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存
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そん
ふりがな文庫
“
存
(
そん
)” の例文
然
(
しか
)
れども
別
(
べつ
)
に
社界
(
しやかい
)
の
大弊根
(
たいへいこん
)
の
長
(
なが
)
く
存
(
そん
)
するありて、
壯年有爲
(
そうねんゆうい
)
の
士
(
し
)
をして
徃々
(
おう/\
)
にして
熱火
(
ねつくわ
)
を
踏
(
ふ
)
み
焔柱
(
ゑんちう
)
を
抱
(
いだ
)
くの
苦慘
(
くさん
)
を
快
(
こゝろよし
)
とせしむる
事
(
こと
)
あり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
寶鼎
(
はうてい
)
金虎
(
きんこ
)
を
存
(
そん
)
し、
芝田
(
しでん
)
白鴉
(
はくあ
)
を
養
(
やしな
)
ふ。
一瓢
(
いつぺう
)
に
造化
(
ざうくわ
)
を
藏
(
ざう
)
し、
三尺
(
さんじやく
)
妖邪
(
えうじや
)
を
斬
(
き
)
り、
逡巡
(
しゆんじゆん
)
の
酒
(
さけ
)
を
造
(
つく
)
ることを
解
(
かい
)
し、また
能
(
よ
)
く
頃刻
(
けいこく
)
の
花
(
はな
)
を
開
(
ひら
)
かしむ。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
取柄
(
とりえ
)
は利慾が
交
(
まじ
)
らぬと云う点に
存
(
そん
)
するかも知れぬが、交らぬだけにその他の
情緒
(
じょうしょ
)
は常よりは余計に活動するだろう。それが
嫌
(
いや
)
だ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
僕
(
ぼく
)
が、へびをなぐったのは、まちがっていたろうか?」と、いまさら
自然
(
しぜん
)
に
存
(
そん
)
するおきてというものが
悟
(
さと
)
られたような
気
(
き
)
がしたのでした。
少年の日二景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
懷
(
ふところ
)
には
小錢
(
こぜに
)
を
蓄
(
たくは
)
へて
置
(
お
)
くことも
出來
(
でき
)
るのであつたが
彼
(
かれ
)
は
能
(
よ
)
くコツプ
酒
(
ざけ
)
を
傾
(
かたむ
)
けたので
彼
(
かれ
)
の
懷
(
ふところ
)
は
決
(
けつ
)
して
餘裕
(
よゆう
)
を
存
(
そん
)
しては
居
(
ゐ
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
徳川の
存
(
そん
)
する限りは一日にてもその
事
(
つか
)
うるところに忠ならんことを
勉
(
つと
)
め、
鞠躬
(
きっきゅう
)
尽瘁
(
じんすい
)
、
終
(
つい
)
に身を以てこれに
殉
(
じゅん
)
じたるものなり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
なお賢人の
曰
(
い
)
うに、「
言
(
げん
)
近くして
旨
(
むね
)
遠きものは
善言
(
ぜんげん
)
なり。守ること約にして
施
(
ほどこ
)
すこと
博
(
ひろ
)
きものは善道なり。
君子
(
くんし
)
の
言
(
げん
)
は
帯
(
おび
)
より
下
(
くだ
)
らずして
道
(
みち
)
存
(
そん
)
す」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
初君が
古跡
(
こせき
)
今
寺泊
(
てらどまり
)
に
在
(
あ
)
り、
里俗
(
りぞく
)
初君
屋敷
(
やしき
)
といふ。
貞享
(
ぢやうきやう
)
元年
釈門万元
(
しやくもんまんげん
)
記
(
しるす
)
といふ初君が哥の
碑
(
いしぶみ
)
ありしが、
断破
(
かけやぶれ
)
しを
享和年間
(
きやうわねんかん
)
里入
(
りじん
)
重修
(
ちようしう
)
して今に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
既
(
すで
)
に漁業に
巧
(
たく
)
みなりと云へば舟の類の
存
(
そん
)
せし事
推知
(
すいち
)
すべき事なるが、アイヌは又此事に付きても言ひ傳へを有せり(後回に
細説
(
さいせつ
)
すべし)(未完)
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
事の実際をいえば
弱宋
(
じゃくそう
)
の大事すでに去り、百戦
必敗
(
ひっぱい
)
は
固
(
もと
)
より疑うべきにあらず、むしろ
恥
(
はじ
)
を
忍
(
しの
)
んで一日も
趙
(
ちょう
)
氏の
祀
(
まつり
)
を
存
(
そん
)
したるこそ利益なるに似たれども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
気はないが、なおそこに一分の余裕を
存
(
そん
)
しておくために、わざと太夫に逢わずに帰ってきたのではあるまいか。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
地上
(
ちじゃう
)
に
存
(
そん
)
する
物
(
もの
)
たる
限
(
かぎ
)
り、
如何
(
いか
)
な
惡
(
あ
)
しい
品
(
しな
)
も
何等
(
なにら
)
かの
益
(
えき
)
を
供
(
きょう
)
せざるは
無
(
な
)
く、
又
(
また
)
如何
(
いか
)
な
善
(
よ
)
いものも
用法
(
ようはふ
)
正
(
たゞ
)
しからざれば
其
(
その
)
性
(
せい
)
に
悖
(
もと
)
り、
圖
(
はか
)
らざる
弊
(
へい
)
を
生
(
しゃう
)
ずる
習
(
なら
)
ひ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そしてその時間を縮めようとしている或る物が
存
(
そん
)
じている。それは小さい記念の数々で、ふと心に留まった坂井夫人の挙動や、
詞
(
ことば
)
と云う程でもない詞である。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一
體
(
たい
)
この
規則
(
きそく
)
でさせる
事
(
こと
)
は
規則
(
きそく
)
其物
(
そのもの
)
の
存
(
そん
)
してゐる
間
(
あひだ
)
、
即
(
すなは
)
ち
規則
(
きそく
)
にはまつて
居
(
ゐ
)
る
間
(
あひだ
)
はよろしいが、
他日
(
たじつ
)
境遇
(
きやうぐう
)
が
變
(
か
)
はると、
一方
(
ひとかた
)
ならぬ
差支
(
さしつかへ
)
を
生
(
しやう
)
ずる
事
(
こと
)
がありませう。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
北
(
きた
)
ヨーロッパ
諸國
(
しよこく
)
には
石
(
いし
)
の
時代
(
じだい
)
、
青銅
(
せいどう
)
の
時代
(
じだい
)
が、
他
(
た
)
の
地方
(
ちほう
)
より
長
(
なが
)
くつゞいてゐたゝめに、その
頃
(
ころ
)
の
遺物
(
いぶつ
)
が
多
(
おほ
)
く
存
(
そん
)
してゐたといふのが、その
理由
(
りゆう
)
の
一
(
ひと
)
つであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
あゝー
先
(
ま
)
ず無事で安心を致した、是れは八年
前
(
ぜん
)
に是れだけ毀したのを
金粉繕
(
ふんづくろ
)
いにして斯うやってある、
併
(
しか
)
し
残余
(
あと
)
は
瑕物
(
きずもの
)
にしてはならんから、どうかちゃんと
存
(
そん
)
して置きたい
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
頃日
(
けいじつ
)
脱稿
(
だっこう
)
の三十年史は、
近時
(
きんじ
)
およそ三十年間、我
外交
(
がいこう
)
の
始末
(
しまつ
)
につき世間に
伝
(
つた
)
うるところ
徃々
(
おうおう
)
誤謬
(
ごびゅう
)
多きを
憂
(
うれ
)
い、先生が旧幕府の時代より
身
(
み
)
躬
(
みず
)
から
耳聞
(
じぶん
)
目撃
(
もくげき
)
して筆記に
存
(
そん
)
するものを
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
〔評〕南洲
嘗
(
かつ
)
て東湖に從うて學ぶ。
當時
(
たうじ
)
書する所、今猶民間に
存
(
そん
)
す。曰ふ、「
一寸
(
いつすん
)
の
英心
(
えいしん
)
萬夫
(
ばんぷ
)
に
敵
(
てき
)
す」と。
蓋
(
けだ
)
し
復古
(
ふくこ
)
の
業
(
げふ
)
を以て
擔當
(
たんたう
)
することを爲す。
維新
(
いしん
)
征東の
功
(
こう
)
實に此に
讖
(
しん
)
す。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
他方
(
たはう
)
少
(
すくな
)
くとも
我國
(
わがくに
)
の
威信
(
ゐしん
)
を
存
(
そん
)
せんが
爲
(
た
)
めには
非常
(
ひじやう
)
の
决心
(
けつしん
)
と
實力
(
じつりよく
)
とを
要
(
えう
)
するのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
だから、
長
(
なが
)
い
戰
(
たゝか
)
ひに
堪
(
た
)
へ
得
(
え
)
ず、
結局
(
けつきよく
)
心身共
(
しんしんとも
)
にくたくたに
疲
(
つか
)
れ
切
(
き
)
つてしまふのだらうが、
思
(
おも
)
ふに、
支那人
(
しなじん
)
の
麻雀戲
(
マージヤンぎ
)
には
彼等
(
かれら
)
の
風格
(
ふうかく
)
に
存
(
そん
)
するやうな
悠悠味
(
いういうみ
)
がどこかにあるのではなからうか?
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
こんな非常手段を遣るくらゐだから、必ず非常の目的が有つて
存
(
そん
)
するのだらう
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
即ち君子の道は端を夫婦に発すというが如く、人倫の端緒は夫婦から開けるんである。更に言えば、男女はこの世の経緯である。経緯相交じって衣を為す。経緯離るれば、衣、
何処
(
いずこ
)
にか
存
(
そん
)
せん。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
つまり警察では、そこに後日の研究の余地を
存
(
そん
)
せしめて置いたのだ。
闘争
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
予審判事の書記が寄れる
卓子
(
ていぶる
)
の足の下に転がりて
酒瓶
(
さけびん
)
の栓の
在
(
あ
)
りし事をも記臆し、
其
(
その
)
栓
(
せん
)
はコロップにて其一端に青き
封蝋
(
ふうろう
)
の
存
(
そん
)
したる事すらも忘れず、
此後
(
こののち
)
千年
生延
(
いきのび
)
るとも是等の事を忘る可くも
非
(
あら
)
ず
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
意味
(
いみ
)
の
存
(
そん
)
する
處
(
ところ
)
何方
(
いづこ
)
ぞや
茫
(
ぼう
)
として
闇
(
くら
)
きわか
葉
(
は
)
のかげいとゞ
迷
(
まよ
)
ひは
茂
(
しげ
)
り
合
(
あ
)
ふばかり
晴
(
は
)
るゝよし
無
(
な
)
き
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
の
心〻
(
こゝろ/\
)
に
判
(
はん
)
じて
見
(
み
)
れど
何
(
いづ
)
れ
眞意
(
しんい
)
と
得
(
え
)
ぞわき
難
(
がた
)
く
喜
(
よろ
)
こぶべきか
歎
(
なげ
)
くべきかお
八重
(
やへ
)
はお
八重
(
やへ
)
優子
(
いうこ
)
は
優子
(
いうこ
)
斯
(
か
)
く
云
(
い
)
はれなば
斯
(
か
)
くせんの
决心
(
けつしん
)
互
(
たがひ
)
に
堅
(
かた
)
けれど
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
なる
返
(
かへ
)
しには
何
(
なに
)
と
定
(
さだ
)
めて
何
(
なに
)
とせん
未練
(
みれん
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
初君が
古跡
(
こせき
)
今
寺泊
(
てらどまり
)
に
在
(
あ
)
り、
里俗
(
りぞく
)
初君
屋敷
(
やしき
)
といふ。
貞享
(
ぢやうきやう
)
元年
釈門万元
(
しやくもんまんげん
)
記
(
しるす
)
といふ初君が哥の
碑
(
いしぶみ
)
ありしが、
断破
(
かけやぶれ
)
しを
享和年間
(
きやうわねんかん
)
里入
(
りじん
)
重修
(
ちようしう
)
して今に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
施
(
ほどこ
)
して必ず
報
(
ほう
)
ある者は、天地の
定理
(
ていり
)
なり。
仁人
(
じんじん
)
之
(
これ
)
を述べて
以
(
もっ
)
て
人
(
ひと
)
に
勧
(
すす
)
む。
施
(
ほどこ
)
して
報
(
ほう
)
を
望
(
のぞ
)
まざる者は、
聖賢
(
せいけん
)
の
盛心
(
せいしん
)
なり。
君子
(
くんし
)
之
(
これ
)
を
存
(
そん
)
して以て
世
(
よ
)
を
済
(
すく
)
う」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
すでに
為
(
な
)
すべからざるを知るといえども、
我
(
わ
)
が
事
(
つか
)
うるところの
存
(
そん
)
せん
限
(
かぎ
)
りは一日も政府の任を
尽
(
つ
)
くさざるべからずとて
極力
(
きょくりょく
)
計画
(
けいかく
)
したるところ少なからず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
而
(
しか
)
して
別
(
べつ
)
に
或
(
ある
)
誤謬
(
ごびゆう
)
の
存
(
そん
)
するあるにもあらずしてこの
殺人
(
さつじん
)
の
罪
(
つみ
)
を
犯
(
おか
)
す、世に普通なるにあらずして、しかも普通なる理由によつてなり、これを
寫
(
うつ
)
す
極
(
きは
)
めて
難
(
かた
)
し
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
朽ちざる
墓
(
はか
)
に
眠
(
ねむ
)
り、
伝
(
つた
)
はる
事
(
こと
)
に
生
(
い
)
き、知らるる名に残り、しからずは
滄桑
(
そうそう
)
の変に任せて、
後
(
のち
)
の
世
(
よ
)
に
存
(
そん
)
せんと思ふ事、
昔
(
むかし
)
より人の
願
(
ねがひ
)
なり、此
願
(
ねがひ
)
のかなへるとき、人は天国にあり。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大佐
(
たいさ
)
の
語
(
かた
)
る
處
(
ところ
)
によると、
海賊島
(
かいぞくたう
)
云々
(
うんぬん
)
の
風聞
(
ふうぶん
)
も
實際
(
じつさい
)
の
事
(
こと
)
で、
其
(
その
)
海賊
(
かいぞく
)
仲間
(
なかま
)
と
或
(
ある
)
強國
(
きようこく
)
との
間
(
あひだ
)
に、
一種
(
いつしゆ
)
の
密約
(
みつやく
)
の
存
(
そん
)
して
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
も、
海事
(
かいじ
)
に
審
(
くわ
)
しき
船員
(
せんゐん
)
社會
(
しやくわい
)
には、
殆
(
ほとん
)
ど
公然
(
こうぜん
)
の
秘密
(
ひみつ
)
となつて
居
(
を
)
る
由
(
よし
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
実際花房の気の付いた通りに、翁の及び難いところはここに
存
(
そん
)
じていたのである。
カズイスチカ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
アイヌ間に
存
(
そん
)
する
口碑
(
こうひ
)
に由ればコロボックルは又
木製
(
もくせい
)
の皿をも
有
(
いう
)
せしが如し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
白痴
(
ばか
)
はおなじ
処
(
ところ
)
に
猶
(
なほ
)
形
(
かたち
)
を
存
(
そん
)
して
居
(
ゐ
)
る、
海月
(
くらげ
)
も
日
(
ひ
)
にあたらねば
解
(
と
)
けぬと
見
(
み
)
える。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
殊
(
こと
)
に旧政府時代の
外交
(
がいこう
)
は内治に
関係
(
かんけい
)
することもっとも
重大
(
じゅうだい
)
にして、我国人の
記念
(
きねん
)
に
存
(
そん
)
すべきものもっとも多きにもかかわらず、今日すでにその
事実
(
じじつ
)
を失うは識者の常に
遺憾
(
いかん
)
とするところなりしに
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
修復
(
しゆふく
)
の
度毎
(
たびごと
)
に
棟札
(
むねふだ
)
あり、今猶
歴然
(
れきぜん
)
と
存
(
そん
)
す。毘沙門の
御丈
(
みたけ
)
三尺五六寸、
往古
(
わうご
)
椿沢
(
つばきざは
)
といふ村に椿の
大樹
(
たいじゆ
)
ありしを伐て
尊像
(
そんざう
)
を作りしとぞ。
作名
(
さくめい
)
は
伝
(
つたは
)
らずときゝぬ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
かくのごとき
恵
(
めぐ
)
みが人生の中に
数
(
かず
)
限りなくあることを常に記憶に
存
(
そん
)
しておきたい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
! 々々々。
此人
(
このひと
)
の
名
(
な
)
は
讀者
(
どくしや
)
諸君
(
しよくん
)
の
御記臆
(
ごきおく
)
に
存
(
そん
)
して
居
(
を
)
るか
否
(
いな
)
か。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
作者
(
さくしや
)
は
何
(
なん
)
が
故
(
ゆえ
)
にラスコーリニコフが
氣鬱病
(
きうつびやう
)
に
罹
(
かゝ
)
りたるやを
語
(
かた
)
らず
開卷
(
かいかん
)
第一に
其
(
その
)
下宿住居
(
げしゆくじゆうきよ
)
を
點出
(
てんしつ
)
せり、これらをも
原因
(
げんいん
)
ある
病氣
(
びやうき
)
と
言
(
いひ
)
て
斥
(
しりぞ
)
けたらんには、この
書
(
しよ
)
の
妙所
(
みやうしよ
)
は
終
(
つい
)
にいづれにか
存
(
そん
)
せんや。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
わたくしは現に蒐集中であるから、わたくしの「武鑑」に対する知識は
日々
(
にちにち
)
変って行く。しかし今知っている
限
(
かぎり
)
を言えば、馬印揃や紋尽は
寛永
(
かんえい
)
中からあったが、当時のものは今
存
(
そん
)
じていない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
住居
(
ぢうきよ
)
の
位置
(
いち
)
は、第一に
飮用水
(
いんようすい
)
を
汲
(
く
)
むべき泉、川、或は湖より
程遠
(
ほどとほ
)
からぬ所にして、次に
食物
(
しよくもつ
)
の
獲易
(
えやす
)
き塲所、次に日當り
好
(
よ
)
き地を
撰
(
ゑら
)
びしなるべし。三つの
條件
(
じやうけん
)
を充たす地には
大部落
(
だいぶらく
)
存
(
そん
)
せしならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
修復
(
しゆふく
)
の
度毎
(
たびごと
)
に
棟札
(
むねふだ
)
あり、今猶
歴然
(
れきぜん
)
と
存
(
そん
)
す。毘沙門の
御丈
(
みたけ
)
三尺五六寸、
往古
(
わうご
)
椿沢
(
つばきざは
)
といふ村に椿の
大樹
(
たいじゆ
)
ありしを伐て
尊像
(
そんざう
)
を作りしとぞ。
作名
(
さくめい
)
は
伝
(
つたは
)
らずときゝぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
純一は聞きながら、二人は一しょにそう云う事に出逢ったと云うのだろうか、それとも岡村も奥さんも偶然同じ箱根の夏を知っているに過ぎないのだろうかと、まだ幾分の疑いを
存
(
そん
)
じている。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
乳
(
ちゝ
)
を
混
(
こん
)
ぜざる
濃茶
(
のうちや
)
を
喜
(
よろこ
)
び、
水
(
みづ
)
を
割
(
わ
)
らざる
精酒
(
せいしゆ
)
を
飮
(
の
)
み、
沈鬱
(
ちんうつ
)
にして
敢爲
(
かんい
)
、
堅
(
かた
)
く
國立
(
こくりつ
)
の
宗教
(
しゆうきよう
)
を
持
(
ぢ
)
し、
深
(
ふか
)
く
祖先
(
そせん
)
の
業
(
げふ
)
を
重
(
おも
)
んず、
工業
(
こうげう
)
甚
(
はなは
)
だ
盛
(
さかん
)
ならざるが
故
(
ゆゑ
)
に
中等社界
(
ちうとうしやくわい
)
の
存
(
そん
)
するところ
多
(
おほ
)
くは
粗朴
(
そぼく
)
なる
農民
(
のうみん
)
にして
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
神主
(
かんぬし
)
宮氏の家に
貞和
(
ぢやうわ
)
文明
(
ぶんめい
)
の頃の
記録
(
きろく
)
今に
存
(
そん
)
せり。
当主
(
たうしゆ
)
は
文雅
(
ぶんが
)
を
好
(
このみ
)
、
吟詠
(
ぎんえい
)
にも
富
(
とめ
)
り、
雅名
(
がめい
)
を
正樹
(
まさき
)
といふ。
余
(
よ
)
も
同好
(
どうこう
)
を以て
交
(
まじはり
)
を
修
(
おさ
)
む。
幣下
(
へいした
)
と
唱
(
となふ
)
る
社家
(
しやけ
)
も
諸方
(
しよはう
)
にあまたある大社也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これらも又輴哥をうたうてかへるなど、
質朴
(
しつぼく
)
の
古風
(
こふう
)
今
目前
(
もくぜん
)
に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
存
常用漢字
小6
部首:⼦
6画
“存”を含む語句
存在
生存
存生
保存
存候
御存
存命
被存候
存外
所存
御存知
存生中
不所存
存命中
奉存候
現存
被存
儼存
一存
存寄
...