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立上
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たちあが
ふりがな文庫
“
立上
(
たちあが
)” の例文
可愛
(
かはい
)
さうに
景氣
(
けいき
)
のよい
聲
(
こゑ
)
、
肺臟
(
はいざう
)
から
出
(
で
)
る
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いたのは十
年
(
ねん
)
ぶりのやうな
氣
(
き
)
がして、
自分
(
じぶん
)
は
思
(
おも
)
はず
立上
(
たちあが
)
つた。
見
(
み
)
れば
友人
(
いうじん
)
M君
(
エムくん
)
である。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
然
(
さ
)
らば』とドード
鳥
(
てう
)
が
嚴格
(
げんかく
)
に
云
(
い
)
つて
立上
(
たちあが
)
り、『
此
(
この
)
會議
(
くわいぎ
)
の
延期
(
えんき
)
されんことを
動議
(
どうぎ
)
します。
蓋
(
けだ
)
し、もつと
早
(
はや
)
い
有効
(
いうかう
)
な
治療
(
ちれう
)
方法
(
はうはふ
)
が——』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
よろめくように
立上
(
たちあが
)
ったおせんは、
窓
(
まど
)
の
障子
(
しょうじ
)
に
手
(
て
)
をかけた。と、その
刹那
(
せつな
)
、
低
(
ひく
)
いしかも
聞
(
き
)
き
慣
(
な
)
れない
声
(
こえ
)
が、
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
から
浮
(
う
)
き
上
(
あが
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
金工
(
かざりや
)
は
仕事場
(
しごとば
)
へ
坐
(
すわ
)
って、
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を
造
(
つく
)
っていましたが、
家根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
で
歌
(
うた
)
っている
鳥
(
とり
)
の
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
くと、いい
声
(
こえ
)
だと
思
(
おも
)
って、
立上
(
たちあが
)
って
見
(
み
)
に
来
(
き
)
ました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
女客——幽里子は、三枚の手紙を丁寧に畳むと、手提袋から出した可愛らしい封筒に入れて、静かに
立上
(
たちあが
)
りました。そして
奇談クラブ〔戦後版〕:05 代作恋文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
それで怒って突然
立上
(
たちあが
)
って女を殴り大騒ぎをやらかしたことがある。義理人情というものは大概この程度に不自然なものだ。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
彼
立上
(
たちあが
)
りつゝ。今汝は汝のために燃ゆるわが愛の大いなるをさとるをえむ、そは我等の身の空しきを忘れて 一三三—一三五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
悠然
(
いうぜん
)
として
巻煙草
(
まきたばこ
)
を吸ひ初める。
長吉
(
ちやうきち
)
は「さうか」と感服したらしく返事をしながら、
然
(
しか
)
し
立上
(
たちあが
)
つたまゝに
立見
(
たちみ
)
の
鉄格子
(
てつがうし
)
から舞台の
方
(
はう
)
を
眺
(
なが
)
めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
兒
(
ちご
)
を
靜
(
しづ
)
かに
寢床
(
ねどこ
)
に
移
(
うつ
)
して
女子
(
をなご
)
はやをら
立上
(
たちあが
)
りぬ、
眼
(
まな
)
ざし
定
(
さだ
)
まりて
口元
(
くちもと
)
かたく
結
(
むす
)
びたるまゝ、
疊
(
たゝみ
)
の
破
(
やぶ
)
れに
足
(
あし
)
を
取
(
と
)
られず
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
敦夫は
臥破
(
がば
)
と起上った。そして記録の紙を一枚一枚、光に透かして
叮嚀
(
ていねい
)
に見ていたが、急にそれを投出して
立上
(
たちあが
)
った。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
九
時
(
じ
)
少
(
すこ
)
し
過
(
す
)
ぎ、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
歸
(
かへ
)
らんとて
立上
(
たちあが
)
り、
玄關
(
げんくわん
)
で
毛皮
(
けがは
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
を
引掛
(
ひつか
)
けながら
溜息
(
ためいき
)
して
云
(
い
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私
(
わたくし
)
は
默
(
だま
)
つて
點頭
(
うなづ
)
くと
夫人
(
ふじん
)
は
靜
(
しづか
)
に
立上
(
たちあが
)
り『
皆樣
(
みなさま
)
のお
耳
(
みゝ
)
を
汚
(
けが
)
す
程
(
ほど
)
ではありませんが。』と
伴
(
ともな
)
はれてピアノ
臺
(
だい
)
の
上
(
うへ
)
へ
登
(
のぼ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あゝとばかり我れ知らず身を振はして
立上
(
たちあが
)
り、
踉
(
よろ
)
めく體を踏みしむる右手の支柱、曉の露まだ冷やかなる内府の
御墳
(
みはか
)
、哀れ榮華十年の
遺物
(
かたみ
)
なりけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
船頭の
老夫
(
じいさん
)
は
艫
(
とも
)
の方に
立上
(
たちあが
)
って、
戕牁
(
かしぐい
)
に片手をかけて今や舟を出そうとしていながら、片手を挙げて、乗らないか乗らないかといって人を呼んでいる。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私はとっさに、
汽笛
(
きてき
)
をならし、
制動機
(
せいどうき
)
に手をかけて、汽車を
止
(
と
)
めようとしました。
火夫
(
かふ
)
たちもみな
立上
(
たちあが
)
りました。
向
(
むこ
)
うの汽車でも、
汽笛
(
きてき
)
をならしています。
ばかな汽車
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
小児等
(
こどもら
)
は絶えず唄ふ。いづれも其の
怪
(
あやし
)
き物の姿を見ざる
趣
(
おもむき
)
なり。あとの三
羽
(
ば
)
の烏
出
(
い
)
でて輪に加はる頃より、画工全く
立上
(
たちあが
)
り、我を忘れたる
状
(
さま
)
して踊り
出
(
いだ
)
す。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
河岸へ
立上
(
たちあが
)
りますに、ブーと吹きおろす寒風に袖も
袂
(
たもと
)
もつらゝのように氷って、ずぶ濡れゆえ、
酔
(
えい
)
が醒めてみると夢のような心もちで、
判然
(
はっきり
)
分りませんけれども
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ゴットフリートはびっくりし、
感動
(
かんどう
)
して、「
何
(
なん
)
だ、何だ?」とくり
返
(
かえ
)
しながら、
同
(
おな
)
じように彼を
抱
(
だ
)
きしめた。——それから
彼
(
かれ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
子供
(
こども
)
の手をとっていった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
この人若いに
似合
(
にあわ
)
ず
沈着
(
おちつい
)
た
質
(
たち
)
ゆえ気を
鎮
(
しず
)
めて、見詰めおりしが
眼元
(
めもと
)
口元
(
くちもと
)
は
勿論
(
もちろん
)
、頭の
櫛
(
くし
)
から衣類までが
同様
(
ひとつ
)
ゆえ、始めて
怪物
(
かいぶつ
)
なりと思い、
叫喚
(
あっ
)
と云って
立上
(
たちあが
)
る
胖響
(
ものおと
)
に
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
引明
(
ひきあけ
)
て金三四十兩
懷中
(
ふところ
)
に入れ
立上
(
たちあが
)
る處に
横面
(
よこつら
)
へ
冷
(
ひや
)
りと
觸
(
さは
)
る物あり何かと
疑
(
うたが
)
ひ見れば
縮緬
(
ちりめん
)
の
單物
(
ひとへもの
)
浴衣
(
ゆかた
)
二三枚と倶に
衣紋竹
(
えもんだけ
)
に掛てありしにぞ
毒
(
どく
)
喰
(
くは
)
ば
皿
(
さら
)
迄と是をも
引外
(
ひきはづ
)
して懷中へ
捻込
(
ねぢこみ
)
四邊
(
あたり
)
を
窺
(
うかゞ
)
ひ人足の
絶間
(
たえま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そうして
二人
(
ふたり
)
は、いつしよに
椅子
(
いす
)
を
立上
(
たちあが
)
つてしまつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
箇
(
つ
)
の
髑髏
(
どくろ
)
を
與
(
あた
)
へ、いでや
出陣
(
しゆつぢん
)
と
立上
(
たちあが
)
れば、
毒龍
(
どくりよう
)
再
(
ふたゝ
)
び
策
(
さく
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
(太吉は
俄
(
にわか
)
に
立上
(
たちあが
)
りて、再び父に
取縋
(
とりすが
)
る。)
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
健気
(
けなげ
)
な姉娘の須美は父の声の
下
(
もと
)
に
立上
(
たちあが
)
ると
おさなき灯台守
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
健三はすぐ
立上
(
たちあが
)
ろうとした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俺達
(
おれたち
)
は
立上
(
たちあが
)
りマントを
捨
(
す
)
て
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
紛れもないお染の品——と思うと、ツイ抱き締めるように
立上
(
たちあが
)
りました。お染は
此処
(
ここ
)
を通って、
何処
(
どこ
)
へ行ったことでしょう。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
爪先
(
つまさき
)
で
立上
(
たちあが
)
り、
菌
(
きのこ
)
の
縁
(
ふち
)
を
殘
(
のこ
)
る
隈
(
くま
)
なく
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る
中
(
うち
)
、
端
(
はし
)
なくも
其
(
その
)
眼
(
め
)
は
直
(
たゞ
)
ちに
大
(
おほ
)
きな
青
(
あを
)
い
芋蟲
(
いもむし
)
の
眼
(
め
)
と
出合
(
であ
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
九
時
(
じ
)
少
(
すこ
)
し
過
(
す
)
ぎ、ミハイル、アウエリヤヌイチは
帰
(
かえ
)
らんとて
立上
(
たちあが
)
り、
玄関
(
げんかん
)
で
毛皮
(
けがわ
)
の
外套
(
がいとう
)
を
引掛
(
ひっか
)
けながら
溜息
(
ためいき
)
して
云
(
い
)
うた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
其
(
そ
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
を
見送
(
みおく
)
ると
又
(
また
)
更
(
さら
)
に
恨
(
うら
)
めしいあの車を
見送
(
みおく
)
つた時の一
刹那
(
せつな
)
を
思起
(
おもひおこ
)
すので、もう
何
(
なん
)
としても
我慢
(
がまん
)
が
出来
(
でき
)
ぬといふやうにベンチから
立上
(
たちあが
)
つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
吾等
(
われら
)
は
驚
(
おどろ
)
いて
立上
(
たちあが
)
る、
途端
(
とたん
)
もあらせず!
響
(
ひゞき
)
は
忽
(
たちま
)
ち
海上
(
かいじやう
)
に
當
(
あた
)
つて、
天軸
(
てんじく
)
一時
(
いちじ
)
に
碎
(
くだ
)
け
飛
(
と
)
ぶが
如
(
ごと
)
く、
一陣
(
いちぢん
)
の
潮風
(
ていふう
)
は
波
(
なみ
)
の
飛沫
(
とばしり
)
と
共
(
とも
)
に、サツと
室内
(
しつない
)
に
吹付
(
ふきつ
)
けた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さて食事がすむと挨拶して博士は
立上
(
たちあが
)
った。そして傍の男になにか命令すると静かに元の
扉
(
ドア
)
から次の間へ去った。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
田端
(
たばた
)
で
停車
(
ていしや
)
した
時
(
とき
)
、
園
(
その
)
は
立上
(
たちあが
)
つて、
其
(
そ
)
の
夕靄
(
ゆうもや
)
にぽつと
包
(
つゝ
)
まれた、
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
なる
町
(
まち
)
の
方
(
はう
)
に
向
(
むか
)
つて、
一寸
(
ちよつと
)
会釈
(
ゑしやく
)
した。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
男は
馴
(
な
)
れているから、さからわなかった。落付いて
立上
(
たちあが
)
って、並んで外へでた。そのとき女は椅子を踏み台にしてスタンドの卓をとび降りて
跣足
(
はだし
)
でとびだした。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
立
(
た
)
つに
扨
(
さて
)
は
孃
(
じよう
)
さまの
心
(
こゝろ
)
汲
(
くみ
)
とり
給
(
たま
)
ひてかと
嬉
(
うれ
)
しきにも
心
(
こゝろ
)
ぽそく
立上
(
たちあが
)
る
男
(
をとこ
)
の
顏
(
かほ
)
そと
窺
(
うかゞ
)
ひてホロリとこぼす
涕
(
なみだ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
折
(
おり
)
から
夕餉
(
ゆうげ
)
の
膳
(
ぜん
)
に
対
(
むか
)
おうとしていたお
蓮
(
れん
)
は、
突然
(
とつぜん
)
手
(
て
)
にした
箸
(
はし
)
を
取落
(
とりおと
)
すと、そのまま
狂気
(
きょうき
)
したように、ふらふらッと
立上
(
たちあが
)
って、
跣足
(
はだし
)
のまま
庭先
(
にわさき
)
へと
駆
(
か
)
け
降
(
お
)
りて
行
(
い
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ト老僧は奥を指さして極めて
物静
(
ものしずか
)
に優しくいってくれた。大噐氏は自然に
叩頭
(
おじぎ
)
をさせられて、その言葉通りになるよりほかはなかった。
洋燈
(
ランプ
)
を手にしてオズオズ
立上
(
たちあが
)
った。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
萩原様は嬉しそうな顔をしていると其の側に
丸髷
(
まるまげ
)
の女がいて、
此奴
(
こいつ
)
も
痩
(
やせ
)
て骨と皮ばかりで、ズッと
立上
(
たちあが
)
って
此方
(
こちら
)
へくると、
矢張
(
やっぱり
)
裾が見えないで、腰から上ばかり、
恰
(
まる
)
で絵に
描
(
か
)
いた幽霊の通り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
稍〻
(
やゝ
)
ありて
太息
(
といき
)
と共に
立上
(
たちあが
)
り、昔ありし我が
屋數
(
やしき
)
を打見やれば、其邊は一面の灰燼となりて、何處をそれとも
見別
(
みわ
)
け難し。さても我父は如何にしませしか、一門の人々と共に
落人
(
おちうど
)
にならせ給ひしか。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
また
二箇
(
ふたつ
)
の
髑髏
(
どくろ
)
を与え、いでや出陣と
立上
(
たちあが
)
れば
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
(
立上
(
たちあが
)
る。)夢でも見たのか。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
助けて
遣
(
やら
)
ん是より
道程
(
みちのり
)
は
何程
(
なにほど
)
あるやと問ひければ八五郎
然樣
(
さやう
)
さ四里八町と申せども
多分
(
たぶん
)
中頃
(
なかごろ
)
で爲す仕事ならん一
筋道
(
すぢみち
)
ゆゑ
御出
(
おいで
)
なされば間違ひなけれ共餘程時刻も
後
(
おく
)
れたれば
贅足
(
むだあし
)
ならんといふに半四郎は
最早
(
もはや
)
立上
(
たちあが
)
り
假令
(
たとへ
)
贅足
(
むだあし
)
になればとて元々なり某し一ト走りに
追着
(
おひつき
)
助
(
たす
)
けてやらん
大方
(
おほかた
)
渠等
(
かれら
)
怪我
(
けが
)
もあらんにより
本道
(
ほんだう
)
外科
(
げくわ
)
兩人の醫師を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お秋は
立上
(
たちあが
)
ると、小袖を取って投げかけるように着ました。キリキリと帯を締めると、
小褄
(
こづま
)
をとって、二つ三つ足踏みを
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
舞台の奥から
拍子木
(
ひやうしぎ
)
の
音
(
おと
)
が長い
間
(
ま
)
を置きながら、それでも
次第
(
しだい
)
に近く
聞
(
きこ
)
えて来る。
長吉
(
ちやうきち
)
は
窮屈
(
きうくつ
)
に
腰
(
こし
)
をかけた
明
(
あか
)
り
取
(
と
)
りの窓から
立上
(
たちあが
)
る。すると
吉
(
きち
)
さんは
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『あら、あら、あの
音
(
おと
)
は——。』と
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
眼
(
め
)
をまん
丸
(
まる
)
にして
母君
(
はゝぎみ
)
の
優
(
やさ
)
しき
顏
(
かほ
)
を
仰
(
あふ
)
ぐと、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
默然
(
もくねん
)
として、
其
(
その
)
良君
(
をつと
)
を
見
(
み
)
る。
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
は
靜
(
しづ
)
かに
立上
(
たちあが
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
『
外部
(
ぐわいぶ
)
だとか、
内部
(
ないぶ
)
だとか……。いや
私
(
わたくし
)
には
然云
(
さうい
)
ふ
事
(
こと
)
は
少
(
すこ
)
しも
解
(
わか
)
らんです。
私
(
わたくし
)
の
知
(
し
)
つてゐる
事
(
こと
)
は
唯
(
たゞ
)
是丈
(
これだけ
)
です。』と、
彼
(
かれ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
怒
(
おこ
)
つた
眼
(
め
)
で
院長
(
ゐんちやう
)
を
睨
(
にら
)
み
付
(
つ
)
ける。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
今
(
いま
)
はと
決心
(
けつしん
)
の
臍
(
ほぞ
)
固
(
かた
)
まりけんツト
立上
(
たちあが
)
りしが
又
(
また
)
懷中
(
ふところ
)
に
手
(
て
)
をさし
入
(
い
)
れて
一思案
(
ひとしあん
)
アヽ
困
(
こま
)
つたと
我知
(
われし
)
らず
歎息
(
たんそく
)
の
詞
(
ことば
)
唇
(
くちびる
)
をもれて
其儘
(
そのまゝ
)
に
身
(
み
)
はもとの
通
(
とほ
)
り
舌打
(
したうち
)
の
音
(
おと
)
續
(
つゞ
)
けて
聞
(
きこ
)
えぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三日月
(
みかづき
)
の
淡
(
あわ
)
い
光
(
ひかり
)
が
青
(
あお
)
い
波紋
(
はもん
)
を
大
(
おお
)
きく
投
(
な
)
げて、
白珊瑚
(
しろさんご
)
を
想
(
おも
)
わせる
肌
(
はだ
)
に、
吸
(
す
)
い
着
(
つ
)
くように
冴
(
さ
)
えてゆく
滑
(
なめ
)
らかさが、
秋草
(
あきぐさ
)
の
上
(
うえ
)
にまで
映
(
は
)
え
盛
(
さか
)
ったその
刹那
(
せつな
)
、ふと
立上
(
たちあが
)
ったおせんは
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
と
悠々
(
ゆうゆう
)
としていった時、少なからず
風采
(
ふうさい
)
が
立上
(
たちあが
)
って見えた。
勿論
(
もちろん
)
、
対手
(
あいて
)
は
件
(
くだん
)
の親仁だけれど。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
フ相談
付
(
つか
)
ぬは知れた事、百両出すなら呉れてもやろうがとお辰を
捉
(
とら
)
え
立上
(
たちあが
)
る
裙
(
すそ
)
を抑え、吉兵衛の云う事をまあ下に居てよく聞け、人の身を
売買
(
うりかい
)
するというは
今日
(
こんにち
)
の理に外れた事
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立出
立竦
立籠
立塞
立留