トップ
>
立上
>
たちのぼ
ふりがな文庫
“
立上
(
たちのぼ
)” の例文
二枚の疊を裏返して、白布を敷き詰め、前の經机には、觀音經が一卷、その側には、ユラユラと香煙が
立上
(
たちのぼ
)
つて居ります。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分は珈琲の中に強いアルコオル性のコニヤツクを
注
(
そゝ
)
いで、
立上
(
たちのぼ
)
る湯氣と共に其の薫りを深く吸ひ込んだ。一時の悲愁は忽ち消えて心がうつとりとなる。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
或日瀧口、
閼伽
(
あか
)
の
水
(
みづ
)
汲
(
く
)
まんとて、まだ
明
(
あ
)
けやらぬ空に往生院を出でて、近き泉の方に行きしに、
都
(
みやこ
)
六波羅わたりと覺しき方に、一道の
火焔
(
くわえん
)
天
(
てん
)
を
焦
(
こが
)
して
立上
(
たちのぼ
)
れり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
するとその印を結んだ手の
中
(
うち
)
から、
俄
(
にわか
)
に一道の
白気
(
はっき
)
が
立上
(
たちのぼ
)
って、それが隠々と
中空
(
なかぞら
)
へたなびいたと思いますと、丁度
僧都
(
そうず
)
の
頭
(
かしら
)
の真上に、
宝蓋
(
ほうがい
)
をかざしたような一団の
靄
(
もや
)
がたなびきました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
次の案内を、兵馬が玄関先で暫く控えて待っている間、この代官屋敷の奥の一方で、しきりに三味線の音と陽気な唄の声が
立上
(
たちのぼ
)
るのを聞き、兵馬は一種異様の感を起さないわけにはゆきません。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
と、
床
(
とこ
)
なる一刀スラリと拔きて、青燈の光に差し付くれば、爛々たる氷の刃に水も
滴
(
したゝ
)
らんず
無反
(
むそり
)
の
切先
(
きつさき
)
、鍔を
銜
(
ふく
)
んで紫雲の如く
立上
(
たちのぼ
)
る
燒刃
(
やきば
)
の
匂
(
にほ
)
ひ目も
覺
(
さ
)
むるばかり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立出
立竦
立籠
立塞
立留