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往來
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わうらい
ふりがな文庫
“
往來
(
わうらい
)” の例文
新字:
往来
記録
(
きろく
)
は
愼
(
つゝし
)
まなければ
成
(
な
)
らない。——
此
(
こ
)
のあたりで、
白刃
(
しらは
)
の
往來
(
わうらい
)
するを
見
(
み
)
たは
事實
(
じじつ
)
である。……けれども、
敵
(
かたき
)
は
唯
(
たゞ
)
、
宵闇
(
よひやみ
)
の
暗
(
くら
)
さであつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
諸君
(
しよくん
)
も
御經驗
(
ごけいけん
)
であらうが
此樣
(
こん
)
な
時
(
とき
)
にはとても
眠
(
ねむ
)
られるものではない、
氣
(
き
)
を
焦
(
いらだ
)
てば
焦
(
いらだ
)
つ
程
(
ほど
)
眼
(
まなこ
)
は
冴
(
さ
)
えて
胸
(
むね
)
にはさま/″\の
妄想
(
もうざう
)
が
往來
(
わうらい
)
する。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
取建四方の
道筋
(
みちすぢ
)
へは與力同心等晝夜出役して
往來
(
わうらい
)
の旅人
馬
(
うま
)
駕籠
(
かご
)
は
乘打
(
のりうち
)
を禁じ
頭巾
(
づきん
)
頬冠
(
ほゝかぶ
)
りをも制し嚴重に警固せり天一坊方にては此樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
無論
(
むろん
)
蓋
(
ふた
)
はして
有
(
あ
)
るが
往來
(
わうらい
)
へ
飛出
(
とびだ
)
されても
難儀
(
なんぎ
)
至極
(
しごく
)
なり、
夫等
(
それら
)
を
思
(
おも
)
ふと
入院
(
にふゐん
)
させやうとも
思
(
おも
)
ふが
何
(
なに
)
かふびんらしくて
心
(
こゝろ
)
一
(
ひと
)
つには
定
(
さだ
)
めかねるて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一日
僕
(
ぼく
)
を
從
(
したが
)
へて
往來
(
わうらい
)
を
歩
(
ある
)
いて居ると
忽
(
たちま
)
ち
向
(
むかふ
)
から二人の男、
額
(
ひたひ
)
から
汗
(
あせ
)
を
水
(
みづ
)
の如く
流
(
なが
)
し、
空中
(
くうちゆう
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
りして
走
(
はし
)
りながら
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
さうかといつて
其
(
そ
)
れ
等
(
ら
)
の
肥料
(
ひれう
)
なしには
到底
(
たうてい
)
一
般
(
ぱん
)
に
定
(
さだ
)
められてある
小作料
(
こさくれう
)
を
支拂
(
しはら
)
ふ
丈
(
だけ
)
の
收穫
(
しうくわく
)
は
得
(
え
)
られないので
慘憺
(
さんたん
)
たる
工夫
(
くふう
)
が
彼等
(
かれら
)
の
心
(
こゝろ
)
を
往來
(
わうらい
)
する。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
既に
交通
(
こうつう
)
の
途
(
みち
)
開
(
ひら
)
け居たりとすれば、異部落相互の間にも
往來
(
わうらい
)
有
(
あ
)
りしと考ふるを得べし。此事の
確証
(
かくせう
)
は
遺物中
(
ゐぶつちう
)
より發見さるるなり。一例を擧げんか。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
カピ妻
往來
(
わうらい
)
の
人々
(
ひと/″\
)
は、
或
(
ある
)
ひはロミオと
呼
(
よ
)
び、
或
(
ある
)
ひはヂュリエット、
或
(
ある
)
ひはパリスと
呼
(
よ
)
びかはして、
聲々
(
こゑ/″\
)
に
叫
(
わめ
)
き
立
(
た
)
て、
吾屋
(
わがや
)
の
廟屋
(
たまや
)
へと
急
(
いそ
)
ぎまする。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
參詣
(
さんけい
)
の
老若男女
(
らうにやくなんによ
)
は、ぞろ/\と、
織
(
お
)
るやうに
松並木
(
まつなみき
)
の
路
(
みち
)
を
往來
(
わうらい
)
して、
袋
(
ふくろ
)
に
入
(
はひ
)
つた
飴
(
あめ
)
や、
紙
(
かみ
)
で
拵
(
こしら
)
へた
旗
(
はた
)
のやうなものが、
子供
(
こども
)
の
手
(
て
)
にも
大人
(
おとな
)
の
手
(
て
)
にもあつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
『二
列
(
れつ
)
さ!』と
海龜
(
うみがめ
)
は
叫
(
さけ
)
んで、『
多
(
おほ
)
くの
海豹
(
あざらし
)
や、
海龜
(
うみがめ
)
なぞが、それから
往來
(
わうらい
)
の
邪魔
(
じやま
)
になる
海月
(
くらげ
)
を
追
(
お
)
ッ
拂
(
ぱら
)
ふ——』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『はア
今
(
いま
)
の
先
(
さ
)
き、
二人連
(
ふたりづれ
)
で、
何
(
な
)
んだか
知
(
し
)
んねえが、
金槌
(
かなづち
)
を
持
(
も
)
つて、
往來
(
わうらい
)
を
擲
(
たゝ
)
きながら
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
たツけ』
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其側
(
そのそば
)
を
小使
(
こづかひ
)
や、
看護婦
(
かんごふ
)
が
靴
(
くつ
)
で
煉瓦
(
れんぐわ
)
の
床
(
ゆか
)
を
音高
(
おとたか
)
く
踏鳴
(
ふみなら
)
して
往來
(
わうらい
)
し、
病院服
(
びやうゐんふく
)
を
着
(
き
)
てゐる
瘠
(
や
)
せた
患者等
(
くわんじやら
)
が
通
(
とほ
)
つたり、
死人
(
しにん
)
も
舁
(
かつ
)
ぎ
出
(
だ
)
す、
不潔物
(
ふけつぶつ
)
を
入
(
い
)
れた
器
(
うつは
)
をも
持
(
も
)
つて
通
(
とほ
)
る。
子供
(
こども
)
は
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶ、
通風
(
とほりかぜ
)
はする。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
喰
(
く
)
ひ居候が妻も
馬士
(
まご
)
も
行衞
(
ゆくゑ
)
更に知れ申さず候間東西を尋ね廻り
往來
(
わうらい
)
の人々に承はるに今此先へ馬士が女を引立て行たりと申により猶ほ
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なん
)
だつて、
又
(
また
)
……
大病人
(
たいびやうにん
)
を
釣臺
(
つりだい
)
でかゝへて
居
(
ゐ
)
て、
往來
(
わうらい
)
、
喧嘩
(
けんくわ
)
も
出來
(
でき
)
ない
義理
(
ぎり
)
ですから、
睨着
(
にらみつ
)
けて
其
(
そ
)
のまんま
歩行
(
ある
)
いたさうです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ベンヺ こゝは
往來
(
わうらい
)
ぢゃ、どうぞ
閑寂
(
ひそか
)
な
處
(
ところ
)
で
冷靜
(
しづか
)
に
談判
(
だんぱん
)
をするか、さもなくば
別
(
わか
)
れたがよい。
衆人
(
ひと
)
が
見
(
み
)
るわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
勘次
(
かんじ
)
に
導
(
みちび
)
かれておつぎは
仕事
(
しごと
)
が
著
(
いちじ
)
るしく
上手
(
じやうず
)
になつた。おつぎが
畑
(
はたけ
)
へ
往來
(
わうらい
)
する
時
(
とき
)
は
村
(
むら
)
の
女房等
(
にようばうら
)
は
能
(
よ
)
くいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
配下
(
はいか
)
の
與力
(
よりき
)
同心
(
どうしん
)
は
慄
(
ふる
)
へあがるし、
人民
(
じんみん
)
は
皆
(
み
)
な
往來
(
わうらい
)
を
歩
(
ある
)
くにも
小
(
ち
)
ひさくなつて、
足音
(
あしおと
)
さへ
立
(
た
)
てぬやうにした。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
僕
(
ぼく
)
は
溪流
(
けいりう
)
に
沿
(
そ
)
ふて
此
(
この
)
淋
(
さび
)
しい
往來
(
わうらい
)
を
當
(
あて
)
もなく
歩
(
あ
)
るいた。
流
(
ながれ
)
を
下
(
くだ
)
つて
行
(
ゆ
)
くも二三
丁
(
ちやう
)
、
上
(
のぼ
)
れば一
丁
(
ちやう
)
、
其中
(
そのなか
)
にペンキで塗つた
橋
(
はし
)
がある、
其間
(
そのあひだ
)
を、
如何
(
どん
)
な
心地
(
こゝち
)
で
僕
(
ぼく
)
はぶらついたらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(第五回參照)尚ほ精しく云へは、
中央
(
ちうわう
)
に一線の
往來
(
わうらい
)
有りて、其兩側に或は一戸宛
向
(
むか
)
ひ合ひ、或は向ひ合ひたる住居の後方にも亦一二戸の住居存在せしか如き有樣に、竪穴散在す。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
金槌
(
かなづち
)
で
往來
(
わうらい
)
を
擲
(
たゝ
)
くとは
奇拔
(
きばつ
)
である。
大笑
(
おほわら
)
ひをして、
自轉車隊
(
じてんしやたい
)
は
寺
(
てら
)
に
入
(
はい
)
つた。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
昨日
(
きのふ
)
も
川田
(
かはだ
)
やが
店
(
みせ
)
でおちやつぴいのお六めと
惡戲
(
ふざけ
)
まわして、
見
(
み
)
たくもない
往來
(
わうらい
)
へまで
擔
(
かつ
)
ぎ
出
(
だ
)
して
打
(
う
)
ちつ
打
(
う
)
たれつ、あんな
浮
(
う
)
いた
了簡
(
りようけん
)
で
末
(
すゑ
)
が
遂
(
と
)
げられやうか、まあ
幾歳
(
いくつ
)
だとおもふ三十は
一昨年
(
おとゝし
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
晝
(
ひる
)
には
室内
(
しつない
)
を
窓
(
まど
)
から
窓
(
まど
)
に
往來
(
わうらい
)
し、
或
(
あるひ
)
はトルコ
風
(
ふう
)
に
寐臺
(
ねだい
)
に
趺
(
あぐら
)
を
坐
(
か
)
いて、
山雀
(
やまがら
)
のやうに
止
(
と
)
め
度
(
ど
)
もなく
囀
(
さへづ
)
り、
小聲
(
こゞゑ
)
で
歌
(
うた
)
ひ、ヒヽヽと
頓興
(
とんきよう
)
に
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
したり
爲
(
し
)
てゐるが、
夜
(
よる
)
に
祈祷
(
きたう
)
をする
時
(
とき
)
でも、
猶且
(
やはり
)
元氣
(
げんき
)
で
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
折々
(
をり/\
)
當番
(
たうばん
)
の
船員
(
せんゐん
)
が
靴音
(
くつおと
)
高
(
たか
)
く
甲板
(
かんぱん
)
に
往來
(
わうらい
)
するのが
聽
(
きこ
)
ゆるのみである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
晴
(
はれ
)
、
曇
(
くもり
)
、
又
(
また
)
月
(
つき
)
となり、
風
(
かぜ
)
となり——
雪
(
ゆき
)
には
途絶
(
とだ
)
える——
此
(
こ
)
の
往來
(
わうらい
)
のなかを、がた/\
俥
(
ぐるま
)
も、
車上
(
しやじやう
)
にして、
悠暢
(
いうちやう
)
と、
花
(
はな
)
を
見
(
み
)
、
鳥
(
とり
)
を
聞
(
き
)
きつゝ
通
(
とほ
)
る。……
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
打
(
うつ
)
のみなり
斯
(
かゝ
)
る處へ引續いて南町奉行大岡越前守殿出馬あり今此車坂下の四ツ辻を
通
(
とほ
)
り
懸
(
かゝ
)
られし處
流石
(
さすが
)
に町奉行の
威權
(
ゐけん
)
あれば町方の者先へ
立
(
たち
)
往來
(
わうらい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうすると
百姓
(
ひやくしやう
)
は
田
(
た
)
のやうにどろ/\と
往來
(
わうらい
)
の
土
(
つち
)
をも
捏
(
こ
)
ねて
馬
(
うま
)
と
共
(
とも
)
に
泥
(
どろ
)
に
塗
(
まみ
)
れながら
田植
(
たうゑ
)
にのみ
屈託
(
くつたく
)
する。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
始終
(
しじう
)
人間
(
にんげん
)
の
作
(
つく
)
つた
都會
(
とくわい
)
の
中
(
なか
)
ばかりを
駕籠
(
かご
)
で
往來
(
わうらい
)
してゐた
玄竹
(
げんちく
)
が、
神
(
かみ
)
の
作
(
つく
)
つた
田舍
(
ゐなか
)
の
氣
(
き
)
を
心
(
こゝろ
)
ゆくまで
吸
(
す
)
つた
時
(
とき
)
は、ほんたうの
人間
(
にんげん
)
といふものがこれであるかと
考
(
かんが
)
へた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
子供中間
(
こどもなかま
)
の
女王樣又
(
によわうさまゝた
)
とあるまじき
惠
(
めぐ
)
みは
大人
(
おとな
)
よりも
利
(
き
)
きが
早
(
はや
)
く、
茶番
(
ちやばん
)
にしよう、
何處
(
どこ
)
のか
店
(
みせ
)
を
借
(
か
)
りて
往來
(
わうらい
)
から
見
(
み
)
えるやうにしてと
一人
(
ひとり
)
が
言
(
い
)
へば、
馬鹿
(
ばか
)
を
言
(
い
)
へ、
夫
(
そ
)
れよりはお
神輿
(
みこし
)
をこしらへてお
呉
(
く
)
れな
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
石
(
いし
)
ばかりごろ/\した
往來
(
わうらい
)
の
淋
(
さび
)
しさ。
僅
(
わづか
)
に十
軒
(
けん
)
ばかりの
温泉宿
(
をんせんやど
)
。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
往來
(
わうらい
)
を
行交
(
ゆきか
)
ふもの、これを
見
(
み
)
て
噴出
(
ふきだ
)
さざるなし。
而
(
そ
)
して、その
事
(
こと
)
を、その
女房
(
かみさん
)
が
語
(
かた
)
る
時
(
とき
)
に
又
(
また
)
曰
(
いは
)
く
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
船蟲
(
ふなむし
)
が
群
(
むら
)
がつて
往來
(
わうらい
)
を
驅
(
か
)
けまはるのも、
工場
(
こうぢやう
)
の
煙突
(
えんとつ
)
の
烟
(
けむり
)
が
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
えるのも、
洲崎
(
すさき
)
へ
通
(
かよ
)
ふ
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
がかたまつて
響
(
ひゞ
)
くのも、
二日
(
ふつか
)
おき
三日
(
みつか
)
置
(
お
)
きに
思出
(
おもひだ
)
したやうに
巡査
(
じゆんさ
)
が
入
(
はひ
)
るのも
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
鯒
(
こち
)
や
黒鯛
(
くろだひ
)
のぴち/\はねる、
夜店
(
よみせ
)
の
立
(
た
)
つ、……
魚市
(
うをいち
)
の
處
(
ところ
)
は?」「あの、
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
の
下
(
した
)
、
黒江町
(
くろえちやう
)
……」と
同伴
(
つれ
)
が
指
(
ゆび
)
さしをする、その
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
が、
下
(
した
)
へ
往來
(
わうらい
)
を
泳
(
およ
)
がせて、すつと
開
(
ひら
)
いて
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
南屋
(
みなみや
)
の
普請
(
ふしん
)
に
懸
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
るので、ちやうど
與吉
(
よきち
)
の
小屋
(
こや
)
と
往來
(
わうらい
)
を
隔
(
へだ
)
てた
眞向
(
まむか
)
うに、
小
(
ちひ
)
さな
普請小屋
(
ふしんごや
)
が、
眞新
(
まあたらし
)
い、
節穴
(
ふしあな
)
だらけな、
薄板
(
うすいた
)
で
建
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
三方
(
さんぱう
)
が
圍
(
かこ
)
つたばかり、
編
(
あ
)
むで
繋
(
つな
)
いだ
繩
(
なは
)
も
見
(
み
)
え
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
況
(
ま
)
して
鳥類
(
てうるゐ
)
は
廣大無邊
(
くわうだいむへん
)
の
天地
(
てんち
)
を
家
(
いへ
)
とし、
山
(
やま
)
を
翔
(
か
)
けり、
海
(
うみ
)
を
横
(
よこ
)
ぎり、
自在
(
じざい
)
に
虚空
(
こくう
)
を
往來
(
わうらい
)
して、
心
(
こゝろ
)
のまゝに
食
(
しよく
)
を
啄
(
は
)
み、
赴
(
おもむ
)
く
處
(
ところ
)
の
塒
(
ねぐら
)
に
宿
(
やど
)
る。さるを
捕
(
とら
)
へて
籠
(
かご
)
に
封
(
ふう
)
じて
出
(
い
)
ださずば、
其
(
その
)
窮屈
(
きうくつ
)
はいかならむ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……なか/\に
稼
(
かせ
)
ぐ
所
(
どころ
)
ではないから、いきつぎに
表
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
て、
近所
(
きんじよ
)
の
方
(
かた
)
に、たゞ
今
(
いま
)
の
禮
(
れい
)
を
立話
(
たちばな
)
しでして
居
(
ゐ
)
ると、
人
(
ひと
)
どよみを
哄
(
どつ
)
とつくつて、ばら/\
往來
(
わうらい
)
がなだれを
打
(
う
)
つ。
小兒
(
こども
)
はさけぶ。
犬
(
いぬ
)
はほえる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
誰方
(
どなた
)
もしばらく。……あゝ、
野山
(
のやま
)
も
越
(
こ
)
え、
川
(
かは
)
も
渡
(
わた
)
り、
劍
(
つるぎ
)
の
下
(
した
)
も
往來
(
わうらい
)
した。が、
生
(
うま
)
れて
以來
(
このかた
)
、
今日
(
けふ
)
と
云
(
い
)
ふ
今日
(
けふ
)
ほど、
人
(
ひと
)
の
情
(
なさけ
)
の
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
みた
事
(
こと
)
は
覺
(
おぼ
)
えません。」と、
聲
(
こゑ
)
が
途絶
(
とだ
)
えて、チリ/\と
鐸
(
りん
)
が
鳴
(
な
)
つた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
往來
(
わうらい
)
の
民
(
たみ
)
、
長
(
なが
)
き
草
(
くさ
)
にて
蓑
(
みの
)
をねんごろに
造
(
つく
)
りて
目馴
(
めな
)
れぬ
姿
(
すがた
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
來
部首:⼈
8画
“往來”で始まる語句
往來傍
往來物
往來皆此路