)
んな
破片
(
はへん
)
は
山
(
やま
)
の
樣
(
やう
)
に
積
(
つ
)
んで
有
(
あ
)
ります
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
だんだん
地震
(
じしん
)
も
静
(
しず
)
まった
時分
(
じぶん
)
、みんなはめいめいの
家
(
うち
)
へはいりました。よっちゃんも
家
(
うち
)
へはいって
内
(
うち
)
の
有
(
あ
)
り
様
(
さま
)
を
見
(
み
)
てびっくりしました。
時計とよっちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
秦王
(
しんわう
)
後
(
のち
)
に
之
(
これ
)
を
悔
(
く
)
い、
人
(
ひと
)
をして
之
(
これ
)
を
赦
(
ゆる
)
さしむれば、
非
(
ひ
)
已
(
すで
)
に
死
(
し
)
せり。
申子
(
しんし
)
・
韓子
(
かんし
)
は
皆
(
みな
)
書
(
しよ
)
を
著
(
あら
)
はし
後世
(
こうせい
)
に
傳
(
つた
)
ふ、
(一二一)
學者
(
がくしや
)
多
(
おほ
)
く
有
(
あ
)
り。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
何
(
なん
)
だよう、
私
(
わたし
)
が
先刻
(
さつき
)
から見てゐると、お
前
(
まへ
)
がこゝを
往
(
い
)
つたり
来
(
き
)
たりしてえるが、
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いて
居
(
ゐ
)
るから
能
(
よ
)
く
似
(
に
)
た人が
有
(
あ
)
ると
思
(
おも
)
つてゐたら
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
類品
(
るゐひん
)
は
他
(
た
)
より
出
(
い
)
でたれど
此所
(
ここ
)
に
掲
(
か
)
げたるものは武藏荏原郡大森貝塚より出でたるなり。骨器の類は此他種々
有
(
あ
)
れど
煩
(
はん
)
を
厭
(
いと
)
ひて
記
(
しる
)
さず
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
先
(
ま
)
づこんな
有
(
あ
)
りふれた
問答
(
もんだふ
)
から、だん/\
談話
(
はなし
)
に
花
(
はな
)
がさいて
東京博覽會
(
とうきようはくらんくわい
)
の
噂
(
うはさ
)
、
眞鶴近海
(
まなづるきんかい
)
の
魚漁談
(
ぎよれふだん
)
等
(
とう
)
で
退屈
(
たいくつ
)
を
免
(
まぬか
)
れ、やつと
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
に
達
(
たつ
)
した。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
何
(
なに
)
しに
降
(
ふ
)
つて
沸
(
わ
)
いた
事
(
こと
)
もなければ、
人
(
ひと
)
との
紛雜
(
いざ
)
などはよし
有
(
あ
)
つたにしろ
夫
(
そ
)
れは
常
(
つね
)
の
事
(
こと
)
、
氣
(
き
)
にもかゝらねば
何
(
なに
)
しに
物
(
もの
)
を
思
(
おも
)
ひませう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
子供
(
こども
)
が
片足
(
かたあし
)
づゝ
揚
(
あ
)
げて
遊
(
あそ
)
ぶことを、
東京
(
とうきやう
)
では『ちん/\まご/\』と
言
(
い
)
ひませう。
土地
(
とち
)
によつては『
足拳
(
あしけん
)
』と
言
(
い
)
ふところも
有
(
あ
)
るさうです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そんな
有
(
あ
)
り
触
(
ふ
)
れた殺人事件なぞより数層倍恐ろしい……
戦慄
(
せんりつ
)
すべき出来事となって、貴方がたの眼に映じて来はしまいかと思われるのですが
復讐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
という
有
(
あ
)
りふれた結論に達した。新太郎君は我ながら馬鹿々々しくなった。友三郎さんや操さんと服装論を試みる為に参上したのではない。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
これが
有
(
あ
)
ったからといって、私の生活に動揺を来すというほどの大事件ではない。それと反対に、彼に取っては実に重大なる死活問題である。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
過日
京師
(
けいし
)
へ差出し下され候由
是
(
これ
)
亦
(
また
)
謝し奉候。
扨
(
さて
)
阿波へも
遣
(
つかわ
)
し
度
(
た
)
く先に
之
(
これ
)
有
(
あ
)
り候五、六部も拙方へ御遣しの程
希
(
ねが
)
ひ申上候云々。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
『
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
うはござりますが、
不調法
(
ぶてうほふ
)
でござりますし、それに
空腹
(
くうふく
)
を
催
(
もよほ
)
しましたで。‥‥』と、
玄竹
(
げんちく
)
はペコ/\になつた
腹
(
はら
)
を
十徳
(
じつとく
)
の
上
(
うへ
)
から
押
(
おさ
)
へた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
『ナニ、
少
(
ちつ
)
とばかりは
進上
(
あげ
)
られないッて』と
帽子屋
(
ばうしや
)
が
云
(
い
)
つて、『
何
(
なん
)
にも
無
(
な
)
いのを
呉
(
く
)
れるのは
難
(
むづか
)
しいけど、
澤山
(
たくさん
)
有
(
あ
)
るのを
呉
(
く
)
れるのは
容易
(
ようい
)
なことだ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
斯
(
こ
)
んなことをするのも、
矢張
(
やは
)
り
修行
(
しゅぎょう
)
の
一
(
ひと
)
つじゃ。
神
(
かみ
)
として
無理
(
むり
)
にはすすめぬから、
有
(
あ
)
りのままに
答
(
こた
)
えるがよい。
何
(
ど
)
うじゃ
逢
(
あ
)
って
見
(
み
)
る
気
(
き
)
はないか?
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あなたは
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
いお
坊様
(
ぼうさま
)
のようですから、くわしくわたしの
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いて
頂
(
いただ
)
いて、その上にお
願
(
ねが
)
いがあるのでございます。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
さうして一
方
(
ぱう
)
には
全國
(
ぜんこく
)
に
此方針
(
このはうしん
)
を
實行
(
じつかう
)
せしむる
爲
(
ため
)
に、
有
(
あ
)
らゆる
手段
(
しゆだん
)
を
取
(
と
)
つたのであるが、
幸
(
さいはひ
)
にこのことは
國民
(
こくみん
)
に
歡迎
(
くわんげい
)
されて
能
(
よ
)
く
徹底
(
てつてい
)
したのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「この
雨
(
あめ
)
だ。いくら
何
(
な
)
んでも、お
客
(
きゃく
)
の
方
(
ほう
)
は、
気
(
き
)
になるほど
行
(
い
)
きもしまい。それとも
誰
(
だれ
)
ぞ、
約束
(
やくそく
)
でもした
人
(
ひと
)
がお
有
(
あ
)
りかの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
有
(
あ
)
らゆる斜線と曲線の中で、これこそ最大最高の線であろうと、いつも東海道を通行するたびに、汽車の窓から仰ぎ見て、そう思わないことはない。
日本山岳景の特色
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
お
兄
(
あに
)
さんもお
有
(
あ
)
りのやうですが、
何
(
ど
)
うしてあれを
傍観
(
ばうくわん
)
してゐらつしやるのかと、
寧
(
むし
)
ろ
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
つてゐるくらゐです。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
また「
高皇産霊神
(
たかみむすびのかみ
)
は
大物主神
(
おおものぬしのかみ
)
に向ひ、
汝若
(
いましも
)
し国つ神を
以
(
も
)
て妻とせば、
吾
(
われ
)
は
猶
(
なお
)
汝
疎
(
うと
)
き心
有
(
あ
)
りとおもはん」と仰せられた。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この、世の中の荒波に打ち
挫
(
ひし
)
がれ、子供を生み、肉体を疲らせ衰えはてて死んで行くに違いない、
有
(
あ
)
り
来
(
きた
)
りの古臭い女共に彼女の美を誇ってやるのだ。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
……
去
(
い
)
ね、
相談敵手
(
さうだんあひて
)
にした
其方
(
そち
)
ぢゃが、
其方
(
そち
)
と
予
(
わし
)
とは
今
(
いま
)
からは
心
(
こゝろ
)
は
別々
(
べつ/\
)
。……
御坊
(
ごばう
)
の
許
(
ところ
)
へ
往
(
い
)
て
救
(
すく
)
ひを
乞
(
こ
)
はう。
事
(
こと
)
が
皆
(
みな
)
破
(
やぶ
)
れても、
死
(
し
)
ぬる
力
(
ちから
)
は
此身
(
このみ
)
に
有
(
あ
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
或は傑士賢臣、
肯
(
うなず
)
いて
阿附
(
あふ
)
せざる
有
(
あ
)
れば、軽ければ
則
(
すなわ
)
ち之を
間散
(
かんさん
)
に置き、重ければ則ち
褫
(
うば
)
いてもって
氓
(
みん
)
を編す。
続黄梁
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
学問
(
がくもん
)
智識
(
ちしき
)
は
富士
(
ふじ
)
の
山
(
やま
)
ほど
有
(
あ
)
ツても
麺包屋
(
ぱんや
)
が
眼
(
め
)
には
唖銭
(
びた
)
一文
(
いちもん
)
の
価値
(
ねうち
)
もなければ取ツけヱべヱは
中々
(
なか/\
)
以
(
もつ
)
ての
外
(
ほか
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
有
(
あ
)
るは唯、誠の一字、それをもって、主人を説き一族老臣も説き伏せよう。もし成らざれば成らざる上のこと——という
謙虚
(
けんきょ
)
な気持でぶつかったのである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「日のもとに住みわびつゝも
有
(
あ
)
りふれば今日から松を植ゑてこそ見れ」と、ただ物をいうように公は答えた。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
平生は鉄工所でどんがんする
鎚
(
つち
)
の音、紡績会社の器械のうなり、汽笛の響、
有
(
あ
)
らゆる諸工場の雑多な物鳴り等、大都会の騒々しさも、今日は一切に耳に入らない。
大雨の前日
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「我が国家
開闢
(
かいびやく
)
より
以来
(
このかた
)
、君臣の分定まりぬ。臣を以て君と
為
(
す
)
ること
未
(
いま
)
だ
之
(
こ
)
れ
有
(
あ
)
らざるなり。
天
(
あま
)
ツ日嗣は必ず皇緒を立てよ。無道の人は宜しく早く
掃除
(
はらひのぞ
)
くべし。」
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
A
仕樣
(
しやう
)
がないなア。イヤ、
然
(
しか
)
し
有
(
あ
)
りがたう。お
蔭
(
かげ
)
で
色々
(
いろ/\
)
面白
(
おもしろ
)
い
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いた。
俺
(
おれ
)
は
之
(
これ
)
からモ
少
(
すこ
)
し
善
(
よ
)
くハガキ
運動
(
うんどう
)
について
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
なくちや。
左樣
(
さやう
)
なら。いづれ
又
(
また
)
。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
世間
(
せけん
)
で一
口
(
くち
)
に
化物
(
ばけもの
)
といふと、
何
(
なに
)
か
妖怪變化
(
えうくわいへんげ
)
の
魔物
(
まもの
)
などを
意味
(
いみ
)
するやうで
極
(
きは
)
めて
淺薄
(
せんぱく
)
らしく
思
(
おも
)
はれるが、
私
(
わたし
)
の
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
るばけものは、
餘程
(
よほど
)
深
(
ふか
)
い
意味
(
いみ
)
の
有
(
あ
)
るものである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
決闘の負傷に
由
(
よつ
)
て
絶入
(
たへい
)
る迄の
昂張
(
かうちやう
)
した最後の一幕の
長台詞
(
ながぜりふ
)
を
斯
(
か
)
くまで醇化して
森厳
(
しんげん
)
の気に満ち、一秒の
隙
(
すき
)
も
有
(
あ
)
らせず演じる名優は仏国に
二人
(
ふたり
)
と見
出
(
いだ
)
し難いと思つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
幾度繰り返しても只この中の一つ二つの言葉をかえる
許
(
ばか
)
りだけれ共、どんな事が
有
(
あ
)
っても、「七十日」と「十円」を抜かす様な事は決して決して
金輪際
(
こんりんざい
)
無いのである。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
天下の政権武門に
帰
(
き
)
し、
帝室
(
ていしつ
)
は
有
(
あ
)
れども
無
(
な
)
きがごとくなりしこと何百年、この時に当りて
臨時
(
りんじ
)
の
処分
(
しょぶん
)
を
謀
(
はか
)
りたらば、
公武合体
(
こうぶがったい
)
等種々の便利法もありしならんといえども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
幸福や知識や芸術の
有
(
あ
)
らゆる快楽を他人に得させるために生涯の間働いて、自分は一片のパンを得る事が出来るかどうかと言う永遠の心配をしていなければならぬのか。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
食物
(
しよくもつ
)
の
事
(
こと
)
に
就
(
つい
)
て、
少
(
すこ
)
し
感
(
かん
)
じた
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
りますから
貴婦人方
(
あなたがた
)
に
御噺
(
おはな
)
し
致
(
いた
)
しますが、
今
(
いま
)
宮本
(
みやもと
)
さんから、
段々
(
だん/\
)
の
御噺
(
おはな
)
しが
有
(
あ
)
ツて、
兒護婦
(
こもり
)
の
不注意
(
ふちうい
)
より、
子供
(
こども
)
が
種々
(
しゆ/″\
)
の
者
(
もの
)
を
飮
(
の
)
み
込
(
こ
)
み
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
(いま
実験室
(
ぢつけんしつ
)
は
火星
(
くわせい
)
のやうになってゐる。
酸素
(
さんそ
)
・
窒素
(
ちつそ
)
・
水蒸気
(
すいじやうき
)
なんどは
有
(
あ
)
ってもとても少い。)
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
老僕
(
ろうぼく
)
額
(
ひたい
)
を
蹙
(
しか
)
め、
有
(
あ
)
り有り、
大変
(
たいへん
)
が有りたりという。先生手を
挙
(
あ
)
げて、そは
姑
(
しば
)
らく
説
(
と
)
くを
休
(
や
)
めよ、我まずこれを言わん、
浮浪
(
ふろう
)
の
壮士
(
そうし
)
が
御老中
(
ごろうじゅう
)
にても
暗殺
(
あんさつ
)
せしにはあらざる
歟
(
か
)
と。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
この日の朝
喇叭
(
ラツパ
)
が高く鳴ると、
有
(
あ
)
らゆる国の有らゆる時代の人民が皆神の玉座の前に引き出されて、現世で
仕
(
し
)
て来た行ひについて厳しい裁きを受けなければならぬと説いた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今では
有
(
あ
)
らゆる登山路を探究し尽され、これ迄は唯いかめしく怖ろしげな山とのみ見られたのが、急に親しみのある懐しい山と変って、登山者の人気を集中するに至ったのは
越中劒岳
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
神風
(
かむかぜ
)
の
伊勢
(
いせ
)
の
国
(
くに
)
にもあらましを
何
(
なに
)
しか
来
(
き
)
けむ
君
(
きみ
)
も
有
(
あ
)
らなくに 〔巻二・一六三〕 大来皇女
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
と二包の薬を与えけるに大原は
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
しとて帰り去りぬ。お登和嬢も窃に胸を
撫下
(
なでおろ
)
したり。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
あらゆる感情の
綯
(
な
)
い交じったその日その日が、
有
(
あ
)
りの
儘
(
まま
)
に私達の在る限り、胸の中にたたまれてあるとしたら、それを負うて歩まねばならぬ人の運命はいかに悲惨なものだろうか。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
此の春上野の慈善音楽会でピアノを
弾
(
ひ
)
いた佳人が
有
(
あ
)
つたらう、
左様
(
さう
)
サ、質素な風をして、眼鏡を掛けて、雪の如き
面
(
かほ
)
に、花の如を
唇
(
くちびる
)
に、星の如き
眸
(
ひとみ
)
の、——
彼女
(
かれ
)
が
即
(
すなは
)
ち山木梅子嬢サ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼如きに大事な原稿を預けたのが予の過失であった。予は
有
(
あ
)
らゆるものに信を
喪
(
うしな
)
った。予は全くの一人だ。家婦は予に爪を切る鋏を貸すことを断わった。
剃刃
(
かみそり
)
を貸すことを断わった。
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“有”の意味
《名詞》
(あり)存在すること。主に表やリストの中で 無 と対比して用いる。
《動詞》
(あ-り)ある。もつ。
(出典:Wiktionary)
“有”の解説
有(う、sa: bhava)とは、仏教用語で衆生としての生存、存在状態を表すことばである。
(出典:Wikipedia)
有
常用漢字
小3
部首:⽉
6画
“有”を含む語句
所有
難有
有合
有難
有無
有名
有之候
仰有
有様
有之
中有
有情
有所
未曾有
有明
希有
有為
有仰
有司
有平糖
...