“たちのぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
立騰48.3%
立昇34.5%
立上17.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その気でおぜんに向った日にゃ、おつけの湯気が濛々もうもう立騰たちのぼると、これが毒のある霧になる、そこで咽死むせじにに死にかねませんな。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
赤地あかぢ蜀紅しよくこうなんど錦襴きんらん直垂ひたゝれうへへ、草摺くさずりいて、さつく/\とよろふがごと繰擴くりひろがつて、ひとおもかげ立昇たちのぼる、遠近をちこち夕煙ゆふけむりは、むらさきめて裾濃すそごなびく。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分は珈琲の中に強いアルコオル性のコニヤツクをそゝいで、立上たちのぼる湯氣と共に其の薫りを深く吸ひ込んだ。一時の悲愁は忽ち消えて心がうつとりとなる。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)