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不意
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ふい
ふりがな文庫
“
不意
(
ふい
)” の例文
眼
(
まなこ
)
を
放
(
はな
)
たず
睥睨
(
へいげい
)
して
居
(
を
)
る、
猛狒
(
ゴリラ
)
も
益々
(
ます/\
)
猛
(
たけ
)
く
此方
(
こなた
)
を
窺
(
うかゞ
)
つて
居
(
を
)
る、
此
(
この
)
九死一生
(
きうしいつしやう
)
の
分
(
わか
)
れ
目
(
め
)
、
不意
(
ふい
)
に、
實
(
じつ
)
に
不意
(
ふい
)
に、
何處
(
どこ
)
ともなく
一發
(
いつぱつ
)
の
銃聲
(
じうせい
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その人は次官であるから随分身分のある人で、その人の親類が長州に
在
(
あっ
)
て、
之
(
これ
)
に手紙を
遣
(
やっ
)
た所が、その手紙を
不意
(
ふい
)
と探偵に取られた。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
三
匹
(
びき
)
のありは、あまり
不意
(
ふい
)
なことにびっくりしましたが、
気
(
き
)
がついたときには、
赤
(
あか
)
い
葉
(
は
)
の
上
(
うえ
)
に
乗
(
の
)
って、
川
(
かわ
)
の
上
(
うえ
)
を
流
(
なが
)
れていたのです。
三匹のあり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分
(
じぶん
)
も
夫
(
それ
)
で
澤山
(
たくさん
)
だと
考
(
かんが
)
へて、
器械
(
きかい
)
か
何
(
なん
)
ぞと
膝
(
ひざ
)
を
突
(
つ
)
き
合
(
あは
)
せ
肩
(
かた
)
を
並
(
なら
)
べたかの
如
(
ごと
)
くに、
行
(
い
)
きたい
所
(
ところ
)
迄
(
まで
)
同席
(
どうせき
)
して
不意
(
ふい
)
と
下
(
お
)
りて
仕舞
(
しま
)
ふ
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、
不意
(
ふい
)
をくったとんぼ
組
(
ぐみ
)
の
小姓
(
こしょう
)
たちは、
旋風
(
つむじ
)
にまかれた
木
(
こ
)
の葉のように、
睥睨
(
へいげい
)
する
大鷲
(
おおわし
)
の
腹
(
はら
)
の下で、こけつ、まろびつ、
悲鳴
(
ひめい
)
をあげて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それから
今度
(
こんど
)
は風が
吹
(
ふ
)
きたちまち太陽は雲を
外
(
はず
)
れチュウリップの
畑
(
はたけ
)
にも
不意
(
ふい
)
に明るく
陽
(
ひ
)
が
射
(
さ
)
しました。まっ
赤
(
か
)
な花がぷらぷらゆれて光っています。
チュウリップの幻術
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と
話
(
はなし
)
に
紛
(
まぎ
)
れて、
友造
(
ともざう
)
は、こゝに
自分
(
じぶん
)
たちが
不意
(
ふい
)
にめぐり
逢
(
あは
)
うとして、
其
(
そ
)
れがために
同伴
(
つれ
)
の
中
(
なか
)
から
車
(
くるま
)
をはづして
引込
(
ひきこ
)
んだものと
思
(
おも
)
つて
了
(
しま
)
つたらしい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
話
(
はな
)
し
聞
(
き
)
かせてゐる
内
(
うち
)
に、
夫
(
をつと
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
には二三
日
(
にち
)
前
(
まへ
)
の
妻
(
つま
)
との
對話
(
たいわ
)
が
不意
(
ふい
)
に
思
(
おも
)
ひ
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
た。
夫
(
をつと
)
は
我
(
われ
)
知
(
し
)
らず
苦笑
(
くせう
)
した。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
不意
(
ふい
)
を打たれた金将軍は桂月香を
小腋
(
こわき
)
に抱えたまま、高い
梁
(
はり
)
の上へ躍り上った。が、行長の投げつけた剣は宙に飛んだ金将軍の足の小指を斬り落した。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
検事
(
けんじ
)
がもしバルブレンのおかみさんを調べることになると、せっかくの
雌牛
(
めうし
)
がちっとも
不意
(
ふい
)
ではなくなること
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
外套
(
がいとう
)
のポケットへ
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
っこんでみたが、手にあたらない。と、
不意
(
ふい
)
に
気
(
き
)
がついて見ると、それは人の
外套
(
がいとう
)
だった。シューラはさもいまいましそうに
叫
(
さけ
)
んだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
學び得て覺えある
惡漢
(
しれもの
)
なれ共
不意
(
ふい
)
と云
多勢
(
たぜい
)
にて
押伏
(
おしふせ
)
られし事故
汚面々々
(
をめ/\
)
と
召捕
(
めしとら
)
れけり斯て又友次郎は其朝馬喰町の旅宿を
曉
(
あけ
)
寅刻
(
なゝつ
)
に立出て板橋の方へ
到
(
いた
)
り吾助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
時
(
とき
)
不意
(
ふい
)
に
私
(
わたくし
)
の
枕辺
(
まくらべ
)
近
(
ちか
)
くお
姿
(
すがた
)
を
現
(
あら
)
わして、いろいろと
難有
(
ありがた
)
い
慰
(
なぐさ
)
めのお
言葉
(
ことば
)
をかけ、
又
(
また
)
何
(
なに
)
くれと
詳
(
くわ
)
しい
説明
(
せつめい
)
をしてくだされたのは、
例
(
れい
)
の
私
(
わたくし
)
の
指導役
(
しどうやく
)
の
神様
(
かみさま
)
でした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
吾が国に
雪吹
(
ふゞき
)
といへるは、
猛風
(
まうふう
)
不意
(
ふい
)
に
起
(
おこ
)
りて
高山平原
(
かうざんへいげん
)
の雪を
吹散
(
ふきちら
)
し、その風四方にふきめぐらして
寒雪
(
かんせつ
)
百万の
箭
(
や
)
を
飛
(
とば
)
すが如く、
寸隙
(
すんげき
)
の
間
(
あひだ
)
をも
許
(
ゆる
)
さずふきいるゆゑ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
不意
(
ふい
)
に彼は我と我身を
奮
(
ふる
)
ひ起たせようとする樣子だつた。あらゆる現實の證據が彼を捉へたのである。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
信
(
のぶ
)
さん
何
(
ど
)
うした
鼻緒
(
はなを
)
を
切
(
き
)
つたのか、
其姿
(
そのなり
)
は
何
(
どう
)
だ、
見
(
み
)
ッとも
無
(
な
)
いなと
不意
(
ふい
)
に
聲
(
こゑ
)
を
懸
(
か
)
くる
者
(
もの
)
のあり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
庄屋は、
不意
(
ふい
)
の
郡
(
こおり
)
奉行の訪問に、心臓をしめつけられながら、炉べりで平伏した。
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
續
(
つゞ
)
いて
擲
(
なげう
)
つた。
曲者
(
くせもの
)
は
既
(
すで
)
に
遁
(
に
)
げ
落
(
お
)
ちたけれど
彼
(
かれ
)
の
不意
(
ふい
)
の
襲撃
(
しふげき
)
に
慌
(
あわ
)
てゝ
節
(
ふし
)
くれ
立
(
だ
)
つた
柹
(
かき
)
の
根
(
ね
)
に
蹶
(
つまづ
)
いて
倒
(
たふ
)
れた。
彼
(
かれ
)
は
次
(
つき
)
の
日
(
ひ
)
足
(
あし
)
を
引
(
ひき
)
ずらねば
歩
(
ある
)
けぬ
程
(
ほど
)
足首
(
あしくび
)
の
關節
(
くわんせつ
)
に
疼痛
(
とうつう
)
を
感
(
かん
)
じたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
男
(
をとこ
)
は
不意
(
ふい
)
をくらつて
驚
(
おどろ
)
いたやうに
女
(
をんな
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
たまゝ
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
はない。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
お政は、きょう
不意
(
ふい
)
にその母がなくなったと聞かせられたのである。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
竹見は、
不意
(
ふい
)
を
食
(
くら
)
って、その場によろよろ、しりもちをついた。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
古池のそばにすがれし
河楊
(
かはやなぎ
)
不意
(
ふい
)
にうごかす雀が白く
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この
野原
(
のはら
)
にさしかかると、
汽車
(
きしゃ
)
はしきりに
警笛
(
けいてき
)
を
鳴
(
な
)
らしつづけましたが、
不意
(
ふい
)
に、
停車場
(
ていしゃば
)
でもないのに
止
(
と
)
まってしまったのです。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は
寐
(
ね
)
ながら
過去
(
くわこ
)
二三
時間
(
じかん
)
の
經過
(
けいくわ
)
を
考
(
かんが
)
へて、
其
(
その
)
クライマツクスが
突如
(
とつじよ
)
として
如何
(
いか
)
にも
不意
(
ふい
)
に
起
(
おこ
)
つたのを
不思議
(
ふしぎ
)
に
感
(
かん
)
じた。
且
(
かつ
)
悲
(
かな
)
しく
感
(
かん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
右のこわきに、
咲耶子
(
さくやこ
)
のからだを引っかかえていた。
不意
(
ふい
)
に、
当身
(
あてみ
)
をうけたのであろう、
彼女
(
かのじょ
)
は力のない四
肢
(
し
)
をグッタリとのばしていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忽
(
たちま
)
ち、
暗澹
(
あんたん
)
たる
海上
(
かいじやう
)
に、
不意
(
ふい
)
に
大叫喚
(
だいけうくわん
)
の
起
(
おこ
)
つたのは、
本船
(
ほんせん
)
を
遁
(
のが
)
れ
去
(
さ
)
つた
端艇
(
たんてい
)
の
餘
(
あま
)
りに
多人數
(
たにんずう
)
を
載
(
の
)
せたため一二
艘
(
そう
)
波
(
なみ
)
を
被
(
かぶ
)
つて
沈沒
(
ちんぼつ
)
したのであらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「はあ、……」と、
聞
(
き
)
くのに
氣
(
き
)
の
入
(
はひ
)
つた
婦
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
は、
途中
(
とちう
)
が
不意
(
ふい
)
に
川
(
かは
)
に
成
(
な
)
つたかと
思
(
おも
)
ふ、
涼
(
すゞ
)
しけれども
五月
(
ごぐわつ
)
半
(
なか
)
ばの
太陽
(
ひ
)
の
下
(
した
)
に、
偶
(
ふ
)
と
寂
(
さび
)
しい
影
(
かげ
)
が
映
(
さ
)
した。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
男
(
をとこ
)
も
太刀
(
たち
)
を
佩
(
は
)
いてゐるだけに、
力
(
ちから
)
は
相當
(
さうたう
)
にあつたやうですが、
不意
(
ふい
)
を
打
(
う
)
たれてはたまりません。
忽
(
たちま
)
ち一
本
(
ぽん
)
の
杉
(
すぎ
)
の
根
(
ね
)
がたへ、
括
(
くく
)
りつけられてしまひました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、やがて
不意
(
ふい
)
に
松葉
(
まつば
)
から
離
(
はな
)
れると
蜂
(
はち
)
はぶんと
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
つた。三
人
(
にん
)
ははつとどよめいた。けれども、
蜂
(
はち
)
は
大事
(
だいじ
)
な
犧牲
(
ぎせい
)
の
蜘蛛
(
くも
)
の
死骸
(
しがい
)
を
警戒
(
けいかい
)
しに
行
(
い
)
つたのだつた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
吾が国に
雪吹
(
ふゞき
)
といへるは、
猛風
(
まうふう
)
不意
(
ふい
)
に
起
(
おこ
)
りて
高山平原
(
かうざんへいげん
)
の雪を
吹散
(
ふきちら
)
し、その風四方にふきめぐらして
寒雪
(
かんせつ
)
百万の
箭
(
や
)
を
飛
(
とば
)
すが如く、
寸隙
(
すんげき
)
の
間
(
あひだ
)
をも
許
(
ゆる
)
さずふきいるゆゑ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
日頃
(
ひごろ
)
ただ
一人
(
ひとり
)
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
に
閉
(
と
)
じこもり、めったに
外界
(
がいかい
)
と
接
(
せっ
)
する
機会
(
おり
)
のない
私
(
わたくし
)
にとりて、
斯
(
こ
)
うした
少女
(
しょうじょ
)
との
不意
(
ふい
)
の
会合
(
かいごう
)
は
世
(
よ
)
にももの
珍
(
めず
)
らしい
限
(
かぎ
)
りでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その扉の前を通つて、この食物の荷物を持つてるところに
不意
(
ふい
)
うちをくはされる危險を冒さなくては、勉強室の方へは行けなかつた。で、私はじつとこちらの端に立つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
車
(
くるま
)
もなし、
女中
(
ぢよちう
)
も
連
(
つ
)
れずか、やれ/\ま
早
(
はや
)
く
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
れ、さあ
這入
(
はい
)
れ、
何
(
ど
)
うも
不意
(
ふい
)
に
驚
(
おどろ
)
かされたやうでまご/\するわな、
格子
(
かうし
)
は
閉
(
し
)
めずとも
宜
(
よ
)
い
私
(
わ
)
しが
閉
(
し
)
める、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
奧
(
おく
)
が
好
(
い
)
い
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
バルブレンの手にわたすだろう。バルブレンのおっかあが一人きりだったら、あの人に向かってわたしたちの言うことがうそかどうか聞こうとする。そうなればもうあの人の
不意
(
ふい
)
を
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
所が清水はドウも怖くて
云
(
い
)
われない、
不意
(
ふい
)
と捕まえられて首を
斬
(
き
)
られるのではなかろうかと
思
(
おもっ
)
て真実が
吐
(
は
)
かれない。一応は
唯
(
ただ
)
知らぬと答えたれども、薩摩の方では中々
疑
(
うたがっ
)
て居る様子。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
すると
不意
(
ふい
)
に、空でブルルッとはねの音がして、二
疋
(
ひき
)
の小鳥が
降
(
お
)
りて
参
(
まい
)
りました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
させ置て
不意
(
ふい
)
に幸手へ
押掛
(
おしかけ
)
三五郎を
討取
(
うちとる
)
工夫
(
くふう
)
は
幾等
(
いくら
)
も有うと言ふに掃部も成程敵は知て居上ならばマア
急事
(
せくこと
)
もねへが彼が兄弟分の重四郎と云ふ
奴
(
やつ
)
は少し
手強
(
てごは
)
ひ奴なり然し
侠氣
(
たてひき
)
も有奴だから親分の敵を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それで
例
(
れい
)
の
無言
(
むごん
)
で、
不意
(
ふい
)
にうしろから兼吉にげんこをくれた。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ある
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れ
方
(
がた
)
に、
不意
(
ふい
)
に
娘
(
むすめ
)
が
帰
(
かえ
)
ってきました。
両親
(
りょうしん
)
は、
見違
(
みちが
)
えるように
我
(
わ
)
が
子
(
こ
)
の
美
(
うつく
)
しく、
快活
(
かいかつ
)
になっていたのに
驚
(
おどろ
)
いたのです。
笑わない娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だから
其所
(
そこ
)
に
云
(
い
)
ふに
忍
(
しの
)
びない
苦痛
(
くつう
)
があつた。
彼等
(
かれら
)
は
殘酷
(
ざんこく
)
な
運命
(
うんめい
)
が
氣紛
(
きまぐれ
)
に
罪
(
つみ
)
もない
二人
(
ふたり
)
の
不意
(
ふい
)
を
打
(
う
)
つて、
面白
(
おもしろ
)
半分
(
はんぶん
)
穽
(
おとしあな
)
の
中
(
なか
)
に
突
(
つ
)
き
落
(
おと
)
したのを
無念
(
むねん
)
に
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
園
(
その
)
は、
今更
(
いまさら
)
ながら、
瞬時
(
しゆんじ
)
と
雖
(
いへど
)
も、
心
(
こゝろ
)
の
影
(
かげ
)
が、
其
(
そ
)
の
熱
(
ねつ
)
に
堪
(
た
)
へないものゝ
如
(
ごと
)
く、
不意
(
ふい
)
のあやまちで、
怪我
(
けが
)
をさした
人
(
ひと
)
に
吃驚
(
びつくり
)
するやうに、
銀
(
ぎん
)
の
蓋
(
ふた
)
を、ぱつと
取
(
と
)
つた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
竹童
(
ちくどう
)
からだは小さいが身ごなしの
敏捷
(
びんしょう
)
おどろくばかり、
不意
(
ふい
)
に
蔦之助
(
つたのすけ
)
に飛びかかったと思うと、かれの手から手紙をひッたくって、バラバラと逃げだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老婆の話が完ると、下人は
嘲
(
あざけ
)
るやうな聲で
念
(
ねん
)
を押した。さうして、一
足
(
あし
)
前
(
まへ
)
へ出ると、
不意
(
ふい
)
に、右の手を面皰から離して、老婆の
襟上
(
えりがみ
)
をつかみながら、かう云つた。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
不意
(
ふい
)
の
出来事
(
できごと
)
に、
女房
(
にょうぼう
)
は
思
(
おも
)
わずキャッ! と
叫
(
さけ
)
んで、
地面
(
じべた
)
に
臀餅
(
しりもち
)
をついて
了
(
しま
)
いましたが、その
頃
(
ころ
)
の
人間
(
にんげん
)
は
現今
(
いま
)
の
人間
(
にんげん
)
とは
異
(
ちが
)
いまして、
少
(
すこ
)
しは
神
(
かみ
)
ごころがございますから
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
此ふゞきは
不意
(
ふい
)
にあるものゆゑ、
晴天
(
せいてん
)
といへども冬の
他行
(
たぎやう
)
には必
蓑笠
(
みのかさ
)
を用ること我国の常なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
『
其處
(
そこ
)
だツ、
日本男兒
(
につぽんだんじ
)
の
魂
(
たましひ
)
は——。』と
木像
(
もくぞう
)
のやうに
默
(
だま
)
つて
居
(
を
)
つた
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
不意
(
ふい
)
に
叫
(
さけ
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
とんでもない
親類
(
しんるゐ
)
へ
行
(
ゆ
)
くやうな
身
(
み
)
に
成
(
な
)
つたのさ、
私
(
わたし
)
は
明日
(
あす
)
あの
裏
(
うら
)
の
移轉
(
ひつこし
)
をするよ、あんまりだしぬけだから
嘸
(
さぞ
)
お
前
(
まへ
)
おどろくだらうね、
私
(
わたし
)
も
少
(
すこ
)
し
不意
(
ふい
)
なのでまだ
本當
(
ほんたう
)
とも
思
(
おも
)
はれない
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
始めて松木に逢うその時は
既
(
すで
)
に文久四年となり、四年の何月かドウモ覚えない、寒い時ではなかった、夏か秋だと思いますが、或日
肥後七左衛門
(
ひごしちざえもん
)
が
不意
(
ふい
)
と私方に来て、松木が居るが
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
不意
(
ふい
)
にうるんだ
妻
(
つま
)
の
瞳
(
ひとみ
)
を
刹那
(
せつな
)
に
意識
(
いしき
)
しながら、
夫
(
をつと
)
はわざと
投
(
な
)
げつけるやうに
言
(
い
)
つた。
何
(
なに
)
か
重
(
おも
)
いものが
胸
(
むね
)
に
來
(
き
)
た。そして、
夫
(
をつと
)
は
壁掛
(
かべかけ
)
を
手
(
て
)
に
取
(
と
)
ると、
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
にアトリエの
方
(
はう
)
へ
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
大臣
(
だいじん
)
の家のくるみの木が、
霧
(
きり
)
の中から
不意
(
ふい
)
に黒く大きくあらわれました。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
“不意”で始まる語句
不意打
不意気
不意撃
不意討
不意氣
不意々々
不意打ち
不意の贈物