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性質
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せいしつ
ふりがな文庫
“
性質
(
せいしつ
)” の例文
もし
右
(
みぎ
)
のような
火
(
ひ
)
の
性質
(
せいしつ
)
を
心得
(
こゝろえ
)
てゐると、
心
(
こゝろ
)
の
落着
(
おちつき
)
も
出來
(
でき
)
るため、
危急
(
ききゆう
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
處置
(
しよち
)
も
出來
(
でき
)
るようにもなるものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
あるところに、
性質
(
せいしつ
)
の
異
(
ちが
)
った
姉妹
(
きょうだい
)
がありました。
同
(
おな
)
じ
母
(
はは
)
の
腹
(
はら
)
から
産
(
う
)
まれたとは、どうしても
考
(
かんが
)
えることができなかったほどであります。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人は
善
(
ぜん
)
を
愛
(
あい
)
し道を求めないでいられない。それが人の
性質
(
せいしつ
)
だ。これをおまえたちは
堅
(
かた
)
くおぼえてあとでも
決
(
けっ
)
して
忘
(
わす
)
れてはいけない。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山
(
やま
)
がたといひ
出
(
だ
)
して、
土地
(
とち
)
の
樣子
(
ようす
)
からその
性質
(
せいしつ
)
を
述
(
の
)
べて、そこに
青々
(
あを/\
)
と
芽
(
め
)
を
出
(
だ
)
した
野菜
(
やさい
)
の
色
(
いろ
)
を、
印象深
(
いんしようぶか
)
くつかんで、
示
(
しめ
)
してゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
『あなた
方
(
がた
)
の
中
(
なか
)
にも、
人間
(
にんげん
)
が
好
(
す
)
きなものと
嫌
(
きら
)
いなもの、
又
(
また
)
性質
(
せいしつ
)
のさびしいものと
陽気
(
ようき
)
なものと、いろいろ
相違
(
そうい
)
があるでしょうね?』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
わたしたちはずいぶん
性質
(
せいしつ
)
がちがっていた。たぶんそれでかえって
性
(
しょう
)
が合うのかもしれなかった。かれは
優
(
やさ
)
しい、明るい
気質
(
きしつ
)
を持っていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
人
(
ひと
)
と
交際
(
かうさい
)
する
事
(
こと
)
は
彼
(
かれ
)
は
至
(
いた
)
つて
好
(
この
)
んでゐたが、
其神經質
(
そのしんけいしつ
)
な、
刺激
(
しげき
)
され
易
(
やす
)
い
性質
(
せいしつ
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
に、
自
(
みづか
)
ら
務
(
つと
)
めて
誰
(
たれ
)
とも
交際
(
かうさい
)
せず、
隨
(
したがつ
)
て
亦
(
また
)
親友
(
しんいう
)
をも
持
(
も
)
たぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しかし
琉球
(
りゆうきゆう
)
のものになりますと、
臺灣
(
たいわん
)
とは
似
(
に
)
ないで、
日本内地
(
につぽんないち
)
の
繩紋式土器
(
じようもんしきどき
)
と
同
(
おな
)
じ
性質
(
せいしつ
)
の
土器
(
どき
)
と
一
(
いつ
)
しょに
出
(
で
)
るのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
彼
(
かれ
)
が
惱
(
なや
)
まされた
僂麻質斯
(
レウマチス
)
は
病氣
(
びやうき
)
の
性質
(
せいしつ
)
として
彼
(
かれ
)
の
頑丈
(
ぐわんぢやう
)
な
身體
(
からだ
)
から
其
(
そ
)
の
生命
(
せいめい
)
を
奪
(
うば
)
ひ
去
(
さ
)
るまでに
力
(
ちから
)
を
逞
(
たくま
)
しくすることはなく
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
境遇
(
きやうぐう
)
やら
性質
(
せいしつ
)
が、
夫程
(
それほど
)
盲目的
(
まうもくてき
)
に
猛烈
(
まうれつ
)
な
働
(
はたらき
)
を
敢
(
あへ
)
てするに
適
(
てき
)
しない
事
(
こと
)
を
深
(
ふか
)
く
悲
(
かな
)
しんだ。
况
(
いは
)
んや
自分
(
じぶん
)
の
此
(
この
)
山
(
やま
)
で
暮
(
く
)
らすべき
日
(
ひ
)
は
既
(
すで
)
に
限
(
かぎ
)
られてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
」は
實
(
じつ
)
にこの
險惡
(
けんあく
)
なる
性質
(
せいしつ
)
、
苦慘
(
くさん
)
の
實况
(
じつけう
)
を、
一個
(
いつこ
)
のヒポコンデリア
漢
(
かん
)
の
上
(
うへ
)
に
直寫
(
ちよくしや
)
したるものなるべし。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
此
(
この
)
魚族
(
ぎよぞく
)
は、
極
(
きわ
)
めて
性質
(
せいしつ
)
の
猛惡
(
まうあく
)
なもので、
一時
(
いちじ
)
に
斯
(
か
)
く
押寄
(
おしよ
)
せて
來
(
き
)
たのは、
疑
(
うたがひ
)
もなく、
吾等
(
われら
)
を
好
(
よ
)
き
餌物
(
えもの
)
と
認
(
みと
)
めたのであらう。
私
(
わたくし
)
も
其
(
その
)
群
(
ぐん
)
を
見
(
み
)
て
忽
(
たちま
)
ち
野心
(
やしん
)
が
起
(
おこ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「むろんだ、ドノバンはただいばりたいのが病で、
性質
(
せいしつ
)
は善良なんだから、ぼくはなんとも思っていないよ」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
だつて、その方も、スキャチャード先生が私が嫌ひなやうに、あなたの
性質
(
せいしつ
)
が嫌ひなのよ。ね、さうでせう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
二では
謠
(
うたい
)
の「
善知鳥
(
うとう
)
」など、三では「
阿漕
(
あこぎ
)
」、「
鵜飼
(
うがひ
)
」など
其
(
その
)
適例
(
てきれい
)
である。
幽靈
(
ゆうれい
)
は
概
(
がい
)
して
全體
(
ぜんたい
)
の
性質
(
せいしつ
)
が
陰氣
(
いんき
)
で、
凄
(
すご
)
いものである。
相貌
(
さうぼう
)
なども
人間
(
にんげん
)
と
大差
(
たいさ
)
はない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
○こゝに
我
(
わが
)
郡中
(
ぐんちゆう
)
の
山村
(
さんそん
)
に(
不祥
(
ふしやう
)
のことなれば地名人名をはぶく)まづしき
農夫
(
のうふ
)
ありけり、老母と妻と十三の女子七ツの男子あり。此農夫
性質
(
せいしつ
)
篤実
(
とくじつ
)
にしてよく母につかふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そんなふうに、彼はすっかり
甘
(
あま
)
やかされてだめになるところだった。しかし
幸
(
さいわい
)
なことに、彼は
生
(
う
)
まれつき
賢
(
かしこ
)
い
性質
(
せいしつ
)
だったので、ある一人の男のよい
影響
(
えいきょう
)
をうけて
救
(
すく
)
われた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
犠牲
(
ぎせい
)
だとか
精神的
(
せいしんてき
)
教育
(
けういく
)
だとか
能弁的
(
のうべんてき
)
に
社界
(
しやかい
)
に
訴
(
うつた
)
へながら自らは
米国的
(
べいこくてき
)
安楽主義
(
あんらくしゆぎ
)
を
採
(
と
)
るものなり、即ち義を見て為し得ざる
卑怯者
(
ひけうしや
)
なり、即ち
脳髄
(
のうずい
)
と
心臓
(
しんざう
)
と
性質
(
せいしつ
)
を
異
(
こと
)
にするものなり
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
あれは
全
(
まった
)
くのところ、きりょう
好
(
よ
)
しではございませぬ。しかし
誠
(
まこと
)
に
善
(
よ
)
い
性質
(
せいしつ
)
をもっておりますし、
泳
(
およ
)
ぎをさせますと、
他
(
ほか
)
の
子達
(
こたち
)
くらい、——いやそれよりずっと
上手
(
じょうず
)
に
致
(
いた
)
します。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
八つ
口
(
くち
)
をふさぎて
大人
(
おとな
)
の
姿
(
すがた
)
にこしらへられしより二十二の
今日
(
けふ
)
までに、
下宿屋住居
(
げしゆくやずまゐ
)
を
半分
(
はんぶん
)
と
見
(
み
)
つもりても
出入
(
でい
)
り三
年
(
ねん
)
はたしかに
世話
(
せわ
)
をうけ、
伯父
(
おぢ
)
の
勝義
(
かつよし
)
が
性質
(
せいしつ
)
の
氣
(
き
)
むづかしい
處
(
ところ
)
から
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
其
(
そ
)
の
國
(
くに
)
の
貨幣價値
(
くわへいかち
)
の
下落
(
げらく
)
から
來
(
く
)
る
保護
(
ほご
)
は
永續
(
えいぞく
)
すべき
性質
(
せいしつ
)
のものにあらず
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
此想像
(
このそうぞう
)
にして誤り
無
(
な
)
からんか、コロボツクルは我々日本人は
勿論
(
もちろん
)
アイヌも
恐
(
おそ
)
れ
嫌
(
きら
)
ふ可き食人の
習慣
(
しふくわん
)
を有せし人民にして、其
性質
(
せいしつ
)
日本人及ひアイヌとは大に異りたるものと云ふ可きなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
雷鳥
(
らいちよう
)
ははひまつの
芽
(
め
)
や
高山植物
(
こうざんしよくぶつ
)
の
若芽
(
わかめ
)
や
實
(
み
)
を
食物
(
しよくもつ
)
としてゐます。
性質
(
せいしつ
)
は
遲鈍
(
ちどん
)
ですから、
人
(
ひと
)
が
近寄
(
ちかよ
)
つても
容易
(
ようい
)
に
逃
(
に
)
げません。
杖
(
つゑ
)
で
叩
(
たゝ
)
けば
落
(
おと
)
せそうな
低
(
ひく
)
い
空
(
そら
)
を、うろ/\
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
『お
前
(
まへ
)
は、
何故
(
なぜ
)
私
(
わたし
)
がお
前
(
まへ
)
を
抱
(
だ
)
かないかと、
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
つてるに
違
(
ちが
)
ひない』
良久
(
やゝあつ
)
て
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は、『
其
(
そ
)
の
理由
(
わけ
)
は、
私
(
わたし
)
がお
前
(
まへ
)
の
紅鶴
(
べにづる
)
の
性質
(
せいしつ
)
を
危
(
あや
)
ぶんでるからなの。
一
(
ひと
)
つ
試
(
ため
)
して
見
(
み
)
やうかしら?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
聞時は
頻
(
しき
)
りに
憎
(
にく
)
く思はれ
他人
(
ひと
)
の事にても
何分
(
なにぶん
)
捨
(
すて
)
置れぬ
性質
(
せいしつ
)
なり是犬は
陽
(
やう
)
にして正直なる
獸
(
けもの
)
ゆゑ
猫
(
ねこ
)
狸
(
たぬき
)
其外
(
そのほか
)
魔性
(
ましやう
)
の
陰獸
(
いんじう
)
を見る時は
忽地
(
たちまち
)
噛殺
(
かみころ
)
すが如し
己
(
おのれ
)
が
性
(
せい
)
に
反
(
はん
)
して
陰惡
(
いんあく
)
を
巧
(
たく
)
むものは
陽正
(
やうせい
)
の者是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
内乱の
性質
(
せいしつ
)
如何
(
いかん
)
は以て干渉の
有無
(
うむ
)
を
判断
(
はんだん
)
するの
標準
(
ひょうじゅん
)
とするに
足
(
た
)
らざるなり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
彼
(
かれ
)
は、いたっておとなしい
性質
(
せいしつ
)
で、
自分
(
じぶん
)
のほうからほかのものに
手出
(
てだ
)
しをしてけんかをしたり、
悪口
(
わるくち
)
をいったりしたことがありません。
どこで笛吹く
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
貧乏
(
びんぼう
)
ながら、こせつかずに
暮
(
くら
)
してゐたことは
乏
(
とぼ
)
しきまゝの
歌
(
うた
)
を
見
(
み
)
て、いかにも
人
(
ひと
)
なつかしい、
善良
(
ぜんりよう
)
なこの
歌人
(
かじん
)
の
性質
(
せいしつ
)
が
思
(
おも
)
はれます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
むしろそのあまりに
強情
(
かたくな
)
な
性質
(
せいしつ
)
……一たん
斯
(
こ
)
うと
思
(
おも
)
えば
飽
(
あく
)
までそれを
押
(
お
)
し
通
(
とう
)
そうとする、
我侭
(
わがまま
)
な
気性
(
きしょう
)
の
為
(
た
)
めであったように
思
(
おも
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
これはその
山體
(
さんたい
)
を
作
(
つく
)
つてゐる
岩石
(
がんせき
)
(
玄武岩
(
げんぶがん
)
)の
性質
(
せいしつ
)
に
因
(
よ
)
るものであつて、その
鎔
(
と
)
けてゐる
際
(
さい
)
は
比較的
(
ひかくてき
)
に
流動
(
りゆうどう
)
し
易
(
やす
)
いからである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
人
(
ひと
)
と
交際
(
こうさい
)
することは
彼
(
かれ
)
は
至
(
いた
)
って
好
(
この
)
んでいたが、その
神経質
(
しんけいしつ
)
な、
刺激
(
しげき
)
され
易
(
やす
)
い
性質
(
せいしつ
)
なるが
故
(
ゆえ
)
に、
自
(
みずか
)
ら
務
(
つと
)
めて
誰
(
たれ
)
とも
交際
(
こうさい
)
せず、
随
(
したがっ
)
てまた
親友
(
しんゆう
)
をも
持
(
も
)
たぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ただそこから風や
草穂
(
くさぼ
)
のいい
性質
(
せいしつ
)
があなたがたのこころにうつって見えるならどんなにうれしいかしれません。
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
兩者
(
りやうしや
)
の
間
(
あひだ
)
には
何等
(
なんら
)
其
(
そ
)
の
性質
(
せいしつ
)
を
變化
(
へんくわ
)
せしむべき
作用
(
さよう
)
の
起
(
おこ
)
るでもなく、
其
(
そ
)
れは
水
(
みづ
)
が
油
(
あぶら
)
を
疎外
(
そぐわい
)
するのか、
油
(
あぶら
)
が
水
(
みづ
)
を
反撥
(
はんぱつ
)
するのか
遂
(
つひ
)
に
溶
(
と
)
け
合
(
あ
)
ふ
機會
(
きくわい
)
が
無
(
な
)
いのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
佛人
(
フツジン
)
の
如
(
ごと
)
くに
輕佻
(
けいてふ
)
動
(
うご
)
き
易
(
やす
)
きにあらず、
默念焦慮
(
もくねんせうりよ
)
して
毒刄
(
どくじん
)
を
懷裡
(
かいり
)
に
蓄
(
たくは
)
ふるは、
實
(
じつ
)
に
露人
(
ロジン
)
の
險惡
(
けんあく
)
なる
性質
(
せいしつ
)
なり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
たびたびわたしはかの女の目になみだが流れているのを見た。それがかの女の心の苦しみを語っていた。でも
優
(
やさ
)
しい
快活
(
かいかつ
)
な
性質
(
せいしつ
)
からその苦しみはすぐに消えた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
其頃
(
そのころ
)
大佐
(
たいさ
)
は
年輩
(
としごろ
)
三十二三、
威風
(
ゐふう
)
凛々
(
りん/\
)
たる
快男子
(
くわいだんし
)
で、
其
(
その
)
眼光
(
がんくわう
)
の
烱々
(
けい/\
)
たると、
其
(
その
)
音聲
(
おんせい
)
の
朗々
(
ろう/\
)
たるとは、
如何
(
いか
)
にも
有爲
(
いうゐ
)
の
氣象
(
きしやう
)
と
果斷
(
くわだん
)
の
性質
(
せいしつ
)
に
富
(
と
)
んで
居
(
を
)
るかを
想
(
おも
)
はしめた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
○こゝに
我
(
わが
)
郡中
(
ぐんちゆう
)
の
山村
(
さんそん
)
に(
不祥
(
ふしやう
)
のことなれば地名人名をはぶく)まづしき
農夫
(
のうふ
)
ありけり、老母と妻と十三の女子七ツの男子あり。此農夫
性質
(
せいしつ
)
篤実
(
とくじつ
)
にしてよく母につかふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
去
(
さ
)
りながらこの
問題
(
もんだい
)
は
實
(
じつ
)
は
哲學
(
てつがく
)
の
領分
(
れうぶん
)
に
屬
(
ぞく
)
するもので、
容易
(
ようゐ
)
に
解決
(
かいけつ
)
されぬ
性質
(
せいしつ
)
のものである。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
そこで代助は、あの
大人
(
おとな
)
しさは、
羞恥
(
はにか
)
む
性質
(
せいしつ
)
の
大人
(
おとなし
)
さだから、ミスの教育とは独立に、日本の男女の社交的関係から来たものだらうと説明した。
父
(
ちゝ
)
はそれも
左
(
さ
)
うだと云つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ことに
直立
(
ちよくりつ
)
して
歩行
(
ほこう
)
したものであることが、
足
(
あし
)
の
骨
(
ほね
)
の
性質
(
せいしつ
)
によつて
十分
(
じゆうぶん
)
に
想像
(
そう/″\
)
せられます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
樹木
(
じゆもく
)
のこの
性質
(
せいしつ
)
を
知
(
し
)
つておくことは
大切
(
たいせつ
)
なことで、
庭木
(
にはき
)
を
植
(
う
)
ゑかへるときにも、
山
(
やま
)
に
木
(
き
)
を
植
(
う
)
ゑつける
時
(
とき
)
でも、それ/″\の
木
(
き
)
が
陰樹
(
いんじゆ
)
か
陽樹
(
ようじゆ
)
かによつて、それ/″\
適當
(
てきとう
)
な
土地
(
とち
)
に
植
(
う
)
ゑることが
必要
(
ひつよう
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
無住
(
むぢう
)
にも
爲
(
し
)
て置れず我思ふには年こそ
行
(
ゆか
)
ねど寶澤は七歳の時より感應院が
手元
(
てもと
)
にて
修行
(
しゆぎやう
)
せし者なり
殊
(
こと
)
には外の子供と
違
(
ちが
)
ひ
發明
(
はつめい
)
なる
性質
(
せいしつ
)
にて
法印
(
ほふいん
)
の
眞似事
(
まねごと
)
は
最早
(
もはや
)
差支
(
さしつかへ
)
なし我等始め村中が
世話
(
せわ
)
してやらば
相續
(
さうぞく
)
として
差支
(
さしつか
)
へなし
然
(
さ
)
すれば
先住
(
せんぢう
)
感應院に於ても
嘸
(
さぞ
)
かし
草葉
(
くさば
)
の
蔭
(
かげ
)
より喜び申すべし此儀如何と
述
(
のべ
)
ければ
名主
(
なぬし
)
どのゝ云るゝ事なり寶澤は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
源
(
げん
)
さんは
会社
(
かいしゃ
)
につとめて、ごくほがらかな
性質
(
せいしつ
)
でありましたが、
李
(
り
)
さんはそれにくらべて
口数
(
くちかず
)
の
少
(
すく
)
ない、うちきなところがありました。
クラリネットを吹く男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
古今集
(
こきんしゆう
)
の
後
(
のち
)
、たくさん
勅撰集
(
ちよくせんしゆう
)
やらいろんな
歌人
(
かじん
)
のめい/\の
家集
(
かしゆう
)
といふものが
出
(
で
)
てゐるが、
歌
(
うた
)
のほんとうの
性質
(
せいしつ
)
といふものは、だいたい
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
松
(
まつ
)
や
梅
(
うめ
)
の
精
(
せい
)
に
比
(
くら
)
べると
竹
(
たけ
)
の
精
(
せい
)
はずっと
痩
(
やせ
)
ぎすで、
何
(
なに
)
やら
少
(
すこ
)
し
貧相
(
ひんそう
)
らしく
見
(
み
)
えましたが、しかし
性質
(
せいしつ
)
はこれが一
番
(
ばん
)
穏和
(
おとな
)
しいようでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ハワイの
火山
(
かざん
)
のように
海底
(
かいてい
)
から
盛
(
も
)
り
上
(
あが
)
つて
出來
(
でき
)
たものは、
鎔融状態
(
ようゆうじようたい
)
に
於
(
おい
)
て
比較的
(
ひかくてき
)
に
流動
(
りゆうどう
)
し
易
(
やす
)
い
性質
(
せいしつ
)
を
持
(
も
)
つてゐることは、
前
(
まへ
)
にも
述
(
の
)
べた
所
(
ところ
)
であるが
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
初
(
はじ
)
めはかれもむくれたままでいたが、まもなく、気が
変
(
か
)
わりやすい
性質
(
せいしつ
)
だけに、なにかほかのことに考えが
移
(
うつ
)
って、手まねで、よし、外へ
散歩
(
さんぽ
)
に
連
(
つ
)
れて行くなら
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
其
(
その
)
性質
(
せいしつ
)
からいつても、かゝる
擧動
(
きよどう
)
に
出
(
い
)
でたのは
大
(
おほい
)
に
期
(
き
)
する
所
(
ところ
)
があつたに
相違
(
さうゐ
)
ない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
波
(
なみ
)
ができたら
必
(
かなら
)
ずそれがなおろうとする。それは波のあがったとこが下ろうとするからだ。このように水のつめたいこと、しめすこと下に行こうとすることは水の
性質
(
せいしつ
)
なのだ。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其癖
(
そのくせ
)
彼
(
かれ
)
の
性質
(
せいしつ
)
として、
兄夫婦
(
あにふうふ
)
の
如
(
ごと
)
く、
荏苒
(
じんぜん
)
の
境
(
さかひ
)
に
落付
(
おちつ
)
いてはゐられなかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“性質”の意味
《名詞》
性 質(せいしつ)
ある対象を特徴づける形態や機能、傾向。
(出典:Wiktionary)
性
常用漢字
小5
部首:⼼
8画
質
常用漢字
小5
部首:⾙
15画
“性質”で始まる語句
性質上