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苦勞
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くらう
今の
苦勞を
戀しがる
心も
出づべし、
斯く
形よく
生れたる
身の
不幸、
不相應の
縁につながれて
幾らの
苦勞をさする
事と
哀れさの
増れども
などと
年甲斐もなく
男一
匹がそんな
下らないことを
考へたりするのも、
麻雀に
苦勞した
人間でなければ
分らない
味かも
知れない。
敦賀は
良津ゆゑ
苦勞はないが、
金石の
方は
船が
沖がかりして、
波の
立つ
時は、
端舟で
二三里も
揉まれなければ
成らぬ。
此だけでも
命がけだ。
其時分の
夫婦の
活計は
苦しい
苛い
月ばかり
續いてゐた。
宗助は
流産した
御米の
蒼い
顏を
眺めて、
是も
必竟は
世帶の
苦勞から
起るんだと
判じた。
「
徒勞だよおめえ、
誰がいふことだつて
聽く
苦勞はねえんだから」
婆さん
等は
互に
勝手なことをがや/\と
語り
續けた。
聞給ふとなりまことにありがたき事なり然るに
當世奉行役人は町人百姓を
夜中にてもかまはず
呼出し
腰かけに
苦勞を
今更に
思つてみれば、
勉はもう十九である。九つと三つの
子供を
遺されてからの十
年間は、
今自分で
自分に
涙ぐまれるほどな
苦勞の
歴史を
語つてゐる。
崖の
上の
觀音樣には
茶店がありました。
密柑やたまご 、
駄菓子なんどを
並べて、
參詣者の
咽喉を
澁茶で
濕させてゐたそのおばあさんは、
苦勞しぬいて
來た
人でした。
カピ長 はて、
氣ちがひにもなるわさ。
晝も
夜も、
季も
節も、
念々刻々、
働いてゐよが、
遊んでゐよが、
只一人ゐよが、
多勢と
共にゐよが、
女めが
縁邊を
苦勞にせなんだ
時は
無い。
療治の
報酬に
藥箱の
進物といふのは、
少し
變だが、
本道のほかに
外療も
巧者の
玄竹は、
若い
者の
怪我を
十針ほども
縫つて、
絲に
絡んだ
血腥いものを、
自分の
口で
嘗め
取るといふやうな
苦勞までして
人の
上に
立つものは
夫れ
丈に
苦勞が
多く、
里方が
此樣な
身柄では
猶更のこと
人に
侮られぬやうの
心懸けもしなければ
成るまじ
お
品がそれ
程苦勞した
米穀の
問題が
其の
死後四五
年間の
惨憺たる
境遇から
漸く
解決が
告げられようとしたのである。
可哀氣に、
苦勞で
氣やみに
煩つて、
帶をしめてもゆるむほど、
細々と
成つて
居るものを、
鐵槌で
打つやうに、がん/\と、あたまへ
響くまで
申しましたわ。
始めし者にて
侠氣ある
生れ付なれば友次郎が
長の病氣にお花が
苦勞する樣子を見て
氣の
毒に思ひ
種々心を
老の
目は
苦勞に
覺め
勝ち、
苦勞の
宿る
處には
兎角睡眠の
宿らぬものぢゃが、
心に
創が
無く
腦に
蟠りのない
若い
者は、
手足を
横にするや
否や、
好い
心持に
眠らるゝ
筈ぢゃに、かう
早う
起きさしゃったは
延べしは
重々此方が
惡けれど
母上とらへて
何言居つたかお
耳に
入れまいと
思へばこそ
樣々の
苦勞もするなれさらでもの
御病氣にいとゞ
重さを
内儀さんは
成程さういふ
心持で
居るのかと、それから
種々と
身分相應な
苦勞の
止まぬことを
噺て
聞かせると
兄彦三郎は押止め今兩人江戸へ赴く時は
母人甚淋しく思され猶も
苦勞を
増給はんにより其方は母樣の
傍に止りて
慰め
進らせよと
漸々宥め
賺し正月廿一日いまだ
幼弱の身を
あなたも
厭だといふし、
其に
私も、そりや
樣子を
知つて
居て、
一所に
苦勞をして
呉れたからツたつても、
※さんには
極が
惡くツて、
内へお
連れ
申すわけには
行かないしさ。
切る
夜風に
破れ
屏風の
内心配になりて
絞つて
歸るから
車財布のものゝ
少き
程苦勞のたかの
多くなりてまたぐ
我家の
閾の
高さ
同じ
道理で、
坂は
照る/\
鈴鹿は
曇る=といひ、
袷遣りたや
足袋添へて=と
唱へる
場合には、いづれも
疲を
休めるのである、
無益なものおもひを
消すのである、
寧ろ
苦勞を
紛らさうとするのである
流れて
知られる
頼みもなしマアどの
位悲しからうと
入らぬ
事ながら
苦勞ぞかしとて
流石に
笑へばテモ
孃さまは
花の
心を
「
所帶の
苦勞まで
饒舌りやがる、
畜生め。」
此年をして
人樣の
口入れやら
手傳ひやら、
老耻ながらも
詮の
無き
世を
經まする、
左れども
當て
無しに
苦勞は
出來ぬもの、つく/″\お
前夫婦の
働きを
見るに
珍らしき
客に
馳走は
出來ねど
好物の
今川燒、
里芋の
煮ころがしなど、
澤山たべろよと
言ふ
言葉が
嬉し、
苦勞はかけまじと
思へど
見す
見す
大晦日に
迫りたる
家の
難義
もう
日が
暮れたに
太吉は
何故かへつて
來ぬ、
源さんも
又何處を
歩いて
居るかしらんとて
仕事を
片づけて一
服吸つけ、
苦勞らしく
目をぱちつかせて、
更に
土瓶の
下を
穿くり
何ごとぞ
飽くまで
優しき
孝行のこヽろに
似す、
父君母君が
苦勞の
種の
嫁いりの
相談かけ
給ふごとに、
我まヽながら
私し
一生ひとり
住みの
願ひあり、
仰せに
背くは
罪ふかけれど
飾る
錦の
裏はと
問はゞ
涙ばかりぞ
薄化粧に
深き
苦勞の
色を
隱して
友が
無邪氣の
物語りを
袖よ
今の
苦勞はつらくとも
暫時の
辛抱ぞしのべかし、やがて
伍長の
肩書も
持たば、
鍛工場の
取締りとも
言はれなば、
家は
今少し
廣く
小女の
走り
使ひを
置きて、
其かよわき
身に
水は
汲まさじ
婦人の
身はかなしと
思もひ
絶て、
松野が
忠節の
心より、
我大事と
思もふあまりに
樣々の
苦勞心痛、
大方ならぬ
志は
知るものから、
夫すら
空ふく
風と
聞きて、
耳にだに
止めんとせざりし
身が
なけれど
今日までの
憂き
苦勞は
何ゆゑぞ
逢はんと
思ふ
夫一
ツに
萬の
願ひを