“一思案”の読み方と例文
読み方割合
ひとしあん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし余り無造作むぞうさに解決出来る場合だけは、——保吉はいまだにはっきりと一思案ひとしあんよそおった粟野さんの偽善的ぎぜんてき態度を覚えている。
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いまはと決心けつしんほぞかたまりけんツト立上たちあがりしがまた懷中ふところをさしれて一思案ひとしあんアヽこまつたと我知われしらず歎息たんそくことばくちびるをもれて其儘そのまゝはもとのとほ舌打したうちおとつゞけてきこえぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
自然不自然の批判から云っても、実は一思案ひとしあんしなければならない点であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)