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足音
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あしおと
ふりがな文庫
“
足音
(
あしおと
)” の例文
静かな
小路
(
こうぢ
)
の
中
(
うち
)
に、自分の
足音
(
あしおと
)
丈が高く
響
(
ひゞ
)
いた。代助は
馳
(
か
)
けながら猶恐ろしくなつた。
足
(
あし
)
を
緩
(
ゆる
)
めた時は、非常に
呼息
(
いき
)
が
苦
(
くる
)
しくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
田舎
(
いなか
)
のことでありますから、めったに
人
(
ひと
)
のくる
足音
(
あしおと
)
もしなかったから、みみずは、
安心
(
あんしん
)
して、
自分
(
じぶん
)
のすきな
唄
(
うた
)
をうたっていました。
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
足音
(
あしおと
)
も
立
(
た
)
つたのに、
子供
(
こども
)
だらう、
恐
(
おそ
)
れ
氣
(
げ
)
もなく、
葉先
(
はさき
)
へ
浮
(
うき
)
だし、くちばしを、ちよんと
黒
(
くろ
)
く、
顏
(
かほ
)
をだして、ちよ、ちよツ、とやる。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
足音
(
あしおと
)
は
気
(
き
)
もちよく
野原
(
のはら
)
の
黒土
(
くろつち
)
の
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
までひゞきました。それから
鹿
(
しか
)
どもはまはるのをやめてみんな
手拭
(
てぬぐひ
)
のこちらの
方
(
はう
)
に
来
(
き
)
て
立
(
た
)
ちました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
差覗
(
さしのぞ
)
きしと/\とまた
歩行出
(
あゆみだす
)
折柄
(
をりから
)
ばた/\
駈來
(
かけく
)
る
足音
(
あしおと
)
に夫と見る間も有ばこそ聲をば
懸
(
かけ
)
ず
拔打
(
ぬきうち
)
に
振向
(
ふりむく
)
笠
(
かさ
)
の
眞向
(
まつかう
)
より
頬
(
ほゝ
)
の
外
(
はづ
)
れを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
傷口
(
きずぐち
)
も
乾
(
かわ
)
いて
居
(
を
)
つたやうでございます。おまけに
其處
(
そこ
)
には、
馬蠅
(
うまばへ
)
が一
匹
(
ぴき
)
、わたしの
足音
(
あしおと
)
も
聞
(
きこ
)
えないやうに、べつたり
食
(
く
)
ひついて
居
(
を
)
りましたつけ。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
子供
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
いて
明
(
あか
)
るい
通
(
とほ
)
りから
折
(
を
)
れて、
暗
(
くら
)
い
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いた。
暗
(
くらい
)
い
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
ても、
銀座
(
ぎんざ
)
の
明
(
あか
)
るみを
歩
(
ある
)
く
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
は
聞
(
きこ
)
えた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
ホールとホール
夫人
(
ふじん
)
がおそい
昼食
(
ちゅうしょく
)
をとっていると、その
部屋
(
へや
)
からいらいらと歩きまわる
客
(
きゃく
)
の
足音
(
あしおと
)
がひびき、そのうちにはげしい
怒
(
いか
)
り
声
(
こえ
)
とともに
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
と降りて来る深夜の
足音
(
あしおと
)
などは、
聊
(
いささ
)
か材料が古いから、もっと、現実的な恐怖はないものかと思って居るんだ。
段梯子の恐怖
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
門
(
もん
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いたと思ふと
小
(
ちひ
)
さな
足音
(
あしおと
)
がして、いきなりお
縁側
(
えんがは
)
のところで「さいなら!」などゝ言つてゐます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
と、やがて
裏門
(
うらもん
)
に近づく人の
足音
(
あしおと
)
がして、だれか門をくぐると、
裏庭
(
うらにわ
)
を
通
(
とお
)
って法師の方へ近づいて来ました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
雪
(
ゆき
)
はいよ/\
降
(
ふ
)
り
積
(
つも
)
るとも
歇
(
や
)
むべき
氣色
(
けしき
)
少
(
すこ
)
しも
見
(
み
)
えず
往來
(
ゆきゝ
)
は
到底
(
とても
)
なきことかと
落膽
(
らくたん
)
の
耳
(
みゝ
)
に
嬉
(
うれ
)
しや
足音
(
あしおと
)
辱
(
かたじけな
)
しと
顧
(
かへり
)
みれば
角燈
(
かくとう
)
の
光
(
ひか
)
り
雪
(
ゆき
)
に
映
(
えい
)
じ
巡囘
(
じゆんくわい
)
の
査公
(
さこう
)
怪
(
あや
)
しげに
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
配下
(
はいか
)
の
與力
(
よりき
)
同心
(
どうしん
)
は
慄
(
ふる
)
へあがるし、
人民
(
じんみん
)
は
皆
(
み
)
な
往來
(
わうらい
)
を
歩
(
ある
)
くにも
小
(
ち
)
ひさくなつて、
足音
(
あしおと
)
さへ
立
(
た
)
てぬやうにした。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
四邊
(
あたり
)
の
部室
(
へや
)
では
甲乙
(
たれかれ
)
の
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふ
聲
(
こゑ
)
喧
(
かまびす
)
しく、
廊下
(
ろうか
)
を
走
(
はし
)
る
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
もたゞならず
速
(
はや
)
い、
濱島
(
はまじま
)
は
昔
(
むかし
)
から
極
(
ご
)
く
沈着
(
ちんちやく
)
な
人
(
ひと
)
で、
何事
(
なにごと
)
にも
平然
(
へいぜん
)
と
構
(
かま
)
へて
居
(
を
)
るから
夫
(
それ
)
とは
分
(
わか
)
らぬが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おくさまのすすめで、
諭吉
(
ゆきち
)
はかごにのり、そのわきに
朝吹
(
あさぶき
)
がついていました。もう
人
(
ひと
)
どおりはなく、さびしい
夜
(
よ
)
ふけの
町
(
まち
)
に、かご
屋
(
や
)
の
足音
(
あしおと
)
ばかりが
音
(
おと
)
をたてていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
夜が
明
(
あ
)
けた。歩き
廻
(
まわ
)
る
足音
(
あしおと
)
や、話し
声
(
ごえ
)
などがざわざわし始めた。シューラは目をさました。そのとき
始
(
はじ
)
めて気がついたのは、自分の着ているものが何か
破
(
やぶ
)
れたという感じだった。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
に
驚
(
おど
)
ろいて
後
(
うしろ
)
を
振返
(
ふりか
)
へると
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
らうじん
)
が
近
(
ちか
)
づいて
來
(
く
)
る
處
(
ところ
)
です。
老人
(
らうじん
)
が
傍
(
そば
)
に
來
(
き
)
て
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
高原
(
こうげん
)
や
高山
(
こうざん
)
に
登
(
のぼ
)
る
途中
(
とちゆう
)
、
鳥
(
とり
)
がわれ/\の
足音
(
あしおと
)
に
驚
(
おどろ
)
いて、ふいに
飛
(
と
)
び
立
(
た
)
つことがあります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
コトコトと
足音
(
あしおと
)
がして、軍曹の
肩章
(
けんしょう
)
のある下士官が、少尉の側にピタリと身体を寄せた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
の
細
(
ほそ
)
ったことも、
外
(
そと
)
が
白々
(
しらじら
)
と
明
(
あ
)
けそめて、
路地
(
ろじ
)
の
溝板
(
どぶいた
)
を
踏
(
ふ
)
む
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
が
聞
(
きこ
)
えはじめたことも、
何
(
なに
)
もかも
知
(
し
)
らずに、ただ
独
(
ひと
)
り、
破
(
やぶ
)
れ
畳
(
だたみ
)
の
上
(
うえ
)
に
据
(
す
)
えた
寺子屋机
(
てらこやつくえ
)
の
前
(
まえ
)
に
頑張
(
がんば
)
ったまま
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
踏
(
ふ
)
めばぎし/\と
鳴
(
な
)
る
床板
(
ゆかいた
)
に
二人
(
ふたり
)
の
足音
(
あしおと
)
を
憚
(
はゞか
)
つて
女
(
をんな
)
は
闇
(
やみ
)
に
男
(
をとこ
)
を
脊負
(
せお
)
ふのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其
(
そ
)
れでゐて
足音
(
あしおと
)
は
極
(
ご
)
く
靜
(
しづか
)
で、
歩
(
ある
)
く
樣子
(
やうす
)
は
注意深
(
ちゆういぶか
)
い
忍足
(
しのびあし
)
のやうである。
狹
(
せま
)
い
廊下
(
らうか
)
で
人
(
ひと
)
に
出遇
(
であ
)
ふと、
先
(
ま
)
づ
道
(
みち
)
を
除
(
よ
)
けて
立留
(
たちどま
)
り、『
失敬
(
しつけい
)
』と、さも
太
(
ふと
)
い
聲
(
こゑ
)
で
云
(
い
)
ひさうだが、
細
(
ほそ
)
いテノルで
然
(
さ
)
う
挨拶
(
あいさつ
)
する。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
苦
(
にが
)
き
嘲罵
(
あざけり
)
………はたや、なほ
奔
(
はし
)
る
足音
(
あしおと
)
………
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
足音
(
あしおと
)
ぬすむ豹の
媚
(
こび
)
……
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
すると、なにか
鼻唄
(
はなうた
)
をうたいながら、
小
(
ちい
)
さなくつの
足音
(
あしおと
)
がして、つぎに、ご
門
(
もん
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
きました。
年
(
とし
)
ちゃんが、
帰
(
かえ
)
ってきたのです。
年ちゃんとハーモニカ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
獣
(
けもの
)
の
足音
(
あしおと
)
のやうで、
然
(
さ
)
まで
遠
(
とほ
)
くの
方
(
はう
)
から
歩行
(
ある
)
いて
来
(
き
)
たのではないやう、
猿
(
さる
)
も、
蟇
(
ひき
)
も
居
(
ゐ
)
る
処
(
ところ
)
と、
気休
(
きやす
)
めに
先
(
ま
)
づ
考
(
かんが
)
へたが、なかなか
何
(
ど
)
うして。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
家
(
いへ
)
の
門
(
もん
)
を
這入
(
はい
)
ると、今度は
門野
(
かどの
)
が、主人の留守を幸ひと、大きな声で琵琶歌をうたつてゐた。
夫
(
それ
)
でも代助の
足音
(
あしおと
)
を
聞
(
き
)
いて、ぴたりと
已
(
や
)
めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
牧師
(
ぼくし
)
は、はじかれたように
廊下
(
ろうか
)
にとびだした。あらあらしい
足音
(
あしおと
)
は
廊下
(
ろうか
)
をかけぬけ、
台所
(
だいどころ
)
のうら口のかんぬきを、らんぼうにひきあけているらしい。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
憂
(
う
)
き
事
(
こと
)
さま/″\に
何
(
ど
)
うも
堪
(
た
)
へられぬ
思
(
おも
)
ひの
有
(
あり
)
しに、
飛石
(
とびいし
)
の
足音
(
あしおと
)
は
背
(
せ
)
より
冷水
(
ひやみづ
)
をかけられるが
如
(
ごと
)
く、
顧
(
かへり
)
みねども
其人
(
そのひと
)
と
思
(
おも
)
ふに、わな/\と
慄
(
ふる
)
へて
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
も
變
(
かわ
)
るべく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見て汝は何者なるや
我
(
われ
)
今宵
(
こよひ
)
此質屋へ忍び入り思ひの
儘
(
まゝ
)
に
盜
(
ぬす
)
まんと
今
(
いま
)
引窓
(
ひきまど
)
より
這入
(
はひり
)
たるに屋根にて
足音
(
あしおと
)
する故
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出來
(
いできた
)
りたり汝聲を立てなば一
討
(
うち
)
と
氷
(
こほり
)
の如き
刄
(
やいば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此時
(
このとき
)
少年
(
せうねん
)
は
餘程
(
よほど
)
疲勞
(
つか
)
れて
見
(
み
)
えるので、
私
(
わたくし
)
は
肩車
(
かたぐるま
)
に
乘
(
の
)
せて
進
(
すゝ
)
んだ。
誰
(
だれ
)
でも
左樣
(
さう
)
だが、
餘
(
あま
)
りにシーンとした
處
(
ところ
)
では、
自分
(
じぶん
)
の
足音
(
あしおと
)
さへ
物凄
(
ものすご
)
い
程
(
ほど
)
で、とても
談話
(
はなし
)
などの
出來
(
でき
)
るものでない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして、しばらく
自分
(
じぶん
)
だちとはかゝはりもなく、
行來
(
ゆきゝ
)
する
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
を
聞
(
き
)
いてゐた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
一
同
(
どう
)
は
足音
(
あしおと
)
を
忍
(
しの
)
ばせて、
襖
(
ふすま
)
の
開
(
あ
)
けたてにも
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
りながら、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
い
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それでいて
足音
(
あしおと
)
は
極
(
ご
)
く
静
(
しずか
)
で、
歩
(
ある
)
く
様子
(
ようす
)
は
注意深
(
ちゅういぶか
)
い
忍足
(
しのびあし
)
のようである。
狭
(
せま
)
い
廊下
(
ろうか
)
で
人
(
ひと
)
に
出遇
(
であ
)
うと、まず
道
(
みち
)
を
除
(
よ
)
けて
立留
(
たちどま
)
り、『
失敬
(
しっけい
)
』と、さも
太
(
ふと
)
い
声
(
こえ
)
で
云
(
い
)
いそうだが、
細
(
ほそ
)
いテノルでそう
挨拶
(
あいさつ
)
する。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
微風
(
そよかぜ
)
も
足音
(
あしおと
)
たてず
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
足音
(
あしおと
)
す、
生血
(
なまち
)
の
滴
(
した
)
り
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「どなた!」といって、お
母
(
かあ
)
さんは、
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がられました。かね
子
(
こ
)
は、
全神経
(
ぜんしんけい
)
をお
母
(
かあ
)
さんの
足音
(
あしおと
)
の
消
(
き
)
えていく
方
(
ほう
)
へ
集
(
あつ
)
めていました。
風雨の晩の小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
足音
(
あしおと
)
は向ふへ
遠退
(
とおの
)
いて行く。三四郎は
庭先
(
にはさき
)
へ廻つて下駄を
突掛
(
つゝか
)
けた儘孟宗藪の所から、一間余の土手を這ひ下りて、提燈のあとを
追掛
(
おつか
)
けて行つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし
部屋
(
へや
)
には、なんのかわりもない。気のまよいかなと、
夫人
(
ふじん
)
がよこになりかけると、となりの
部屋
(
へや
)
から、ぱたぱたと、はだしで歩く
足音
(
あしおと
)
がはっきりときこえた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
その
外
(
ほか
)
には
小
(
ちい
)
さき
子供
(
こども
)
の二三
人
(
にん
)
寄
(
よ
)
りて
細螺
(
きしやご
)
はじきの
幼
(
おさ
)
なげな
事
(
こと
)
して
遊
(
あそ
)
ぶほどに、
美登利
(
みどり
)
ふと
耳
(
みゝ
)
を
立
(
た
)
てゝ、あれ
誰
(
た
)
れか
買物
(
かひもの
)
に
來
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いか
溝板
(
どぶいた
)
を
踏
(
ふ
)
む
足音
(
あしおと
)
がするといへば、おや
左樣
(
さう
)
か
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
廊下
(
らうか
)
ゆく重き
足音
(
あしおと
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ある
朝
(
あさ
)
のことです。
小
(
ちい
)
さな
子供
(
こども
)
たちは、一、二
丁
(
ちょう
)
離
(
はな
)
れた、
池
(
いけ
)
の
水
(
みず
)
が
凍
(
こお
)
ったといって、その
方
(
ほう
)
へ、
足音
(
あしおと
)
をたててかけてゆきました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれども、その
俎
(
まないた
)
下駄は、
足音
(
あしおと
)
の
遠退
(
とほの
)
くに従つて、すうと
頭
(
あたま
)
から
抜
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
して消えて仕舞つた。さうして
眼
(
め
)
が覚めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
(
いま
)
の
客人
(
きやくじん
)
の
氣
(
き
)
の
長
(
なが
)
さまだ
車代
(
しやだい
)
くれんともせず
何時
(
いつ
)
まで
待
(
ま
)
たする
心
(
こゝろ
)
にやさりとてまさかに
促
(
はた
)
りもされまじ
何
(
なん
)
としたものぞとさし
覗
(
のぞ
)
く
奧
(
おく
)
の
方
(
かた
)
廊下
(
らうか
)
を
歩
(
あゆ
)
む
足音
(
あしおと
)
にも
面
(
おもて
)
赫
(
くわつ
)
と
熱
(
あつ
)
くなりて
我知
(
われし
)
らず
又
(
また
)
蔭
(
かげ
)
に
入
(
い
)
る
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
着物
(
きもの
)
をおしいただいて、いまやそこを
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
ろうとしたときであります。うしろへ
小
(
ちい
)
さな
足音
(
あしおと
)
がして、
鈴
(
すず
)
をふるような、さわやかな
声
(
こえ
)
で
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今度
(
こんど
)
は
前
(
まへ
)
と
反對
(
はんたい
)
に、
足音
(
あしおと
)
が
段々
(
だん/\
)
遠
(
とほ
)
くの
方
(
はう
)
へ
去
(
さ
)
るに
從
(
したが
)
つて、
微
(
かす
)
かになつた。さうして
一番
(
いちばん
)
仕舞
(
しまひ
)
にぴたりと
何處
(
どこ
)
かで
留
(
と
)
まつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
坐
(
ゐ
)
ながら、はつとした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
己
(
お
)
いらは
少
(
ち
)
つとも
聞
(
きか
)
なかつたと
正太
(
しようた
)
もちう/\たこかいの
手
(
て
)
を
止
(
と
)
めて、
誰
(
だ
)
れか
中間
(
なかま
)
が
來
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いかと
嬉
(
うれ
)
しがるに、
門
(
かど
)
なる
人
(
ひと
)
は
此店
(
このみせ
)
の
前
(
まへ
)
まで
來
(
き
)
たりける
足音
(
あしおと
)
の
聞
(
きこ
)
えしばかり
夫
(
そ
)
れよりはふつと
絶
(
た
)
えて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「よし、おれが、
今日
(
きょう
)
はしとめてくれるぞ。」と
力
(
りき
)
んで、
猟師
(
りょうし
)
は
足音
(
あしおと
)
を
忍
(
しの
)
んで、
近
(
ちか
)
よって、そのようすをうかがいました。ところがどうでしょう。
猟師と薬屋の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
美禰子の
影
(
かげ
)
が次第に出来
上
(
あが
)
りつゝある。
肥
(
ふと
)
つた画工の
画筆
(
ブラツシ
)
丈
(
だけ
)
が動く。
夫
(
それ
)
も
眼
(
め
)
に
動
(
うご
)
く丈で、
耳
(
みゝ
)
には静かである。
肥
(
ふと
)
つた画工も
動
(
うご
)
く事がある。然し
足音
(
あしおと
)
はしない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三味
(
さみ
)
の
音
(
ね
)
景氣
(
けいき
)
よく
聞
(
きこ
)
えて
亂舞
(
らんぶ
)
の
足音
(
あしおと
)
これよりぞ
聞
(
きこ
)
え
初
(
そめ
)
ぬ。
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
音
常用漢字
小1
部首:⾳
9画
“足”で始まる語句
足
足袋
足許
足下
足掻
足駄
足利
足蹴
足跡
足痕