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井戸
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ゐど
ふりがな文庫
“
井戸
(
ゐど
)” の例文
父
(
とう
)
さんの
祖母
(
おばあ
)
さんの
隱居所
(
いんきよじよ
)
になつて
居
(
ゐ
)
た二
階
(
かい
)
と
土藏
(
どざう
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
りぬけて、
裏
(
うら
)
の
木小屋
(
きごや
)
の
方
(
はう
)
へ
降
(
おり
)
て
行
(
ゆ
)
く
石段
(
いしだん
)
の
横
(
よこ
)
に、その
井戸
(
ゐど
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『もう
爲
(
し
)
ないから、
萬望
(
どうぞ
)
話
(
はな
)
して
頂戴
(
ちやうだい
)
な』と
愛
(
あい
)
ちやんは
極
(
ご
)
く
謙遜
(
けんそん
)
して、『二
度
(
ど
)
と
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れないわ。
屹度
(
きつと
)
そんな
井戸
(
ゐど
)
が
一
(
ひと
)
つ
位
(
くらゐ
)
あつてよ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ところが
其
(
そ
)
の
井戸
(
ゐど
)
の
中
(
なか
)
へ
嫁
(
よめ
)
が身を投げて死んだり、二代目と三代目の主人が
気違
(
きちが
)
ひになつたりしたのが、
其家
(
そのいへ
)
の
潰
(
つぶ
)
れる初まりといふので
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いや、
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
の
手代
(
てだい
)
の
樣子
(
やうす
)
が、
井戸
(
ゐど
)
に
落
(
おと
)
した
音
(
おと
)
のやうで、ポカンとしたものであつた、と
云
(
い
)
ふ。さて/\
油斷
(
ゆだん
)
は
成
(
な
)
らぬ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
落
(
お
)
ち
掛
(
か
)
けた
日
(
ひ
)
が
少時
(
しばし
)
竹藪
(
たけやぶ
)
を
透
(
とほ
)
して
濕
(
しめ
)
つた
土
(
つち
)
に
射
(
さ
)
し
掛
(
か
)
けて、それから
井戸
(
ゐど
)
を
圍
(
かこ
)
んだ
井桁
(
ゐげた
)
に
蒞
(
のぞ
)
んで
陰氣
(
いんき
)
に
茂
(
しげ
)
つた
山梔子
(
くちなし
)
の
花
(
はな
)
を
際立
(
はきだ
)
つて
白
(
しろ
)
くした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
何分
(
なにぶん
)
此頃
(
このごろ
)
飛出
(
とびだ
)
しが
始
(
はじ
)
まつて
私
(
わし
)
などは
勿論
(
もちろん
)
太吉
(
たきち
)
と
倉
(
くら
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらゐの
力
(
ちから
)
では
到底
(
たうてい
)
引
(
ひき
)
とめられぬ
働
(
はたら
)
きをやるからの、
萬一
(
まんいち
)
井戸
(
ゐど
)
へでも
懸
(
かゝ
)
られてはと
思
(
おも
)
つて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
數十年前
(
すうじふねんぜん
)
より
行
(
おこな
)
ひ
居
(
を
)
れる
灌水
(
くわんすゐ
)
は、
北海道
(
ほくかいだう
)
に
移住後
(
いぢゆうご
)
、
冬時
(
とうじ
)
と
雖
(
いへど
)
も
怠
(
おこた
)
りたる
事
(
こと
)
あらず。
此
(
この
)
地
(
ち
)
には
未
(
いま
)
だ
井戸
(
ゐど
)
なきを
以
(
もつ
)
て、
斗滿川
(
とまむがは
)
に
入
(
い
)
りて
行
(
おこな
)
へり(
飮用水
(
いんようすゐ
)
も
此
(
この
)
川
(
かは
)
の
水
(
みづ
)
を
用
(
もち
)
ゆ)
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
貴重品
(
きちようひん
)
を
一時
(
いちじ
)
井戸
(
ゐど
)
に
沈
(
しづ
)
めることあり。
地中
(
ちちゆう
)
に
埋
(
うづ
)
める
場合
(
ばあひ
)
は
砂
(
すな
)
の
厚
(
あつ
)
さ
五分
(
ごぶ
)
程
(
ほど
)
にても
有效
(
ゆうこう
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
低
(
たれ
)
一言も
物
(
もの
)
云ず依て越前守は四郎左衞門善右衞門并に
井戸
(
ゐど
)
源次郎へ一々聲を
懸
(
かけ
)
られコリや憑司夫に居は四郎左衞門善右衞門
井戸
(
ゐど
)
源次郎成ぞ此源次郎が四郎左衞門抱の遊女
空
(
うつ
)
せみと云女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それぢやあ、
私
(
わたし
)
はさつき、
井戸
(
ゐど
)
のなかに驢馬がおつこちるところを見たが、きつとあなたの驢馬でせう。
山羊
(
やぎ
)
がおつこつたから、それを助けようとして、驢馬もおつこつたのかも知れません。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
井戸
(
ゐど
)
ほどに
深
(
ふか
)
くも
無
(
な
)
ければ、
教會
(
けうくわい
)
の
入口程
(
いりぐちほど
)
には
廣
(
ひろ
)
くもない、が十
分
(
ぶん
)
ぢゃ、
役
(
やく
)
には
立
(
た
)
つ。
明日
(
あす
)
訪
(
たづ
)
ねてくれい、すれば
墓
(
はか
)
の
中
(
なか
)
から
御挨拶
(
ごあいさつ
)
ぢゃ。
先
(
ま
)
づ
乃公
(
おれ
)
の一
生
(
しゃう
)
も、
誓文
(
せいもん
)
、
總仕舞
(
そうじまひ
)
が
澄
(
す
)
んでしまうた。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
未開社會に於ては
井戸
(
ゐど
)
を
掘
(
ほ
)
る術、水道を
設
(
まう
)
くる術も無き
譯故
(
わけゆへ
)
、コロボツクルの如きも、水の
入用
(
にうよう
)
を
感
(
かん
)
じたる時には必ず川邊に至りしならん。
遺跡
(
ゐせき
)
より
發見
(
はつけん
)
する所の土器の中には
椀形
(
わんがた
)
のもの少からず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
慌
(
あは
)
てゝ眼を
啓
(
あ
)
けて「や!」と
魂氣
(
たまけ
)
た顏をして、恰で手に持ツてゐた大事な
玉
(
たま
)
を
井戸
(
ゐど
)
の底へ
滑
(
すべ
)
らし落したやうにポカンとなる。また
數分間前
(
すうふんかんまへ
)
の状態に
復
(
かへ
)
ツて、一
生懸命
(
しやうけんめい
)
に名案を
搾
(
しぼ
)
り出さうとして見る。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
もろ人が此処に
競
(
きほ
)
ひて
学
(
まな
)
びつるその時おもほゆ
井戸
(
ゐど
)
をし見れば
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
井戸
(
ゐど
)
のほとりの
丁子
(
ちやうじ
)
の花よ。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
門
(
もん
)
の
左側
(
ひだりがは
)
に、
井戸
(
ゐど
)
が
一個
(
ひとつ
)
。
飮水
(
のみみづ
)
ではないので、
極
(
きは
)
めて
鹽
(
しほ
)
ツ
辛
(
から
)
いが、
底
(
そこ
)
は
淺
(
あさ
)
い、
屈
(
かゞ
)
んでざぶ/″\、さるぼうで
汲
(
く
)
み
得
(
え
)
らるゝ。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
井戸
(
ゐど
)
は
車
(
くるま
)
にて
綱
(
つな
)
の
長
(
なが
)
さ十二
尋
(
ひろ
)
、
勝手
(
かつて
)
は
北向
(
きたむ
)
きにて
師走
(
しはす
)
の
空
(
そら
)
のから
風
(
かぜ
)
ひゆう/\と
吹
(
ふき
)
ぬきの
寒
(
さむ
)
さ、おゝ
堪
(
た
)
えがたと
竈
(
かまど
)
の
前
(
まへ
)
に
火
(
ひ
)
なぶりの一
分
(
ぷん
)
は一
時
(
じ
)
にのびて
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
云
(
い
)
ふべき
言葉
(
ことば
)
もなく、
幾
(
いく
)
らかのお
茶
(
ちや
)
と
麺麭
(
パン
)
と
牛酪
(
バター
)
とを
出
(
だ
)
して、
福鼠
(
ふくねずみ
)
の
方
(
はう
)
に
振向
(
ふりむ
)
き、『
何故
(
なぜ
)
皆
(
みん
)
な
井戸
(
ゐど
)
の
底
(
そこ
)
に
住
(
す
)
んでゐたの?』と
問
(
と
)
ひ
返
(
かへ
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そのお
雛
(
ひな
)
は
井戸
(
ゐど
)
から
石段
(
いしだん
)
を
上
(
あが
)
り、
土藏
(
どざう
)
の
横
(
よこ
)
を
通
(
とほ
)
り、
桑畠
(
くはばたけ
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
つて、お
家
(
うち
)
の
臺所
(
だいどころ
)
までづゝ
水
(
みづ
)
を
運
(
はこ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
冷
(
つめ
)
たくつて
本當
(
ほんと
)
に
晴々
(
せえ/\
)
とえゝ
水
(
みづ
)
ぢやねえか、
俺
(
お
)
ら
方
(
ほ
)
の
井戸
(
ゐど
)
見
(
み
)
てえに
柄杓
(
ひしやく
)
で
汲
(
く
)
み
出
(
だ
)
すやうなんぢや、ぼか/\ぬるまつたくつて」おつたは
復
(
ま
)
た
獨語
(
ひとりごと
)
をいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其家
(
そのうち
)
はたいした
身代
(
しんだい
)
だから、
何
(
なん
)
とかいふ
名
(
な
)
のある
結構
(
けつこう
)
な石でこしらへた
立派
(
りつぱ
)
な
井戸
(
ゐど
)
ださうだ。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
捨
(
すて
)
て遁しこそ
遺恨
(
ゐこん
)
なれと自殺して
死
(
し
)
せしとぞ又瀬川は年頃
云交
(
いひかは
)
せし男と
連副
(
つれそひ
)
しに何時となく
神氣
(
しんき
)
狂
(
くる
)
ひ左右の
小鬢
(
こびん
)
に角の如き
癌
(
こぶ
)
出來し故人々彼の
留守居
(
るすゐ
)
の
執念
(
しふねん
)
にてや有んと云しが
何時
(
いつ
)
しか人の見ぬ間に
井戸
(
ゐど
)
へ身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
井戸
(
ゐど
)
のふちに
茶碗
(
ちやわん
)
ゆゑ、けんのんなるべし。(かしや、かなざもの、しんたてまつる
云々
(
うんぬん
)
)これは
北海道
(
ほくかいだう
)
の
僻地
(
へきち
)
の
俚謠
(
りえう
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
兎
(
うさぎ
)
の
穴
(
あな
)
は
暫
(
しばら
)
くの
間
(
あひだ
)
隧道
(
トンネル
)
のやうに
眞直
(
まつすぐ
)
に
通
(
つう
)
じて
居
(
ゐ
)
ました。
止
(
と
)
まらうと
思
(
おも
)
ふ
隙
(
ひま
)
もない
程
(
ほど
)
急
(
きふ
)
に、
愛
(
あい
)
ちやんは
非常
(
ひじよう
)
に
深
(
ふか
)
い
井戸
(
ゐど
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちて、びッしよりになりました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
大暑
(
たいしよ
)
の
日
(
ひ
)
が
井戸
(
ゐど
)
の
水
(
みづ
)
まで
減
(
へ
)
らして
炒
(
い
)
りつける
頃
(
ころ
)
はそれまでに
幾度
(
いくたび
)
か
勘次
(
かんじ
)
の
穀桶
(
こくをけ
)
は
空
(
から
)
に
成
(
な
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
... こりやア
面白
(
おもしろ
)
い
怪談
(
くわいだん
)
だが、お
前
(
まへ
)
何
(
なに
)
を知らないか、
塩原多助
(
しほばらたすけ
)
といふ
本所
(
ほんじよ
)
相生町
(
あひおひちやう
)
二
丁目
(
ちやうめ
)
の
炭屋
(
すみや
)
の
怪談
(
くわいだん
)
を」「知りませぬ」「さうかね、
塩原多助
(
しほばらたすけ
)
といふ
炭屋
(
すみや
)
の
井戸
(
ゐど
)
は
内井戸
(
うちゐど
)
であつたさうだが、 ...
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
老婆
(
ばあ
)
さんは
中風
(
ちゆうふう
)
で
死
(
し
)
ぬし、お
絹
(
きぬ
)
さんはお
嫁
(
よめ
)
に
行
(
ゆ
)
くを
厭
(
いや
)
がつて
裏
(
うら
)
の
井戸
(
ゐど
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んで
仕舞
(
しま
)
つた、お
前
(
まへ
)
は
不人情
(
ふにんじやう
)
で
己
(
お
)
れを
捨
(
す
)
てゝ
行
(
ゆ
)
くし、もう
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
もつまらない、
何
(
なん
)
だ
傘屋
(
かさや
)
の
油
(
あぶら
)
ひきなんぞ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
には
井戸
(
ゐど
)
が
掘
(
ほ
)
つてありました。その
井戸
(
ゐど
)
は
柄杓
(
ひしやく
)
で
水
(
みづ
)
の
汲
(
く
)
めるやうな
淺
(
あさ
)
い
井戸
(
ゐど
)
ではありません。
釣
(
つ
)
いても、
釣
(
つ
)
いても、なか/\
釣瓶
(
つるべ
)
の
上
(
あが
)
つて
來
(
こ
)
ないやうな、
深
(
ふか
)
い/\
井戸
(
ゐど
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
殊
(
こと
)
に
夜
(
よる
)
であつた。むかし
住
(
す
)
んだ
家
(
いへ
)
は
一寸
(
ちよつと
)
見富
(
けんたう
)
が
着
(
つ
)
かない。さうだらう
兩側
(
りやうがは
)
とも
生垣
(
いけがき
)
つゞきで、
私
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
などは、
木戸内
(
きどうち
)
の
空地
(
あきち
)
に
井戸
(
ゐど
)
を
取
(
と
)
りまいて
李
(
すもゝ
)
の
樹
(
き
)
が
幾本
(
いくほん
)
も
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
もお
跡
(
あと
)
から
參
(
まゐ
)
りまするとて
日
(
ひ
)
のうちには
看護
(
まもり
)
の
隙
(
ひま
)
をうかゞひて
驅
(
か
)
け
出
(
いだ
)
すこと
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
もあり、
井戸
(
ゐど
)
には
蓋
(
ふた
)
を
置
(
お
)
き、きれ
物
(
もの
)
とては
鋏
(
はさみ
)
一挺
(
いつちやう
)
目
(
め
)
にかゝらぬやうとの
心配
(
こゝろくば
)
りも、
危
(
あやふ
)
きは
病
(
やま
)
ひのさする
業
(
わざ
)
かも
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
東京
(
とうきやう
)
に
居
(
ゐ
)
て、
京都
(
きやうと
)
の
藝妓
(
げいこ
)
に、
石山寺
(
いしやまでら
)
の
螢
(
ほたる
)
を
贈
(
おく
)
られて、
其處等
(
そこら
)
露草
(
つゆぐさ
)
を
探
(
さが
)
して
歩行
(
ある
)
いて、
朝晩
(
あさばん
)
井戸
(
ゐど
)
の
水
(
みづ
)
の
霧
(
きり
)
を
吹
(
ふ
)
くと
云
(
い
)
ふ
了簡
(
れうけん
)
だと
違
(
ちが
)
ふんです……
矢張
(
やつぱ
)
り
故郷
(
ふるさと
)
の
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れた
所爲
(
せゐ
)
だ
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
苔
(
こけ
)
のしたにて
聞
(
き
)
かば
石
(
いし
)
もゆるぐべし、
井戸
(
ゐど
)
がはに
手
(
て
)
を
掛
(
かけ
)
て
水
(
みづ
)
をのぞきし
事
(
こと
)
三四
度
(
ど
)
に
及
(
およ
)
びしが、つく/″\
思
(
おも
)
へば
無情
(
つれなし
)
とても
父樣
(
とゝさま
)
は
眞實
(
まこと
)
のなるに、
我
(
わ
)
れはかなく
成
(
な
)
りて
宜
(
よ
)
からぬ
名
(
な
)
を
人
(
ひと
)
の
耳
(
みゝ
)
に
傳
(
つた
)
へれば
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
さ
)
うした
折
(
をり
)
よ、もう
時雨
(
しぐれ
)
の
頃
(
ころ
)
から、
其
(
そ
)
の一二
年
(
ねん
)
は
約束
(
やくそく
)
のやうに、
井戸
(
ゐど
)
の
響
(
ひゞき
)
、
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
の
跫音
(
あしおと
)
、
人
(
ひと
)
なき
二階
(
にかい
)
の
襖
(
ふすま
)
の
開
(
あ
)
くのを
聞馴
(
きゝな
)
れたが、
婦
(
をんな
)
の
姿
(
すがた
)
は、
當時
(
たうじ
)
又
(
また
)
多日
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
見
(
み
)
えなかつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(
此
(
この
)
水
(
みづ
)
はこりや
井戸
(
ゐど
)
のでござりますか。)と、
極
(
きま
)
りも
悪
(
わる
)
し、もじ/\
聞
(
き
)
くとの。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「やられたさうだね、
井戸
(
ゐど
)
の
水
(
みづ
)
で。……
何
(
ど
)
うも
私
(
わたし
)
たちの
方
(
はう
)
も
大警戒
(
だいけいかい
)
だ。」
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……たとへば、
地震
(
ぢしん
)
から、
水道
(
すゐだう
)
が
斷水
(
だんすゐ
)
したので、
此邊
(
このへん
)
、
幸
(
さいは
)
ひに
四五箇所
(
しごかしよ
)
殘
(
のこ
)
つた、むかしの
所謂
(
いはゆる
)
、
番町
(
ばんちやう
)
の
井戸
(
ゐど
)
へ、
家毎
(
いへごと
)
から
水
(
みづ
)
を
貰
(
もら
)
ひに
群
(
むれ
)
をなして
行
(
ゆ
)
く。……
忽
(
たちま
)
ち
女
(
をんな
)
には
汲
(
く
)
ませないと
言
(
い
)
ふ
邸
(
やしき
)
が
出來
(
でき
)
た。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あの、
井戸
(
ゐど
)
の
側
(
そば
)
を、
庭
(
には
)
を
切
(
き
)
つて
裏木戸
(
うらきど
)
から、
勝手
(
かつて
)
を
知
(
し
)
つて
來
(
き
)
たらしい。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鬼
(
おに
)
ごつこの
時
(
とき
)
、
鬼
(
おに
)
ぎめの
唄
(
うた
)
に、……(あてこに、こてこに、いけの
縁
(
ふち
)
に
茶碗
(
ちやわん
)
を
置
(
お
)
いて、
危
(
あぶな
)
いことぢやつた。)
同
(
おな
)
じ
民謠集
(
みんえうしふ
)
に、
此
(
こ
)
のいけに(
池
(
いけ
)
)の
字
(
じ
)
を
當
(
あ
)
ててあり。あの
土地
(
とち
)
にて
言
(
い
)
ふいけは
井戸
(
ゐど
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“井戸”の解説
井戸(いど)は、広義には地下資源(地下水、温泉、石油、天然ガス、地熱など)の採取や調査・観測などのために地中に向かって掘った設備。
一般に「井戸」といった場合には地下の帯水層から地下水を汲み上げるために地層や岩石を人工的に掘削した採水施設を指すことが多い。以下、地下水を汲む井戸を中心に説明する。
(出典:Wikipedia)
井
常用漢字
小4
部首:⼆
4画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“井戸”で始まる語句
井戸端
井戸側
井戸辺
井戸傍
井戸掘
井戸川
井戸新
井戸水
井戸桁
井戸流