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暑
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あつ
ふりがな文庫
“
暑
(
あつ
)” の例文
其
(
それ
)
といふのが、
時節柄
(
じせつがら
)
暑
(
あつ
)
さのため、
可恐
(
おそろし
)
い
悪
(
わる
)
い
病
(
やまひ
)
が
流行
(
はや
)
つて、
先
(
さき
)
に
通
(
とほ
)
つた
辻
(
つじ
)
などといふ
村
(
むら
)
は、から一
面
(
めん
)
に
石灰
(
いしばひ
)
だらけぢやあるまいか。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
牛
(
うし
)
は、
穏
(
おだ
)
やかな
大
(
おお
)
きな
目
(
め
)
をみはって、
遠方
(
えんぽう
)
の
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて
暑
(
あつ
)
そうな
景色
(
けしき
)
を
見
(
み
)
ていましたが、からすが
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
でこう
問
(
と
)
いますと
馬を殺したからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其日
(
そのひ
)
は
二人
(
ふたり
)
して
町
(
まち
)
へ
買物
(
かひもの
)
に
出
(
で
)
やうと
云
(
い
)
ふので、
御米
(
およね
)
は
不斷着
(
ふだんぎ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
更
(
か
)
へて、
暑
(
あつ
)
い
所
(
ところ
)
をわざ/\
新
(
あた
)
らしい
白足袋
(
しろたび
)
迄
(
まで
)
穿
(
は
)
いたものと
知
(
し
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女は「だいなし」という
詞
(
ことば
)
を
無暗
(
むやみ
)
に
遣
(
つか
)
う癖があった。ややもすると「だいなしに
暑
(
あつ
)
い」とか、「だいなしに遅くなった」とかいった。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「なんてけち な
風
(
かぜ
)
だらう。
吹
(
ふ
)
くなら
吹
(
ふ
)
くらしくふけばいいんだ。
此
(
こ
)
の
暑
(
あつ
)
いのに。みてくんな、
此
(
こ
)
の
汗
(
あせ
)
を。どうだいまるで
流
(
なが
)
れるやうだ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
▼ もっと見る
庭
(
には
)
の
油蝉
(
あぶらぜみ
)
が
暑
(
あつ
)
くなれば
暑
(
あつ
)
くなる
程
(
ほど
)
酷
(
ひど
)
くぢり/\と
熬
(
い
)
りつけるのみで、
閑寂
(
しづか
)
な
村落
(
むら
)
の
端
(
はし
)
に
偶
(
たま/\
)
遭
(
あ
)
うた
※弟
(
きやうだい
)
はかうして
只
(
たゞ
)
餘所々々
(
よそ/\
)
しく
相對
(
あひたい
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
つまみ
出
(
だ
)
して
障子
(
せうじ
)
を
締
(
し
)
めた、
殘暑
(
ざんしよ
)
といふものは
惡
(
わ
)
る
惡
(
わる
)
う
暑
(
あつ
)
い、
空氣
(
くうき
)
が
通
(
かよ
)
はないから
尚
(
な
)
ほ
更
(
さ
)
らである、
曇
(
くも
)
つてゐるから
頭痛
(
づつう
)
がする、たまらぬ。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
以上
(
いじよう
)
お
話
(
はなし
)
したのは、つゞめていふと
暑
(
あつ
)
い
𤍠帶
(
ねつたい
)
から
暖
(
だん
)
、
温
(
おん
)
、
寒
(
かん
)
といふ
風
(
ふう
)
にその
各地方
(
かくちほう
)
に
適
(
てき
)
してよく
育
(
そだ
)
つ
森林
(
しんりん
)
の
區域
(
くいき
)
と、その
帶
(
たい
)
の
特徴
(
とくちよう
)
とでした。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
今日は夏になって以来の
暑
(
あつ
)
い日だ。午後は到頭室内九十度に上った。千歳村の生活をはじめて六年、九十度は今日が初である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
が、きてみるとそれどころか、小さな店がごちゃごちゃとならんで、いやなにおいがして、むし
暑
(
あつ
)
くて、どこにも美しいところがありません。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
蒸
(
む
)
し
暑
(
あつ
)
い或る夜のこと、発明王
金博士
(
きんはかせ
)
は、
袖
(
そで
)
のながい白服に、大きなヘルメットをかぶって、
飾窓
(
かざりまど
)
をのぞきこんでいた。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
で
直
(
すぐ
)
に
眠
(
ねむ
)
くなつたり、
懵然
(
ぼんやり
)
するものだから一
心
(
しん
)
に)
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
で
考
(
かんが
)
へてゐますと、
突然
(
とつぜん
)
可愛
(
かあい
)
い
眼
(
め
)
をした
白兎
(
しろうさぎ
)
が、その
傍
(
そば
)
に
驅
(
か
)
け
寄
(
よ
)
つて
來
(
き
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
印度洋
(
インドやう
)
中
(
ちう
)
の
氣※
(
きかう
)
程
(
ほど
)
變化
(
へんくわ
)
の
激
(
はげ
)
しいものはない、
今
(
いま
)
は五
月
(
ぐわつ
)
の
中旬
(
ちうじゆん
)
、
凉
(
すゞ
)
しい
時
(
とき
)
は
實
(
じつ
)
に
心地
(
こゝち
)
よき
程
(
ほど
)
凉
(
すゞ
)
しいが、
暑
(
あつ
)
い
時
(
とき
)
は
日本
(
につぽん
)
の
暑中
(
しよちう
)
よりも一
層
(
そう
)
暑
(
あつ
)
いのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ベンヺ マーキューシオーどの、もう
歸
(
かへ
)
らう。
暑
(
あつ
)
くはある、カピューレット
家
(
け
)
の
奴等
(
やつら
)
が
出歩
(
である
)
いてもゐる、
出會
(
でっくは
)
したが
最後
(
さいご
)
、
鬪爭
(
けんくわ
)
をせねばなるまい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
あたしはまい
晩
(
ばん
)
おきていて、おまえたちのためにおいのりをしていますよ。冬は、みんなが火にあたれるように、夏は、
暑
(
あつ
)
さにくるしまないようにね。
十二人兄弟
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「ほら、あのとおり
歩
(
ある
)
きくたびれて、
暑
(
あつ
)
さに
当
(
あ
)
たって、
水
(
みず
)
をほしがって
死
(
し
)
にそうになっている人があるのです。」
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
見ると、
楼閣
(
ろうかく
)
の
欄間
(
らんま
)
から飛びこんでいた一尺ばかりの
蝙蝠
(
こうもり
)
、すでに秋の
暑
(
あつ
)
さもすぎているこのごろなので、
翼
(
つばさ
)
に力もなく、
厨子
(
ずし
)
の板壁をズルズルとすべってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
七月の初め、一週間ばかり続いた
暑
(
あつ
)
さの強い日がちょうど全国の高等学校入学の試験の
定日
(
ていじつ
)
であった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
さあお
前
(
まへ
)
さん
此子
(
このこ
)
をもいれて
遣
(
や
)
つて
下
(
くだ
)
され、
何
(
なに
)
をぐたりと
爲
(
し
)
てお
出
(
いで
)
なさる、
暑
(
あつ
)
さにでも
障
(
さわ
)
りはしませぬか、さうでなければ一
杯
(
ぱい
)
あびて、さつぱりに
成
(
な
)
つて
御膳
(
ごぜん
)
あがれ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ほんとうに
暑
(
あつ
)
くなって、ねむの木もぐったり見えたし、空もまるで、
底
(
そこ
)
なしの
淵
(
ふち
)
のようになった。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「ぢや、ストリツプは
皆
(
みんな
)
さうね。
暑
(
あつ
)
い
時
(
とき
)
は
凉
(
すゞ
)
しくつていゝわ。さア、あんたもおぬぎなさいよ。」と
道子
(
みちこ
)
は
男
(
をとこ
)
のぬぎかけるワイシヤツを
後
(
うしろ
)
から
手
(
て
)
つだつて
引
(
ひ
)
きはがした。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
『
暑
(
あつ
)
おまへうかいな、まだ
舊
(
きう
)
の八月だすもん。……八月のいらむしと言ひますのやさかいな。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「
暑
(
あつ
)
くもなし
寒
(
さむ
)
くもなし、じつに気もちのいい朝だ。あなたは、どちらからおいでなさったね」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ある
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじめ
)
、
館
(
やかた
)
の
森
(
もり
)
に
蝉時雨
(
せみしぐれ
)
が
早瀬
(
はやせ
)
を
走
(
はし
)
る
水
(
みず
)
のように、
喧
(
かまびず
)
しく
聞
(
きこ
)
えている、
暑
(
あつ
)
い
真昼過
(
まひるす
)
ぎのことであったと
申
(
もう
)
します——
館
(
やかた
)
の
内部
(
うち
)
は
降
(
ふ
)
って
湧
(
わ
)
いたような
不時
(
ふじ
)
の
来客
(
らいきゃく
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
路傍
(
ろばう
)
の
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
に
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
けて、
握米飯
(
にぎりめし
)
を
喫
(
きつ
)
し、それから
又
(
また
)
テクリ
出
(
だ
)
したが、
却々
(
なか/\
)
暑
(
あつ
)
い。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
恰度
(
ちやうど
)
日盛
(
ひざかり
)
で
太陽
(
ひ
)
は
燦然
(
ぎら/\
)
と
煌
(
かゞや
)
き、
暑
(
あつさ
)
は
暑
(
あつ
)
し、
園
(
その
)
の
中
(
なか
)
は
森
(
しん
)
として
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
と、いって、お
母
(
かあ
)
さんは、あの
道
(
みち
)
の
暑
(
あつ
)
い
日盛
(
ひざか
)
りに
通
(
とお
)
る
人々
(
ひとびと
)
をかぞえあげました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
汽車は日に
晒
(
さら
)
したるに人を載することありて、そのおりの
暑
(
あつ
)
さ堪えがたし、西国にてはさぞ甚しからん。このたびの如き変ある日には
是非
(
ぜひ
)
なけれど、客をあまりに多く
容
(
い
)
るるは、よからぬことなり。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
暑
(
あつ
)
いにつけ、
寒
(
さむ
)
いにつけ、
切
(
せつ
)
ない
思
(
おも
)
いは、いつも
谷中
(
やなか
)
の
空
(
そら
)
に
通
(
かよ
)
ってはいたが、
今
(
いま
)
ではお
前
(
まえ
)
も
人気娘
(
にんきむすめ
)
、うっかりあたしが
訪
(
たず
)
ねたら、あらぬ
浮名
(
うきな
)
を
立
(
た
)
てられて、さぞ
迷惑
(
めいわく
)
でもあろうかと、きょうが
日
(
ひ
)
まで
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それどころぢやありませんよ、去年の夏
霍亂
(
かくらん
)
で死んだ小僧の友吉だつて、私は
暑
(
あつ
)
さ
中
(
あた
)
りや霍亂とは思へなかつたんです、町内のお
幇間
(
たいこ
)
醫者が、胡麻化してしまつたけれど、霍亂が、あんなひどい苦しみやうを
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蒸し
暑
(
あつ
)
き
軟
(
なよ
)
ら
風
(
かぜ
)
もの
甘
(
あま
)
き
汗
(
あせ
)
に
揺
(
ゆ
)
れつつ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
暑
(
あつ
)
き草いきれにきりぎりす啼き
そぞろごと
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
暑
(
あつ
)
さも
暑
(
あつ
)
いし
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
お
勤
(
つと
)
めがらに
對
(
たい
)
しても、
聊
(
いさゝ
)
か
取
(
とり
)
つくろはずばあるべからずと、
胸
(
むね
)
のひもだけはきちんとしてゐて……
暑
(
あつ
)
いから
時々
(
とき/″\
)
だらける。……
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ほんとうに、お
父
(
とう
)
さんのおっしゃったように、
時節
(
じせつ
)
がわるいのだ。こんなに
暑
(
あつ
)
くなったので、すぐ
根
(
ね
)
が
乾
(
かわ
)
いて、
枯
(
か
)
れるかもしれない。」
僕のかきの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
此
(
この
)
暑
(
あつ
)
いのに、
斯
(
こ
)
んなものを
立
(
た
)
てゝ
置
(
お
)
くのは、
氣狂
(
きちがひ
)
じみてゐるが、
入
(
い
)
れて
置
(
お
)
く
所
(
ところ
)
がないから、
仕方
(
しかた
)
がない」と
云
(
い
)
ふ
述懷
(
じゆつくわい
)
をした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
井戸端
(
ゐどばた
)
にぼつさりと
茂
(
しげ
)
りながら
日中
(
につちう
)
の
暑
(
あつ
)
さにぐつたりと
葉
(
は
)
が
萎
(
しを
)
れて
居
(
ゐ
)
る
鳳仙花
(
ほうせんくわ
)
の、やつと
縋
(
すが
)
つて
居
(
ゐ
)
る
花
(
はな
)
が
手拭
(
てぬぐひ
)
の
端
(
はし
)
に
觸
(
ふ
)
れてぼろつと
落
(
お
)
ちた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
おばあさんは
病気
(
びょうき
)
で、よわっていらっしゃるけれど、こういうものをあがると、きっと元気になるのよ。じゃ、
暑
(
あつ
)
くならないうちに、いってらっしゃい。
赤ずきん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
春
(
はる
)
、
美
(
うつく
)
しい
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
くのが
見
(
み
)
たく、
夏
(
なつ
)
の
暑
(
あつ
)
いときに
涼
(
すゞ
)
しい
木蔭
(
こかげ
)
が
欲
(
ほ
)
しい
以上
(
いじよう
)
は、
庭
(
には
)
の
木
(
き
)
でも、
町
(
まち
)
のなみ
木
(
き
)
でも、
同
(
おな
)
じように
可愛
(
かわい
)
がつてやらねばなりません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
その
晩
(
ばん
)
、
暑
(
あつ
)
さを
拂
(
はら
)
ふ
凉雨
(
れうう
)
が
來
(
き
)
た、
昨夜
(
ゆうべ
)
猫
(
ねこ
)
のために十
分
(
ぶん
)
に
寢
(
ね
)
られなかつた
入
(
い
)
れ
合
(
あは
)
せに
今夜
(
こんや
)
は
熟睡
(
じゆくすゐ
)
しようと
思
(
おも
)
つた。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
むかし、
尾張国
(
おわりのくに
)
に
一人
(
ひとり
)
のお
百姓
(
ひゃくしょう
)
がありました。ある
暑
(
あつ
)
い
夏
(
なつ
)
の日にお
百姓
(
ひゃくしょう
)
は田の
水
(
みず
)
を
見
(
み
)
に
回
(
まわ
)
っていますと、
急
(
きゅう
)
にそこらが
暗
(
くら
)
くなって、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
雲
(
くも
)
が出てきました。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
扇子
(
せんす
)
と
手套
(
てぶくろ
)
とを
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げ、
大廣間
(
おほひろま
)
が
甚
(
はなは
)
だ
暑
(
あつ
)
かつたので、
始終
(
しゞゆう
)
扇子
(
せんす
)
を
使
(
つか
)
ひながら
話
(
はな
)
し
續
(
つゞ
)
けました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其
陸
(
りく
)
の
菩提樹
(
ぼだいじゅ
)
の蔭に「死の宗教」の花が咲いた印度の
洋
(
うみ
)
は、
餌
(
え
)
を求めて
饜
(
あ
)
くことを知らぬ死の海である。烈しい
暑
(
あつ
)
さのせいもあろうが、印度洋は人の気を変にする。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
折
(
をり
)
から
少
(
すこ
)
し
暑
(
あつ
)
くるしくとも
半天
(
はんてん
)
のぬがれぬ
恥
(
はづ
)
かしさ、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
珍
(
めづ
)
らしく
嬉
(
うれ
)
しきを、
夢
(
ゆめ
)
かとばかり
辿
(
たど
)
られて、
此
(
この
)
十
月
(
がつ
)
が
當
(
あた
)
る
月
(
つき
)
とあるを、
人
(
ひと
)
には
言
(
い
)
はれねども
指
(
ゆび
)
をる
思
(
おも
)
ひ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「お
暑
(
あつ
)
うござ※す。」私が
挨拶
(
あいさつ
)
しましたらその人は少しきまり
悪
(
わる
)
そうに笑って
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それから
暑
(
あつ
)
い
時
(
とき
)
には
家
(
いへ
)
の
後
(
うしろ
)
を
流
(
なが
)
れて
居
(
を
)
る
清流
(
せいりう
)
で
身體
(
からだ
)
を
清
(
きよ
)
め、
凉
(
すゞ
)
しい
時
(
とき
)
には
留守居
(
るすゐ
)
の
水兵
(
すいへい
)
や
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
が
凖備
(
ようゐ
)
して
呉
(
く
)
れる
此
(
この
)
孤島
(
しま
)
には
不相應
(
ふさうおう
)
に
奇麗
(
きれい
)
な
浴湯
(
よくたう
)
へ
入
(
はい
)
つて、
頓
(
やが
)
て
樂
(
たの
)
しい
夕食
(
ゆふしよく
)
も
終
(
をは
)
ると
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
たえがたいほどの
蒸
(
む
)
し
暑
(
あつ
)
さの密林の中に、人間を恐ろしいとも思わぬ
蠅
(
はえ
)
や
蚊
(
か
)
や
蟻
(
あり
)
の群とたたかいながら、二時間のあまり、同じところにじっとしていることは、それだけでもたえがたいことだった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お
宮
(
みや
)
の
森
(
もり
)
にはたくさんの
老木
(
らうぼく
)
がありました。
大方
(
おほかた
)
それは
松
(
まつ
)
でした。
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
の
高
(
たか
)
みからあたりを
睨望
(
みをろ
)
して、そしていつも
何
(
なん
)
とかかとか
口喧
(
くちやかま
)
しく
言
(
い
)
つてゐました。
暑
(
あつ
)
ければ、
暑
(
あつ
)
い。
寒
(
さむ
)
ければ、また
寒
(
さむ
)
いと。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「ああ、あれがもう
鳴
(
な
)
き
出
(
だ
)
したな。あれをきくと
暑
(
あつ
)
くなるて。」
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
かういふ
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
には、えて
氣
(
き
)
ちがひめいた
血
(
ち
)
が
騷
(
さわ
)
ぐものぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
暑
常用漢字
小3
部首:⽇
12画
“暑”を含む語句
寒暑
暑気
避暑
暑熱
暑寒
残暑
蒸暑
極暑
大暑
暑中
炎暑
避暑客
暑中休暇
暑中伺
殘暑
暑苦
薄暑
暑過
秋暑
避暑地
...