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親切
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しんせつ
ふりがな文庫
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親切
(
しんせつ
)” の例文
けれども、人びとは、この平野が
豊
(
ゆた
)
かで、
親切
(
しんせつ
)
なのに、
満足
(
まんぞく
)
したものでしょう。できるだけこれを
飾
(
かざ
)
りたててやろうとしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
どうしてその青年が、青二にそう
親切
(
しんせつ
)
なのか分らなかった。しかし今はその青年に力を借りるよりほか道がないことが、青二に分っていた。
透明猫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
同時
(
どうじ
)
に、
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
世間
(
せけん
)
に
向
(
むか
)
つて、
積極的
(
せききよくてき
)
に
好意
(
かうい
)
と
親切
(
しんせつ
)
を
要求
(
えうきう
)
する
勇氣
(
ゆうき
)
を
有
(
も
)
たなかつた
彼
(
かれ
)
は、
突然
(
とつぜん
)
此
(
この
)
主人
(
しゆじん
)
の
申
(
まを
)
し
出
(
いで
)
に
逢
(
あ
)
つて
少
(
すこ
)
し
間誤
(
まご
)
つく
位
(
くらゐ
)
驚
(
おど
)
ろいた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてその
眼
(
め
)
には
暖
(
あたたか
)
な
健全
(
けんぜん
)
な
輝
(
かがやき
)
がある、
彼
(
かれ
)
はニキタを
除
(
のぞ
)
くの
外
(
ほか
)
は、
誰
(
たれ
)
に
対
(
たい
)
しても
親切
(
しんせつ
)
で、
同情
(
どうじょう
)
があって、
謙遜
(
けんそん
)
であった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そこで
保名
(
やすな
)
は
心
(
こころ
)
のうちには
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に
思
(
おも
)
いながら、
毎日
(
まいにち
)
あおむけになって
寝
(
ね
)
たまま、
親切
(
しんせつ
)
な
娘
(
むすめ
)
の
世話
(
せわ
)
に
体
(
からだ
)
をまかしておくほかはありませんでした。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
クリストフはいつも
夜
(
よる
)
よく眠れないで、夜の間に
昼間
(
ひるま
)
の
出来事
(
できごと
)
を思いかえしてみる
癖
(
くせ
)
があって、そんな時に、
小父
(
おじ
)
はたいへん
親切
(
しんせつ
)
な人だと考え
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
私共
(
わたしども
)
は
遠
(
とほ
)
い
國
(
くに
)
の
方
(
はう
)
から
參
(
まゐ
)
るものですから、なか/\
言葉
(
ことば
)
が
覺
(
おぼ
)
えられません、でも、あなたがたが
親切
(
しんせつ
)
にして
下
(
くだ
)
さるのを、
何
(
なに
)
より
有難
(
ありがた
)
く
思
(
おも
)
ひます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
もとより
拒
(
こば
)
むべき
筋合
(
すじあい
)
のものでございませぬから、
私
(
わたくし
)
は
早速
(
さっそく
)
身支度
(
みじたく
)
してこの
親切
(
しんせつ
)
な、
老
(
お
)
いたる
竜神
(
りゅうじん
)
さんの
後
(
あと
)
について
出掛
(
でか
)
けることになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
けれども、
先生
(
せんせい
)
のように
親切
(
しんせつ
)
に
教
(
をし
)
へて
下
(
くだ
)
さる
人
(
ひと
)
はなく、
休
(
やす
)
みの
時間
(
じかん
)
にお
友達
(
ともだち
)
と
面白
(
おもしろ
)
く
遊
(
あそ
)
ぶことが
出來
(
でき
)
ないから、
時
(
とき
)
には
退屈
(
たいくつ
)
することもありませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
よしや千
里
(
り
)
が
萬里
(
ばんり
)
はなれるとも
眞實
(
まこと
)
の
親子
(
おやこ
)
兄弟
(
けうだい
)
ならば
何時
(
いつ
)
歸
(
かへ
)
つて
何
(
ど
)
うといふ
樂
(
たの
)
しみもあれど、ほんの
親切
(
しんせつ
)
といふ一
筋
(
すぢ
)
の
糸
(
いと
)
にかヽつて
居
(
い
)
し
身
(
み
)
なれば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
問
(
と
)
はぬことまで
親切
(
しんせつ
)
に
話
(
はな
)
します。
其
(
それ
)
で
能
(
よ
)
く
仔細
(
しさい
)
が
解
(
わか
)
つて
確
(
たしか
)
になりはなつたけれども、
現
(
げん
)
に
一人
(
ひとり
)
蹈迷
(
ふみまよ
)
つた
者
(
もの
)
がある。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
博士は
親切
(
しんせつ
)
にすすめた。ところが
透明人間
(
とうめいにんげん
)
は、
苦
(
くる
)
しそうにうなり声をたてながら、どうしても
眠
(
ねむ
)
ろうとしなかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
『おゝ、
可愛
(
かあい
)
らしい
兒
(
こ
)
ですな。』と
親切
(
しんせつ
)
に
其
(
その
)
頭
(
かしら
)
を
撫
(
な
)
でつゝ、
吾等
(
われら
)
の
傍
(
かたわら
)
に
勇
(
いさ
)
ましき
面
(
おもて
)
して
立
(
た
)
てる
水兵
(
すいへい
)
を
顧
(
かへり
)
み
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
はじめは人間の子のニールスをきらっていましたが、のちにはニールスのちえと
親切
(
しんせつ
)
に感心して、「オヤユビ太郎」とか「オヤユビくん」と呼んで
大事
(
だいじ
)
にしています。
「ニールスのふしぎな旅 下」まえがき
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
こう思うと
矢
(
や
)
も
楯
(
たて
)
もなく、竹童は、
神官
(
しんかん
)
の
菊村宮内
(
きくむらくない
)
に、きょうまでうけた
親切
(
しんせつ
)
の
礼
(
れい
)
をのべ、井上大九郎の舟に送られて、ほのぼのと
夜
(
よ
)
の
白
(
しら
)
みかけた
竹生島
(
ちくぶしま
)
へ別れをつげた——。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
前
(
まへ
)
に
去年
(
きよねん
)
私
(
わたし
)
が
寸白
(
すばこ
)
で
引
(
ひ
)
いてゐる
時分
(
じぶん
)
、
宅
(
うち
)
へ
療治
(
れうぢ
)
に
来
(
き
)
たに、
梅喜
(
ばいき
)
さんの
療治
(
れうぢ
)
は
下手
(
へた
)
だが、
何処
(
どこ
)
か
親切
(
しんせつ
)
で
彼様
(
あん
)
な
実
(
じつ
)
の
有
(
あ
)
る人はないツて、
宅
(
うち
)
の
小梅
(
こうめ
)
が
大変
(
たいへん
)
お
前
(
まへ
)
に
岡惚
(
をかぼ
)
れをしてゐたよ
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ゆうべ
吉原
(
よしわら
)
で
振
(
ふ
)
り
抜
(
ぬ
)
かれた
捨鉢
(
すてばち
)
なのが、
帰
(
かえ
)
りの
駄賃
(
だちん
)
に、
朱羅宇
(
しゅらう
)
の
煙管
(
きせる
)
を
背筋
(
せすじ
)
に
忍
(
しの
)
ばせて、
可愛
(
かわい
)
いおせんにやろうなんぞと、
飛
(
と
)
んだ
親切
(
しんせつ
)
なお
笑
(
わら
)
い
草
(
ぐさ
)
も、
数
(
かず
)
ある
客
(
きゃく
)
の
中
(
なか
)
にも
珍
(
めずら
)
しくなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
勿論
(
もちろん
)
I
子
(
こ
)
の
意味
(
いみ
)
は
文芸上
(
ぶんげいぜう
)
のことであつた。S、H
氏
(
し
)
が
女性
(
じよせい
)
に
対
(
たい
)
して、I
子
(
こ
)
のやうな
婦人
(
ふじん
)
が
望
(
のぞ
)
んでゐるやうに
優
(
やさ
)
しい
親切
(
しんせつ
)
な
異性
(
いせい
)
でないことはI
子
(
こ
)
も
知
(
し
)
つてゐた。そしてそれを
口
(
くち
)
にしてゐた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
この動物園のおじいさんのようなわけのわかった
親切
(
しんせつ
)
な人もたくさんいます。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「まるで、気がよくきいて
親切
(
しんせつ
)
なおかみさんのような」といっていました。
和太郎さんと牛
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「きみのいうことにも
一理
(
いちり
)
はある。」と、いまでは
本式
(
ほんしき
)
に主人になりすました影がいいました。「だいぶ
親切
(
しんせつ
)
に
卒直
(
そっちょく
)
にいってくれられたのだから、わたしも、やはりしんせつに卒直にいこう。 ...
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それがございましたので、
初
(
はじ
)
め
只
(
たゞ
)
骨惜
(
ほねをし
)
みをしない、
親切
(
しんせつ
)
な
同宿
(
どうしゆく
)
だと
存
(
ぞん
)
じてゐました
豐干
(
ぶかん
)
さんを、わたくし
共
(
ども
)
が
大切
(
たいせつ
)
にいたすやうになりました。すると
或
(
あ
)
る
日
(
ひ
)
ふいと
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つてしまはれました。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「何の用でここへ来たの、何かしらべに来たの、しらべに来たの、何かしらべに来たの。」もう
相手
(
あいて
)
にならないと思いながら私はだまって海の方を見ていましたら風は
親切
(
しんせつ
)
にまた叫ぶのでした。
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
害
(
がい
)
せし土地へは歸り難しと
推
(
すゐ
)
して斯は言しなるべし忠相ぬし又も忠兵衞に
打向
(
うちむか
)
ひ此度は
珍事
(
ちんじ
)
忽地
(
たちまち
)
にして斯善惡を分ちし事一は
糊賣
(
のりうり
)
お金が
親切
(
しんせつ
)
と
丁稚
(
でつち
)
和吉の忠義に
依
(
よれ
)
ば和吉は此まゝ引連歸りて目を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
庭
(
にわ
)
の
金魚鉢
(
きんぎょばち
)
に、
何
(
なに
)
かかくしていると
気
(
き
)
がついてからは、
近所
(
きんじょ
)
からも
爪
(
つま
)
はじきされている
老人
(
ろうじん
)
に
対
(
たい
)
し、ことさら
親切
(
しんせつ
)
にしてやつて、そのかくしているものが
何
(
なに
)
かということを
知
(
し
)
るのに
努
(
つと
)
めたのでした。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
この
背
(
せい
)
の高い
老人
(
ろうじん
)
は、ともかく
親切
(
しんせつ
)
な主人であるらしい。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
あら まあ
嬉
(
うれ
)
しい!
親切
(
しんせつ
)
な
看護婦
(
かんごふ
)
さんだわ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
おやじさんは
親切
(
しんせつ
)
にいってくれました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
こんな
親切
(
しんせつ
)
なことばを聞くのは、けさからはじめてです。ニールスはすっかりうれしくなって、ガチョウの
首
(
くび
)
にとびつきたいくらいでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
おばあさんは、
囲炉裏
(
いろり
)
にまきをくべて、
暖
(
あたた
)
かくしてくれたり、おかゆを
炊
(
た
)
いてお
夕飯
(
ゆうはん
)
を
食
(
た
)
べさせてくれたり、いろいろ
親切
(
しんせつ
)
にもてなしてくれました。
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
而
(
さう
)
して
其眼
(
そのめ
)
には
暖
(
あたゝか
)
な
健全
(
けんぜん
)
な
輝
(
かゞやき
)
がある、
彼
(
かれ
)
はニキタを
除
(
のぞ
)
くの
外
(
ほか
)
は、
誰
(
たれ
)
に
對
(
たい
)
しても
親切
(
しんせつ
)
で、
同情
(
どうじやう
)
が
有
(
あ
)
つて、
謙遜
(
けんそん
)
であつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
が、
親切
(
しんせつ
)
な
車夫
(
くるまや
)
は、その
信
(
しん
)
ずるものに
會
(
あ
)
つて、
頼
(
たの
)
まれた
客
(
きやく
)
を
渡
(
わた
)
すまでは、
建場々々
(
たてば/\
)
を、
幾度
(
いくたび
)
か
物色
(
ぶつしよく
)
するのが
好意
(
かうい
)
であつた。で、
十里
(
じふり
)
十五里
(
じふごり
)
は
大抵
(
たいてい
)
曳
(
ひ
)
く。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
たのみてあやにかけたる
許嫁
(
いひなづけ
)
のえにし
親
(
おや
)
なり
子
(
こ
)
なり
同舅同士
(
あひやけどうし
)
なり
不足
(
ふそく
)
の
品
(
しな
)
あらば
持
(
も
)
ち
給
(
たま
)
へと
彼方
(
かなた
)
にばかり
親切
(
しんせつ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先刻
(
さつき
)
宗助
(
そうすけ
)
の
樣子
(
やうす
)
を、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に
觀察
(
くわんさつ
)
した
同僚
(
どうれう
)
は、
彼
(
かれ
)
の
質問
(
しつもん
)
の
奧
(
おく
)
に
雜談
(
ざつだん
)
以上
(
いじやう
)
のある
意味
(
いみ
)
を
認
(
みと
)
めたものと
見
(
み
)
えて、
前
(
まへ
)
よりはもつと
親切
(
しんせつ
)
に
其
(
その
)
方面
(
はうめん
)
の
話
(
はなし
)
をして
聞
(
き
)
かした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ここまで
来
(
く
)
るのには、
御本人
(
ごほんにん
)
の
苦労
(
くろう
)
も一と
通
(
とお
)
りではありませぬが、
蔭
(
かげ
)
になり、
日向
(
ひなた
)
になって、
親切
(
しんせつ
)
にお
導
(
みちび
)
きくだされた
神
(
かみ
)
さま
方
(
がた
)
のお
骨折
(
ほねお
)
りは
容易
(
ようい
)
なものではございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
後
(
あと
)
へ
例
(
れい
)
の
快活
(
くわいくわつ
)
なる
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
がやつて
來
(
き
)
て、
武骨
(
ぶこつ
)
なる
姿
(
すがた
)
に
似
(
に
)
ず
親切
(
しんせつ
)
に、
吾等
(
われら
)
の
海水
(
かいすい
)
に
染
(
し
)
み、
天日
(
てんぴ
)
に
焦
(
こが
)
されて、ぼろ/\になつた
衣服
(
ゐふく
)
の
取更
(
とりか
)
へやら、
洗湯
(
せんたう
)
の
世話
(
せわ
)
やら、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
の
爲
(
ため
)
には
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
うまい
飴
(
あめ
)
ン
棒
(
ぼう
)
でもしゃぶらしてやろうと思って、ひとが
親切
(
しんせつ
)
にいったものを、コケおどしの
刃物
(
はもの
)
なんぞふりまわして、よせやい、おれだって、はばかりながら、刀ぐらいは
差
(
さ
)
しているんだからな
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほかの人が
親切
(
しんせつ
)
にしてくれなかったからといって、
泣
(
な
)
きたくなった時のもある。天気がよくて、いつも親切に
笑
(
わら
)
いかけて下さる
神様
(
かみさま
)
のような
大空
(
おおぞら
)
が見えるからといって、楽しくなった時のもある。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
お
勸
(
すゝめ
)
申しに參りましたと
言
(
いひ
)
ければ長三郎は
片頬
(
かたほ
)
に
笑
(
ゑ
)
み今に初ぬ
和郎
(
そなた
)
の
親切
(
しんせつ
)
主人思ひは有難けれど
憖
(
なま
)
じ戸外へ出る時は
反
(
かへ
)
つて身の
毒
(
どく
)
目の毒なれば
只
(
たゞ
)
居
(
ゐ
)
馴染
(
なじみ
)
し居間に居て好な書物を
讀
(
よみ
)
ながら庭の青葉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
藻
(
も
)
まで
添
(
そ
)
えて、
数匹
(
すうひき
)
の
仔魚
(
しぎょ
)
を、
親切
(
しんせつ
)
にも
持
(
も
)
つてきてくれたのである。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
親切
(
しんせつ
)
な
看護婦
(
かんごふ
)
さんが走つてきた
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
正
(
まさ
)
に
驪山
(
りさん
)
に
入
(
い
)
つて
陛下
(
へいか
)
と
相抱
(
あひいだ
)
くべき
豊肥妖艶
(
ほうひえうえん
)
の
人
(
ひと
)
が
其
(
その
)
男
(
をとこ
)
に
対
(
たい
)
する
取廻
(
とりまは
)
しの
優
(
やさ
)
しさ、
隔
(
へだて
)
なさ、
親切
(
しんせつ
)
さに、
人事
(
ひとごと
)
ながら
嬉
(
うれ
)
しくて、
思
(
おも
)
はず
涙
(
なみだ
)
が
流
(
なが
)
れたのぢや。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
その
)
やうな
詰
(
つま
)
らぬ
考
(
かんが
)
へを
持
(
も
)
つて、
詰
(
つま
)
らぬ
仕向
(
しむ
)
けを
致
(
いた
)
しまする
妻
(
つま
)
へ、
何
(
ど
)
のやうな
結構
(
けつこう
)
な
人
(
ひと
)
なればとて
親切
(
しんせつ
)
で
對
(
むか
)
はれましやうか、お
役所
(
やくしよ
)
から
退
(
ひ
)
けてお
歸
(
かへ
)
り
遊
(
あそ
)
ばすに
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
保名
(
やすな
)
の
体
(
からだ
)
が
元
(
もと
)
どおりになるにはなかなか
手間
(
てま
)
がかかりました。
娘
(
むすめ
)
はそれでも、
毎日
(
まいにち
)
ちっとも
飽
(
あ
)
きずに、
親身
(
しんみ
)
の
兄弟
(
きょうだい
)
の
世話
(
せわ
)
をするように
親切
(
しんせつ
)
に
世話
(
せわ
)
をしました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
今夜
(
こんや
)
は
未
(
ま
)
だ
見解
(
けんげ
)
も
出來
(
でき
)
ないかも
知
(
し
)
れませんから、
明朝
(
みやうてう
)
か
明晩
(
みやうばん
)
御誘
(
おさそ
)
ひ
申
(
まを
)
しませう」と
親切
(
しんせつ
)
に
云
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、婦人が
親切
(
しんせつ
)
に答えてくれたことを
感謝
(
かんしゃ
)
して、じぶんはこれでやっと満足しました、と言った。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そしてその
御物越
(
おんものご
)
しは
至
(
いた
)
ってしとやか、
私
(
わたくし
)
どもがどんな
無躾
(
ぶしつけ
)
な
事柄
(
ことがら
)
を
申上
(
もうしあ
)
げましても、
決
(
けっ
)
してイヤな
色
(
いろ
)
一
(
ひと
)
つお
見
(
み
)
せにならず、どこまでも
親切
(
しんせつ
)
に、いろいろと
訓
(
おし
)
えてくださいます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
友
(
とも
)
は
態々
(
わざ/\
)
休暇
(
きうか
)
を
取
(
と
)
つて、
恁
(
か
)
く
自分
(
じぶん
)
と
共
(
とも
)
に
出發
(
しゆつぱつ
)
したのでは
無
(
な
)
いか。
深
(
ふか
)
き
友情
(
いうじやう
)
によつてゞは
無
(
な
)
いか、
親切
(
しんせつ
)
なのでは
無
(
な
)
いか。
然
(
しか
)
し
實
(
じつ
)
に
是程
(
これほど
)
有難迷惑
(
ありがためいわく
)
の
事
(
こと
)
が
又
(
また
)
と
有
(
あ
)
らうか。
降參
(
かうさん
)
だ、
眞平
(
まつぴら
)
だ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「これへ」と、さしまねいた
親切
(
しんせつ
)
な
武士
(
ぶし
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御奉行所へ御呼出しになり文右衞門へ
引會
(
ひきあは
)
されし
所
(
ところ
)
其節
(
そのせつ
)
折惡
(
をりあし
)
く私しが御當地に居合せざれば文右衞門が金子の
出所
(
しゆつしよ
)
明
(
あきら
)
かならず因つて今に
入牢
(
じゆらう
)
なし居る由實に親分大變が出來たるなりと云ば私しの
親切
(
しんせつ
)
が
却
(
かへつ
)
て
仇
(
あだ
)
となり
恩
(
おん
)
ある人に
難儀
(
なんぎ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“親切”の解説
親切(しんせつ、en: kindness)とは、困っている他者を助けること。心理学・生物学・哲学などの分野で「なぜ親切というものが存在するか」が研究対象になっている。「利他的行動」「利他主義」「社会的選好」などともいう。
(出典:Wikipedia)
親
常用漢字
小2
部首:⾒
16画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“親切”で始まる語句
親切気
親切さ
親切な
親切心
親切氣
親切義