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ばう
ふりがな文庫
“
坊
(
ばう
)” の例文
すぐに
庫裏
(
くり
)
の
玄関先
(
げんくわんさき
)
へ
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
ると、
折
(
をり
)
よく
住職
(
ぢゆうしよく
)
らしい
年配
(
ねんぱい
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
今
(
いま
)
がた
配達
(
はいたつ
)
されたらしい
郵便物
(
いうびんぶつ
)
を
見
(
み
)
ながら
立
(
た
)
つてゐたので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
坊
(
ばう
)
は
谿間
(
たにあひ
)
の崖に臨むで建てかけた
新建
(
しんたち
)
で、崖の中程からによつきりと
起
(
お
)
きあがつて、
欄干
(
らんかん
)
の前でぱつと両手を
拡
(
ひろ
)
げたやうな
楓
(
かへで
)
の古木がある。
茸の香
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
大抵
(
たいてい
)
此
(
これ
)
には
昔
(
むかし
)
の
名僧
(
めいそう
)
の
話
(
はなし
)
が
伴
(
ともな
)
つて
居
(
ゐ
)
て、いづれも
讀經
(
どきやう
)
の
折
(
をり
)
、
誦念
(
しようねん
)
の
砌
(
みぎり
)
に、
其
(
そ
)
の
喧噪
(
さわがし
)
さを
憎
(
にく
)
んで、
聲
(
こゑ
)
を
封
(
ふう
)
じたと
言
(
い
)
ふのである。
坊
(
ばう
)
さんは
偉
(
えら
)
い。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
博物館の門は
立
(
たち
)
ん
坊
(
ばう
)
の指先で押した
鈴
(
ベル
)
に
由
(
よ
)
つて
開
(
あけ
)
られ、僕は中庭へ
入
(
はひ
)
つたが、番人の妻は縦覧時間が過ぎたと云つて謝絶した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「
私
(
わたし
)
の
坊
(
ばう
)
やはね、
蹄
(
ひづめ
)
が二つに
割
(
わ
)
れてゐて、
毛色
(
けいろ
)
はぶちで
尻
(
し
)
つぽもちやんとついてゐて、
私
(
わたし
)
を
呼
(
よ
)
ぶときは、もう/\つて
可愛
(
かあい
)
い
聲
(
こゑ
)
で
呼
(
よ
)
びますよ。」
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
不動院が聞付て中へ立入りしかば然ば御
坊
(
ばう
)
に御
任
(
まか
)
せ申すとて夫より
懸合
(
かけあひ
)
の上金三十五兩今宵中に
才覺
(
さいかく
)
して渡すべしと
約束
(
やくそく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
この
)
居士
(
こじ
)
は
顏
(
かほ
)
が
坊
(
ばう
)
さんらしいので、
時々
(
とき/″\
)
僧堂
(
そうだう
)
の
衆
(
しゆう
)
に
交
(
まじ
)
つて、
村
(
むら
)
の
御齋
(
おとき
)
抔
(
など
)
に
出掛
(
でか
)
ける
事
(
こと
)
があるとか
云
(
い
)
つて
宜道
(
ぎだう
)
が
笑
(
わら
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
父
(
とつ
)
ちやん血が
大層
(
たいそう
)
出るよ。父「アー
大層
(
たいそう
)
出るか。子「アー
大層
(
たいそう
)
流れるからね……あのね
坊
(
ばう
)
が
摩
(
さ
)
すつて
上
(
あ
)
げようか。 ...
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
旦那
(
だんな
)
さまの
思
(
おも
)
ひも、
私
(
わたし
)
の
思
(
おも
)
ひも
同
(
おな
)
じであるといふ
事
(
こと
)
は
此子
(
これ
)
が
抑
(
そもそ
)
も
教
(
をし
)
へて
呉
(
く
)
れたので、
私
(
わたし
)
が
此子
(
これ
)
をば
抱
(
だ
)
きしめて、
坊
(
ばう
)
は
父樣
(
とうさま
)
の
物
(
もの
)
ぢやあ
無
(
な
)
い、お
前
(
まへ
)
は
母樣
(
かあさま
)
一人
(
ひとり
)
のだよ
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ロレ あれはヂョン
坊
(
ばう
)
の
聲
(
こゑ
)
ぢゃ。……さてようこそお
戻
(
もど
)
りゃったマンチュアから。してロミオは
何
(
なん
)
と
被言
(
おしゃ
)
った?
若
(
も
)
し
筆
(
ふで
)
に
物
(
もの
)
せられたならば、
其
(
その
)
書面
(
しょめん
)
を
見
(
み
)
せやれ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
翌日
(
よくじつ
)
、
同志達
(
どうしたち
)
は
皆
(
みんな
)
から
醵金
(
きよきん
)
した
入院料
(
にふゐんれう
)
を
持
(
も
)
つて、
彼女
(
かのぢよ
)
の
屍體
(
したい
)
を
受
(
う
)
け
取
(
と
)
りに
來
(
き
)
た。すると、
黒衣
(
こくい
)
の
坊
(
ばう
)
さん
達
(
たち
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
取
(
と
)
り
捲
(
ま
)
いたが、K
氏
(
し
)
は
斷然
(
だんぜん
)
それを
拒絶
(
きよぜつ
)
した。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
早速
(
さつそく
)
藥
(
くすり
)
を
調合
(
てうがふ
)
し、
土地
(
とち
)
の
醫者
(
いしや
)
に
方劑
(
はうざい
)
を
授
(
さづ
)
けたが、
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
玄竹
(
げんちく
)
は、
塔頭
(
たつちう
)
の
梅
(
うめ
)
の
坊
(
ばう
)
といふのへ
案内
(
あんない
)
されて、
精進料理
(
しやうじんれうり
)
の
饗應
(
きやうおう
)
を
受
(
う
)
け、
下男
(
げだん
)
とともに一
泊
(
ぱく
)
して、
翌朝
(
よくてう
)
歸
(
かへ
)
ることになつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「え、——まア/\あの
吝
(
しは
)
ん
坊
(
ばう
)
にしては、清水の舞臺から飛降りたつもりでせうよ」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ありやあそれ、
勘次
(
かんじ
)
たあ
違
(
ちが
)
あから、
何
(
なん
)
ちつても
有繋
(
まさか
)
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ばう
)
ん
時
(
とき
)
つからのがだから」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
小松殿
逝去
(
せいきよ
)
と聞きては、それも
協
(
かな
)
はず、
御名殘
(
おんなごり
)
今更
(
いまさら
)
に
惜
(
を
)
しまれて、其日は一日
坊
(
ばう
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
りて、内府が平生など思ひ出で、
𢌞向三昧
(
ゑかうざんまい
)
に餘念なく、夜に入りては讀經の聲いと
蕭
(
しめ
)
やかなりし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
裸
(
はだか
)
ん
坊
(
ばう
)
のわたしの心に、ああ天よ、花の紋うつくしい緑の晴れ着を與へたまへ
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
此
(
この
)
人の
紹介
(
せうかい
)
で
社中
(
しやちう
)
に加はる事になつたのでした、
其頃
(
そのころ
)
巌谷
(
いはや
)
は
独逸協会学校
(
どいつけふくわいがくかう
)
に
居
(
ゐ
)
まして、お
坊
(
ばう
)
さんの
成人
(
せいじん
)
したやうな少年で、
始
(
はじめ
)
て
編輯室
(
へんしうしつ
)
に来たのは学校の
帰途
(
かへり
)
で、
黒羅紗
(
くろらしや
)
の
制服
(
せいふく
)
を着て
居
(
ゐ
)
ました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
坊
(
ばう
)
やはよい
子
(
こ
)
だ、ねんねしな。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
坊
(
ばう
)
やの
齒
(
は
)
ぐきは
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
「
否
(
いゝえ
)
、
可厭
(
いや
)
な
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いたんです……そして、
其
(
そ
)
の
晩
(
ばん
)
、
可恐
(
おそろし
)
い、
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
坊
(
ばう
)
さんに、
忌々
(
いま/\
)
しい
鉦
(
かね
)
を
叩
(
たゝ
)
かれましたから……」
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
若
(
わか
)
い
方
(
はう
)
が、
今朝
(
けさ
)
始
(
はじ
)
めて
鶯
(
うぐひす
)
の
鳴聲
(
なきごゑ
)
を
聞
(
き
)
いたと
話
(
はな
)
すと、
坊
(
ばう
)
さんの
方
(
はう
)
が、
私
(
わたし
)
は二三
日前
(
にちまへ
)
にも一
度
(
ど
)
聞
(
き
)
いた
事
(
こと
)
があると
答
(
こた
)
へてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
聞
(
きけ
)
ば上新田村無量庵の
庵主
(
あんしゆ
)
とか申事
尤
(
もつと
)
も水呑村より三里に
近
(
ちか
)
き
隣村
(
りんそん
)
なれども此九郎兵衞
素
(
もと
)
より
歸依
(
きえ
)
なければ御
坊
(
ばう
)
の
顏
(
かほ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
けれど
蛙
(
かへる
)
が、「
子守歌
(
こもりうた
)
を
知
(
し
)
らないでどうして
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ばう
)
が
育
(
そだ
)
てられませう。」といひますので、また
元氣
(
げんき
)
を
出
(
だ
)
して、「げつ げつ げつ」と
習
(
なら
)
ふのでした。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
へい、
今日
(
けふ
)
は休みましてござります、
就
(
つ
)
きまして
差配
(
さはい
)
さん
少々
(
せう/\
)
お
願
(
ねがひ
)
があつて出ました。「アヽ
何
(
なん
)
だイ。金「
私共
(
わたしども
)
の
隣家
(
となり
)
の
源八
(
げんぱち
)
と
云
(
い
)
ふ
修業
(
しゆげふ
)
に出ます
坊
(
ばう
)
さんナ。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
早速
(
さつそく
)
立
(
たち
)
ン
坊
(
ばう
)
君に五文銭一枚を与へねば成らなかつた。ゴンドラは軽く
跳
(
をど
)
る様に水を切つて小さな運河へ
入
(
はひ
)
つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
坊
(
ばう
)
さんは
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けない
好
(
い
)
いお
客
(
きやく
)
と
見
(
み
)
たらしく、
俄
(
にはか
)
に
手
(
て
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
小坊主
(
こばうず
)
を
呼
(
よ
)
び
茶
(
ちや
)
と
菓子
(
くわし
)
とを
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
させた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
土筆
(
つくし
)
ん
坊
(
ばう
)
が
二人連
(
ふたりづれ
)
で頭を
擡
(
もた
)
げるやうに、偉い主人は
屹度
(
きつと
)
秀れた家来を連れて出るものなのだ。熊本の名君細川霊感公の家来に堀
勝名
(
かつな
)
が居たのも
恰
(
ちやう
)
どそれである。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
たとへには
三歳兒
(
みつご
)
に
淺瀬
(
あさせ
)
と
言
(
い
)
ひますけれど、
私
(
わたし
)
の
身
(
み
)
の
一生
(
いつしやう
)
を
教
(
をし
)
へたのはまだ
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
はない
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ばう
)
でした。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うつかりすつと
乳
(
ちゝ
)
ツ
岸
(
ぎし
)
までへえるやうな
深
(
ふか
)
ん
坊
(
ばう
)
の
冷
(
ひ
)
えつ
處
(
とこ
)
ぢやどうしたつて
晩稻
(
おくいね
)
でなくつちや
穫
(
と
)
れるもんぢやねえな、それから
俺
(
お
)
れ
役場
(
やくば
)
で
役人
(
やくにん
)
が
講釋
(
かうしやく
)
すつから
深
(
ふか
)
ん
坊
(
ばう
)
ぢや
斯
(
か
)
うだつち
噺
(
はなし
)
したら
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「何だ、お
靜
(
し
)
い
坊
(
ばう
)
か。親分てえ奴があるかい」
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
坊
(
ばう
)
やは
乳
(
ち
)
が
無
(
な
)
し、
母
(
はは
)
もなし。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ヂョン
坊
(
ばう
)
入る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
お
坊
(
ばう
)
さん
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
それから
小鳥
(
ことり
)
と
牝牛
(
めうし
)
はいつものやうにまだ
生
(
うま
)
れてゐない
自分
(
じぶん
)
たちの
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ばう
)
のことで、
自慢
(
じまん
)
をしあひました。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
弥「へえー……「にゆう」てえのは
坊
(
ばう
)
さまかい。長「
何故
(
なぜ
)
え。弥「づくにゆうでございますツて。長「
然
(
さ
)
うぢやアねえ、
軸
(
ぢく
)
に「にゆう」が
有
(
あ
)
りますと
云
(
い
)
ふのだ。弥
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また
此
(
こ
)
の
様子
(
やうす
)
を
見
(
み
)
ては、
誰
(
たれ
)
も
怪
(
あやし
)
まずには
居
(
ゐ
)
られない。——
越中
(
ゑつちう
)
馬
(
うま
)
を
控
(
ひか
)
へ、
坐頭
(
ざとう
)
の
坊
(
ばう
)
何
(
なに
)
をする、と
言
(
い
)
ふ。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
坊
(
ばう
)
さんは
道子
(
みちこ
)
の
孝心
(
かうしん
)
を、
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
には
稀
(
まれ
)
なものとして
絶賞
(
ぜつしやう
)
し、その
帰
(
かへ
)
るのを
門際
(
もんぎは
)
まで
送
(
おく
)
つてやつた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
立
(
た
)
つてゐても
音沙汰
(
おとさた
)
がないので、
宗助
(
そうすけ
)
は
不思議
(
ふしぎ
)
な
思
(
おも
)
ひをして、
又
(
また
)
庫裡
(
こり
)
を
出
(
で
)
て
門
(
もん
)
の
方
(
はう
)
へ
引返
(
ひきかへ
)
した。すると
石段
(
いしだん
)
の
下
(
した
)
から
剃立
(
そりたて
)
の
頭
(
あたま
)
を
青
(
あを
)
く
光
(
ひか
)
らした
坊
(
ばう
)
さんが
上
(
あが
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
母
(
かあ
)
さまが
何處
(
どこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くにしろ
坊
(
ばう
)
は
必
(
かな
)
らず
置
(
お
)
いては
行
(
ゆ
)
かない、
私
(
わたし
)
の
物
(
もの
)
だ
私
(
わたし
)
のだとて
頬
(
ほゝ
)
を
吸
(
す
)
ひますと
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
はれぬ
解
(
と
)
けるやうな
笑顏
(
ゑがほ
)
をして、
莞爾々々
(
にこ/\
)
とします
樣子
(
やうす
)
の
可愛
(
かあい
)
い
事
(
こと
)
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いや飛乗らうものなら
直
(
す
)
ぐに
顛覆
(
てんぷく
)
するに決つてるが、其れと見て岸に居る一人の
立
(
たち
)
ン
坊
(
ばう
)
が船を
押
(
おさ
)
へて
呉
(
く
)
れる。
其処
(
そこ
)
へ船の中から差出す船頭の手につかまつて
徐
(
そ
)
つと乗つたのだ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
轟
(
とゞろ
)
かし
末世
(
まつせ
)
奉行の
鑑
(
かゞみ
)
と成たる
明斷
(
めいだん
)
に
因
(
ちなみ
)
て忠相ぬしが
履歴
(
りれき
)
とその
勳功
(
くんこう
)
の
大略
(
あらまし
)
とを豫て傳へ
聞
(
きゝ
)
異説
(
いせつ
)
天一
坊
(
ばう
)
さへ
書記
(
かきしる
)
して
看客
(
かんかく
)
の
覽
(
らん
)
に
供
(
そな
)
ふるなれば看客此一回を
熟讀
(
じゆくどく
)
して忠相ぬしが人と成り
腹
(
はら
)
にを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そこな
坊
(
ばう
)
さま
第二海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
帷子
(
かたびら
)
か
何
(
なん
)
でござりますか、ぶわ/\した
衣
(
き
)
ものを
着
(
き
)
ました
坊
(
ばう
)
さんが、
輪
(
わ
)
をかいて
𢌞
(
まは
)
つて
居
(
を
)
ります。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
まアまア
何
(
なに
)
しろ
斯
(
こ
)
う
歇
(
や
)
みなしに雪が
降
(
ふ
)
つては
為方
(
しかた
)
がない、
此家
(
こ
)
の
檐下
(
のきした
)
を
拝借
(
はいしやく
)
しようか……エー
最
(
も
)
う日が
暮
(
く
)
れたからな、
尚
(
な
)
ほ
一倍
(
いちばい
)
北風
(
きたかぜ
)
が身に
染
(
し
)
むやうだ、
坊
(
ばう
)
は寒くはないか。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
金澤
(
かなざは
)
にて
言
(
い
)
ふ
松
(
まつ
)
みゝは初茸なり。
此
(
こ
)
の
茸
(
きのこ
)
は、
松
(
まつ
)
美
(
うつく
)
しく
草
(
くさ
)
淺
(
あさ
)
き
所
(
ところ
)
にあれば
子供
(
こども
)
にも
獲
(
え
)
らるべし。(つくしん
坊
(
ばう
)
めつかりこ)ぐらゐな
子供
(
こども
)
に、
何處
(
どこ
)
だつて
松茸
(
まつたけ
)
は
取
(
と
)
れはしない。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あいお
父
(
とつ
)
ちやん、
坊
(
ばう
)
は寒くはないけれども、お
父
(
とつ
)
ちやんが痛からうと思つて……。父「ン、ンー
能
(
よ
)
く
労
(
いたは
)
つて
呉
(
く
)
れるの。子「お
父
(
とつ
)
ちやん
摩
(
さす
)
つて
上
(
あ
)
げようか。父「ンー
摩
(
さす
)
つて
呉
(
く
)
れ。 ...
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
竹
(
たけ
)
の
埒
(
らち
)
結
(
ゆ
)
ひたる
中
(
なか
)
に、
三四人
(
さんよにん
)
土
(
つち
)
をほり
居
(
ゐ
)
るあたりにて、
路
(
みち
)
も
分
(
わか
)
らずなりしが、
洋服
(
やうふく
)
着
(
き
)
たる
坊
(
ばう
)
ちやん
二人
(
ふたり
)
、
學校
(
がくかう
)
の
戻
(
もどり
)
と
見
(
み
)
ゆるがつか/\と
通
(
とほ
)
るに
頼母
(
たのも
)
しくなりて、
後
(
あと
)
をつけ
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
イヤあの
坊
(
ばう
)
さんに困つて
居
(
ゐ
)
るのだよ、
店請
(
たなうけ
)
があつたんだけれど
其店請
(
そのたなうけ
)
が
何所
(
どつか
)
へ
逃亡
(
かけおち
)
をして
了
(
しま
)
つたので、今にもアノ
坊
(
ばう
)
さんに
目
(
め
)
を
瞑
(
ねむ
)
られると
係合
(
かゝりあひ
)
だと思つて誠に
案
(
あん
)
じて
居
(
ゐ
)
るのサ。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……まはりを
𢌞
(
まは
)
つて
居
(
ゐ
)
た
肥
(
ふと
)
つた
坊
(
ばう
)
さんは、
確
(
たしか
)
に、
御亭主
(
ごていしゆ
)
か、
旦那
(
だんな
)
に
違
(
ちが
)
ひないのでございますよ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
ど
)
ういふ
訳
(
わけ
)
で
黄金餅
(
こがねもち
)
と
名
(
なづ
)
けたかと
申
(
まう
)
すに、
芝
(
しば
)
将監殿橋
(
しやうげんどのばし
)
の
際
(
きは
)
に
極貧
(
ごくひん
)
の者ばかりが
住
(
すん
)
で
居
(
ゐ
)
る
裏家
(
うらや
)
がござりまして
金山寺屋
(
きんざんじや
)
の
金兵衛
(
きんべゑ
)
と
申
(
まう
)
す者の
隣家
(
となり
)
に
居
(
ゐ
)
るのが
托鉢
(
たくはつ
)
に
出
(
で
)
る
坊
(
ばう
)
さんで
源八
(
げんぱち
)
と
申
(
まう
)
す者
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
坊
常用漢字
中学
部首:⼟
7画
“坊”を含む語句
御坊
坊様
坊主
坊々
吝嗇坊
坊主頭
赤坊
正覚坊
願人坊主
宿坊
御坊様
坊舎
泥坊
見栄坊
坊間
小坊主
盗坊
乞食坊主
海坊主
正坊
...