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こ
ふりがな文庫
“
込
(
こ
)” の例文
四国
(
しこく
)
の
島
(
しま
)
へ
渡
(
わた
)
って、
海
(
うみ
)
ばたの
村
(
むら
)
を
托鉢
(
たくはつ
)
して
歩
(
ある
)
いているうちに、ある日いつどこで
道
(
みち
)
を
間違
(
まちが
)
えたか、山の中へ
迷
(
まよ
)
い
込
(
こ
)
んでしまいました。
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
流
(
なが
)
されるのは、たしかにやせたひばりの
子供
(
こども
)
です。ホモイはいきなり水の中に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで、前あしでしっかりそれをつかまえました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
外
(
そと
)
で、たこのうなり
声
(
ごえ
)
がする。
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けると、あかるく
日
(
ひ
)
が
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
む。
絹糸
(
きぬいと
)
よりも
細
(
ほそ
)
いくもの
糸
(
いと
)
が、へやの
中
(
なか
)
にかかって
光
(
ひか
)
っている。
ある少年の正月の日記
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
番
(
ばん
)
ごと
喧嘩
(
けんくわ
)
をして
遣
(
や
)
り
込
(
こ
)
めてやるのだが
隨分
(
ずゐぶん
)
おもしろいよと
話
(
はな
)
しながら、
鐵網
(
かなあみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
餅
(
もち
)
をのせて、おゝ
熱々
(
あつ/\
)
と
指先
(
ゆびさき
)
を
吹
(
ふ
)
いてかゝりぬ。
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、
息切
(
いきぎ
)
れのする
瞼
(
まぶた
)
が
颯
(
さつ
)
と、
氣
(
き
)
を
込
(
こ
)
めた
手
(
て
)
に
力
(
ちから
)
が
入
(
はひ
)
つて、
鸚鵡
(
あうむ
)
の
胸
(
むね
)
を
壓
(
お
)
したと
思
(
おも
)
ふ、
嘴
(
くちばし
)
を
踠
(
もが
)
いて
開
(
あ
)
けて、カツキと
噛
(
か
)
んだ
小指
(
こゆび
)
の
一節
(
ひとふし
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
と山袴に蔓巻の刀を
打
(
ぶ
)
ッ
込
(
こ
)
んだ、八、九人の荒くれ男が、五ツ抱えもある杉の大樹を取り巻いてさっきから二度も三度も叫んでいた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
肩
(
かた
)
を
掴
(
つか
)
んで、ぐいと
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
った。その
手
(
て
)
で、
顔
(
かお
)
を
逆
(
さか
)
さに
撫
(
な
)
でた八五
郎
(
ろう
)
は、もう一
度
(
ど
)
帯
(
おび
)
を
把
(
と
)
って、
藤吉
(
とうきち
)
を
枝折戸
(
しおりど
)
の
内
(
うち
)
へ
引
(
ひ
)
きずり
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その時、そこのプラットホオムに四十五六の
紳士
(
しんし
)
がいて、僕のいる車室へ乗り
込
(
こ
)
んで来た。その後から
赤帽
(
あかぼう
)
が大きなかばんを持ち込む。
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「ふん、
坊主
(
ばうず
)
か」と
云
(
い
)
つて
閭
(
りよ
)
は
暫
(
しばら
)
く
考
(
かんが
)
へたが、「
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
逢
(
あ
)
つて
見
(
み
)
るから、こゝへ
通
(
とほ
)
せ」と
言
(
い
)
ひ
附
(
つ
)
けた。そして
女房
(
にようばう
)
を
奧
(
おく
)
へ
引
(
ひ
)
つ
込
(
こ
)
ませた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そういいながら、その若い男は、ぼくを穴の中へ
挿
(
さ
)
し
込
(
こ
)
んだ。私はこの意外な出来事に、夢かとばかり
愕
(
おどろ
)
き、そして胸を躍らせた。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
苦情
(
くじよう
)
を
持
(
も
)
ち
込
(
こ
)
みましたので、まやかしものといふことがわかつて、これも
忽
(
たちま
)
ち
突
(
つ
)
っ
返
(
かへ
)
され、
皇子
(
みこ
)
は
大恥
(
おほはぢ
)
をかいて
引
(
ひ
)
きさがりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
すなおでまじめで
同情心
(
どうじょうしん
)
の深い新吉は、やがてこういう人たちに見
込
(
こ
)
まれて、
幸福
(
こうふく
)
な生活をするようになったにちがいありません。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
自分
(
じぶん
)
の
蒲團
(
ふとん
)
の
側
(
そば
)
まで
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
む
日
(
ひ
)
に
誘
(
さそ
)
ひ
出
(
だ
)
されたやうに、
雨戸
(
あまど
)
の
閾際
(
しきゐぎは
)
まで
出
(
で
)
て
與吉
(
よきち
)
を
抱
(
だ
)
いては
倒
(
たふ
)
して
見
(
み
)
たり、
擽
(
くすぐ
)
つて
見
(
み
)
たりして
騷
(
さわ
)
がした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
世界大地震
(
せかいだいぢしん
)
の
記事
(
きじ
)
に
於
(
おい
)
て、
人畜
(
じんちく
)
を
吸
(
す
)
ひ
込
(
こ
)
むほどの
地割
(
ぢわ
)
れの
開閉現象
(
かいへいげんしよう
)
が
起
(
おこ
)
つたのは、
著者
(
ちよしや
)
の
鋭意
(
えいい
)
調
(
しら
)
べた
結果
(
けつか
)
、
以上
(
いじよう
)
の
三回
(
さんかい
)
のみである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
これが石油を
襤褸
(
ぼろ
)
に
浸
(
し
)
み
込
(
こ
)
まして、火を着けて、下から
放
(
ほう
)
り
抛
(
な
)
げたところですと、市川君はわざわざ
崩
(
くず
)
れた
土饅頭
(
どまんじゅう
)
の上まで降りて来た。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
うっかりしたら、お
守役
(
もりやく
)
の
私
(
わたくし
)
までが、あの
昂奮
(
こうふん
)
の
渦
(
うず
)
の
中
(
なか
)
に
引
(
ひ
)
き
込
(
こ
)
まれて、
徒
(
いたず
)
らに
泣
(
な
)
いたり、
怨
(
うら
)
んだりすることになったかも
知
(
し
)
れませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あゝ、
之
(
これ
)
が
一生
(
いつしやう
)
の
別
(
わか
)
れとなるかも
分
(
わか
)
らぬ。
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
も、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も、
默
(
だま
)
つて
吾等
(
われら
)
兩人
(
りやうにん
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
め、
力
(
ちから
)
を
込
(
こ
)
めて
吾等
(
われら
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
すると大井子は夜にまぎれて表のひろさ六、七尺もある大石を、水口によこさまに置いて、水を自分の田に流れ
込
(
こ
)
むようにした。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
これがこれから咲き乱れて、いいにおいをさせて、それからそれが散るころ、やっと
避暑客
(
ひしょきゃく
)
たちが入り
込
(
こ
)
んでくることでしょう。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そしてそれが
水上
(
すいじょう
)
を
渡
(
わた
)
って
向
(
むこ
)
うへ
消
(
き
)
えたと
思
(
おも
)
うと、
幾匹
(
いくひき
)
かの
猟犬
(
りょうけん
)
が
水草
(
みずくさ
)
の中に
跳
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで
来
(
き
)
て、
草
(
くさ
)
を
踏
(
ふ
)
み
折
(
お
)
り
踏
(
ふ
)
み
折
(
お
)
り
進
(
すす
)
んで
行
(
い
)
きました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
霜
(
しも
)
に焼けたつつじの
植
(
う
)
え
込
(
こ
)
みが
幾重
(
いくえ
)
にも波形に重なって、向こうの
赤松
(
あかまつ
)
の森につづいている。空は青々と
澄
(
す
)
んでおり、風もない。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
太
(
ふと
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
には
必
(
かなら
)
ず
一方
(
いつぱう
)
に
節
(
ふし
)
のあるのが
要
(
い
)
ります。それが
出來
(
でき
)
ましたら、
細
(
ほそ
)
い
方
(
はう
)
の
麥藁
(
むぎわら
)
を
太
(
ふと
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
の
裂
(
さ
)
けたところへ
差
(
さ
)
し
込
(
こ
)
むやうになさい。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これはたいてい
赤貝
(
あかがひ
)
の
類
(
るい
)
の
貝殼
(
かひがら
)
を
刳
(
ゑぐ
)
り
拔
(
ぬ
)
き、その
周圍
(
しゆうい
)
ばかりを
殘
(
のこ
)
して
前腕
(
まへうで
)
にはめ
込
(
こ
)
むでのでありまして、
石器時代
(
せつきじだい
)
の
墓場
(
はかば
)
から
出
(
で
)
る
人骨
(
じんこつ
)
に
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
早々
(
そうそう
)
蚊帳
(
かや
)
に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
むと、
夜半
(
よなか
)
に雨が降り出して、
頭
(
あたま
)
の上に
漏
(
も
)
って来るので、
遽
(
あわ
)
てゝ
床
(
とこ
)
を
移
(
うつ
)
すなど、わびしい旅の第一夜であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
新秋
(
しんしう
)
の
氣
(
き
)
もちいゝ
風
(
かぜ
)
が
簾
(
すだれ
)
を
透
(
とほ
)
して
吹
(
ふ
)
く、それが
呼吸氣管
(
こきうきくわん
)
に
吸
(
す
)
ひ
込
(
こ
)
まれて、
酸素
(
さんそ
)
が
血
(
ち
)
になり、
動脈
(
どうみやく
)
が
調子
(
てうし
)
よく
搏
(
う
)
つ………その
氣
(
き
)
が
味
(
あぢ
)
はへない。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
先
(
ま
)
づ
検疫船
(
けんえきせん
)
が
来
(
き
)
て
検疫医
(
けんえきい
)
が
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
む。一
等
(
とう
)
船客
(
せんかく
)
一
同
(
どう
)
大食堂
(
だいしよくだう
)
に
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
められて、
事務長
(
じむちやう
)
が
変
(
へん
)
な
所
(
ところ
)
にアクセントをつけて
船客
(
せんかく
)
の
名
(
な
)
を
読
(
よ
)
み
上
(
あ
)
げる。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
地方によって多少作り方も違い、タチツケ、あるいは略してタッケ、猿袴、
踏
(
ふ
)
ん
込
(
こ
)
みなどともいい、庄内辺ではマタシャリとも言うそうな。
春雪の出羽路の三日
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
蠅
(
はえ
)
がばいきんをまきちらす、そうしてわれわれは知らずに、年中少しずつそれらのばいきんを
吸
(
す
)
い
込
(
こ
)
みのみ
込
(
こ
)
んでいるために
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
よく
徹
(
とお
)
る、しかし意地の悪くない高笑いに追われながら、
一目散
(
いちもくさん
)
に自分の部屋へ
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
んで、ベッドにころがり込むと、両手で顔を
隠
(
かく
)
した。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
濡
(
ぬ
)
れた道を遠泳会の一行は
葛西川
(
かさいがわ
)
の
袂
(
たもと
)
まで歩いた。そこから放水路の水へ
滑
(
すべ
)
り
込
(
こ
)
んで、舟に
護
(
まも
)
られながら海へ下って行くのだ。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
流石
(
さすが
)
に、
無暗
(
むやみ
)
に
踏
(
ふ
)
ん
込
(
こ
)
む訳にも行かぬので、一同玄関の土間にためらっていると、奥の方から、幽かに誰かの泣きじゃくる声が漏れて来た。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
やゝおもしろさにつり
込
(
こ
)
まれて、
下品
(
げひん
)
な
歌
(
うた
)
もないでもありません。けれども、
歌
(
うた
)
よみとしては
勝
(
すぐ
)
れた
人
(
ひと
)
といふことが
出來
(
でき
)
ます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
皆
(
みん
)
なが
呼
(
よ
)
び
戻
(
もど
)
すだらうと
思
(
おも
)
つて、
愛
(
あい
)
ちやんが
後
(
あと
)
を
振
(
ふ
)
り
返
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
ると、
驚
(
おとろ
)
くまいことか、
皆
(
みん
)
なで
急須
(
きふす
)
の
中
(
なか
)
へ
福鼠
(
ふくねずみ
)
を
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
まうとして
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
飛衛は新入の門人に、まず
瞬
(
またた
)
きせざることを学べと命じた。紀昌は家に帰り、妻の
機織台
(
はたおりだい
)
の下に
潜
(
もぐ
)
り
込
(
こ
)
んで、そこに
仰向
(
あおむ
)
けにひっくり返った。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
地下足袋のうらには、じごくのようながじがじした、いやらしい
蛇腹文様
(
じゃばらもよう
)
があって、土にくい
込
(
こ
)
み、土を一どきにきざんでしまうからである。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
『
戲談
(
じようだん
)
を
言
(
い
)
つては
困
(
こま
)
ります。だから
新聞記者
(
しんぶんきしや
)
は
人
(
ひと
)
が
惡
(
わる
)
い。
人
(
ひと
)
が
眞面目
(
まじめ
)
で
聞
(
き
)
くのに。』と
高商紳士
(
かうしやうしんし
)
は
短
(
みじか
)
くなつたシガーをストーブに
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
んだ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
食膳に
上
(
のぼ
)
せた海老の赤い殻を、藪の中に
抛
(
ほう
)
り
込
(
こ
)
んだ。湿っぽい、薄暗いようなあたりの空気に対して、赤い海老の殻が
鮮
(
あざやか
)
に眼に映るのである。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
呑
(
の
)
み
込
(
こ
)
んでいたので彼でなければ到底気に入るようには行かなかった佐助はむしろこの意味において春琴に取り欠くべからざる存在であった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼の人が来れば仕事の有る時は、一人
放
(
ほう
)
って置いて仕事をし、暇な時は寄っかかりっこをしながら
他愛
(
たあい
)
もない事を云って一日位座り
込
(
こ
)
んで居る。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
けれどもその
時
(
とき
)
聞
(
き
)
いた
歌
(
うた
)
が、
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
まで
泌
(
し
)
み
込
(
こ
)
んで
居
(
い
)
たので、それからは、
毎日
(
まいにち
)
、
歌
(
うた
)
をききに、
森
(
もり
)
へ
出
(
で
)
かけて
行
(
ゆ
)
きました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
毎日触れる器具であるから、それは実際に
堪
(
た
)
えねばならない。弱きもの華やかなもの、
込
(
こ
)
み入りしもの、それらの性質はここに許されていない。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
お代は腹立たしさに
躍
(
おど
)
り
込
(
こ
)
んで大原にしがみ付かんと思いしが
外
(
ほか
)
に立派なる老人の客あり、若き娘もその席に見ゆるとて心に幾分か
憚
(
はばか
)
る処あり。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
生垣の隅は幾らふさいでも必ずいつのまにか穴になる。百度狙ううちには一度ぐらいは台所のものを
銜
(
くわ
)
え
込
(
こ
)
むことができると思っているのだろう。
黒猫
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
野兎
(
のうさぎ
)
は
※麻
(
いちび
)
の茂みの中で、昼に
狙
(
ねら
)
われた
青鷹
(
あおたか
)
の夢を見た。そうして、
飛
(
と
)
び
跳
(
は
)
ねると※麻の幹に突きあたりながら、
零余子
(
むかご
)
の
葉叢
(
はむら
)
の中に
馳
(
か
)
け
込
(
こ
)
んだ。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「あの坊主は、氣のふれた
鼬
(
いたち
)
みたいに、何處の穴へでももぐり
込
(
こ
)
むんだから、人相書を持つても搜しやうはありません」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女は自らそれを告白して、良人の気性をすっかり
呑
(
の
)
み
込
(
こ
)
むようになるまでは、一通りでない努力をしたと言ってる。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そしてそこへ
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
んでしまふんです。
神樣
(
かみさま
)
、どうしてこんなに
嚥
(
の
)
みたいんでせう。どうかして
此
(
こ
)
の
呑
(
の
)
みたい
酒
(
さけ
)
をやめることは
出來
(
でき
)
ないもんでせうか
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
欺
(
だま
)
される人は、
招牌
(
かんばん
)
見ないで店に飛び
込
(
こ
)
むようなもので、商品が違っていたら、それは自分が悪かったのであります。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
あの大きな
甲羅
(
こうら
)
を持っている亀のことであるから、素早く逃げることが出来ず、自分の重みでころころと水の中へ
倒
(
こ
)
け
込
(
こ
)
んでしまったというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
岡町
(
をかまち
)
で
中食
(
ちうじき
)
をして、
三國
(
みくに
)
から
十三
(
じふそ
)
の
渡
(
わた
)
しに
差
(
さ
)
しかゝつた
時
(
とき
)
は、もう
七
(
なゝ
)
つ
頃
(
ごろ
)
であつた。
渡船
(
とせん
)
が
込
(
こ
)
み
合
(
あ
)
つてゐるので、
玄竹
(
げんちく
)
は
路
(
みち
)
の
片脇
(
かたわき
)
へ
寄
(
よ
)
つて、
待
(
ま
)
つてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“込”を含む語句
突込
引込
入込
植込
投込
踏込
仕込
呼込
打込
急込
飛込
駈込
押込
申込
込入
抱込
綴込
乘込
喰込
跳込
...