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ふりがな文庫
“
繰返
(
くりかへ
)” の例文
時
(
とき
)
に
繰返
(
くりかへ
)
すやうだけれども、
十圓
(
じふゑん
)
に
對
(
たい
)
し
剩錢
(
つりせん
)
一錢
(
いつせん
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
に、
九圓九十九錢
(
きうゑんきうじふきうせん
)
は
分
(
わか
)
つたが、また
何
(
なん
)
だつて、
員數
(
ゐんすう
)
を
細
(
こまか
)
く
刻
(
きざ
)
んだのであらう。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
取出し源兵衞といふ餠屋や有と
繰返
(
くりかへ
)
し改めしに
茗荷屋
(
みやうがや
)
源兵衞と云があり是は近頃
遠國
(
ゑんごく
)
より歸し人と
聞
(
きゝ
)
及ぶ
定
(
さだ
)
めて
此
(
これ
)
成
(
なら
)
んと寶澤にも是由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『モ
一度
(
いちど
)
合唱
(
がつせう
)
を!』とグリフォンが
叫
(
さけ
)
びました、
海龜
(
うみがめ
)
がそれを
繰返
(
くりかへ
)
さうとした
時
(
とき
)
に
丁度
(
ちやうど
)
、『
審問
(
しんもん
)
始
(
はじ
)
め!』の
叫
(
さけ
)
び
聲
(
ごゑ
)
が
遠方
(
えんぱう
)
に
聞
(
きこ
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
尤
(
もつと
)
も
道路
(
どうろ
)
或
(
あるひ
)
は
堤防
(
ていぼう
)
が
搖
(
ゆ
)
り
下
(
さが
)
りに
因
(
よ
)
つて
地割
(
ぢわ
)
れを
起
(
おこ
)
すこともあるが、それは
單
(
たん
)
に
開
(
ひら
)
いたまゝであつて、
開閉
(
かいへい
)
を
繰返
(
くりかへ
)
すものではない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
『
静
(
しづ
)
が
可
(
い
)
い、
静
(
しづ
)
が
可
(
い
)
い』と彼は心に
繰返
(
くりかへ
)
しながら室内をのそ/\歩いて居たが、突然ソハの上に倒れて両手を顔にあてゝ
溢
(
あふ
)
るゝ涙を
押
(
おさ
)
へた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
堪忍
(
かんにん
)
して
堪忍
(
かんにん
)
してと
繰返
(
くりかへ
)
し/\、さながら
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
の
何
(
なに
)
やらに
向
(
むか
)
つて
詫
(
わび
)
るやうに
言
(
い
)
ふかと
思
(
おも
)
へば、
今
(
いま
)
行
(
ゆき
)
まする、
今
(
いま
)
行
(
ゆき
)
まする
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
軍艦
(
ぐんかん
)
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
!
軍艦
(
ぐんかん
)
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
! と
私
(
わたくし
)
は
何故
(
なぜ
)
ともなく二
度
(
ど
)
三
度
(
ど
)
口
(
くち
)
の
中
(
うち
)
で
繰返
(
くりかへ
)
す
内
(
うち
)
に、
端艇
(
たんてい
)
はだん/\と
本艦
(
ほんかん
)
に
近
(
ちか
)
くなる。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
百度千度
(
ももたびちたび
)
繰返
(
くりかへ
)
し候ても、是非に御耳に入れまゐらせ
度存候
(
たくぞんじさふら
)
へども、今此の切なく思乱れ
居
(
をり
)
候折
(
さふらふをり
)
から、又
仮初
(
かりそめ
)
にも此上に
味気無
(
あぢきな
)
き昔を偲び候事は
堪難
(
たへがた
)
く候故
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
而も
争論
(
そうろん
)
は何時も要領を
得
(
え
)
ずに
終
(
をは
)
つて、何時までも
底止
(
とめど
)
なく同じことを
繰返
(
くりかへ
)
されてゐるのであツた。そしてグヅグヅの間に一
年
(
ねん
)
二年と
經過
(
けいくわ
)
して
今日
(
こんにち
)
となツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
お
糸
(
いと
)
は
已
(
すで
)
に
長吉
(
ちやうきち
)
のよく知つてゐる事情をば再びくど/\しく
繰返
(
くりかへ
)
した。お
糸
(
いと
)
が芸者になると
云
(
い
)
ふ事は二三年いやもつと前から
長吉
(
ちやうきち
)
にも
能
(
よ
)
く
分
(
わか
)
つてゐた事である。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
カピ長
先度
(
せんど
)
申
(
まう
)
した
通
(
とほ
)
りを
繰返
(
くりかへ
)
すまでゞござる。
何分
(
なにぶん
)
にも
世間
(
せけん
)
知らず、まだ十
四度
(
よど
)
とは
年
(
とし
)
の
變移目
(
かはりめ
)
をば
見
(
み
)
ぬ
女
(
むすめ
)
、せめてもう
二夏
(
ふたなつ
)
の
榮枯
(
わかばおちば
)
を
見
(
み
)
せいでは、
適齡
(
としごろ
)
とも
思
(
おも
)
ひかねます。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
今日
(
けふ
)
は三十
人
(
にん
)
の
患者
(
くわんじや
)
を
受
(
う
)
ければ、
明日
(
あす
)
は三十五
人
(
にん
)
來
(
く
)
る、
明後日
(
あさつて
)
は四十
人
(
にん
)
に
成
(
な
)
つて
行
(
ゆ
)
く、
恁
(
か
)
く
毎日
(
まいにち
)
、
毎月
(
まいげつ
)
同事
(
おなじこと
)
を
繰返
(
くりかへ
)
し、
打續
(
うちつゞ
)
けては
行
(
ゆ
)
くものゝ、
市中
(
まち
)
の
死亡者
(
しばうしや
)
の
數
(
すう
)
は
决
(
けつ
)
して
減
(
げん
)
じぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それでゐて一度バラバラとやつて見なくては氣が
濟
(
す
)
まないのだ。それ以上は堪らなくなつて其處へ置いてしまふ。以前の位置へ
戻
(
もど
)
すことさへ出來ない。私は幾度もそれを
繰返
(
くりかへ
)
した。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
代理大使
(
だいりたいし
)
がつい
私
(
わたし
)
の
横
(
よこ
)
の
方
(
ほう
)
にゐたが、
彼
(
かれ
)
はまだ
残
(
のこ
)
りをしさうに「キヤニユスピークイングリシユ?」を
繰返
(
くりかえ
)
してゐた。
私
(
わたし
)
はまた
笑
(
わら
)
ひながら、
前
(
まえ
)
と
同
(
おな
)
じことを
繰返
(
くりかへ
)
すより
外
(
ほか
)
なかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「へエ、何べんでも
繰返
(
くりかへ
)
しますが、大したお役に立ちやうもありませんよ、親分」
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、のつぺらぽうを二遍
繰返
(
くりかへ
)
してゐる。三四郎は黙然として考へ込んでゐた。すると、
後
(
うしろ
)
から
一寸
(
ちよいと
)
肩を叩いたものがある。例の与次郎であつた。与次郎を図書館で見掛けるのは
珍
(
めづ
)
らしい。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
墓原
(
はかはら
)
へ
出
(
で
)
たのは十二
時過
(
じすぎ
)
、それから、あゝして、あゝして、と
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
た
間
(
あひだ
)
のことを
心
(
こゝろ
)
に
繰返
(
くりかへ
)
して、
大分
(
だいぶん
)
の
時間
(
じかん
)
が
經
(
た
)
つたから。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
但
(
たゞ
)
し
櫻島
(
さくらじま
)
はかういふ
大噴火
(
だいふんか
)
を
百年
(
ひやくねん
)
或
(
あるひ
)
は
二三百年
(
にさんびやくねん
)
の
間隔
(
かんかく
)
を
以
(
もつ
)
て
繰返
(
くりかへ
)
すので、
隨
(
したが
)
つて
鎔岩
(
ようがん
)
の
流出量
(
りゆうしゆつりよう
)
も
多
(
おほ
)
く、
前回
(
ぜんかい
)
の
場合
(
ばあひ
)
は
一
(
いち
)
・
六
(
ろく
)
立方粁
(
りつぽうきろめーとる
)
と
計算
(
けいさん
)
せられてゐるが
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
すると
今度
(
こんど
)
は
蛙
(
かはづ
)
の
歩兵
(
ほへい
)
が、
同
(
おな
)
じ
嚴
(
おごそ
)
かな
口調
(
くてう
)
で
繰返
(
くりかへ
)
しました、
只
(
たゞ
)
僅
(
わづ
)
か
言葉
(
ことば
)
の
順
(
じゆん
)
を
變
(
か
)
へて、『
女王樣
(
ぢよわうさま
)
より。
球投
(
まりな
)
げのお
催
(
もよほ
)
しあるにつき
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
への
御招待状
(
ごせうたいじやう
)
』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
今更
(
いまさら
)
云
(
い
)
ふも
愚痴
(
ぐち
)
なれど………ほんに思へば………岸より
覗
(
のぞ
)
く
青柳
(
あをやぎ
)
の………と
思出
(
おもひだ
)
す
節
(
ふし
)
の、ところ/″\を
長吉
(
ちやうきち
)
は
家
(
うち
)
の
格子戸
(
かうしど
)
を
開
(
あ
)
ける時まで
繰返
(
くりかへ
)
し
繰返
(
くりかへ
)
し歩いた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
だから
吾等
(
われら
)
が
海岸
(
かいがん
)
の
家
(
いへ
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
する
時
(
とき
)
も、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
繰返
(
くりかへ
)
して『
砂
(
すな
)
すべりの
谷
(
たに
)
を
注意
(
ちうゐ
)
せよ。』と
言
(
い
)
はれたが、
吾等
(
われら
)
は
遂
(
つひ
)
に
※
(
あやま
)
つて、
此
(
この
)
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
死
(
し
)
の
谷
(
たに
)
へ
陷込
(
おちこ
)
んだのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
繰返
(
くりかへ
)
し/\何の
憚
(
はゞか
)
る色も無く申立ければ居並びたる人々
甚
(
はなは
)
だ氣の
毒
(
どく
)
に思ひ
這
(
こ
)
は物に
狂
(
くる
)
ひしか吉兵衞御奉行樣の御前にて主人の養子千太郎を
締殺
(
しめころ
)
したりと自訴に及びし久八を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
アンドレイ、エヒミチは
依然
(
やはり
)
相手
(
あひて
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ずに、
知識
(
ちしき
)
ある
者
(
もの
)
の
話計
(
はなしばか
)
りを
續
(
つゞ
)
ける、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
注意
(
ちゆうい
)
して
聽
(
き
)
いてゐながら『
其
(
そ
)
れは
眞實
(
まつたく
)
です。』と、
其
(
そ
)
れ
計
(
ばか
)
りを
繰返
(
くりかへ
)
してゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
差配
(
さはい
)
どのが
見
(
み
)
えられてと
母
(
はゝ
)
は
詞
(
ことば
)
を
繰返
(
くりかへ
)
して
何
(
なに
)
か
譯
(
わけ
)
は
知
(
し
)
らねど
今直
(
います
)
ぐに
此家
(
こゝ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
この
)
人は
其
(
その
)
頃熱心な
基督
(
キリスト
)
信者でしたが、ある時私に、聖書を日に何頁づゝとか讀むと、
丁度
(
ちやうど
)
三年目に新舊兩約全書を通讀する事になるといつて、それを日課として毎日
怠
(
おこた
)
らず
繰返
(
くりかへ
)
してゐるやうでした。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は幾度となく此の
言葉
(
ことば
)
を心の
中
(
なか
)
で
繰返
(
くりかへ
)
して見た。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
繰返
(
くりかへ
)
して
三度
(
さんど
)
、また
跫音
(
あしおと
)
がしたが、
其時
(
そのとき
)
は
枕
(
まくら
)
が
上
(
あが
)
らなかつた。
室内
(
しつない
)
の
空氣
(
くうき
)
は
唯
(
たゞ
)
彌
(
いや
)
が
上
(
うへ
)
に
蔽重
(
おほひかさな
)
つて、おのづと
重量
(
ぢうりやう
)
が
出來
(
でき
)
て
壓
(
おさ
)
へつけるやうな!
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
だか
薩張
(
さつぱり
)
道理
(
わけ
)
が
解
(
わか
)
らず、『
長靴
(
ながぐつ
)
にもなれは
半靴
(
はんぐつ
)
にもなる!』と
不審
(
いぶか
)
しげな
調子
(
てうし
)
で
繰返
(
くりかへ
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
一秒間
(
いちびようかん
)
に
二三回
(
にさんかい
)
も
繰返
(
くりかへ
)
されるほどの
急激
(
きゆうげき
)
なものであつたならば、
木造家屋
(
もくぞうかおく
)
や
土藏
(
どぞう
)
の
土壁
(
つちかべ
)
を
落
(
おと
)
し、
器物
(
きぶつ
)
を
棚
(
たな
)
の
上
(
うへ
)
から
轉落
(
てんらく
)
せしめる
位
(
くらゐ
)
のことはあり
得
(
う
)
べきである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
稽古
(
けいこ
)
の男は
小稲半兵衛
(
こいなはんべゑ
)
をさらつた
後
(
のち
)
同じやうなお
妻
(
つま
)
八郎兵衛
(
はちろべゑ
)
の
語出
(
かたりだ
)
しを二三度
繰返
(
くりかへ
)
して帰つて行つたのである。
蘿月
(
らげつ
)
は
尤
(
もつと
)
もらしく
坐
(
すわ
)
り
直
(
なほ
)
して
扇子
(
せんす
)
で軽く
膝
(
ひざ
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
さりとて
此
(
この
)
大事
(
だいじ
)
な
生命
(
いのち
)
の
綱
(
つな
)
を、むさ/″\
海中
(
かいちう
)
に
投棄
(
なげす
)
てるには
忍
(
しの
)
びず、なるべく
艇
(
てい
)
の
隅
(
すみ
)
の
方
(
ほう
)
へ
押遣
(
おしや
)
つて、またもや四五
日
(
にち
)
前
(
まへ
)
のあはれな
有樣
(
ありさま
)
を
繰返
(
くりかへ
)
して
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
したが、
翌朝
(
よくあさ
)
になると
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
お
京
(
きやう
)
さん
母親
(
おふくろ
)
も
父親
(
おやぢ
)
も
空
(
から
)
つきり
當
(
あて
)
が
無
(
な
)
いのだよ、
親
(
おや
)
なしで
産
(
うま
)
れて
來
(
く
)
る
子
(
こ
)
があらうか、
己
(
お
)
れは
何
(
ど
)
うしても
不思議
(
ふしぎ
)
でならない、と
燒
(
やき
)
あがりし
餅
(
もち
)
を
兩手
(
りやうて
)
でたゝきつゝいつも
言
(
い
)
ふなる
心細
(
こゝろぼそ
)
さを
繰返
(
くりかへ
)
せば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
女は三四郎を見た儘で此
一言
(
ひとこと
)
を
繰返
(
くりかへ
)
した。三四郎は答へなかつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯
(
たゞ
)
、いひかはされるのは、
其
(
そ
)
のくらゐな
事
(
こと
)
を
繰返
(
くりかへ
)
す。
時
(
とき
)
に、
鶺鴒
(
せきれい
)
の
声
(
こゑ
)
がして、
火桶
(
ひをけ
)
の
炭
(
すみ
)
は
赤
(
あか
)
けれど、
山茶花
(
さざんくわ
)
の
影
(
かげ
)
が
寂
(
さび
)
しかつた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いづれも
富士形
(
ふじがた
)
の
單式火山
(
たんしきかざん
)
であつて、
歴史年代
(
れきしねんだい
)
に
於
(
おい
)
て
餘
(
あま
)
り
活溌
(
かつぱつ
)
でない
噴火
(
ふんか
)
を
數回
(
すうかい
)
乃至
(
ないし
)
十數回
(
じゆうすうかい
)
繰返
(
くりかへ
)
した。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
景色
(
けしき
)
は
低
(
ひく
)
く
下
(
した
)
に
臨
(
のぞ
)
むものと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たのに、
繰返
(
くりかへ
)
していふが、
此
(
こ
)
の
密林
(
みつりん
)
の
間
(
あひだ
)
は、さながら
流
(
ながれ
)
に
浮
(
うか
)
んで
飛
(
と
)
ぶのである。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又
(
また
)
構造物
(
こうぞうぶつ
)
が
地震動
(
ぢしんどう
)
に
因
(
よ
)
つて
裂
(
さ
)
け
目
(
め
)
を
生
(
しよう
)
じ、それが
振動繼續中
(
しんどうけいぞくちゆう
)
開閉
(
かいへい
)
を
繰返
(
くりかへ
)
すこともあるが、
問題
(
もんだい
)
は
大地
(
だいち
)
に
關係
(
かんけい
)
したものであつて、
構造物
(
こうぞうぶつ
)
に
起
(
おこ
)
る
現象
(
げんしよう
)
を
指
(
さ
)
すのではない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
新婚當時
(
しんこんたうじ
)
、
四五年
(
しごねん
)
故郷
(
こきやう
)
を
省
(
かへり
)
みなかつた
時分
(
じぶん
)
、
穗科閣下
(
ほしなかくか
)
は、あゝ
糠鰊
(
こぬかにしん
)
が
食
(
く
)
ひたいな、と
暫々
(
しば/\
)
言
(
い
)
つて
繰返
(
くりかへ
)
した。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
阿蘇
(
あそ
)
はこの
百年
(
ひやくねん
)
ぐらゐの
間
(
あひだ
)
、
平均
(
へいきん
)
十一年目
(
じゆういちねんめ
)
に
活動
(
かつどう
)
を
繰返
(
くりかへ
)
してゐるが、それはその
三
(
みつ
)
つの
池
(
いけ
)
のいづれかゞ
活氣
(
かつき
)
を
呈
(
てい
)
するに
因
(
よ
)
るものである。
然
(
しか
)
しながら、
稀
(
まれ
)
には
外
(
ほか
)
の
場所
(
ばしよ
)
から
噴
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
すこともある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
渠等
(
かれら
)
の
無頼
(
ぶらい
)
なる
幾度
(
いくたび
)
も
此
(
この
)
擧動
(
きよどう
)
を
繰返
(
くりかへ
)
すに
憚
(
はゞか
)
る
者
(
もの
)
ならねど、
衆
(
ひと
)
は
其
(
その
)
乞
(
こ
)
ふが
隨意
(
まゝ
)
に
若干
(
じやくかん
)
の
物品
(
もの
)
を
投
(
とう
)
じて、
其
(
その
)
惡戲
(
あくぎ
)
を
演
(
えん
)
ぜざらむことを
謝
(
しや
)
するを
以
(
も
)
て、
蛇食
(
へびくひ
)
の
藝
(
げい
)
は
暫時
(
ざんじ
)
休憩
(
きうけい
)
を
呟
(
つぶや
)
きぬ。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
主人
(
しゆじん
)
は、
支那
(
しな
)
の
福州
(
ふくしう
)
の
大商賈
(
おほあきんど
)
で、
客
(
きやく
)
は、
其
(
それ
)
も、
和蘭陀
(
オランダ
)
の
富豪父子
(
かねもちおやこ
)
と、
此
(
こ
)
の
島
(
しま
)
の
酋長
(
しうちやう
)
なんですがね、こゝでね、
皆
(
みんな
)
がね、たゞ
一
(
ひと
)
ツ、
其
(
それ
)
だけに
就
(
つ
)
いて
繰返
(
くりかへ
)
して
話
(
はな
)
して
居
(
ゐ
)
たのは、——
此
(
こ
)
のね
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
繰返
(
くりかへ
)
すやうだが、それが
二日
(
ふつか
)
で、
三日
(
みつか
)
の
午
(
ひる
)
すぎ、
大雨
(
おほあめ
)
に
弱
(
よわ
)
り
果
(
は
)
てて、まだ
不安
(
ふあん
)
ながら、
破家
(
やぶれや
)
へ
引返
(
ひきかへ
)
してから、
薄
(
うす
)
い
味噌汁
(
みそしる
)
に
蘇生
(
よみがへ
)
るやうな
味
(
あぢ
)
を
覺
(
おぼ
)
えたばかりで、
罐
(
くわん
)
づめの
海苔
(
のり
)
と
梅干
(
うめぼし
)
のほか
何
(
なん
)
にもない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
心
(
こゝろ
)
は
空
(
そら
)
を
馳
(
はせ
)
よ。
然
(
しか
)
らずんば——
苦
(
くる
)
しいから、
繰返
(
くりかへ
)
して
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
口眞似
(
くちまね
)
のやうに
繰返
(
くりかへ
)
して
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つが
同
(
おな
)
じ
言
(
こと
)
を
繰返
(
くりかへ
)
す。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
繰返
(
くりかへ
)
した。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
繰
常用漢字
中学
部首:⽷
19画
返
常用漢字
小3
部首:⾡
7画
“繰返”で始まる語句
繰返し
繰返言
繰返々々