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但
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たゞ
ふりがな文庫
“
但
(
たゞ
)” の例文
一、
最初
(
さいしよ
)
の
一瞬間
(
いつしゆんかん
)
に
於
(
おい
)
て
非常
(
ひじよう
)
の
地震
(
ぢしん
)
なるか
否
(
いな
)
かを
判斷
(
はんだん
)
し、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
目論見
(
もくろみ
)
を
立
(
た
)
てること、
但
(
たゞ
)
しこれには
多少
(
たしよう
)
の
地震知識
(
ぢしんちしき
)
を
要
(
よう
)
す。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
の
煙草屋
(
たばこや
)
にて
北八
(
きたはち
)
嗜
(
たし
)
む
處
(
ところ
)
のパイレートを
購
(
あがな
)
ふ。
勿論
(
もちろん
)
身錢
(
みぜに
)
なり。
此
(
こ
)
の
舶來
(
はくらい
)
煙草
(
たばこ
)
此邊
(
このへん
)
には
未
(
いま
)
だ
之
(
こ
)
れあり。
但
(
たゞ
)
し
濕
(
しめ
)
つて
味
(
あじはひ
)
可
(
か
)
ならず。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
但
(
たゞ
)
しこんなのは、思ひの外思慮が淺く、一
徹
(
てつ
)
なことをして大間違ひをするのではないか、——平次はフトそんな事を考へて居る樣子です。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
但
(
たゞ
)
し
同棲後
(
どうせいご
)
の
彼女
(
かのぢよ
)
は、
決
(
けつ
)
して
幸福
(
かうふく
)
ではなかつた。
恐
(
おそ
)
らく
彼女
(
かのぢよ
)
もさう
云
(
い
)
ふ
運命
(
うんめい
)
を
掴
(
つか
)
まうと
思
(
おも
)
つて、
彼
(
かれ
)
のところへ
来
(
き
)
たのではなかつたであらう。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
但
(
たゞ
)
し
斯
(
か
)
ういふ
話
(
はなし
)
の
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
は、
餘
(
あま
)
り
遺物
(
ゐぶつ
)
の
出
(
で
)
ない
時
(
とき
)
で、
土器
(
どき
)
の
顏
(
かほ
)
でも
貝層
(
かひさう
)
から
出
(
で
)
やうものなら、
呼吸
(
こきう
)
をするのさへ
忘
(
わす
)
れる
位
(
くらゐ
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
但
(
たゞ
)
し女の容貌は一代や二代で改まる物で無いと云ふ人があるかも知れないが、自分は日本の女の容貌を
悉
(
ことごと
)
く西洋婦人の様にしようとは願はない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
早く縁を切らなければ三藏の
家
(
うち
)
へ
祟
(
たゝ
)
ると云ったが、
扨
(
さて
)
は兄貴が生れ変って来たのか、
但
(
たゞ
)
しは又祟りで
斯
(
こ
)
う云う
小児
(
こども
)
が生れた事か、
何
(
ど
)
うも不思議な事だ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
をみな『わが情は香玉の熱きに似もやらず、
但
(
たゞ
)
少しく君がおん
寂寞
(
さみしさ
)
を慰めむのみ』狎れむとすれば遮りて『相見るよろこび、何ぞ必ずしもここにあらむ』
『聊斎志異』より
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
是より夜の明るまで余は眠るにも眠られず、様々の想像を浮べ来りて是か
彼
(
あ
)
れかと考え廻すに目科は
追剥
(
おいはぎ
)
か
盗坊
(
どろぼう
)
か
但
(
たゞ
)
しは又強盗か、何しろ
極々
(
ごく/\
)
の悪人には相違なし。
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
敏
(
さとし
)
おさなきより
植木
(
うゑき
)
のあつかひを
好
(
す
)
きて、
小器用
(
こぎよう
)
に
鋏
(
はさみ
)
も
使
(
つか
)
へば、
竹箒
(
たけばヽき
)
にぎつて
庭男
(
にはをとこ
)
ぐらゐ
何
(
なん
)
でもなきこと、
但
(
たゞ
)
し
身
(
み
)
の
素性
(
すじやう
)
を
知
(
し
)
られじと
計
(
ばか
)
り、
誠
(
まこと
)
に
只今
(
たヾいま
)
の
山出
(
やまだ
)
しにて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
但
(
たゞ
)
し、
資本
(
しほん
)
は一
面
(
めん
)
に
於
(
お
)
いて
猶
(
な
)
ほ
大
(
おほ
)
いに
國家的
(
こくかてき
)
であるから
國際戰爭
(
こくさいせんさう
)
も
起
(
おこ
)
り、
從
(
したが
)
つて
又
(
また
)
、
國家的
(
こくかてき
)
社會主義者
(
しやくわいしゆぎしや
)
もあり、コスモポリタンに
成
(
な
)
り
得
(
え
)
ざる
心理
(
しんり
)
の
働
(
はたら
)
きがそこに
在
(
あ
)
る。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
志保の母が妊娠した時には、頼理には父もなく子もなかつたのである。
但
(
たゞ
)
頼尚の年齢には疑がある。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
禍福の二門をくゞるの
謂
(
いひ
)
に過ぎず、
但
(
たゞ
)
其謂に過ぎずと観ずれば、
遭逢
(
さうほう
)
百端
(
ひやくたん
)
千差万別、十人に十人の生活あり、百人に百人の生活あり、千百万人
亦
(
また
)
各
(
おの/\
)
千百万人の生涯を有す
人生
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
但
(
たゞ
)
街道
(
がいだう
)
郷村
(
きやうぞん
)
の
児童
(
ぢどう
)
年十五八九已上に
及
(
およ
)
ぶ
者
(
もの
)
、
各
(
おの/\
)
柳の枝を取り皮を
去
(
さ
)
り
木刀
(
ぼくたう
)
に
彫成
(
きざみ
)
なし、皮を以
復
(
また
)
外
(
ほか
)
刀上
(
たうしやう
)
に
纏
(
まと
)
ひ
用火
(
ひにて
)
焼黒
(
やきくろ
)
め皮を
去
(
さ
)
り
以
(
もつて
)
黒白の
花
(
もやう
)
を
分
(
わか
)
つ、名づけて
荷花蘭蜜
(
こばらみ
)
といふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
大岡殿より
差紙
(
さしがみ
)
を以て勘兵衞
店
(
たな
)
權三助十の兩人尋ねの儀
有之
(
これある
)
に
付
(
つき
)
召連
(
めしつれ
)
罷出
(
まかりいづ
)
べき
旨
(
むね
)
達
(
たつ
)
されければ家主勘兵衞は兩人を
呼
(
よび
)
貴樣達は何ぞ
惡
(
わる
)
い客人を
乘
(
のせ
)
て物でも取たか
但
(
たゞ
)
し客人の
錢金
(
ぜにかね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ロミオ
何
(
なん
)
と、
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
りに
斷口上
(
ことわりこうじゃう
)
を
言
(
い
)
うて
入場
(
はひ
)
ったものか、
但
(
たゞ
)
しは
無
(
な
)
しにせうか?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
俗眼だも
過
(
あやま
)
つことなきなり、
但
(
たゞ
)
夫れ悪の外被に蔽はれたる至善あり、善の皮肉に包まれたる至悪あるを看破するは、古来哲士の
為難
(
なしがた
)
しとするところ、凡俗の容易に企つる
能
(
あたは
)
ざる難事なり。
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
何よりもおぼつかなきは
御所勞
(
ごしよらう
)
なり。かまへて、さもと、
三年
(
みとせ
)
のはじめのごとくに、きうぢ(
灸治
(
きうぢ
)
)させたまへ。
病
(
やまひ
)
なき人も
無常
(
むじやう
)
まぬかれがたし。
但
(
たゞ
)
し、としのはてにあらず
法華經
(
ほけきやう
)
の
行者
(
ぎやうじや
)
なり。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ト僕ガ言つてはヤツパリ
広目屋臭
(
ひろめやくさ
)
い、
追
(
おい
)
て
悪言
(
あくげん
)
を
呈
(
てい
)
するこれは
前駆
(
ぜんく
)
さ、
齷齪
(
あくせく
)
するばかりが
平民
(
へいみん
)
の能でもないから、今一段の
風流
(
ふうりう
)
気
(
き
)
を
加味
(
かみ
)
したまへ
但
(
たゞ
)
し
風流
(
ふうりう
)
とは
墨斗
(
やたて
)
、
短冊
(
たんざく
)
瓢箪
(
へうたん
)
の
謂
(
いひ
)
にあらず(十五日)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
但
(
たゞ
)
、『
貴方
(
あんた
)
』と言つたのが、『君』に變つてゐた。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一寸
(
ちよつと
)
、
靴
(
くつ
)
の
先
(
さき
)
へ
團栗
(
どんぐり
)
の
實
(
み
)
が
落
(
お
)
ちたやうな
形
(
かたち
)
らしい。
但
(
たゞ
)
しその
風丰
(
ふうばう
)
は
地仙
(
ちせん
)
の
格
(
かく
)
、
豫言者
(
よげんしや
)
の
概
(
がい
)
があつた。
小狡
(
こざか
)
しき
目
(
め
)
で、じろりと
視
(
み
)
て
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
但
(
たゞ
)
し
此斥候
(
このせつこう
)
の
報告書
(
ほうこくしよ
)
とも
名
(
な
)
づくべきものは、
單
(
たん
)
に
地震波
(
ぢしんぱ
)
の
種々
(
しゆ/″\
)
の
形式
(
けいしき
)
のみであるから、これを
書取
(
かきと
)
り
其上
(
そのうへ
)
にそれを
讀
(
よ
)
み
取
(
と
)
ることを
必要
(
ひつよう
)
とする。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
何処
(
どこ
)
から手を出して掛金を外すのか、
但
(
たゞ
)
し
栓張
(
しんばり
)
を取って
宜
(
い
)
いか訳が分りません、
脊伸
(
せいの
)
びをして上から
捜
(
さぐ
)
って見ると、
閂
(
かんぬき
)
があるようだが、手が届きません。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今日
(
けふ
)
は
併
(
しか
)
し、
其博士
(
そのはかせ
)
が
先導
(
せんだう
)
であるから、
我々
(
われ/\
)
は
自由
(
じいう
)
に
内部
(
ないぶ
)
まで
入
(
い
)
るを
得
(
え
)
た。
但
(
たゞ
)
し、五六
人宛
(
にんづゝ
)
交代
(
かはりがは
)
りである。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
女體の
額
(
ひたひ
)
の夜光石のことは誰にも言ふな、それからお前は、遊佐の右太吉を搜し出して、本人に氣付かれないやう、一と晩見張るのだ。——
但
(
たゞ
)
し、餘計なちよつかいを
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
但
(
たゞ
)
街道
(
がいだう
)
郷村
(
きやうぞん
)
の
児童
(
ぢどう
)
年十五八九已上に
及
(
およ
)
ぶ
者
(
もの
)
、
各
(
おの/\
)
柳の枝を取り皮を
去
(
さ
)
り
木刀
(
ぼくたう
)
に
彫成
(
きざみ
)
なし、皮を以
復
(
また
)
外
(
ほか
)
刀上
(
たうしやう
)
に
纏
(
まと
)
ひ
用火
(
ひにて
)
焼黒
(
やきくろ
)
め皮を
去
(
さ
)
り
以
(
もつて
)
黒白の
花
(
もやう
)
を
分
(
わか
)
つ、名づけて
荷花蘭蜜
(
こばらみ
)
といふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
但
(
たゞ
)
し
拵
(
こしら
)
へ
付
(
つき
)
貳尺四寸
餘
(
よ
)
無名物
(
むめいもの
)
縁
(
ふち
)
赤銅
(
しやくどう
)
鶴
(
つる
)
の
彫
(
ほり
)
頭
(
かしら
)
角
(
つの
)
目貫
龍
(
りよう
)
の
純金
(
むく
)
丸
鍔
(
つば
)
瓢箪
(
へうたん
)
の
透
(
すか
)
し
彫
(
ぼり
)
鞘
(
さや
)
黒塗
(
くろぬり
)
鐺
(
こじり
)
銀
(
ぎん
)
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
但
(
たゞ
)
、
夫丈
(
それだけ
)
の事を
語
(
かた
)
る
為
(
ため
)
に、急用として、わざ/\三千代を呼んだ所が、
玩具
(
おもちや
)
の
詩歌
(
しか
)
に類してゐた。けれども、三千代は固より、斯う云ふ意味での俗を離れた急用を理解し得る女であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
次に忌日吾を祭る時は孝経第一、次に論語、忌日広く吾を祭らむと思はば、内経素問、内経霊枢、次に甲乙経、第三は通俗に随て、請僧誦仏経。是は大過なるべからず。
但
(
たゞ
)
所好
(
このむところ
)
は普門品也。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さても
好
(
この
)
みの
斯
(
か
)
くまでに
上手
(
じやうず
)
なるか、
但
(
たゞ
)
しは
此人
(
このひと
)
の
身
(
み
)
に
添
(
そ
)
ひし
果報
(
くわはう
)
か、
銀
(
しろかね
)
の
平打
(
ひらうち
)
一つに
鴇色
(
ときいろ
)
ぶさの
根掛
(
ねがけ
)
むすびしを、
優
(
いう
)
にうつくしく
似合
(
にあ
)
ひ
給
(
たま
)
へりと
見
(
み
)
れば、
束髮
(
そくはつ
)
さしの
花
(
はな
)
一輪
(
いちりん
)
も
中々
(
なか/\
)
に
愛
(
あい
)
らしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三月
(
さんぐわつ
)
のはじめ、
御近所
(
ごきんじよ
)
のお
醫師
(
いしや
)
に
參
(
まゐ
)
つて、つゝましく、しをらしく、
但
(
たゞ
)
し
餘
(
あま
)
り
見榮
(
みばえ
)
のせぬ
男
(
をとこ
)
の
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
をあらはにして、
神妙
(
しんめう
)
に
種痘
(
しゆとう
)
を
濟
(
す
)
ませ
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
但
(
たゞ
)
し
享保元年
(
きようほがんねん
)
(
西暦
(
せいれき
)
千七百十六年
(
せんしちひやくじゆうろくねん
)
)に
於
(
お
)
ける
新燃鉢
(
しんもえばち
)
の
噴火
(
ふんか
)
は、
霧島噴火史上
(
きりしまふんかしじよう
)
に
於
(
おい
)
て
最
(
もつと
)
も
激
(
はげ
)
しく、
隨
(
したが
)
つて
最高
(
さいこう
)
の
損害記録
(
そんがいきろく
)
を
與
(
あた
)
へたものであつた。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
但
(
たゞ
)
しは業平村に居りましたゆえ業平文治と付けたのか、又は浪島を業平と
訛
(
なま
)
って呼びましたのか、安永年間の事でございますから
私
(
わたくし
)
にもとんと調べが付きませんが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
但
(
たゞ
)
しその
時代
(
じだい
)
には、
精々
(
せい/″\
)
打製石斧
(
だせいせきふ
)
か、
石鏃屑
(
せきぞくくづ
)
位
(
くらゐ
)
で、
格別
(
かくべつ
)
驚
(
おどろ
)
くべき
珍品
(
ちんぴん
)
は
手
(
て
)
に
入
(
い
)
らぬのであつた。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
さう言つて案内してくれたのは、太吉とは兄弟分の——
但
(
たゞ
)
しあまり仲のよくない良助です。
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
捕
(
とら
)
へて詮議すべしと又々本堂へ立歸りコリヤ
和尚
(
をしやう
)
匿
(
かく
)
したるに相違あるまじサア早く出せ
但
(
たゞ
)
し又何れへ落したるや
明白
(
めいはく
)
に云へば
宜
(
よ
)
し云はぬに於ては此方にも
了簡
(
れうけん
)
が有るぞと
詰寄
(
つめよせ
)
けれども住持は
猶
(
なほ
)
自
若
(
じやく
)
として只今申せし通り少しも知らぬことなり然るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
但
(
たゞ
)
金石間近
(
かないはまぢか
)
になつた
時
(
とき
)
、
甲板
(
かんぱん
)
の
方
(
はう
)
に
何
(
なに
)
か
知
(
し
)
らん
恐
(
おそろ
)
しい
音
(
おと
)
がして、
皆
(
みんな
)
が、きやツ!と
叫
(
さけ
)
んだ
時
(
とき
)
ばかり、
少
(
すこ
)
し
顏色
(
かほいろ
)
を
變
(
か
)
へたぢや。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
但
(
たゞ
)
し
地震
(
ぢしん
)
の
起
(
おこ
)
り
樣
(
よう
)
、
即
(
すなは
)
ち
地震
(
ぢしん
)
はいかなる
場所
(
ばしよ
)
に
於
(
おい
)
てどんな
作用
(
さよう
)
で
起
(
おこ
)
るかの
大體
(
だいたい
)
の
觀念
(
かんねん
)
を
得
(
う
)
るため、
地球
(
ちきゆう
)
の
表面
(
ひようめん
)
に
近
(
ちか
)
き
部分
(
ぶぶん
)
の
構造
(
こうぞう
)
を
述
(
の
)
べさして
貰
(
もら
)
ひたい。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
今達者でおれと口真似をしたのは其の島人にはあらざるか、
但
(
たゞ
)
し心の迷いかは知らぬが、かゝる
矢種
(
やだね
)
のあるからには、
何時
(
いつ
)
しか人の来るに相違ない、あゝ有難い/\
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
島吉は
但
(
たゞ
)
し書を入れました。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
但
(
たゞ
)
愛のためには必ずしも我といふ一種勝手次第なる観念の起るものにあらず、完全なる愛は「無我」のまたの名なり。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
但
(
たゞ
)
し
櫻島
(
さくらじま
)
はかういふ
大噴火
(
だいふんか
)
を
百年
(
ひやくねん
)
或
(
あるひ
)
は
二三百年
(
にさんびやくねん
)
の
間隔
(
かんかく
)
を
以
(
もつ
)
て
繰返
(
くりかへ
)
すので、
隨
(
したが
)
つて
鎔岩
(
ようがん
)
の
流出量
(
りゆうしゆつりよう
)
も
多
(
おほ
)
く、
前回
(
ぜんかい
)
の
場合
(
ばあひ
)
は
一
(
いち
)
・
六
(
ろく
)
立方粁
(
りつぽうきろめーとる
)
と
計算
(
けいさん
)
せられてゐるが
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
弟
(
おとゝ
)
祖五郎の行方は知れず、お国にいる事やら、
但
(
たゞ
)
しは途中で
煩
(
わずら
)
ってゞもいやアしまいか、などと心細い身の上で
何卒
(
どうぞ
)
して
音信
(
たより
)
をしたいと思っても
何処
(
どこ
)
にいるか分らず
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ついて
曲
(
まが
)
ると、
眞晝間
(
まつぴるま
)
の
幕
(
まく
)
を
衝
(
つ
)
と
落
(
おと
)
した、
舞臺
(
ぶたい
)
横手
(
よこて
)
のやうな、ずらりと
店
(
みせ
)
つきの
長
(
なが
)
い、
廣
(
ひろ
)
い
平屋
(
ひらや
)
が、
名代
(
なだい
)
の
團子屋
(
だんごや
)
。
但
(
たゞ
)
し
御酒肴
(
おんさけさかな
)
とも
油障子
(
あぶらしやうじ
)
に
記
(
しる
)
してある。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
但
(
たゞ
)
しこの
鎔岩
(
ようがん
)
の
流出
(
りゆうしゆつ
)
するか
否
(
いな
)
かはその
火山
(
かざん
)
の
特性
(
とくせい
)
にも
依
(
よ
)
るのであつて、
鎔岩流出
(
ようがんりゆうしゆつ
)
が
必
(
かなら
)
ず
起
(
おこ
)
るものとも
限
(
かぎ
)
らない。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
何か知らんと
透
(
すか
)
して見れば、
樵夫
(
きこり
)
が立てましたか、
但
(
たゞ
)
しは
旅僧
(
たびそう
)
が
勤行
(
ごんぎょう
)
でもせし処か、家と云えば家、ほんの
雨露
(
うろ
)
を
凌
(
しの
)
ぐだけの小屋があります。文治は立止って表から大声に
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
聞
(
き
)
けば
之
(
これ
)
から
越前
(
ゑちぜん
)
へ
行
(
い
)
つて、
派
(
は
)
は
違
(
ちが
)
ふが
永平寺
(
えいへいじ
)
に
訪
(
たづ
)
ねるものがある、
但
(
たゞ
)
し
敦賀
(
つるが
)
に
一泊
(
いつぱく
)
とのこと。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、業平橋に住居して居りました処から業平文治といいますか、
乃至
(
ないし
)
浪島を誤って業平と申しましたか、
但
(
たゞ
)
しは男の
好
(
よ
)
いところから
斯
(
か
)
く
綽名
(
あだな
)
いたしたものかは
確
(
しか
)
と分りませぬ。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
但
(
たゞ
)
、いさゝか
自
(
みづか
)
ら
安
(
やす
)
んずる
所
(
ところ
)
がないでもないのは、
柳田
(
やなぎだ
)
さんは、
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
てその
衝
(
しよう
)
に
當
(
あた
)
るのだが、
私
(
わたし
)
の
方
(
はう
)
は
間接
(
かんせつ
)
で、よりに
立
(
た
)
つた
格
(
かく
)
で、
按摩
(
あんま
)
に
上
(
かみ
)
をもませて
居
(
ゐ
)
るのは
家内
(
かない
)
で
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
如何
(
いかゞ
)
致そうかと照も心配致して、又々
旅立
(
たびだち
)
を致そうか、
但
(
たゞ
)
しは
謝
(
あや
)
まって信州の親族の処へ参ろうかと思って居った所で有るが、一人の娘を谷間へ落して殺したのも是も皆
罰
(
ばち
)
で
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
但
常用漢字
中学
部首:⼈
7画
“但”を含む語句
但馬
但馬守
但馬守胤統
四方田但馬守
但書
但馬国
但馬守宗矩
秋元但馬守
荒尾但馬守
但馬守様
但馬屋
但馬滋
但馬牛
但馬皇女
荒尾但馬守様
倉持但馬守
君士但丁堡
播但線
浅野但馬守長晟
堀口但馬
...