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餘程
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よほど
ふりがな文庫
“
餘程
(
よほど
)” の例文
新字:
余程
勿論
(
もちろん
)
、
今
(
いま
)
の
境涯
(
きやうがい
)
とて
决
(
けつ
)
して
平和
(
へいわ
)
な
境涯
(
きやうがい
)
ではないが、すでに
腹
(
はら
)
に
充分
(
じゆうぶん
)
の
力
(
ちから
)
があるので、
※
(
すぐ
)
る
日
(
ひ
)
よりは
餘程
(
よほど
)
元氣
(
げんき
)
もよく、
赫々
(
かく/\
)
たる
熱光
(
ねつくわう
)
の
下
(
した
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其の時
戸外
(
おもて
)
には
餘程
(
よほど
)
前から雨が降つてゐたと見えて、點滴の響のみか、夜風が屋根の上にと梢から拂ひ落すまばらな雫の音をも耳にした。
花より雨に
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
餘程
(
よほど
)
の
大火
(
おほび
)
を
焚
(
た
)
かなければ、
馬籠
(
まごめ
)
にて
見
(
み
)
たる
如
(
ごと
)
き
跡
(
あと
)
を
遺
(
のこ
)
すものでない。
竈
(
かまど
)
とか、
爐
(
ろ
)
とか、それ
位
(
くらゐ
)
の
火
(
ひ
)
の
爲
(
ため
)
に
出來
(
でき
)
たのでは
恐
(
おそ
)
らくあるまい。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
成程
(
なるほど
)
、
蟲
(
むし
)
と
梟
(
ふくろ
)
では
大分
(
だいぶ
)
見當
(
けんたう
)
が
違
(
ちが
)
ひました。……
續
(
つゞ
)
いて
餘
(
あま
)
り
暑
(
あつ
)
いので、
餘程
(
よほど
)
茫
(
ばう
)
として
居
(
ゐ
)
るやうです。
失禮
(
しつれい
)
、
可厭
(
いや
)
なものツて、
何
(
なに
)
が
鳴
(
な
)
きます。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんが
朴
(
ほほ
)
の
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
で
包
(
つゝ
)
んで
下
(
くだ
)
さる
※
(
あつ
)
い
握飯
(
おむすび
)
の
香
(
にほひ
)
でも
嗅
(
か
)
いだ
方
(
はう
)
が、お
錢
(
あし
)
を
出
(
だ
)
して
買
(
か
)
つたお
菓子
(
くわし
)
より
餘程
(
よほど
)
おいしく
思
(
おも
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
が、
草
(
くさ
)
や
竹
(
たけ
)
の
落葉
(
おちば
)
は、一
面
(
めん
)
に
踏
(
ふ
)
み
荒
(
あら
)
されて
居
(
を
)
りましたから、きつとあの
男
(
をとこ
)
は
殺
(
ころ
)
される
前
(
まへ
)
に、
餘程
(
よほど
)
手痛
(
ていた
)
い
働
(
はたら
)
きでも
致
(
いた
)
したのに
違
(
ちが
)
ひございません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其後
(
そのご
)
支那
(
しな
)
から、
道教
(
だうけう
)
の
妖怪思想
(
えうくわいしさう
)
が
入
(
い
)
り、
佛教
(
ぶつけう
)
と
共
(
とも
)
に
印度思想
(
いんどしさう
)
も
入
(
はい
)
つて
來
(
き
)
て、
日本
(
にほん
)
の
化物
(
ばけもの
)
は
此爲
(
このため
)
に
餘程
(
よほど
)
豊富
(
ほうふ
)
になつたのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
この
土器
(
どき
)
も
石器
(
せつき
)
も、
日本
(
につぽん
)
のものは
餘程
(
よほど
)
違
(
ちが
)
つたところがありまして、
石器時代
(
せつきじだい
)
の
末
(
すゑ
)
、
金屬
(
きんぞく
)
が
使用
(
しよう
)
されるようになつた
時代
(
じだい
)
のものかも
知
(
し
)
れません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
餘程
(
よほど
)
入組
(
いりくみ
)
し
事柄
(
ことがら
)
なりと申上られければ將軍家にも
再吟味
(
さいぎんみ
)
と有れば越前守が宜しからんと大岡殿へ
人撰
(
にんせん
)
にて仰付られける
爰
(
こゝ
)
に於て榊原殿より傳吉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
又
(
また
)
此時
(
このとき
)
の
死人
(
しにん
)
は
首府
(
しゆふ
)
總人口
(
そうじんこう
)
の
三分
(
さんぶん
)
の
二
(
に
)
を
占
(
し
)
めたことも
記
(
しる
)
されてあるから、
地震
(
ぢしん
)
が
餘程
(
よほど
)
激烈
(
げきれつ
)
であつたことも
想像
(
そう/″\
)
される。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「
姉
(
ねえ
)
さん、
障子
(
しやうじ
)
を
張
(
は
)
るときは、
餘程
(
よほど
)
愼重
(
しんちよう
)
にしないと
失策
(
しくじ
)
るです。
洗
(
あら
)
つちや
駄目
(
だめ
)
ですぜ」と
云
(
い
)
ひながら、
小六
(
ころく
)
は
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
の
縁側
(
えんがは
)
からびり/\
破
(
やぶ
)
き
始
(
はじ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
卯平
(
うへい
)
の
手
(
て
)
もとは
餘程
(
よほど
)
狂
(
くる
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
はすつと
燐寸
(
マツチ
)
を
擦
(
す
)
つたが
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
は
手
(
て
)
が
落葉
(
おちば
)
に
達
(
たつ
)
するまでには
微
(
かす
)
かな
煙
(
けぶり
)
を
立
(
た
)
てゝ
消
(
き
)
えた。
燐寸
(
マツチ
)
はさうして五六
本
(
ぽん
)
棄
(
す
)
てられた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「もう
餘程
(
よほど
)
久
(
ひさ
)
しい
事
(
こと
)
でございます。あれは
豐干
(
ぶかん
)
さんが
松林
(
まつばやし
)
の
中
(
なか
)
から
拾
(
ひろ
)
つて
歸
(
かへ
)
られた
捨子
(
すてご
)
でございます。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
『ナニ
蛇
(
へび
)
だ、
蛇
(
へび
)
だ!』と
繰返
(
くりかへ
)
しましたが
鳩
(
はと
)
は、
以前
(
まへ
)
よりも
餘程
(
よほど
)
優
(
やさ
)
しく、
其上
(
そのうへ
)
可哀相
(
かあいさう
)
に
歔欷
(
すゝりなき
)
までして、『
私
(
わたし
)
は
種々
(
いろ/\
)
經驗
(
ため
)
したが、
蛇
(
へび
)
に
似寄
(
によ
)
つたものは
他
(
ほか
)
に
何
(
なに
)
もない!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
人々
(
ひと/″\
)
が
餘程
(
よほど
)
の
田舍
(
ゐなか
)
にゐても
住
(
す
)
めば
都
(
みやこ
)
で、それ/″\たのしくをさまつてゐるのと
同
(
おな
)
じように、
植物
(
しよくぶつ
)
も
𤍠
(
あつ
)
いところであらうと、
寒
(
さむ
)
いところであらうと、
生育
(
せいいく
)
出來
(
でき
)
る
限
(
かぎ
)
りそれ/″\
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
いや
何
(
ど
)
うも
團子
(
だんご
)
を
喰
(
た
)
べさせる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ぬとて
一日
(
いちにち
)
大立腹
(
おほりつぷく
)
であつた、
大分
(
だいぶ
)
熱心
(
ねつしん
)
で
調製
(
こしらへ
)
たものと
見
(
み
)
えるから十
分
(
ぶん
)
に
喰
(
た
)
べて
安心
(
あんしん
)
させて
遣
(
や
)
つて
呉
(
く
)
れ、
餘程
(
よほど
)
甘
(
うま
)
からうぞと
父親
(
てゝおや
)
の
滑稽
(
おどけ
)
を
入
(
い
)
れるに
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この
漢
(
をとこ
)
と
比
(
くらべ
)
て
見
(
み
)
ると
流石
(
さすが
)
のブリダアの
市人
(
まちびと
)
も
餘程
(
よほど
)
の
勤勉
(
きんべん
)
の
民
(
たみ
)
と
言
(
い
)
はんければならない、
何
(
な
)
にしろラクダルの
豪
(
えら
)
い
證據
(
しようこ
)
は『
怠惰屋
(
なまけや
)
』といふ
一個
(
ひとつ
)
の
屋號
(
やがう
)
を
作
(
つく
)
つて
了
(
しま
)
つたのでも
了解
(
わか
)
る、
綉工
(
ぬひはくや
)
とか
珈琲屋
(
かうひいや
)
とか
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も
二名
(
にめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
も
默
(
もく
)
して
一言
(
いちげん
)
なく、
稻妻
(
いなづま
)
は
終夜
(
よもすがら
)
吠
(
ほ
)
え
通
(
とう
)
しに
吠
(
ほ
)
えたので
餘程
(
よほど
)
疲
(
つか
)
れたと
見
(
み
)
え、
私
(
わたくし
)
の
傍
(
かたわら
)
に
横
(
よこたは
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
徳川家康
(
とくがはいへやす
)
と
書
(
か
)
かずして
家康徳川
(
いへやすとくがは
)
といい、
楠正成
(
くすのきまさしげ
)
と
書
(
か
)
かずして
正成楠
(
まさしげくすのき
)
といひ、
紀貫之
(
きのつらゆき
)
と
書
(
か
)
かずして
貫之紀
(
つらゆきき
)
といふべきか。これは
餘程
(
よほど
)
變
(
へん
)
なものであらう。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
御月番の御老中へ
宛
(
あて
)
急飛
(
きふひ
)
を差立らる
爰
(
こゝ
)
に又天一坊の
旅館
(
りよくわん
)
には山内伊賀亮常樂院赤川大膳藤井左京等
尚
(
なほ
)
も
密談
(
みつだん
)
に及び大坂は
餘程
(
よほど
)
に
富
(
とむ
)
地
(
ち
)
なり此處にて
用金
(
ようきん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あの
小
(
ちひ
)
さな
建築技師
(
けんちくぎし
)
が三
階
(
がい
)
も四
階
(
かい
)
もある
巣
(
す
)
を
建
(
た
)
てゝ、一
階
(
かい
)
毎
(
ごと
)
に
澤山
(
たくさん
)
な
部屋
(
へや
)
を
造
(
つく
)
るのですから、そこには
餘程
(
よほど
)
の
協
(
あは
)
せた
力
(
ちから
)
といふものが
入
(
はい
)
つて
居
(
ゐ
)
るのでせう。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
大
(
おほ
)
きい
博物館
(
はくぶつかん
)
をつくることは
金
(
かね
)
さへあれば
容易
(
ようい
)
でありますが、
良
(
よ
)
い
博物館
(
はくぶつかん
)
をつくることは
金以外
(
かねいがい
)
更
(
さら
)
に
知識
(
ちしき
)
が
必要
(
ひつよう
)
でありますから、
餘程
(
よほど
)
困難
(
こんなん
)
なことになります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「
矢張
(
やつぱ
)
り
物質的
(
ぶつしつてき
)
の
必要
(
ひつえう
)
かららしいです。
先
(
さき
)
が
何
(
なん
)
でも
餘程
(
よほど
)
派出
(
はで
)
な
家
(
うち
)
なんで、
叔母
(
をば
)
さんの
方
(
はう
)
でもさう
單簡
(
たんかん
)
に
濟
(
す
)
まされないんでせう」と
何時
(
いつ
)
にない
世帶染
(
しよたいじ
)
みた
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
外
(
そと
)
は
闇
(
やみ
)
である。
隣
(
となり
)
の
森
(
もり
)
の
杉
(
すぎ
)
がぞつくりと
冴
(
さ
)
えた
空
(
そら
)
へ
突
(
つ
)
つ
込
(
こ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。お
品
(
しな
)
の
家
(
いへ
)
は
以前
(
いぜん
)
から
此
(
こ
)
の
森
(
もり
)
の
爲
(
た
)
めに
日
(
ひ
)
が
餘程
(
よほど
)
南
(
みなみ
)
へ
廻
(
まは
)
つてからでなければ
庭
(
には
)
へ
光
(
ひかり
)
の
射
(
さ
)
すことはなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
も、
晩飯
(
ばん
)
の
樂
(
たのし
)
みにして
居
(
ゐ
)
たのであるから。……
私
(
わたし
)
は
實
(
じつ
)
は、すき
腹
(
ばら
)
へ
餘程
(
よほど
)
こたへた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
地震
(
ぢしん
)
に
出會
(
であ
)
つてそれが
非常
(
ひじよう
)
の
地震
(
ぢしん
)
であることを
意識
(
いしき
)
したものは、
餘程
(
よほど
)
修養
(
しゆうよう
)
を
積
(
つ
)
んだ
人
(
ひと
)
でない
限
(
かぎ
)
り、たとひ
耐震家屋内
(
たいしんかおくない
)
にゐても、
又
(
また
)
屋外避難
(
おくがいひなん
)
の
不利益
(
ふりえき
)
な
場合
(
ばあひ
)
でも、しかせんと
力
(
つと
)
めるであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
其
(
その
)
風采
(
ふうさい
)
も
餘程
(
よほど
)
變
(
ちが
)
つて
居
(
を
)
るが
相變
(
あひかは
)
らず
洒々落々
(
しや/\らく/\
)
の
男
(
おとこ
)
『ヤァ、
柳川君
(
やながはくん
)
か、これは
珍
(
めづ
)
らしい、
珍
(
めづ
)
らしい。』と
下
(
した
)
にも
置
(
お
)
かぬ
待遇
(
もてなし
)
、
私
(
わたくし
)
は
心
(
しん
)
から
憘
(
うれ
)
しかつたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
即
(
すなは
)
ち
私
(
わたし
)
の
言
(
い
)
ふばけものは、
餘程
(
よほど
)
範圍
(
はんゐ
)
の
廣
(
ひろ
)
い
解釋
(
かいしやく
)
であつて、
世間
(
せけん
)
の
所謂
(
いはゆる
)
化物
(
ばけもの
)
は一の
分科
(
ぶんくわ
)
に
過
(
す
)
ぎない
事
(
こと
)
となるのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
云
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
かな
失禮
(
しつれい
)
ながら貴殿は未だ
御若年
(
ごじやくねん
)
で有りながら御見請申せば
餘程
(
よほど
)
の
逆上
(
ぎやくじやう
)
今の間に御療治なければ
行末
(
ゆくすゑ
)
御案事
(
おあんじ
)
申なりと取ても付ぬ
挨拶
(
あいさつ
)
に千太郎は身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
日本
(
につぽん
)
の
石器時代
(
せつきじだい
)
には
土器
(
どき
)
が
餘程
(
よほど
)
盛
(
さか
)
んに
使用
(
しよう
)
されてゐましたと
見
(
み
)
え、どの
遺跡
(
いせき
)
にも
多
(
おほ
)
くの
土器
(
どき
)
が
發見
(
はつけん
)
されます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
熱
(
ねつ
)
が
普通
(
ふつう
)
の
風邪
(
かぜ
)
よりも
餘程
(
よほど
)
高
(
たか
)
かつたので、
始
(
はじめ
)
は
御米
(
およね
)
も
驚
(
おど
)
ろいたが、それは
一時
(
いちじ
)
の
事
(
こと
)
で、すぐ
退
(
ひ
)
いたには
退
(
ひ
)
いたから、
是
(
これ
)
でもう
全快
(
ぜんくわい
)
と
思
(
おも
)
ふと、
何時迄
(
いつまで
)
立
(
た
)
つても
判然
(
はつきり
)
しなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
はお
品
(
しな
)
がこつそり
蒲團
(
ふとん
)
の
下
(
した
)
へ
入
(
いれ
)
て
呉
(
く
)
れた
煎餅
(
せんべい
)
を
噛
(
かぢ
)
つたりして二三
日
(
にち
)
ごろ/\して
居
(
ゐ
)
た。
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
は
駄菓子店
(
だぐわしみせ
)
も
滅多
(
めつた
)
に
無
(
な
)
かつたので
此
(
こ
)
れ
丈
(
だけ
)
のことがお
品
(
しな
)
には
餘程
(
よほど
)
の
心竭
(
こゝろづく
)
しであつたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それぢや
餘程
(
よほど
)
廣
(
ひろ
)
いのか、と
云
(
い
)
ふのに、
又
(
また
)
然
(
さ
)
うでもない、ものの十四五
分
(
ふん
)
も
歩行
(
ある
)
いたら、
容易
(
たやす
)
く
一周
(
ひとまは
)
り
出來
(
でき
)
さうなんです。
但
(
たゞ
)
し十四五
分
(
ふん
)
で
一周
(
ひとまはり
)
と
云
(
い
)
つて、すぐに
思
(
おも
)
ふほど、
狹
(
せま
)
いのでもないのです。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
建築
(
けんちく
)
に
耐震的考慮
(
たいしんてきかうりよ
)
を
加
(
くは
)
ふるとは、
地震
(
ぢしん
)
の
現象
(
げんしやう
)
を
考究
(
かうきう
)
して、
材料
(
ざいれう
)
構造
(
こうざう
)
に
特殊
(
とくしゆ
)
の
改善
(
かいぜん
)
を
加
(
くは
)
ふることで、これは
餘程
(
よほど
)
人智
(
じんち
)
が
發達
(
はつたつ
)
し、
社會
(
しやくわい
)
が
進歩
(
しんぽ
)
してからのことである。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
私はあなたが家事の暇を
偸
(
ぬす
)
んで『傳説の時代』をとう/\
仕舞
(
しまひ
)
迄
(
まで
)
譯し上げた忍耐と努力に少からず感服して居ります。書物になつて出ると
餘程
(
よほど
)
の頁數になるさうですが
嘸
(
さぞ
)
骨の折れた事でせう。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
隱
(
かく
)
れましたが、
細
(
ほつそ
)
りした
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
の
透
(
す
)
いた
下
(
した
)
に、ちらりと
結
(
むす
)
び
目
(
め
)
が
見
(
み
)
えました……
扱帶
(
しごき
)
の
端
(
はし
)
ではござりません……
確
(
たし
)
かに
帶
(
おび
)
でござりますね、
月
(
つき
)
も
最
(
も
)
う
餘程
(
よほど
)
らしうござります……
成程
(
なるほど
)
人目
(
ひとめ
)
に
立
(
た
)
ちませう。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
世間
(
せけん
)
で一
口
(
くち
)
に
化物
(
ばけもの
)
といふと、
何
(
なに
)
か
妖怪變化
(
えうくわいへんげ
)
の
魔物
(
まもの
)
などを
意味
(
いみ
)
するやうで
極
(
きは
)
めて
淺薄
(
せんぱく
)
らしく
思
(
おも
)
はれるが、
私
(
わたし
)
の
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
るばけものは、
餘程
(
よほど
)
深
(
ふか
)
い
意味
(
いみ
)
の
有
(
あ
)
るものである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
餘
部首:⾷
16画
程
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“餘”で始まる語句
餘
餘所
餘計
餘波
餘裕
餘念
餘地
餘儀
餘人
餘燼