“たちあが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
立上55.7%
起上26.1%
立起5.7%
起立4.5%
立揚4.5%
起揚1.1%
建上1.1%
立騰1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
らば』とドードてう嚴格げんかくつて立上たちあがり、『この會議くわいぎ延期えんきされんことを動議どうぎします。けだし、もつとはや有効いうかう治療ちれう方法はうはふが——』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
湯村は蒼い顔して起上たちあがつた。そして、三畳に出て行つてそこの襖を開けると、寝転んで居た妹は飛んで起きて、窮屈さうに坐つた。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
お通はうかうかと立起たちあがりて、一歩を進め、二歩をき、椽側にで、庭に下り、開け忘れたりし裏の非常口よりふらふらと立出でて、いずこともなく歩み去りぬ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お鶴は編み下げた髪のリボンを直して、短い着物のしわを延しながら起立たちあがった。姉や従姉妹いとこが歌う種々な唱歌につれて、この娘は部屋の内を踊って遊んだ。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
うっかり緩めた把手ハンドルに、と動きを掛けた時である。ものの二三町は瞬く間だ。あたかもその距離の前途ゆくての右側に、真赤まっかな人のなりがふらふらと立揚たちあがった。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
硝子張ガラスばりの障子を漏れる火影ほかげを受けているところは、家内やうちうかがう曲者かと怪まれる……ザワザワと庭の樹立こだちむ夜風の余りに顔を吹かれて、文三は慄然ぶるぶると身震をして起揚たちあが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
腰の蝶番ちょうつがいは満足でも、胸の蝶番が「言ッてしまおうか」「言難いナ」と離れ離れに成ッているから、急には起揚たちあがられぬ……俄に蹶然むっくと起揚ッて梯子段はしごだん下口おりぐちまで参ッたが、不図立止まり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その家は建上たちあがりが高いから、板塀越しに、バラックの棟を並べた収容所の中庭がのぞける。
春雪 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いまわという時、立騰たちあがる地獄の黒煙くろけむりが、線香の脈となって、磊々らいらいたる熔岩がもぐさの形に変じた、といいます。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)