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立昇
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たちのぼ
ふりがな文庫
“
立昇
(
たちのぼ
)” の例文
今
(
いま
)
は
餘波
(
なごり
)
さへもない
其
(
その
)
戀
(
こひ
)
を
味
(
あぢ
)
つけうために!
卿
(
そなた
)
の
溜息
(
ためいき
)
はまだ
大空
(
おほぞら
)
に
湯氣
(
ゆげ
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
り、
卿
(
そなた
)
の
先頃
(
さきごろ
)
の
呻吟聲
(
うなりごゑ
)
はまだ
此
(
この
)
老
(
おい
)
の
耳
(
みゝ
)
に
鳴
(
な
)
ってゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
赤地
(
あかぢ
)
、
蜀紅
(
しよくこう
)
なんど
錦襴
(
きんらん
)
の
直垂
(
ひたゝれ
)
の
上
(
うへ
)
へ、
草摺
(
くさずり
)
曳
(
ひ
)
いて、さつく/\と
鎧
(
よろ
)
ふが
如
(
ごと
)
く
繰擴
(
くりひろ
)
がつて、
人
(
ひと
)
の
俤
(
おもかげ
)
立昇
(
たちのぼ
)
る、
遠近
(
をちこち
)
の
夕煙
(
ゆふけむり
)
は、
紫
(
むらさき
)
籠
(
こ
)
めて
裾濃
(
すそご
)
に
靡
(
なび
)
く。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
忽
(
たちま
)
ち
山岳
(
さんがく
)
鳴動
(
めいどう
)
し、
黒烟
(
こくゑん
)
朦朧
(
もうろう
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
る、
其
(
その
)
黒烟
(
こくゑん
)
の
絶間
(
たえま
)
に
眺
(
なが
)
めると、
猛狒
(
ゴリラ
)
は
三頭
(
さんとう
)
共
(
とも
)
微塵
(
みじん
)
になつて
碎
(
くだ
)
け
死
(
し
)
んだ、
獅子
(
しゝ
)
も
大半
(
たいはん
)
は
打斃
(
うちたを
)
れた、
途端
(
とたん
)
に
水兵
(
すいへい
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
大王、
彼処
(
かしこ
)
に見ゆる森の陰に、今煙の
立昇
(
たちのぼ
)
る処は、即ち
荘官
(
しょうや
)
が
邸
(
やしき
)
にて候が、大王自ら踏み込み給ふては
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に
揷
(
さ
)
した
秋海棠
(
しゅうかいどう
)
が、
伊満里
(
いまり
)
の
花瓶
(
かびん
)
に
影
(
かげ
)
を
映
(
うつ
)
した
姿
(
すがた
)
もなまめかしく、
行燈
(
あんどん
)
の
焔
(
ほのお
)
が
香
(
こう
)
のように
立昇
(
たちのぼ
)
って、
部屋
(
へや
)
の
中程
(
なかほど
)
に
立
(
た
)
てた
鏡台
(
きょうだい
)
に、
鬘下地
(
かつらしたじ
)
の
人影
(
ひとかげ
)
がおぼろであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
すると真白な
烟
(
けむり
)
が
濛々
(
もうもう
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
った。どうやら
強酸性
(
きょうさんせい
)
の劇薬らしい。なにをやっているのだろう。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かヽる
人々
(
ひと/″\
)
の
瞋恚
(
しんい
)
のほむらが
火柱
(
ひばしら
)
などヽ
立昇
(
たちのぼ
)
つて
罪
(
つみ
)
もない
世上
(
せじやう
)
をおどろかすなるべし。
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
同時にまた川から
立昇
(
たちのぼ
)
る
藻
(
も
)
の
匀
(
におい
)
や水の匀も、冷たく肌にまつわり出した。
尾生の信
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蒼白く整った顔からは、
芬々
(
ふんぷん
)
として
妖気
(
ようき
)
が
立昇
(
たちのぼ
)
るような気がするのです。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
真暗
(
まっくら
)
なところに
麺棒
(
めんぼう
)
をもってこねた粉をのばしていると、傍に大
釜
(
がま
)
があって白い湯気が
立昇
(
たちのぼ
)
っていたり、また粉をふるっている時は——宅の物置のつづきのさしかけで、
角
(
かど
)
の小さな納屋の窓から
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
山
(
やま
)
も、
谷
(
たに
)
も、
一時
(
いちじ
)
に
顛倒
(
てんたう
)
する
樣
(
やう
)
な
響
(
ひゞき
)
と
共
(
とも
)
に、
黒煙
(
こくえん
)
パツと
立昇
(
たちのぼ
)
る。
猛獸羣
(
まうじうぐん
)
は
不意
(
ふゐ
)
に
驚
(
おどろ
)
いて、
周章狼狽
(
あわてふためい
)
て
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せる。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
紫
(
むらさき
)
の
香煙
(
こうえん
)
が、ひともとすなおに
立昇
(
たちのぼ
)
って、
南向
(
みなみむ
)
きの
座敷
(
ざしき
)
は、
硝子張
(
ギヤマンばり
)
の
中
(
なか
)
のように
暖
(
あたた
)
かい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
月
(
つき
)
の
世界
(
せかい
)
と
成
(
な
)
れば、
野
(
の
)
に、
畑
(
はた
)
に、
山懷
(
やまふところ
)
に、
峰
(
みね
)
の
裾
(
すそ
)
に、
遙
(
はるか
)
に
炭
(
すみ
)
を
燒
(
や
)
く、それは
雲
(
くも
)
に
紛
(
まが
)
ふ、はた
遠
(
とほ
)
く
筑摩川
(
ちくまがは
)
を
挾
(
さしはさ
)
んだ、
兩岸
(
りやうがん
)
に、すら/\と
立昇
(
たちのぼ
)
るそれ
等
(
ら
)
の
煙
(
けむり
)
は、
滿山
(
まんざん
)
の
冷
(
つめた
)
き
虹
(
にじ
)
の
錦
(
にしき
)
の
裏
(
うら
)
に
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
本艦
(
ほんかん
)
之
(
これ
)
に
應
(
おう
)
じて
先
(
ま
)
づ
手始
(
てはじめ
)
には八
吋
(
インチ
)
速射砲
(
そくしやほう
)
つゞいて
打出
(
うちだ
)
す
機關砲
(
きくわんほう
)
。
月
(
つき
)
は
慘
(
さん
)
たり、
月下
(
げつか
)
の
海上
(
かいじやう
)
に
砲火
(
ほうくわ
)
迸
(
とばし
)
り、
硝煙
(
せうゑん
)
朦朧
(
もうらう
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
る
光景
(
くわうけい
)
は、
昔
(
むかし
)
がたりのタラント
灣
(
わん
)
の
夜戰
(
やせん
)
もかくやと
想
(
おも
)
はるゝばかり。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そいつも、ただ
煮
(
に
)
てるんならまだしもだが、
薬罐
(
やかん
)
の
上
(
うえ
)
へ
面
(
つら
)
を
被
(
かぶ
)
せて、
立昇
(
たちのぼ
)
る
湯気
(
ゆげ
)
を、
血相
(
けっそう
)
変
(
か
)
えて
嗅
(
か
)
いでるじゃねえか。あれがおめえ、いい
心持
(
こころもち
)
で
見
(
み
)
ていられるか、いられねえか、まず
考
(
かんが
)
えてくんねえ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
昇
常用漢字
中学
部首:⽇
8画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立籠
立塞