起立たちあが)” の例文
学士がそのコップの中へ鳥か鼠を入れると直ぐに死ぬという話をすると、それを聞いた生徒の一人がすっくと起立たちあがった。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お鶴は編み下げた髪のリボンを直して、短い着物のしわを延しながら起立たちあがった。姉や従姉妹いとこが歌う種々な唱歌につれて、この娘は部屋の内を踊って遊んだ。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「では失礼します。君も御多忙おいそがしいでしょうから」原は帽子を執って起立たちあがった。「いずれ——明日——」
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と先生はあわただしく起立たちあがって、窓から外の方の市街を見た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お種は針仕事を一切ひときりにして、前掛を払いながら起立たちあがった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)