人達ひとたち)” の例文
宮城の人達ひとたちは天皇陛下や、皇后陛下や、皇太子、皇子、皇女殿下などを、それ/″\、危くない場所におつれ申すことになりました。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
あのしろ着物きものに、しろ鉢巻はちまきをした山登やまのぼりの人達ひとたちが、こしにさげたりんをちりん/\らしながら多勢おほぜいそろつてとほるのは、いさましいものでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かたぽうでもいけなけりゃ、せめて半分はんぶんだけでもげてやったら、とおりがかりの人達ひとたちが、どんなによろこぶかれたもんじゃねえんで。……
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
現代いまのよ人達ひとたちから頭脳あたまふるいとおもわれるかぞんじませぬが、ふるいにも、あたらしいにも、それがその時代じだいおんなみちだったのでございます。
なんためわたしだの、そらここにいるこの不幸ふこう人達ひとたちばかりがあだか献祭けんさい山羊やぎごとくに、しゅうためにここにれられていねばならんのか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
またかや此頃このごろをりふしのお宿とまり、水曜會すゐようくわいのお人達ひとたちや、倶樂部ぐらぶのお仲間なかまにいたづらな御方おかたおほければれにかれておのづと身持みもちわるたま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたし数人すうにん男女だんじよのR国人こくじん紹介せうかいされて、それらの人達ひとたち力強ちからつよと一/\握手あくしゆをした。しかしたれたれだかおぼえてもゐられなかつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
はしうへかはうへにぎはひを人達ひとたち仲見世なかみせ映画街えいぐわがいにもおとらぬ混雑こんざつ欄干らんかんにもたれてゐる人達ひとたちたがひかたあはすばかり。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
『——でもわたしそのくになんといふくにだかその人達ひとたちいてやりたいわ。ねえ阿母おかアさん、ニューズィーランドでせう、それともオーストレリア?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それはそれはみんながおとなしいおとなしいただだまつて一生懸命に働く人達ひとたちばかりになつたので国中がだん/\金持になりました。
蚊帳の釣手 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
四辺あたりが静かになった。女は側で寝ている。合奏はとっくに済んでいる。公園から後れて帰る人達ひとたちが、声高に話しながら窓の下を通っている。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
勿論もちろん個個ここあそたのしんでゐた人達ひとたちほかにもあつたらうが、すくなくとも麻雀戲マアジヤンぎ世間的せけんてきらせたのはどうもあすこだつたやうにおもはれる。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そこで工芸こうげい学校の先生は、町の紫紺染研究会しこんぞめけんきゅうかい人達ひとたち相談そうだんして、九月六日の午后ごご六時から、内丸西洋軒うちまるせいようけんで山男の招待会しょうたいかいをすることにきめました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
多少たせう私達に好意かういを持つてくれる人達ひとたちは、に/\氣遣きづかひの眼をもつて私達にのぞみました。それは私達の眞意しんいなかつたからなのでした。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
ところで藝者げいしやは、娼妓をやまは?……をやま、尾山をやままをすは、金澤かなざは古稱こしようにして、在方ざいかた鄰國りんごく人達ひとたちいま城下じやうかづることを、尾山をやまにゆくとまをすことなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……(下人に)やい、そちはヹローナぢゅう駈𢌞かけまはって(書附を渡し)こゝ名前なまへいてある人達ひとたち見附みつけて、今宵こよひわがやしきねんごろ御入來ごじゅらいをおまうすとへ。
またこれらのはかからたくさん漆器しつきさかづきぼんはこなどがましたが、その漆器しつきには、これをつくつたとき年號ねんごうつくつた人達ひとたちこまかくりつけてあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
十分な事を書くわけには行かんのでありますから、当時たうじ往来わうらいしてつた人達ひとたち問合とひあはせて、各方面かくはうめんから事実をげなければ、沿革えんかくふべき者を書く事は出来できません
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
坂井さかゐ主人しゆじん在宅ざいたくではあつたけれども、食事中しよくじちゆうだとふので、しばらくたせられた。宗助そうすけくやいなや、となりへやちひさい夜具やぐした人達ひとたちさわこゑみゝにした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ごんごろがねをおろすのは、庭師にわしやすさんが、おおきい庭石にわいしうごかすときに使つか丸太まるた滑車せみ使つかってやった。わか人達ひとたち手伝てつだった。れないことだからだいぶん時間じかんがかかった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
酒手さかてためには、うたがうべき土器どきさへからつてさうな人達ひとたちである。
付てるに若い人達ひとたちと云ふものは仕方がない後先の勘辨かんべんもなくこまりしものなりと申けるに下男の彌助やすけも氣の毒面どくがほやうさ惡い奴に引罹ひきかゝりましたが夫ならとて知らせるわけには參らず實に氣の毒な事で御座ると申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
優秀ゆうしゆう人達ひとたちであつたこともかぞへなければならぬ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ハイ、御覽ごらんとほり、むらではおほきな建物たてものです。しかしこのおてら村中むらぢう人達ひとたちめにあるのです。わたしはこゝに御奉公ごほうこうしてるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
良人おっととの再会さいかい模様もよう物語ものがたりましたついでに、おなころわたくしがこちらで面会めんかいげた二三の人達ひとたちのおはなしをつづけることにいたしましょう。
兎角とかく男は不愉快らしく、人家の壁に沿うて歩いていて、面白げに往来ゆききする人達ひとたちに触れないようにしているので、猶更なおさら押し隔てられやすいのである。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
飴売あめうり土平どへい道化どうけ身振みぶりに、われをわすれて見入みいっていた人達ひとたちは、っていたような「おせんがた」というこえくと、一せいくびひがしけた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
下人 こゝに名前なまへいてある人達ひとたち見附みつけい! えゝと、靴屋くつやものさしかせげか、裁縫師したてや足型あしかたかせげ、漁夫れふしふでかせげ、畫工ゑかきあみかせげといてあるわい。
こちらはその大きな西瓜をうゑた人達ひとたちです。その人達は奈良ならの大仏を二つも合した程の巨人おほびとでありました。
漁師の冒険 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
村の人達ひとたちは、もう和尚様は、京都の町で電車か自動車かにかれて、死んでしまつたものだと思ひました。
愚助大和尚 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
をんなと、ばくちと、阿片あへんと、支那人しなじんの一しやうはその三つの享樂きやうらく達成たつせいさゝげられる——などとふと、近頃ちかごろわかあたらしい中華民國ちうくわみんこく人達ひとたちからしかられるかもれないが
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
白粉おしろいつけて衣類きものきてまよふてひとれかれなしにまるめるが人達ひとたち商買しやうばい、あゝれが貧乏びんぼうつたからかまいつけてれぬなとおもへばなんことなくすみましよう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
暫く滞在してゐた大阪の人達ひとたちと、強ひてたもとを分つて、お寺から直ぐに梅田へ向つたのであつた。
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
なかにも有名ゆうめいなのは、いまから百年ひやくねんばかりまへに、近江あふみ木内石亭きのうちせきていといふひとで、これらの人達ひとたちおほあつめてゐるあひだに、これは天狗てんぐ使つかつたものだとか神樣かみさまのものとかではなくて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
う云ふ意味があるのか、ちつとも知らなかつた。それで君が発起人だと云ふんだが、くわいをやる時、君の名前で通知をして、さう云ふえら人達ひとたちがみんなつてるのかな」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
貴方あなた例證れいしようきなすつたストア哲學者等てつがくしやら立派りつぱ人達ひとたちです。しかしながら彼等かれら學説がくせつすでに二千年以前ねんいぜんすたれてしまひました、もう一すゝまんのです、これからさきまた進歩しんぽすることい。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ごんごろがねができたのは、わたしのお祖父じいさんのわかかったじぶんで、わたしもまだまれていなかったむかしのことだが、そのころむら人達ひとたちはみなおかねというものをすこししかっていなかったので
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
やまなつらしくなると、すゞおときこえるやうにります。御嶽山おんたけさんのぼらうとする人達ひとたち幾組いくくみとなく父さんのおうちまへとほるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
えんもゆかりもないいま人達ひとたちには、さして興味きょうみもあるまいとおもいますが、私自身わたくしじしんには、なかなかわすれられない事柄ことがらだったのでございます。
不運ふうん人達ひとたちておりゃる地盤グラウンドだけはえるが、この不運ふうんほん原因グラウンドは、ようしらべてぬうちはわからぬわい。
けれど、實際じつさいはそれこそ麻雀マージヤン人達ひとたち魅惑みわくする面白おもしろさなので、だれしもすこしそれにしたしんでくるといつとなくそのそのとき縁起えんぎまでかつぐやうになるのも愉快ゆくわいである。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
きちちゃん。おかみさんや、ほかの人達ひとたちにおねがいして、あたしがたった一人ひとり、おまえ枕許まくらもとのこしてもらったのは、十年前ねんまえの、飯事遊ままごとあそびが、わすれられないからでござんす。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
和尚様は村の人達ひとたちに、お寺を改築するやうにと、何度も何度も、お話いたしましたが、村の人達は、お金のいる事は御免だと言つて、和尚様の言ふ事を聞入れませんでした。
愚助大和尚 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
けれども無慾むよくで慈悲心の深い人達ひとたちですから、さうして取つた黄金きんも隣近所の貧乏人なんかに多くは恵みますから、人は皆この二人の年寄をめないものはありませんでした。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「とにかくあの人達ひとたち仕方しかたかしこかつた。」かれ時々とき/″\おもつた。大久保おほくぼのやうな稚気ちきおほ狂人きちがひ相手取あいてどることに、なん意味いみのあらうはずもなかつた。(大正14年7月「婦人の国」)
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
この一册いつさつほんによつてわか人達ひとたち考古學こうこがく大體だいたいのおはなしをすることにいたしました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
したがつてやかましくもあらう六づかしくもあろうそれ機嫌きげんやうにとゝのへてくがつまやく表面うわべにはえねど世間せけん奧樣おくさまといふ人達ひとたちいづれも面白おもしろくをかしきなかばかりはるまじ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貴方あなた例証れいしょうきなすったストア哲学者等てつがくしゃら立派りっぱ人達ひとたちです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
村の人達ひとたちは、みんふもとまでけつけて来ましたが、何様何千年もおのを入れた事のない大きな森の大木が燃え出したのですから、見る/\うちに、山一面が火の海になりました。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
変なこともあるものだと、うち人達ひとたちを呼んで、捜してみても神主さんの姿はどこへ行つたか見えません。衣物や袴をといてみますと、そのあとには水が沢山たまつてをりました。
蛇いちご (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)