日本にほん)” の例文
億圓おくゑん正貨せいくわたことは、輸入超過ゆにふてうくわ日本にほんつては出來過できすぎであると批評ひひやうがあるが、それはまさしく左樣さやうであらうとおもふ。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
日本にほんのむかしの武士ぶしで一ばんつよかったのは源氏げんじ武士ぶしでございます。その源氏げんじ先祖せんぞで、一ばんえらい大将たいしょうといえば八幡太郎はちまんたろうでございます。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
また日本にほん小説せうせつによくあらはれる魔法遣まはふづかひが、不思議ふしぎげいえんずるのはおほくは、一はん佛教ぶつけうから一はん道教だうけう仙術せんじゆつからたものとおもはれる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
二人ふたりとも、日本にほん子供こどもじゃないか。」と、いいました。哲夫てつおは、はっとして、はなしたが、から、くやしなみだがながれてきました。
中学へ上がった日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もっとわたくし申上もうしあぐるところがはたして日本にほんふる書物しょもつせてあることとっているか、いないか、それはわたくしにはさっぱりわかりませぬ。
わたしいまゐるところ日本にほんいえでございます。わたし日本にほんうちきでございます。日本にほん西洋家屋せいようかおくはお粗末そまつかへつかんじがわるうございます。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
日本にほん麻雀マアジヤン近頃ちかごろ少々せう/\ねこ杓子しやくしものかんじになつてしまつたが、わづか四五ねんほどのあひだにこれほど隆盛りうせい勝負事しようぶごとはあるまいし
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
もしもし、つばめさん、おまへさんは一ねんに一づゝ、このむらるではありませんか。とほくにはうつてて、日本にほん言葉ことばわすれたのですか。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
僕は前にこの日本にほんほまれ」を変な物だと報じて置いたが、其れは忠臣蔵の飜案ほんあんだと思へばこそ僕等日本人にその支離滅裂な点が目障めざはりになる物の
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
なおここに「日本にほん」の二字をヤマトと読ませることについては、所謂「日の本」が我がヤマト帝国の位置に当るという会意からの理由の外に
国号の由来 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
日本にほんの現在は文化の爛熟してしまった西洋大陸の社会とはちがって資本の有無うむにかかわらず自分さえやる気になれば為すべき事業は沢山ある。
は、毎電まいでん東京毎日とうきやうまいにち、やまと、日本にほん記者きしやともに、山越やまごしをして、駒岡貝塚こまをかかひづか末吉貝塚すゑよしかひづか遺跡ゐせきぎ、鶴見つるみ歸宅きたくした。
千本の中には一本や二本、日本にほんの土地へも着きそうなものじゃ。ほんとうに冥護みょうごを信ずるならば、たった一本流すがい。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
山「黙っていなよ、多分日本にほんの内だから大丈夫だ、えー南走清水観音みなみはしみずかんのん西北大津道横須賀道せいほくおおつみちよこすかみちと、なんだ何処の国かと思った」
このかたちつか日本にほんちか朝鮮ちようせん支那しなにおいても、けっしてることの出來できない、じつ日本獨特につぽんどくとくのものといつてよろしい。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
日本にほんじゃ今女のほうが余っているんだから。風邪なんか引いて熱を出したってはじまらない。——なに世の中は広いから、心配するがものはない。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くちけてもいうじゃァねえぞ。——南御町奉行みなみおまちぶぎょうの、信濃守様しなののかみさま妹御いもうとごのお蓮様れんさまは、浜村屋はまむらや日本にほん一の御贔屓ごひいきなんだ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
おゝこの集団しふだん姿すがたあらはすところ、中国ちうごく日本にほん圧制者あつせいしゃにぎり、犠牲ぎせいの××(1)は二十二しやうつちめた
アメリカの資本家しほんか搾取さくしゆされるのも、日本にほん資本家しほんか搾取さくしゆされるのもおなじわけだが、日本にほん勞働者らうどうしやとしては、まつたく『おなじわけ』にかない心理しんりのこつてゐる。
そく仕方しあげたに教育せられ薫陶くんとうせられた中から良妻賢母れうさいけんぼ大袈裟おほげさだがなみ一人前の日本にほん婦人が出て来るわけなら芥箱ごみばこの玉子のからもオヤ/\とりくわさねばならない
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
たい日本にほんをんなの足とたら、周三所謂いはゆる大根だいこんで、不恰好ぶかつかうみぢかいけれども、お房の足はすツと長い、したがツてせいたかかツたが、と謂ツて不態ぶざま大柄おほがらではなかツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そこで、この媼は娘のときから入りかはり立ちかはり日本留学生の世話をして老媼らうあうに及んだのである。『日本にほんばあさん』といふのは、これに本づいた名であつた。
日本媼 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
わたしはいまほんを、ちひさい兄弟姉妹けうだいしまいたちである日本にほんどもたちおくります。また。そのどもたちおやであり、先生せんせいである方々かた/″\にも是非ぜひんでいたゞきたいのです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
台州たいしうから天台縣てんだいけんまでは六十はんほどである。日本にほんの六はんほどである。ゆる/\輿かせてたので、けんから役人やくにんむかへにたのにつたとき、もうひるぎてゐた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そして 一休いっきゅうさんは、日本にほん一 とくの たかい おしょうさんと して、ひとびとに したわれながら、八十八さいのとし、ついに、たまぎむらの つちとなりました。
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
甲州武士こうしゅうぶしなどというせまい気持をすてて、まことの神州武士しんしゅうぶしとなるのだからいいじゃないか。われらの愛国あいこく甲斐かいではなくなった。日本にほんだ。かがやきのある神州しんしゅう扶桑ふそうの国だ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はう心配しんぱいして電報でんぱうまでけたのであるから其時そのとき返電へんでんをしてもらへば無益むえき心配しんぱいけつしてしません。一寸ちよつとしたことであるが日本にほん婦女子ふぢよしには往々わう/\斯樣かやう等閑なをざりおほいのであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
小兒せうにけはどうか日本帝國につぽんていこく干城まもりとなる有爲りつぱ海軍々人かいぐん/″\じんにしてたい、それにつけても、日本人にほんじん日本にほん國土こくど教育けういくしなければしたがつ愛國心あいこくしんうすくなるとはわたくしふかかんずるところ
そのあひだ彼女かのぢよは、無産者むさんしや××同盟どうめい支部しぶはたらかたはら、あるデパート專屬せんぞく刺繍ししう工場こうぢやうかよつて生活せいくわつさゝへた。そのうち、三・一五事件じけんとして有名いうめいな、日本にほん×××ゐん全國的ぜんこくてき大檢擧だいけんきよおこなはれた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
日本にほんさけはござんせうか。……みませんがあつくなすつて。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つつましく日本にほんのをんな菊の花もちて街ゆくふさはしきかな
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
日本にほんの子供はなきませぬ。
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
さいはひ非常ひじやうなる同情どうじやう好意かういもつて一億圓おくゑんのクレデイツトの設定せつていをすることが出來できたことは、日本にほん財界ざいかいつて此上このうへもなき次第しだいである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
それは丁度ちやうど日本にほん國號こくがう外人ぐわいじんなんなんかうとも、吾人ごじんかならつね日本にほん日本にほんかねばならぬのとおな理窟りくつである。(完)
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
そして御主人ごしゅじんからつよさむらいをさがしていというおおせをけて、こんなふうをして日本にほん国中くにじゅうをあちこちとあるきまわっているのでした。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あれこそはひとりこの御夫婦ごふうふだいかざる、もっとうつくしい事蹟じせきであるばかりでなく、また日本にほん歴史れきしなかでのりの美談びだんぞんじます。
滑稽こつけいなのは、日本にほん麻雀道マージヤンだうのメツカのしようある鎌倉かまくらではだれでもおくさんが懷姙くわいにんすると、その檀那樣だんなさまがきつと大當おほあたりをするとふ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
オデオン座で新しく演じて居るパウル・アンテルムの新作劇「日本にほんほまれ」はその芸術的価値はかく、目先がかはつて居るので大入おほいりを続けて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その上給金は一文でも、くれと云った事がないのですから、このくらい重宝ちょうほうな奉公人は、日本にほん中探してもありますまい。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
外国物がいこくものでは、アベ=マリアとか、粗朴そぼくながら、のつながりに、哀愁あいしゅうをもよおす日本にほん俚謡りようなどをあには、このみました。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「これもいまとなつてみれば、んでもない。ふねからうみてようかとおもつたけれど、到頭たうとうまた日本にほんつてかへつた。」
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
たれでもつてなければならぬことを、たれでもらずに大問題だいもんだいがある。自分じぶんらぬもの一人ひとりつた、それは日本にほんける石器時代せききじだい住民じうみんついてゞある。
馬「おもり物でもなんでも少しの間願います、返せば宜うございましょう、今お供物を頂きます、其の替り日本にほんへ帰れば一つをとおにしてお返し申しますから、頂戴」
日本にほん英佛米伊えいふつべいいの四こくとも支那しな勸告くわんこくはつして、はや南北なんほくあらそひをめて『世界改造せかいかいざう偉業ゐげふ參加さんかせよ』とやつたね。支那しなはおかげ南北合同なんほくがふどう大共和國だいきようわこくになるだらう。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
やがてこの枕言葉から「日本にほん」と書いてヤマトと読むこととなったものと解せられるのである。
国号の由来 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
やつらがたうとけようと、中国ちうごく日本にほん兄弟きやうだいうへに×(3)あつむちそうそうたか
たい日本にほんけんよりちひさいものにぐんけてゐるのは不都合ふつがふだと、吉田東伍よしだとうごさんなんぞは不服ふふくとなへてゐる。りよはたして台州たいしう主簿しゆぼであつたとすると日本にほん府縣知事ふけんちじくらゐ官吏くわんりである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
いま日本にほんの小説家ではだれが一番えらいのかねと聞く事もある。要するに文芸には丸で無頓着で且つ驚ろくべく無識であるが、尊敬と軽蔑以上に立つて平気で聞くんだから、代助も返事がしやすい。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はじめて奧樣おくさま日出雄樣ひでをさまが、日本にほんへおかへりになるとうけたまはつたとき本當ほんたう魂消たまぎえましたよ、しかしそれは致方いたしかたもありませんが、其後そのゝちよくうけたまはると、御出帆ごしゆつぱん時日じじつときもあらうに、今夜こんやの十一はん……。
「どうもこうもねえが、あいつァおめえ、日本にほん一のかわものだぜ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)