困難こんなん)” の例文
女王樣ぢよわうさまこと大小だいせうかゝはらず、すべての困難こんなん解决かいけつする唯一ゆゐいつ方法はうはふ御存ごぞんじでした。『れのあたまねよ!』と四邊あたりずにまをされました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そして、一のように、おもいものをったり、終日しゅうじつはたらきつづけるというようなことは、いまでは困難こんなんかんじられたのであります。
それ以上いじよう歩行ほこうすることは困難こんなんであつて、たとひ階下かいかかうなどといふ間違まちがつたかんがへをおこしても、それは實行不可能じつこうふかのうであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かれはそれをおぼえるのがなかなか困難こんなんであるらしく見えた。しじゅう母親はやさしくめていたが、同時になかなか手ごわかった。
段々だん/\集注しふちゆうしてかたまつて、仕舞しまひてつぼうやうにならなくては駄目だめだとつた。さうことけばほど實際じつさいにさうなるのが、困難こんなんになつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ゆくときの困難こんなんにひきかえて、帰りは一歩もまようところなく、わずか六時間でサクラわんの波の音をきくことができた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しかし、球台たまたいたま、キユウ、チヨウク、おきやくの人から建物たてものかんじ、周圍しうい状態ぜうたい經營者けいえいしや經營振けいえいふり——さうした條件ぜうけんがいい持にそろふのはじつ困難こんなんな事なので
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
おほきい博物館はくぶつかんをつくることはかねさへあれば容易よういでありますが、博物館はくぶつかんをつくることは金以外かねいがいさら知識ちしき必要ひつようでありますから、餘程よほど困難こんなんなことになります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
自分の信念はいよいよたしかになるが、いざ実験するとなると大きな困難こんなんに面しなければならぬとは、なんというじれったいことでしょう。が、時節はきました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「お待ちなさい、その人たちを助けること、なかなか困難こんなんと思います。それよりも、君に急いでしてもらいたいことは、その大爆発が起らないようにすることです」
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
卯平うへいかすかな呼吸いき段々だん/\恢復くわいふくしてる。勘次かんじはどん/\と落葉おちば麁朶そだいた。かれときゆきはやし燃料ねんれうさがすことの困難こんなんなことを顧慮こりよするいとまさへたなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
水流をわたるのまされるに如かず、され共渉水亦困難こんなんにして水中石礫せきれき累々るゐ/\之をめば滑落せざることほとんどまれなり、衆皆石間せきかんあしき入れてあゆむ、河は山角を沿ふてはなはだしく蜿蜒えん/\屈曲くつきよく
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
鐵車てつしや嚴重げんぢゆうなることと、彈藥だんやくおびたゞしく用意ようゐしてこととで、今日こんにちまで猛獸まうじうがいまぬかれてるが、其内そのうち困難こんなんかんじてたのは、糧食りようしよく飮料水いんれうすいとの缺乏けつぼうとである、すでに昨日きのふから
これも小栗上野介おぐりこうずけのすけ等の尽力じんりょくに出でたるものにて、例の財政ざいせい困難こんなんの場合とて費用の支出ししゅつについては当局者の苦心くしん尋常じんじょうならざりしにもかかわらず、陸軍の隊長たいちょう等は仏国教師の言を
我々はまがいもないチベット人ですら、出入ではいりをするに実に困難こんなんを極めて間道でもあれば脱けて行きたいと思う位苦しんで居りますが、それをまああなたはどこからお越しになったか
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
明治めいぢ三十七ねん戰爭せんさうおこるや、又一またいち召集せうしふせられ、ゆゑかはりてこのきた留守るす監督かんとくすることとなれり。わが牧塲ぼくぢやう事業じげふやうやそのちよきしものにて、創業さうげふ困難こんなんくはふるに交通かうつう不便ふべんあり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
ただ竜神りゅうじんはどこまでもこちらの世界せかいもの人間にんげん世界せかいものであるから、ゆうからけんへのうつりかわりの仕事しごとはまことに困難こんなんで、ながなが歳月としつきようやくのことでモノになったのじゃ。
ことあたらしい專門的術語せんもんてきじゆつごはおほくは日本化にほんくわすることが困難こんなんでもあり、また不可能ふかのうなのもあるので便宜上べんぎじやう外語ぐわいごをそのまゝ日本語にほんごとして使用しようしてゐるのが澤山たくさんあるが、勿論もちろんこれは當然たうぜんのことで
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
病理学者びやうりがくしや心理学者しんりがくしやでない竹村たけむらには、組織立そしきだつてそれを説明せつめいすることは困難こんなんであつたが、とにかく奈美子なみこたいしてふるまうたかれ色々いろ/\行為かうゐだけでは、かれもまた一しゆ変態性慾者へんたいせいよくしやだとおもはれた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
なさるゝ段一應御深切の御志ざしかたじけなく存ずるなれども貴殿も未だ有福いうふくの身になられしと云うでもなければ此金子に於ては決して受取申されず今でこそかく困難こんなんに及ぶものゝ以前は越後家において祿ろく五百石を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
困難こんなんか」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
むすめちからでは、ふといなわをいて、かねつきぼううごかすことが困難こんなんでした。そして、やっとちいさなおとしかたてることができなかったのであります。
娘と大きな鐘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは危険きけんでむずかしい仕事であった。大きなこの木は氷と雪をかぶっているので、それはずいぶん困難こんなんな仕事であった。
たん一箇所いつかしよ觀測かんそくのみによつて震原しんげん位置いち推定すいていせられるのであるが、しかしながら身體しんたい感覺かんかくのみにてはかような結果けつかることは困難こんなんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
これならばむかふでとほり四五くわいかよつたところが、さして困難こんなんでもないとおもつて、くつ穿かうとすると、今度こんどくつそこ何時いつにかやぶれてゐることいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこ彼等かれらあいちやんに爭論さうろん繰返くりかへしてかせました、みんながのこらず各々おの/\一時いちじはなすので、それを一々いち/\正確せいかくることは、あいちやんにとつて非常ひじよう困難こんなんでありました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いかなる困難こんなんとも戦って、あくまで目的に進むというとうとい精神があります。その精神がことごとにあらわれますから、当時の滞仏士官たいふつしかんも、さほどの屈辱くつじょくを受けずにすみました。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
博物館はくぶつかん優劣ゆうれつをきめることは餘程よほど困難こんなんですが、なんといつてもヨーロッパにおいて有名ゆうめい博物館はくぶつかんは、まづ第一だいゝちにイギリスのロンドンにある大英博物館だいえいはくぶつかんげなければなりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
非常ひじやう困難こんなんあひだに、三日みつか※去すぎさつたが、大佐たいさからはなん音沙汰おとさたかつた、また、左樣さう容易たやすくあるべきはづもなく、四日よつかぎ、五日いつかぎ、六日むいかぎ、その七日目なぬかめまでこのおそろしき山中さんちゆう
しなはゝ百姓ひやくしやうとしては格別かくべつはたらきをたなかつたから、寡婦ごけとして獨立どくりつしてくには非常ひじやう困難こんなんでなければらぬだけ身體からだ何處どこにかやはらかな容子ようすがあつて、清潔好きれいずき卯平うへいこゝろいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
山の頂上に出で其後そのご国境こくけうとする所をみてかへらんとするを云ふなり、二派各其困難こんなんの度を比較して利害得失りがいとくしつべ、甲論乙駁容易ようゐけつせず、数時間をつひに水源論多数たすうめ之れに一决す
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
「こんな砂丘ばかりだったらたいへんだぞ、食糧を求めるに困難こんなんする」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
時勢じせいしからしむるところとは申しながら、そもそも勝氏が一身を以て東西の間に奔走ほんそう周旋しゅうせんし、内外の困難こんなんあた円滑えんかつに事をまとめたるがためにして、その苦心くしん尋常じんじょうならざると、その功徳こうとくだいなるとは
時計を見ることができないとすれば、日の加減かげんで知るほかはないが、なにぶんどんよりしているので、何時だか時間を推量すいりょうするのが困難こんなんであった。
第一だいゝち墜落物ついらくぶつ張壁はりかべ煖爐用煙突だんろようえんとつなど、いづれも重量じゆうりようだいなるものであるから、つくゑ椅子いすではさゝへることが困難こんなんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
正吉しょうきちは、そのときだまっていたけれど、自分じぶんははを、きのどくにおもいました。そして、ははのためなら、どんな困難こんなんもいとわないと、こころにちかったのです。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あいちやんのがついただい一の困難こんなんは、紅鶴べにづる取扱とりあつかふことでありました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それからこれ安之助やすのすけ共同きようどうして失敗しつぱいした仕事しごとであるが、叔母をば云付いひつけで、障子しやうじらせられたときには、水道すゐだうでざぶ/\わくあらつたため、矢張やつぱかわいたあとで、惣體そうたいゆがみ出來でき非常ひじやう困難こんなんした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、諸君が大陸に渡航とこうしなかったのは、かえって諸君にさいわいでした。よし大陸に渡航したとしても、アルゼンチン共和国の町、あるいはチリー国の町に出るまでには、種々の困難こんなんがある。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
てのひらとほして前腕まへうでにはめることは餘程よほど困難こんなんであつたことゝおもはれます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
一個いつこ證據しようこなく、天下てんか承認しようにんこと餘程よほど困難こんなんであらうとおもふ。
まだおまえさんたちは、きたくにかえらないのですか。あのくもをごらんなさい。これからは、だんだんあつくなります。そして、日中にっちゅうたび困難こんなんになりますよ。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはその経験けいけんとちえで、のちに困難こんなんにおちいった場合、わたしたちのひじょうな力になったのであった。
おんな一人ひとりでも、この季節きせつべてゆくことは困難こんなんであろうのに、こうして、子供こどもがあっては、なおさら、こまるにちがいないと、おくさまはふか同情どうじょうせられました。
奥さまと女乞食 (新字新仮名) / 小川未明(著)
エチエネットとわたしがリーズの手をった。わたしたちはもっと早くかの女を引っ張ろうとこころみたが、かの女はわたしたちと歩調を合わせることは困難こんなんであった。
おんなは、一人ひとり生活せいかつすることは困難こんなんでありました。それをったむらひとは、どくおもいました。
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はじめこそこの男に話をさせるのがほねれたが、一度始めだすと今度はやめさせるのが困難こんなんであった。やっとわたしたちはそのばんおそく、とにかくねに行くことができた。
いっしょに出発しゅっぱつしながら、ながあいだには、おくれたり、また災難さいなんにかかってんだりした仲間なかまもありました。しかし、これから、うみわたることが困難こんなんだとおもっています。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はやく、その未知みちしまにゆきたいものだとみんなはこころおもいました。どんな困難こんなん辛苦しんくがこののちあってもそれをけてゆこうという勇気ゆうきがみんなのこころにわいたのであります。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おとうさん、えることすら、こんなにることは困難こんなんなのです。これからこころをあらためて勉強べんきょうします。」といいました。こうして二人ふたりは、まことにいい息子むすこたちとなりました。
星と柱を数えたら (新字新仮名) / 小川未明(著)