青年せいねん)” の例文
しかしながらわかしゆしようする青年せいねんの一勘次かんじいへ不斷ふだん注目ちうもくおこたらない。れはおつぎの姿すがたわすることが出來できないからである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
青年せいねんは、またちみがあるのでうれしそうなかおつきをして、いっしょうけんめいにかがやかしながら、相手あいておうさまをっていました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
二号にがう活字くわつじ広告くわうこく披露ひろうさるゝほかなんよくもなき気楽きらくまい、あツたら老先おひさきなが青年せいねん男女なんによ堕落だらくせしむる事はつゆおもはずして筆費ふでづひ紙費かみづひ
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
かたむけて見返みかへるともなく見返みかへ途端とたんうつるは何物なにもの蓬頭亂面ほうとうらんめん青年せいねん車夫しやふなりおたか夜風よかぜにしみてかぶる/\とふるへて立止たちどまりつゝ此雪このゆきにては
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
青年せいねんは、とうとうあきらめて、たちさっていきましたが、これこそ、諭吉ゆきちのねこみをおそってころそうとたくらんでいた宋太郎そうたろうだったのです。
宗助そうすけこゝろのうちに、この青年せいねんがどういふ機縁きえんもとに、おもつてあたまつたものだらうかとかんがへて、その樣子やうすのしとやかなところを、なんとなくあはれにおもつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
飛騨国ひだのくに作人さくにん菊松きくまつは、其処そこあふたふれていまわるゆめうなされてるやうな——青年せいねん日向ひなたかほひたひ膏汗あぶらあせなやましげなさまを、どくげにみまもつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
忽ち其墓の前に名刺めいしを置いて落涙らくるいする一青年せいねん士官しかん姿すがたが現われる。それは寄生木やどりぎ原著者げんちょしゃである。あゝ其青年士官——彼自身最早もう故山の墓になって居るのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
青年せいねんはお医者さまになりました。そして、名づけ親が枕もとに立っているのが見えると、もう手おくれです、御病人はもうたすかりませんと言って、たち去ります。
その当時とうじ、まだ二十だい青年せいねんで、あの石狩平野いしかりへいやを走る列車れっしゃ車掌しゃしょうとして乗りこんでいたおじからきいた話なのです。以下いか、わたしとか自分とかいうのは、おじのことです。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
かれ処女作しよぢよさく市場しぢやうたとき、まだとしすくないこの天才てんさい出現しゆつげんおどろかされて、あつまつておほくの青年せいねんも、そろ/\かれ実質じつしつうたがはれてたやうに、二人ふたりり三にんはなれして
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ドクトル、アンドレイ、エヒミチ、ラアギンは風變ふうがはりな人間にんげんで、青年せいねんころにははなはだ敬虔けいけんで、宗教上しゆうけうじやうてやうと、千八百六十三ねん中學ちゆうがく卒業そつげふするとぐ、神學大學しんがくだいがくらうとけつした。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「ああ、よしむらくんか。よしむらくんは、おもしろい、いい青年せいねんだよ。」
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
青年せいねん一人旅ひとりたびをしてゐるといふことを、あたまつてください。わゝくといふのは、きれや着物きもののぼや/\になつてることで、長旅ながたびをしたゝめに、れてたりしたところがある樣子ようすです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ある日、清造が石を投げた沼のふちにりっぱな青年せいねんが立って、じっと水のおもてをながめていました。青年はやがて石を一つとって投げました。やがて大きなあわがぽかりとひとつかびました。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
洋学の東漸とうぜんここにさだまりて青年せいねんはなべてきほひき
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
青年せいねんは、あかはたが、黄昏たそがれうみに、えるのを見送みおくっていました。まったくえなくなってから、かれはがけからおりたのであります。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
諭吉ゆきちのまたいとこに、増田宋太郎ますだそうたろうという青年せいねんがありました。十三、四さいばかりとししたで、いえもちかく、あさばん、にこにこしてやってくるので、諭吉ゆきち
懇意こんいわか青年せいねん心易立こゝろやすだてはな遠慮ゑんりよのない題目だいもくは、是迄これまで二人ふたりあひだ何度なんどとなく交換かうくわんされたにもかゝはらず、安井やすゐはこゝへて、息詰いきづまつたごとくにえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たとへばつちはづる〻とも青年せいねん男女なんによにして小説せうせつまぬ者なしといふ鑑定かんていおそらくはづれツこななるべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
おつぎは勘次かんじあといてはたけ往來わうらいする途上とじやうこん仕事衣しごとぎかためたむら青年せいねんときには有繋さすがこゝろかされた。かたにしたくはへおつぎは兩手りやうてけてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「あゝつておいたから、一くといゝ。なんならS青年せいねんでもつれてね、S、Hきみ興味けうみをもつてゐるかもれないから、はなしてくれるだらう。」わたしすこ誇張こてうしてつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
故郷こきやう歸省中きせいちう青年せいねんやまふもとかはつて、下流かりうはうくるまはしらしてかへつてた。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ドクトル、アンドレイ、エヒミチ、ラアギンは風変ふうがわりな人間にんげんで、青年せいねんころにははなはだ敬虔けいけんで、宗教上しゅうきょうじょうてようと、千八百六十三ねん中学ちゅうがく卒業そつぎょうするとぐ、神学大学しんがくだいがくろうとけっした。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ますにわたかぜさだかにきこえぬさて追手おつてにもあらざりけりおたか支度したく調とゝのひしか取亂とりみださんはのちまでのはぢなるべし心靜こゝろしづかにといましめることばふるひぬいたましゝ可惜あたら青年せいねんはなといはゞつぼみえだいまおこらん夜半よは狂風きやうふう
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その軍隊ぐんたいはきわめて静粛せいしゅくこえひとつたてません。やがて老人ろうじんまえとおるときに、青年せいねん黙礼もくれいをして、ばらのはなをかいだのでありました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
さいわい、江戸えどから長崎ながさき勉強べんきょうにきている書生しょせいなかまに、岡部おかべという青年せいねんがいました。しっかりした人物じんぶつですし、そのおとうさんは、江戸えど医者いしゃをしていました。
うしておつぎもいつかくちのばつたのである。それでも到底たうてい青年せいねんがおつぎとあひせつするのは勘次かんじ監督かんとくもと白晝はくちう往來わうらいで一べつしてちがその瞬間しゆんかんかぎられてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
えうするにかれぐらゐ年輩ねんぱい青年せいねんが、一人前いちにんまへ人間にんげんになる楷梯かいていとして、をさむべきことつとむべきことには、内部ないぶ動搖どうえうやら、外部ぐわいぶ束縛そくばくやらで、一切いつさいかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ある青年せいねんは、毎日まいにちのように、そらたかく、金色きんいろとりんでゆくのをながめました。かれは、それを普通ふつうとりとはおもいませんでした。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あなたは、なんでこのやまのぼりなさるのか……。」と、かえしましたから、青年せいねんは、金色きんいろとりをたずねてきたものだとこたえました。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
なんでも、金色きんいろとりは、晩方ばんがたになるとあちらのやまほうかえってゆきましたから、青年せいねんは、そのやまほうへとゆき、たかやまのぼってまいりました。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、青年せいねんわかおんなたちは、うららかなあきひかりびながら、はたっている美術館びじゅつかんほうへと、あとからあとから、つづいたのでした。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しろいシャツに、しろ帽子ぼうしをかぶって、あおくるまいた青年せいねんが、あちらからはしってきました。たるみちには、ほかに人影ひとかげもなかったのです。
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このはなを、わたしに、くださいませんか。」と、青年せいねんは、さちねがいました。けれど、そのはなはさち大事だいじな、大事だいじはなでありましたから
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そういって、じっと老兵士ろうへいしかお見上みあげた、あの青年せいねんんだには、これをにつけて自分じぶんんでいくという純情じゅんじょうがあらわれていました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
松蔵まつぞうは、青年せいねんとなったのです。けれど、かれは、どうかして一うみわたって、あちらにあるくににいってみたいという希望きぼうてませんでした。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
青年せいねんは、だれからぬが、うみのかなたから自分じぶんむかえにくるものがあるようながしました。そして、それが、もうながあいだ信仰しんこうでありました。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なぜなら、あきから、ふゆにかけて、すさまじいかぜきつのって、おきくるったからでした。彼女かのじょは、いつしか、青年せいねんこいするようになりました。
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
青年せいねんは、二人ふたり子供こどもが、子犬こいぬのために牛乳ぎゅうにゅうさがしている、やさしいこころをいじらしくおもわずにはいられませんでした。
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかも、孤児こじであった、彼女かのじょは、けっして、幸福こうふくとはいえませんでした。それをおもうと、青年せいねんうつくしいひとてもこころをひかれることがなかったのです。
愛は不思議なもの (新字新仮名) / 小川未明(著)
青年せいねんは、ゆめなかふねおもいだしました。とうとう、まぼろし現実げんじつとなったのです。そして幸福こうふくが、刻々こくこくに、自分じぶんかってちかづいてくるのでありました。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かなたから、おおぜいのひとのくるけはいがしました。ると、一れつ軍隊ぐんたいでありました。そしてうまってそれを指揮しきするのは、かの青年せいねんでありました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとりは、その青年せいねんわかれるときにくれて、いままでなが月日つきひあいだを、このとり自分じぶんは、いっしょに生活せいかつをしてきたことなどを、物語ものがたったのであります。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おなとしごろの青年せいねんあそあるいているのに、それをうらやむいろもなく、また自分じぶんのようすをずかしいなどとかんがえず、仕事しごとたいして真剣しんけんなのにうたれました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「その指輪ゆびわは、だれからもらったのか。」と、その青年せいねんは、うたのであります。いつか、約束やくそくにもらった指輪ゆびわは、いまはかえって、邪魔じゃまとなったのでした。
海のまぼろし (新字新仮名) / 小川未明(著)
「一にちだって、おかあさんのことをおもさないとてなかった。」といって、青年せいねんなみだとしました。
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みちいそ人々ひとびとなかには、まって、じっとみみをすます青年せいねんがありました。また、おんなひとがありました。そのひとたちは、しまいまでそのうたきとれていました。
青い草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一人ひとり青年せいねんは、かみのちぢれた、やせ姿すがた芸術家げいじゅつからしく、もう一人ひとりは、うつくしいおじょうさんでありました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとうに、おにいさんでしょうか?」と、少女しょうじょは、うつくしいで、じっと青年せいねんつめていました。
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)