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月夜
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つきよ
ふりがな文庫
“
月夜
(
つきよ
)” の例文
夕月夜
(
ゆふづくよ
)
といふのは
夕月
(
ゆふづき
)
の
夜
(
よ
)
といふことでなく、
月夜
(
つきよ
)
は
月
(
つき
)
のことです。で、
夕月
(
ゆふづき
)
の
頃
(
ころ
)
といふと、
新月
(
しんげつ
)
の
出
(
で
)
た
時分
(
じぶん
)
といふことになります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は、
小指
(
こゆび
)
を
切
(
き
)
りました。そして、
赤
(
あか
)
い
血
(
ち
)
を、サフラン
酒
(
しゅ
)
のびんの
中
(
なか
)
に
滴
(
た
)
らしました。ちょうど、
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
は、いい
月夜
(
つきよ
)
でありました。
砂漠の町とサフラン酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
庭
(
には
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
身
(
み
)
を
避
(
さ
)
けてしんみりと
互
(
たがひ
)
の
胸
(
むね
)
を
反覆
(
くりかへ
)
す
時
(
とき
)
繁茂
(
はんも
)
した
柹
(
かき
)
や
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
は
彼等
(
かれら
)
が
唯
(
ゆゐ
)
一の
味方
(
みかた
)
で
月夜
(
つきよ
)
でさへ
深
(
ふか
)
い
陰翳
(
かげ
)
が
安全
(
あんぜん
)
に
彼等
(
かれら
)
を
包
(
つゝ
)
む。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
苔
(
こけ
)
かと
見
(
み
)
ゆる
薄毛
(
うすげ
)
の
天窓
(
あたま
)
に、
笠
(
かさ
)
も
被
(
かぶ
)
らず、
大木
(
たいぼく
)
の
朽
(
く
)
ちたのが
月夜
(
つきよ
)
に
影
(
かげ
)
の
射
(
さ
)
すやうな、ぼけやた
色
(
いろ
)
の
黒染
(
すみぞめ
)
扮装
(
でたち
)
で、
顔
(
かほ
)
の
蒼
(
あを
)
い
大入道
(
おほにうだう
)
!
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ただ『大和物語』などに書いてあるのは、その晩はちょうど好い
月夜
(
つきよ
)
で、じっと山を
眺
(
なが
)
めていると悲しくなった。それで男は
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
艙
(
そう
)
の外は見渡す限り、茫々とした
月夜
(
つきよ
)
の水ばかりだ。その時の寂しさは話した所が、天下にわかるものは一人もあるまい。
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
押
(
を
)
せば
開
(
ひ
)
らく
片折戸
(
かたをりど
)
に
香月
(
かうづき
)
そのと
女名
(
をんなヽ
)
まへの
表札
(
ひようさつ
)
かけて
折々
(
をり/\
)
もるヽ
琴
(
こと
)
のしのび
音
(
ね
)
、
軒端
(
のきば
)
の
梅
(
うめ
)
に
鶯
(
うぐひす
)
はづかしき
美音
(
びおん
)
をば
春
(
はる
)
の
月夜
(
つきよ
)
のおぼろげに
聞
(
き
)
くばかり
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よしや一
斗
(
と
)
の「モルヒ子」に
死
(
し
)
なぬ
例
(
ためし
)
ありとも
月夜
(
つきよ
)
に
釜
(
かま
)
を
抜
(
ぬ
)
かれぬ
工風
(
くふう
)
を
廻
(
めぐ
)
らし
得
(
う
)
べしとも、
当世
(
たうせい
)
小説
(
せうせつ
)
の
功徳
(
くどく
)
を
授
(
さづ
)
かり
少
(
すこ
)
しも其
利益
(
りやく
)
を
蒙
(
かうむ
)
らぬ事
曾
(
かつ
)
て
有
(
あ
)
るべしや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
その
歸
(
かへ
)
りがけ、それは
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
のことでありましたが、あの
應神天皇
(
おうじんてんのう
)
(
伯孫
(
はくそん
)
の
時
(
とき
)
から
百年
(
ひやくねん
)
ほど
前
(
まへ
)
に
當
(
あた
)
る)の
御陵
(
ごりよう
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
りかゝると、
非常
(
ひじよう
)
に
立派
(
りつぱ
)
な
赤
(
あか
)
い
馬
(
うま
)
に
乘
(
の
)
つてゐる
人
(
ひと
)
に
出會
(
であ
)
ひました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「ああ、あれですか、コスモスに花が咲いたのですよ。夜になるまでお待ちなさい。今夜は
月夜
(
つきよ
)
です。夜になったら、お母さんも
一寸
(
ちょっと
)
上の方まで行ってみます。その時、ちょっと
覗
(
のぞ
)
いてみたらいいでしょう」
もぐらとコスモス
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「先生に言いつけろ。その代り
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
ばかりはないぞ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
うちかがむ毛の
柔
(
にこ
)
ものの黒きかげ葱はかがよふ
月夜
(
つきよ
)
落窪
(
おちくぼ
)
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
8
月夜
(
つきよ
)
のでんしんばしら
『注文の多い料理店』広告文
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いつも
月夜
(
つきよ
)
でうれしかろ。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
月夜
(
つきよ
)
の
風邪
(
かぜ
)
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
には、いい
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
もあれば、
風
(
かぜ
)
の
日
(
ひ
)
もあり、また、
雨
(
あめ
)
の
日
(
ひ
)
もありました。なにかにつけて、
昔
(
むかし
)
の
日
(
ひ
)
が
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
されたのでした。
平原の木と鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
で、
町
(
まち
)
は
便
(
たより
)
なく、すうと
月夜
(
つきよ
)
に
空
(
そら
)
へ
浮
(
う
)
く。
上
(
うへ
)
から
覗
(
のぞ
)
いて、
山
(
やま
)
の
崖
(
がけ
)
が
處々
(
ところ/″\
)
で
松
(
まつ
)
の
姿
(
すがた
)
を
楔
(
くさび
)
に
入
(
い
)
れて、づツしりと
壓
(
おさ
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
社
(
やしろ
)
の
森
(
もり
)
の
外
(
そと
)
は
白
(
しろ
)
い
月夜
(
つきよ
)
である。
勘次
(
かんじ
)
が
村落外
(
むらはづ
)
れの
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
つた
時
(
とき
)
は
踊子
(
をどりこ
)
は
皆
(
みな
)
自分
(
じぶん
)
の
嚮
(
むか
)
ふ
處
(
ところ
)
に
赴
(
おもむ
)
いて三
人
(
にん
)
のみが
靜
(
しづか
)
に
深
(
ふ
)
け
行
(
ゆ
)
く
庭
(
には
)
にぽつさりと
立
(
た
)
つたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
冬
(
ふゆ
)
の
月夜
(
つきよ
)
なにかに
田町
(
たまち
)
あたりを
集
(
あつ
)
めに
廻
(
まわ
)
ると
土手
(
どて
)
まで
來
(
き
)
て
幾度
(
いくど
)
も
泣
(
な
)
いた
事
(
こと
)
がある、
何
(
なに
)
さむい
位
(
くらゐ
)
で
泣
(
な
)
きはしない、
何故
(
なぜ
)
だか
自分
(
じぶん
)
も
知
(
し
)
らぬが
種々
(
いろ/\
)
の
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へるよ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うちかがむ毛の
柔
(
にこ
)
ものの黒きかげ葱はかがよふ
月夜
(
つきよ
)
落窪
(
おちくぼ
)
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「お
月夜
(
つきよ
)
だから、あんなに綺麗だったのですよ」
もぐらとコスモス
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
おかあさんと 三
人
(
にん
)
が とを あけて、そとを ながめました。こがらしが ふいて、すみわたった いい
月夜
(
つきよ
)
でした。
こがらしの ふく ばん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
凄
(
すさま
)
じく
嘶
(
いなゝ
)
いて
前足
(
まへあし
)
を
両方
(
りやうはう
)
中空
(
なかぞら
)
へ
飜
(
ひるがへ
)
したから、
小
(
ちひさ
)
な
親仁
(
おやぢ
)
は
仰向
(
あふむ
)
けに
引
(
ひツ
)
くりかへつた、づどんどう、
月夜
(
つきよ
)
に
砂煙
(
すなけぶり
)
が
𤏋
(
ぱツ
)
と
立
(
た
)
つ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鶴
(
つる
)
千年
(
せんねん
)
龜
(
かめ
)
萬年
(
まんねん
)
人間
(
にんげん
)
常住
(
じやうぢう
)
いつも
月夜
(
つきよ
)
に
米
(
こめ
)
の
飯
(
めし
)
ならんを
願
(
ねが
)
ひ
假
(
かり
)
にも
無常
(
むじやう
)
を
觀
(
くわん
)
ずるなかれとは
大福
(
だいふく
)
長者
(
ちやうじや
)
と
成
(
な
)
るべき
人
(
ひと
)
の
肝心
(
かんじん
)
肝要
(
かんえう
)
かなめ
石
(
いし
)
の
固
(
かた
)
く
執
(
と
)
つて
動
(
うご
)
かぬ
所
(
ところ
)
なりとか
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
月夜
(
つきよ
)
の
風
(
かぜ
)
も
消
(
き
)
えゆけり
古調月明集:01 月明二章
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「しかし、こういう
月夜
(
つきよ
)
に、
私
(
わたし
)
たちは、よくあの
怖
(
おそ
)
ろしいへびにねらわれたものだ。それを
考
(
かんが
)
えると、二
度
(
ど
)
と、あの
川
(
かわ
)
へ
帰
(
かえ
)
りたいと
思
(
おも
)
わない。」
つばめと魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
恰
(
あたか
)
も
何
(
なに
)
よ、それ
畜生道
(
ちくしやうだう
)
の
地獄
(
ぢごく
)
の
絵
(
ゑ
)
を、
月夜
(
つきよ
)
に
映
(
うつ
)
したやうな
怪
(
あやし
)
の
姿
(
すがた
)
が
板戸
(
いたど
)
一
重
(
へ
)
、
魑魅魍魎
(
ちみまうりやう
)
といふのであらうか、ざわ/\と
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
が
戦
(
そよ
)
ぐ
気色
(
けしき
)
だつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その ばんは さむい いい
月夜
(
つきよ
)
でした。あたりは ぎんの こなを まいたように、しもが ひかって いました。
きょうだいの のねずみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
櫻
(
さくら
)
、
山吹
(
やまぶき
)
、
寺内
(
じない
)
の
蓮
(
はちす
)
の
華
(
はな
)
の
頃
(
ころ
)
も
知
(
し
)
らない。そこで
蛙
(
かはづ
)
を
聞
(
き
)
き、
時鳥
(
ほとゝぎす
)
を
待
(
ま
)
つ
度胸
(
どきよう
)
もない。
暗夜
(
やみよ
)
は
可恐
(
おそろし
)
く、
月夜
(
つきよ
)
は
物
(
もの
)
すごい。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
暗
(
くら
)
い
道
(
みち
)
がなんだという
気持
(
きも
)
ちになりました。さいわいにいい
月夜
(
つきよ
)
だったので、
主人
(
しゅじん
)
にお
礼
(
れい
)
をいって、そこを
出
(
で
)
ました。
夜の進軍らっぱ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此
(
こ
)
の
煙
(
けむり
)
は
月夜
(
つきよ
)
のやうに
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
にも
這
(
は
)
ひ
懸
(
かゝ
)
る。
船
(
ふね
)
の
焼
(
や
)
けた
余波
(
なごり
)
は
分解
(
わか
)
ず……
唯
(
たゞ
)
陽炎
(
かげらふ
)
が
頻
(
しきり
)
に
形
(
かたち
)
づくりするのが
分解
(
わか
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けると、いい
月夜
(
つきよ
)
でした。
美代子
(
みよこ
)
さんは、
自分
(
じぶん
)
の
造
(
つく
)
った
千代紙
(
ちよがみ
)
の
花
(
はな
)
をすっかり、
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
に
投
(
な
)
げ
散
(
ち
)
らしました。
千代紙の春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
月夜
(
つきよ
)
の
星
(
ほし
)
は
數
(
かぞ
)
へられない。
恁
(
か
)
くまでの
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
の
大
(
おほい
)
なる
群
(
むれ
)
が
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
つた
場所
(
ばしよ
)
から
志
(
こゝろざ
)
す
處
(
ところ
)
へ
移
(
うつ
)
らうとするのである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ほんとうにその
晩
(
ばん
)
はいいお
月夜
(
つきよ
)
で、
青
(
あお
)
い
波
(
なみ
)
の
上
(
うえ
)
が
輝
(
かがや
)
きわたって、
空
(
そら
)
は
昼間
(
ひるま
)
のように
明
(
あか
)
るくて、
静
(
しず
)
かでありました。
赤い船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ありや、と
威勢
(
ゐせい
)
よく
頭突
(
づつき
)
に
屈
(
かゞ
)
んで、
鼻息
(
はないき
)
をふツと
吹
(
ふ
)
き、
一散
(
いつさん
)
に
黒
(
くろ
)
く
成
(
な
)
つてがら/\と
月夜
(
つきよ
)
を
駈出
(
かけだ
)
す。……
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
外
(
そと
)
は、いい
月夜
(
つきよ
)
でありました。
昼間
(
ひるま
)
のように
明
(
あか
)
るく、
木立
(
こだち
)
の
姿
(
すがた
)
はうす
青
(
あお
)
い
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らし
出
(
だ
)
されていました。しかし、どこにも
娘
(
むすめ
)
の
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
えませんでした。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
雨
(
あめ
)
か
不知
(
しら
)
、
時
(
とき
)
しも
秋
(
あき
)
のはじめなり、
洋燈
(
ランプ
)
に
油
(
あぶら
)
をさす
折
(
をり
)
に
覗
(
のぞ
)
いた
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
空
(
そら
)
の
模樣
(
もやう
)
では、
今夜
(
こんや
)
は
眞晝
(
まひる
)
の
樣
(
やう
)
な
月夜
(
つきよ
)
でなければならないがと
思
(
おも
)
ふ
内
(
うち
)
も
猶
(
なほ
)
其音
(
そのおと
)
は
絶
(
た
)
えず
聞
(
きこ
)
える。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと
目
(
め
)
をさましますと、
外
(
そと
)
は、ちょうどその
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
たようないい
月夜
(
つきよ
)
で、
小
(
ちい
)
さな
窓
(
まど
)
が
明
(
あか
)
るく
月光
(
げっこう
)
に
照
(
て
)
らされていました。
彼
(
かれ
)
は、さっそく、
起
(
お
)
き
上
(
あ
)
がりました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
月夜
(
つきよ
)
なんざ、
露
(
つゆ
)
にも
色
(
いろ
)
が
染
(
そま
)
るやうに
綺麗
(
きれい
)
です……お
庇
(
かげ
)
を
被
(
かうむ
)
つて、いゝ
保養
(
ほやう
)
をしますのは、
手前
(
てまへ
)
ども。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ある
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
のことです。
少女
(
しょうじょ
)
があるいてゆきますと、うしろから
自分
(
じぶん
)
を
呼
(
よ
)
びとめるものがあります。
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彫像
(
てうざう
)
の
成
(
な
)
つた
時
(
とき
)
、
北
(
きた
)
の
一天
(
いつてん
)
、
俄
(
には
)
かに
黒雲
(
くろくも
)
を
捲起
(
まきお
)
こして
月夜
(
つきよ
)
ながら
霰
(
あられ
)
を
飛
(
と
)
ばした。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おばあさんは、こんな
穏
(
おだ
)
やかな
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
には、よくこちょうが
人間
(
にんげん
)
に
化
(
ば
)
けて、
夜
(
よる
)
おそくまで
起
(
お
)
きている
家
(
いえ
)
を、たずねることがあるものだという
話
(
はなし
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
月夜と眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
へい、それ
引込
(
ひきこ
)
め、と
仰有
(
おつしや
)
りますから、
精々
(
せい/″\
)
目着
(
めつか
)
りませんやうに、
突然
(
いきなり
)
蝋燭
(
らふそく
)
を
消
(
け
)
して
來
(
き
)
たでござります。
山
(
やま
)
の
蔭
(
かげ
)
に
成
(
な
)
りますで、
車
(
くるま
)
一
臺
(
だい
)
は
月夜
(
つきよ
)
でも、
一寸
(
ちよいと
)
目
(
め
)
には
着
(
つ
)
きますまいと
思
(
おも
)
ひまして、へい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
海岸
(
かいがん
)
では
海水浴
(
かいすいよく
)
をしている
人間
(
にんげん
)
もありました。
彼
(
かれ
)
らは、「ほんとうに、いい
月夜
(
つきよ
)
だこと。」といって、
砂浜
(
すなはま
)
でねころんだり、また
暗
(
くら
)
い
波
(
なみ
)
の
中
(
なか
)
を
泳
(
およ
)
いだりしていました。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
をかしいから、
俺
(
おれ
)
は
門
(
もん
)
の
處
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて
氣
(
き
)
を
取
(
と
)
られて
居
(
ゐ
)
たが、
變
(
へん
)
だなあ、うむ、
外
(
そと
)
は
良
(
い
)
い
月夜
(
つきよ
)
で、
蟲
(
むし
)
の
這
(
は
)
ふのが
見
(
み
)
えるやうだぜ、
恐
(
おそろ
)
しく
寒
(
さむ
)
いぢやあないか、と
折
(
をり
)
から
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た
教師
(
けうし
)
はいつたのである。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いい
月夜
(
つきよ
)
でありました。
二人
(
ふたり
)
は
長
(
なが
)
い
長
(
なが
)
い
町
(
まち
)
を
歩
(
ある
)
いてゆきました。だんだんゆくにつれて
場末
(
ばすえ
)
になるとみえて、
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
はさびしく、
人通
(
ひとどお
)
りも
少
(
すく
)
なく、
暗
(
くら
)
くなってきました。
海ほおずき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
眞晝
(
まひる
)
のやうな
月夜
(
つきよ
)
に
立
(
た
)
つて、コト/\
麥
(
むぎ
)
を
搗
(
つ
)
いたとさ。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
晩
(
ばん
)
のことであります。
空
(
そら
)
はいい
月夜
(
つきよ
)
で、
町
(
まち
)
の
上
(
うえ
)
を
明
(
あか
)
るく
昼間
(
ひるま
)
のように
照
(
て
)
らしていました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
亭主
(
ていしゆ
)
、
月夜
(
つきよ
)
にのそりと
立
(
た
)
つて
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ハーモニカなら、
月夜
(
つきよ
)
の
晩
(
ばん
)
でなくとも、きこえるよ。ああそうだ、これから
聞
(
き
)
かしてあげようか。」と、おっしゃいました。
清
(
きよし
)
さんは、まったくびっくりしてしまいました。
海と少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
月
常用漢字
小1
部首:⽉
4画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
“月夜”で始まる語句
月夜烏
月夜段
月夜照
月夜見尊
月夜狐
月夜茸
月夜蟹
月夜見
月夜鴉